JPS5828156B2 - 船体巾方向格納の舷梯装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、船中方向に格納する舷梯装置に関するもの
である。

従来舷梯は、船の長さ方向、即ち舷側に沿って格納する
のが通常であるが、この方法による場合、甲板上に格納
した舷梯が波に流される事故がたびたび発生していた。

この対応策として、タンカー等においては、舷梯本体の
みを踊場から取外し、船の中央部に別個に格納する方法
が取られているが、この方法は広い格納場所と特別な運
搬装置を必要とし、その分だけ船価のコストアップの原
因となっていた。

また舷梯は、居住区の横に沿って設置されるのが通常で
あって、居住区が船尾または船首に設けられている場合
は船側が湾曲している位置に設置されるようになるため
、舷梯の揚陸動作を勘案して、その取付位置、舷梯の形
式、船体形状の変更に多額の出費と設計時間を費してい
た。

この発明は、上述の従来技術における欠点を解決するた
めに創案されたもので、甲板上船体長さ方向に支柱とガ
イド柱とを間隔をとって固着立設し、該支柱とガイド柱
間とにわたり、底板を有する架台を上下動自在に設け、
該架台底板のガイド柱側にウィンチドラムと吊支持アー
ム、吊索とを設けて、舷梯の一端を揚陸自在に支持させ
るとともに、吊支持アームの起倒操作により舷梯の引起
し動作を自在とし、前記架台底板の支柱側に踊場基板を
固着させて前記舷梯の踊場板を舷側方向に起倒させるよ
うに該踊場基板と踊場板を枢着し、さらに前記支柱を利
用して前記架台を前記ガイド柱より高い位置に引上げる
機構と該架台を支柱回りに船中方向に水平回動させて居
住区船中壁面に当接させる回動機構とを設けてなる船体
巾方向格納の舷梯装置に特徴を有するものである。

以下この発明の舷梯装置を実施例により図面を参照して
説明する。

第１図は、この発明の舷梯装置の側面図、第２図は同平
面図である。

図面において、１は船体長さ方向に延出する甲板で、該
甲板上には、ガイド柱２と支柱３が固着立設されており
、該ガイド柱２及び支柱３には架台４が上下動すべく取
付られている。

即ち、ガイド柱２には図示しないがアリ溝が設けられ、
該アリ溝に架台４の突起４ａが込りこんで架台４のガイ
ドと転倒防止の機能をもたせ、また支柱３の側部には第
１のガイドレール３ａが設けられ、該第１のガイドレー
ル３ａ内に架台４の端部に設けたローラ部４ｂが嵌合し
ている。

さらに架台４の支柱３側には支軸４１が設けられている
。

架台４は両端部下面に底板４ｃ。４ｄを有し、架台自体
が甲板上に置かれた場合に底板４ｃ 、４ｄにより立設
するようになっている。

さらに架台４の支柱３側の底板４ｄには舷梯５の踊場板
５ａの基板５ａ′が固設され、該踊場板５ａと該基板５
ａ′とは舷梯５の長さ方向に配置した回転軸（図示せず
）により舷梯５が舷側方向に９０゜倒れる構造となって
いる。

即ち、第１図に示される状態は舷梯５が垂直に起されて
いる状態を示し、使用時には手前方向に９０°倒れて踊
場板５ａも水平となる。

さらに架台４のガイド柱２側には、第３図に正面図で、
第４図に第３図Ａ矢視図で示されるように舷梯５の吊支
持アーム６がその基部を底板４ｃ上に枢着部７により上
下回動自在に設けられている。

さらに前記踊場板５ａと基板５ａ′との回転軸（図示せ
ず）と枢着部７との間には操作軸８が配置され、吊支持
アーム６を作動させると踊場板５ａをも共に回動させる
ようになっている。

舷梯５は前述の吊支持アーム６の外方に当接支持される
（第３図参照）。

第３図及び第４図において、９は架台４の柱部４ｅに配
置されたウィンチドラム、１０はその動力源のモータで
ある。

また１１゜１２は、舷梯５の吊索で、該ウィンチドラム
９に巻回されて、該吊索の巻込みにより舷梯５を第３図
の状態に格納し、また繰出すことにより第５図及び第６
図に正面図で、第７図に第６図Ｂ矢視図で示される状態
に舷梯５の一端を下方へ吊り降す。

１３．１４，１５，１６，１７は滑車を示し、ウィンチ
ドラム９を出たワイヤ１１は、滑車１３→１５→１９→
１５→１６→１８→１７→１４→（ワイヤ１２）の順で
ウィンチドラム９に巻回されて前述の動作を行うもので
ある。

尚第３図（こおいて、４ｆは吊フック、４ｇは吊支持ア
ーム６を固縛するための金具、さらに６ａは同様に舷梯
５を吊支持アーム６に固縛するための金具であり、２０
は台金物である。

さらに第１図について、前記架台４の引上げ機構につい
て述べると、支柱３の上方には滑車２１が、その側部に
は第２のガイ−トレール３ｂが設けられ、該第２のガイ
ドレール３ｂ内をトロリー２２が上下走行する構造とな
っている。

