JPS582600B2 - 電着塗装における限外「ろ」過装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、電着塗装における電着浴の浴液を管埋する
限外濾過装置に関するものである。

一般に、電着浴内の被塗物と極板との間に直流電圧を印
加して被塗物を電着塗装するものにおいては、浴液中の
組成物を管理するため、浴液をポンプで濾過器に送り、
該濾過器に設けた限外濾過膜を透過する溶剤や水を含む
ｐ液と該限外濾過膜を透過しない塗料や顔料を含む濃縮
液とに分離し、濾液を電着浴から取り出された被塗物の
水洗に使い、濃縮液を電着浴に戻すようにしている。

この場合、停電等の事故でポンプの駆動が停止すると、
浴液の流れがなくなるため浴液に含まれる塗料等の濃縮
液成分が濾過器から排出されずに限外濾過膜の表面に停
滞沈着し、目詰りを起こし高価な装置が使用不能となり
、大きな損害をもたらす。

そのため、一般には、事故の場合自家発電等の手段でポ
ンプの駆動を維持しているが、このやり方では自家発電
等の設備が必要であり、さらに自家発電が他の設備に対
する安全装置を兼ねている場合、必ずしも最優先で利用
できるわけでもない。

本発明は上述した不具合に鑑みてなされたものであり、
ポンプの非常停止時における限外濾過膜の目詰りを濾液
の逆流によって簡便に防止することを目的とするもので
ある。

すなわち、濾過器より高い位置に、濾液を所定量貯える
貯槽を配置し、平常運転時には、Ｐ液は濾過器から貯槽
へ、貯槽からオーバーフローによって濾液タンクに流し
、ポンプの非常停止時には、貯槽内の濾液を貯槽と濾過
器との落差を利用して限外濾過膜を通して逆瀝させ、塗
料等の限外濾過膜への沈着を防止することを特徴とする
ものである。

以下、本発明を、図面に示す実施例に基づいて説明する
。

被塗物１を陰極に接続してカチオン型電着塗装を行う電
着浴２の浴液管埋のため限外濾過装置３を設置している
。

限外濾過装置３には内部に限外濾過膜４を有する濾過器
５が設けてあり、ポンプ６を介して電着浴２から該濾過
器５に送り込まれる浴液が、濾過器５において限外濾過
膜４を透過する溶剤等を含むと液と限外濾過膜４を透過
しない塗料や顔料を含む濃縮液とに分離される。

濃縮液は、ポンプ６の圧力で循環通路９を通して電着浴
２に回収され、濾液は、濾過器５と貯槽７の底部７ａと
を接続する濾液通路１０を通して、ポンプ６の圧力で貯
槽７に押し上げる。

貯槽７の上方に設けたオーバーフロー排出口７ｂから所
定量以上の濾液をオーバーフロー通路１１を通してと液
タンク８に受け入れ、濾液タンク８内の濾液は、電着浴
２から取り出された被塗物１の水洗水として利用してい
る。

停電等の事故によってポンプ６の駆動が停止した場合、
濾液を貯槽７に押し上げるポンプの圧力がなくなるから
、貯槽７内の濾液が貯槽７と濾過器５との落差Ｈによる
圧力で濾液通路１０および限外濾過膜４を通して逆流す
る。

この逆流濾液によって限外濾過膜４の表面４ａへの塗料
等の濃縮液成分の停滞、沈着を未然に防止し、もって限
外濾過膜４の目詰りを防止する。

以上のように、本発明では、落差を利用して澱液を逆流
させるようにしているから、停電時の事故に対して簡単
な構成で効果的に限外濾過膜の目詰りを防止でき、高価
な装置を損傷する虞れがない。

なお、貯槽と濾過器との落差、貯槽の濾液量は、ポンプ
圧力、濾過器の大きさ、限外１過膜の強度等を考慮して
適切な値を選定する。

また、図面に示す実施例においては、貯槽７の底部７ａ
から濾液を導入しているが、側壁の下方部分から導入す
るようにしてもよい。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示す説明図である。 ２・・・・・・電着浴、４・・・・・・限外濾過膜、５
・・・・・・濾過器、６・・・・・・ポンプ、７・・・
・・・貯槽、８・・・・・・濾液タンク。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 電着浴から送り込まれる浴液を濃縮液と濾液とに分
   離する限外濾過膜を有する濾過器と、濾過器より高い位
   置に配置され濾過器から排出される濾液を一定量貯える
   貯槽と、電着浴と濾過器との間に配置され浴液を濾過器
   吋送りかつ濾過器で分離された濾液を貯槽に送るポンプ
   と、貯槽のオーバーフロー排出口から排出される濾液を
   受け入れる濾液タンクとからなり、ポンプの駆動が非常
   停止したとき貯槽内の濾液を限外濾過膜を通して逆流さ
   せることを特徴とする電着塗装における限外濾過装置。