JPS5828343Y2 - 静止誘導機器の巻線構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、変圧器やりアクドル等静止誘導機器の巻線
構造に関する。

送電線路の末端に設置される変圧器、リアクトル等の静
止誘導機器には、雷サージ進入時の初期電位分布が急峻
になるのを防止する為、第１図の従来例に示すように静
電遮蔽板が設けられる。

図は変圧器の従来の巻線構造を示したもので、１は鉄心
、２は低圧側巻線、３は高圧側巻線、３ａは高圧側の線
路端コイル枚、４は静電遮蔽板で絶縁体５により被覆さ
れ線路端コイル枚３ａに接続されている。

３ｂは線路端コイル枚３ａの次段コイル枚で、両コイル
枚３ ａ 、３ ｂ間のわたり部近傍を示すと第２図に
示す如くなっている。

図において、６はわたり導体、７は線路端コイル枚３ａ
のわたり後退部で、この部分（第２図Ｂ部）では、静電
遮蔽板４の周辺部がＡ部に比してコイル巻周辺部より半
径方向にほぼコイル１ターン分だけ飛び出した状態とな
っている。

８は電界緩和導体である。この為、誘導耐圧試験時のＢ
部の電位傾度を見ると、第３図すに示す等電位線９から
明らかなように、第３図ａに示すＡ部のそれに比して相
当高くなり、これが静電遮蔽板４のコロナ開始電圧を低
下し、巻線の耐圧特性低下の原因となっていた。

また、静電遮蔽板４の外径を線路端コイル枚３ａの外径
より小さくすると今度は線路端コイル枚３ａの周辺の電
界が高くなるという欠点がある。

この考案は、上記した従来の欠点を除去する為になされ
たもので、静電遮蔽板に、コイル検問わたり後退部に対
応するコイル枚半径方向の欠落段部を形成し、コイル枚
積層方向における静電遮蔽板とこれに隣接対向するコイ
ル枚との両周縁間に段差部が生じないようにすることに
より、静電遮蔽板周縁部の一部に局部的強電界の発生す
るのを防止し巻線の絶縁特性を高めることのできる静止
誘導機器の巻線構造を提供することを目的とする。

以下、この考案の１実施例を図について説明する。

第４図ａは、この考案による巻線の静電遮蔽板の上面を
示したもので、欠落段部１０が隣接するコイル枚の半径
方向に形成されている。

この欠落段部１０は対向する線路端コイル板３ａの前記
わたり後退部７に対応する形状になっており、これによ
り静電遮蔽板４は線路端コイル枚３ａと実質上同一大き
さ、同一形状を有し、線路端コイル枚３ａと同心配置さ
れる。

従って、この構成では、静電遮蔽板４とこれに対向する
線路端コイル枚３ａとの同周縁部には、わたり部近傍に
おいても、第４図すに示す如く、コイル枚積層方向にお
ける段差部がなくなり、この部分の静電遮蔽板周辺部の
等電位線９も他部（第２図Ａ部）のそれと同様となり、
全体として電位傾度が低レベルとなる。

上記は、円板コイルの場合の例であるが、筒状コイル及
び外鉄型変圧器等の矩形板状コイルの場合についても同
様で、夫々の、この考案を実施した場合の例を第５図ａ
、ｂ及び第６図ａ、ｂに示す。

また、静電遮蔽板４が接続されるコイル枚が中性点端コ
イル枚の場合にもこの考案を適用することができる。

以上の如く、この考案によれば、静電遮蔽板とこれに対
向するコイル枚相互のコイル枚積層方向の、わたり後退
部による段差部がなくなるから、この部分近くの静電遮
蔽板周縁部の電界強度も他部なみに低下し、従って巻線
の絶縁特性を従来に比し大巾に高めることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来の変圧器の巻線構造の一部を示す断面図
、第２図は第１図のコイルわたり部を示す斜視図、第３
図ａ及びｂは夫々第２図Ａ部及びＢ部断面図、第４図ａ
はこの考案による巻線の静電遮蔽板の上面図、第４図す
は上記静電遮蔽板を用いた巻線構造の一部を示す断面図
、第５図ａ及びｂは、この考案の他の実施例の巻線構造
の一部を示す断面図及び静電遮蔽板の斜視図、第６図ａ
及びｂはこの考案の他の実施例の巻線構造の一部を示す
断面図及び静電遮蔽板の上面図である。 図において、３ａはコイル枚、４は静電遮蔽板及び１０
は欠落段部である。 なお、図中、同一符号は同−又は相当部分を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 静電遮蔽板に、隣接対向するコイル枚のコイル検問わた
   り後退者に対応する上記コイル枚半径方向の欠落段部を
   形成し、上記静電遮蔽板と上記コイル枚との両周縁間に
   段差部を有しないようにしたことを特徴とする静止誘導
   機器の巻線構造。