JP3339483B2 - 堰部材、液槽及び物品処理装置 - Google Patents

堰部材、液槽及び物品処理装置

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JP3339483B2 JP36908799A JP36908799A JP3339483B2 JP 3339483 B2 JP3339483 B2 JP 3339483B2 JP 36908799 A JP36908799 A JP 36908799A JP 36908799 A JP36908799 A JP 36908799A JP 3339483 B2 JP3339483 B2 JP 3339483B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液体による処理を行
う物品処理装置、特にメッキ処理装置、写真現像処理装
置、染色処理装置等の物品処理装置のように処理液のろ
過が要求される液体による物品処理装置及び該装置用の
液槽並びに該液槽に搭載使用できる堰部材に関する。
【0002】
【従来の技術】物品を処理液によって処理することは、
メッキ液による物品へのメッキ処理、現像液による写真
の現像処理、染色液による布帛等の染色処理、物品の洗
浄処理等で知られているように各種分野において行われ
ている。また、かかる処理液による物品処理は、液を物
品に吹き付ける、液を物品に接触流下させる等、様々の
方法でなされるが、代表的なものの一つとして、処理液
を液槽に収容し、必要に応じ該液の液質乃至液組成、液
槽における処理液の量、ろ過量、温度等を管理しながら
該液槽内の処理液に被処理物品を浸漬して目的とする処
理を実施する場合を挙げることができる。前記のメッキ
処理、写真現像処理、染色処理等は通常この方法で実施
される。
【0003】このような浸漬を伴う処理は一つの液槽の
みを用いて行われることもあるが、物品を大量処理或い
は多品種処理するために、多くの場合、複数の液槽が採
用される。いずれにしても、液体による物品処理装置で
あって物品処理液槽を採用するものでは、該液槽中の処
理液は使用を重ねるうちに、被処理物品による持ち込み
不純物、処理液の劣化など処理液変質により発生する不
純物、外部から液槽内液中へ落下することがある不純物
などの不純物が増えてくるから、かかる処理液をポンプ
とろ過器を含むろ過装置でろ過しつつ使用することが広
く行われている。代表例として、処理液を液循環ポンプ
とろ過器を含む循環ろ過装置により循環ろ過する場合を
挙げることができる。
【0004】ずれにしても、液槽における液中の不純
物は、液中を複雑な流れに沿って移動するものの、概ね
比重の小さいものから大きいものに従って、順次液中の
上層部に浮遊するものから中層部に浮遊するもの、さら
には比重が大きくて液中の下層部に浮遊するもの、さら
には液槽の底部やその近傍に沈殿するのもに分かれてい
く傾向にある。また、液槽内底から液中へエアを吹き込
むエアレーションを行う場合が多々あり、そのときは、
中間的な比重の不純物については、該エアの液中上昇流
の影響を受けて液槽内の上下間において楕円形を描くよ
うに拡散浮遊するものもある。
【0005】そのため、液のろ過にあたっては、液槽内
の液を液槽底部からポンプで吸引する一方、液槽上部に
液オーバーフロー用の堰部を介してオーバーフローボッ
クスを設置し、このボックスに液とともに浮遊物を流入
させて該ボックスから液をポンプで吸引し、これら吸引
した液をろ過器でろ過する。液体による物品処理装置で
は、ろ過後の液は通常液槽に戻され、再使用される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記オ
ーバーフローボックスに臨む堰部として、従来は上端縁
が水平に直線的に延びている堰部(所謂矩形堰)が採用
