JPS5830907B2 - 金属管の粉体塗装方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は金属管の粉体塗装方法に関し、鋳鉄管の内面防
食に有用なものである。

硬化性樹脂粉末を用いる粉体塗装、例えば、流動浸漬法
、スプレー法、静電スプレー法においては、塗膜表面の
平滑化、塗膜のナシ地化防止を図るために、粉末にはＡ
ＳＴＭＩ ５０メツシュ以上の可及的に球形の粒子が使
用されている。

従来、この粉末塗料は、ドライ・ブレンド法、溶融ブレ
ンド法等により製造されている。

ドライ・ブレンド法は、固体の硬化性樹脂、例えばエポ
キシ樹脂に流れ調整剤、フィラー、顔料などを溶融混合
してから微粉末としたものに硬化剤粉末を常温で機械的
に乾式混合する方法である。

しかしながら、このドライ・ブレンド法により製造され
た粉末塗料においては、保存中、使用中での樹脂微粉末
と硬化剤粉末との分離が生じ易いといった不利がある。

この分離は樹脂微粉末と硬化剤粉末との比重の差異の他
、樹脂微粉末が、摩擦係数の小さな球状に近い形態であ
ることにも原因があると考えられる。

溶融ブレンド法は、硬化剤と樹脂成分とをエクストルダ
ーにより溶融し、練り込み混合したものを微粉化する方
法であり、上記ドライ、ブレンド法での分離は解消でき
る。

しかしながら、この溶融ブレンド法では、設備特にエク
ストルダーが高価であり、多量生産しないと粉体塗料の
価格が高くなる。

エクストルダーのタイプによっては、融解物質の堆積、
速硬化性配合のときのゲル化が避けられないといった不
利がある。

本発明に係る金属管の粉体塗装方法は、粉体塗料に、上
記した保管、使用中での分離並びに製造上、コスト上の
難点のないものを使用し、金属管の塗装目的である防食
性に秀れた塗装を金属管、特に鋳鉄管内面に施すことが
できる方法である。

すなわち、本発明に係る金層管の粉体塗装方法は、固形
樹脂を硬化剤と共に高速回転の粉砕機に投入してフレー
ク状に剪断粉砕し、この粉砕物に混合機により、顔料、
フィラー等を混合し、更に、この混合物を上記と同様の
粉砕機に投入して剪断粉砕し、かくして得られた粉末で
、金属管を厚さ５０〜３０００ミクロンに粉末塗装する
ことを特徴とする方法である。

本発明においては、固形樹脂が硬化剤と共に高速回転の
粉砕機によって剪断粉砕され、この剪断粉砕により得ら
れる樹脂粒体の形状は、肌の荒いフレーク状である。

従って、硬化剤はこのフレーク状の樹脂粒体によく捕獲
され、上記した樹脂と硬化剤との分離は充分に軽減され
る。

上記粉砕機は、固形樹脂をフレーク状に剪断粉砕できる
ものであればよく、ピンディスク粉砕機、ハンマー粉砕
機を使用できる。

固形樹脂にはエポキシ樹脂が用いられ、硬化剤には芳香
族ポリアミン、ポリカルボン酸無水物、ポリカルボン酸
ヒドラジド、ジシアンアミド、ＢＦ３−アミン錯化合物
、フェノール樹脂、メラミン樹脂等が用いられる。

上記の粉砕により得られた硬化剤分散樹脂粒体には、混
合機により顔料、フィラー等が混合され、この混合物が
上記と同様にして再度、剪断粉砕される。

この剪断粉砕により、樹脂粒体がｉｏｏメツシツ以下に
粉砕され、かつ顔料、フィラー、並びに硬化剤の分散が
促進される。

ピンディスク或いはハンマー等においては、回転速度を
大とする程、発生熱が犬となり、粉末のブロッキングが
惹起されるから、回転速度は、このブロッキングを防止
し得る範囲内で、最大限にされる。

この設定下において、上記の再度粉砕により得られる樹
脂粒体の大きさは、１００メツシユ以下である。

粉砕機には、回転によって外気を吸込むものが、その外
気による冷却で上記のブロッキングの防止が期待される
から、有利である。

本発明においては、粉末塗料の樹脂粒子の大きさが１０
０メツシユ以下と比較的粗いため、塗膜厚さは５０〜３
０００ミクロツと、かなり厚くされる。

上記の説明から明らかなように、本発明によれば、従来
のドライ・ブレンド法における樹脂粉末と硬化剤との分
離を防止できる。

更に、従来の溶融ブレンド法におけるエクストルダーを
必要としないから、粉末塗料製造設備費を低減できる、
粉末塗料のゲル化を防止できるといった利点がある。

従って、本発明によれば、粉末塗料製造時のゲル化が原
因の塗膜の品質低下を充分に防止できる。

更に、本発明においては、粉砕機に、ピンディスク、ハ
ンマーミル等の簡単な構造のものが使用されているから
、その管理、操作も容易である。

次に、本発明の実施例について説明する。

実施例 １ エポキシ樹脂６５部（最大径２０ｍｍ、厚さ２朋のフレ
ーク状、東部化成社製エポトートＹＤ０１４）を粉末硬
化剤、ジシアンジアミド２部と共に、ピンディスク粉砕
機に投入して粉砕し、この粉砕物に、顔料として石英粉
３１．０部、酸化チタン２．０部並びにカーボンブラッ
ク０．０４部を下部駆動垂直撹拌式インパクト形ミキサ
ーを混合し、この混合物を、更に、ピンディスク粉砕機
により粉砕し、１００メツシユ以Ｆの粉体塗料を得た。

この粉体塗料をダクタイル鋳鉄管の外面に、厚さ５０ミ
クロンに静電塗装した。

実施例 ２ 実施例１に対し、粉体塗料を下記の通りの速硬化性組成
とした点以外は実施例１に同じである。

エポキシ樹脂 ６３．５部 （東部化成社製エポトートＹＤ−０１４）速硬化性硬化
剤 ３．５部 （シェル社製エピキア＃１０８） 顔料石英粉 ３１．０部 酸化チタン ２．０部 カーボンブラック ０．０４部 実施例２においても、粉体塗料製造中でのゲル化はみら
れなかった。

比較例 １ 実施例１の塗料組成で、溶融ブレンド法により粉末塗料
を製造し、この粉末塗料をダクタイル鋳鉄管の外面に、
厚さ１００ミクロンに静電塗装した。

比較例 ２ 実施例２の塗料組成で、溶融ブレンド法により粉末塗料
を製造し、この粉末塗料を比較例１と同様に、ダクタイ
ル鋳鉄管に静電塗装した。

上記のようにして得た本発明実施測高、比較測高につい
て、曝露試験、３咎ＨＣｌ浸漬試験、並びに地中埋設試
験を行ったところ、それらの試験結果は次の通りであっ
た。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 固形樹脂を硬化剤と共に高速回転の粉砕機に投入し
   てフレーク状に剪断粉砕し、この粉砕物に混合機により
   、顔料、フィラーを混合し、更に、この混合物を上記と
   同様の粉砕機に投入して剪断粉砕し、かくして得られた
   粉末で、金属管を厚さ５０〜３０００ミクロンに粉末塗
   装することを特徴とする金属管の粉体塗装方法。