即ちトロリー２２はその上方配置の滑車２１を介して下
方のウィンチ（図示せず）により操作される索２５に係
止され、またトロリー２２には、前述の架台４の吊フッ
ク４ｆに係止する索２６と、架台４の他端の吊フック４
ｈに係止する索２７を配して、索２５を引上げることに
よりトロリー２２を上方へ走行させ、それにより架台４
を、舷梯５が格納された状態ん支柱３に沿ってガイド柱
２より上方へ引上げる構造となっている。

尚この引上げは油圧シリンダーにより行うことができる
。

さらに架台４の回動機構（こついて述べると、支柱３の
中間部にはホイス）２３，２４及び索２９゜３０が設け
られ、第２図に破線で示すごとく居住区壁（船内方向）
２８に、ホイスト２４の索２９を巻込み、ホイスト２３
の索３０を繰出すことにより水平回動して尚接し、適宜
の固縛手段により固定される。

尚、回動機構をモーター、ギヤーの組合せに置換しても
よい。

この発明の舷梯装置は以上の構成からなるので、まず、
使用状態（第６図及び第７図図示の状態）から舷梯５を
第２図に破線で示される居住区壁２８に格納するまでの
作動について述べると、ウィンチドラム９をモーター１
０により回転させることにより第５図に示されるように
舷梯５を吊支持アーム６に当接させ、さらにウィンチド
ラム９を回転させることにより吊支持アーム６と舷梯５
を第３図に示すごとく一体となったま＼引起す。

ここで固縛金物４ｇと６ａにより架台４と吊支持アーム
６、及び吊支持アーム６と舷梯５のそれぞれを固縛する
。

その後、支柱３の側部に配置されたトロリー２２を上方
へ引上げることにより舷梯５を支持する架台４を上方へ
引上げ、ガイド柱２から離脱し、適宜の高さに引上げた
ら、第２図に示すごとくホイスト２３，２４の索２９．
３０を操作することにより架台４を支軸４１を中心とし
て居住区壁２８、即ち船体巾方向に水平回動し、居住区
壁２８の壁面に適宜固縛し、格納を完了する。

舷梯５を使用状態とする時には、前述と逆の動作を行え
ば良い。

尚、踊場板５ａと舷梯５との取付構造は、従来と同様に
舷梯巾方向の回転軸により支持されるものであり、また
架台４の底板は転倒防止のために適宜甲板１上に係止金
具を設けて固定すればより安全である。

この発明の舷梯装置によれば、従来のように舷梯を舷側
に配置しないので、舷梯が波により流出したり、破損し
たりすることがなく、さらに舷梯の格納位置が居住区の
船内方向の壁面であるので、従来のように居住区側面に
格納位置が限定されることがなく、従って居住区の端部
に設けることができ、即ち船尾居住区の場合は、その前
方端部に、また船首居住区の場合は、その後方端部にそ
れぞれ設けることができるので、船体平行部により近い
方となり、舷梯の揚陸し動作が船側外板に沿うものとな
るから、特別な工夫をすることなく、その動作をスムー
ズに行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の舷梯装置を船体側面から見た側面図
、第２図は同平面図、第３図、第４図、第５図、第６図
、及び第７図はこの発明の舷梯装置の作動態様を示す図
で、第３図、第５図、および第６図は正面図、第４図は
第３図Ａ矢視図、第７図は第６図Ｂ矢視図である。 図面において、１・・・甲板、２・・・ガイド柱、３・
・・支柱、４・・・架台、５・・・舷梯（５ａ・・・踊
場板、５ａ′・・・基板）、６・・・吊支持アーム、７
・・・枢着部、８・・・操作軸、９・・・ウィンチドラ
ム、１０・・：モーター １１，１２・・・吊索、１３
．１４，１５，１６，１７，１８，１９゜２１・・・滑
車、２０・・・台金物、２２・・・トロリー、２３．２
４・・・ホイスト、２５，２６，２７，２９゜３０・・
・索、２８・・・居住区壁。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 甲板上船体長さ方向に支柱とガイド柱とを間隔をと
   って固着立設し、 該支柱とガイド柱間とにわたって底板を有する架台を上
   下動自在に設け、 該架台底板のガイド柱側にウィンチドラムと吊支持アー
   ム、吊索とを設けて、舷梯の一端を揚陸自在に支持させ
   るとともに吊支持アームの起倒操作により舷梯の引起し
   動作を自在とし、 前記架台底板の支柱側に踊場基板を固着させて、前記舷
   梯の踊場板を舷側方向に起倒させるように該踊場基板と
   踊場板を枢着し、 さらに前記支柱を利用して前記架台を前記ガイド柱より
   高い位置に引上げる機構と該架台を支柱廻りに船中方向
   に水平回動させて居住区船中方向の壁面に当接させる回
   動機構とを設けてなる船体巾方向格納の舷梯装置。