されていたので次の問題があった。すなわち、従来一般
に広く採用されている矩形堰によると、液槽内処理液の
液面高さが該堰部の上端縁より僅かに上昇し過ぎるだけ
でも、この堰部を越える液量は加速度的に著しく増大
し、堰部の長さが長くなれば、それだけ益々オーバーフ
ローする液量が著しく増大する。
【0007】液槽内処理液の適切なろ過を行うには、予
め液層内底部からの吸液量とオーバーフローボックス内
からの吸液量の各々を過器及びポンプの能力に応じて設
定することを基本とする。しかし、処理液槽から堰部を
越えてオーバーフローボックス内に流入する液量が過多
になると、これに対し該ボックス内からのポンプによる
吸液量の割合が相対的に低下する結果となり、時間の経
過とともに遂には液層内の液面位とボックス内液面位と
が同位の高さとなり、落差を伴わない処理液の該ボック
ス内への流入となる。
【0008】このように落差に基づくオーバーフローボ
ックス内への液流入が無くなった状態では、液槽から堰
部を越えてのオーバーフローボックス内への流入液の流
速は極端に低下し、液中不純物のオーバーフローボック
スへの流入も減少する。すなわち従来の矩形堰におい
て、液槽内処理液中の上層部あたりに浮遊する浮上性不
純物は、液槽とオーバーフローボックスにおける液面位
の落差に基づく該ボックス内への液流入とともに、且
つ、その液流速に乗って引き寄せられるようにして該ボ
ックスへ流入するが、かかる落差が無い状態では該ボッ
クスへの処理液流入量が著しく減少するとともに不純物
の流入量もまた著しく減少する。そのため日時の経過と
ともに液槽内処理液の不純物濃度は上昇して、不良製品
の発生を招くことになる。
【0009】また、物品処理を行う液槽内処理液の量が
液槽内処理液の作業温度による蒸発、次工程への処理物
品の移送にともなう処理液の汲み出し等によって次第に
減少し、液面位が低下してくると、矩形堰を越えてオー
バーフローボックス内へ流入する液量が減少してくる。
かくして循環ろ過のためのポンプによる該ボックス内か
らの吸液の割合が該ボックス内への流入液量に対し相対
的に増してくる結果となり、該ボックス内の貯液量は時
間の経過とともに次第に減少し、そのまま放置すれば該
ボックス内は渇液状態となり、遂には該ポンプがエアを
吸入し、該ポンプの運転停止、ひいては循環ろ過作業全
体の運休に追い込まれる。
【0010】また、従来の上端縁が水平に直線的に延び
ている所謂矩形堰では、主として液面に浮上する浮上性
不純物が堰部を越えてオーバーフローボックス内へ流入
するものの、それより下層に浮遊する不純物については
堰部を越え難く、換言すれば堰部を越える不純物の殆ど
は液槽内液面に浮上していたものだけであり、液槽内に
残留する不純物の濃度は日時の経過とともに積増し、か
かる不純物のろ過を充分に行い難くなるという問題もあ
る。
【0011】そこで本発明は、処理液を貯留する液槽を
有し、該液槽は液槽内に貯留される液中の上層部に浮遊
する不純物を液とともに堰部からオーバーフローさせる
ための1又は2以上のオーバーフローボックスを有して
おり、該液槽内の処理液に被処理物品を浸漬して物品処
理し、該液槽内及びオーバーフローボックス内の液をポ
ンプとろ過器を含む循環ろ過装置で吸引、ろ過して該液
槽に戻しつつ使用する物品処理装置用の該液槽であっ
て、次の利点を有する液槽を提供することを課題とす
る。 (1)液槽中の液面位置が上下変動しても、堰部を越え
てオーバーフローボックスへ流入する液量の著しい変動
を招くことがない。 (2)液槽内液面に浮上し易い浮上性不純物だけでな
く、それより下層に浮遊し易い不純物もオーバーフロー
ボックスへ流入させて効率よく回収できる。 (3)従ってまた、それだけ液槽内に残留する不純物量
を減らすことができる。 (4)これらにより液槽底部及びオーバーフローボック
スの双方からポンプで吸液して該液をろ過処理する際に
は、そのろ過処理を効率よく行うことができる。 (5)従ってまた、液槽内処理液により物品処理を行う
ときには、不純物の影響を少なくして処理後物品の品質
を向上させることができる。 (6)オーバーフローボックスへ流入する液量の設定を
たやすくなし得る。また本発明は、処理液を貯留する液
槽を有し、該液槽は液槽内に貯留される液中の上層部に
浮遊する不純物を液とともに堰部からオーバーフローさ
せるための1又は2以上のオーバーフローボックスを有
しており、該液槽内の処理液に被処理物品を浸漬して物
品処理し、該液槽内及びオーバーフローボックス内の液
をポンプとろ過器を含む循環ろ過装置で吸引、ろ過して
該液槽に戻しつつ使用する物品処理装置であって、該液
槽として上記利点を有する液槽を採用した物品処理装置
を提供することも課題とする。
【0012】また本発明は処理液を貯留する液槽を有
し、該液槽は液槽内に貯留される液中の上層部に浮遊す
る不純物を液とともに堰部からオーバーフローさせるた
めの1又は2以上のオーバーフローボックスを有してお
り、該液槽内の処理液に被処理物品を浸漬して物品処理
し、該液槽内及びオーバーフローボックス内の液をポン
プとろ過器を含む循環ろ過装置で吸引、ろ過して該液槽
に戻しつつ使用する物品処理装置用の該液槽の該堰部を
提供するための堰部材であって、以下の利点を有するも
のを提供することを課題とする。 (1)液槽に取り付けて堰部として用いた場合におい
て、液槽中の液面位置が上下変動しても、オーバーフロ
ーボックスへ流入する液量の著しい変動を招くことがな
い。 (2)液槽内液面に浮上し易い浮上性不純物だけでな
く、それより下層に浮遊し易い不純物もオーバーフロー
ボックスへ流入させて効率よく回収できる。 (3)従ってまた、それだけ液槽内に残留する不純物量
を減らすことができる。 (4)これらにより液槽底部及びオーバーフローボック
スの双方からポンプで吸液して該液をろ過処理する際に
は、そのろ過処理を効率よく行うことができる。 (5)従ってまた、液槽内処理液により物品処理を行う
ときには、不純物の影響を少なくして処理後物品の品質
を向上させることができる。 (6)オーバーフローボックスへ流入する液量の設定、
変更を簡易になし得る。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を解決
するため、処理液を貯留する液槽を有し、該液槽は液槽
内に貯留される液中の上層部に浮遊する不純物を液とと
もに堰部からオーバーフローさせるための1又は2以上
のオーバーフローボックスを有しており、該液槽内の処
理液に被処理物品を浸漬して物品処理し、該液槽内及び
オーバーフローボックス内の液をポンプとろ過器を含む
循環ろ過装置で吸引、ろ過して該液槽に戻しつつ使用す
る物品処理装置用の該液槽であって、該液槽の該堰部は
オーバーフローボックスと液槽との間の仕切り壁の上端
縁部にオーバーフロー用ノッチを形成するか、又はオー
バーフロー用ノッチを形成した堰部材を脱着可能に付設
して設けられている液槽を提供する。また本発明は、
理液を貯留する液槽を有し、該液槽は液槽内に貯留され
る液中の上層部に浮遊する不純物を液とともに堰部から
オーバーフローさせるための1又は2以上のオーバーフ
ローボックスを有しており、該液槽内の処理液に被処理
物品を浸漬して物品処理し、該液槽内及びオーバーフロ
ーボックス内の液をポンプとろ過器を含む循環ろ過装置
で吸引、ろ過して該液槽に戻しつつ使用する物品処理装
置であって、該液槽としてかかる本発明の液槽を採用し
た物品処理装置も提供する。
【0014】本発明に係る液槽及びこれを採用した本発
明に係る物品処理装置によると、該液槽内の液のろ過に
あたり、液槽内の液を液槽底部から、そこに溜まった不
純物とともにポンプで吸引できる一方、堰部から液を浮
遊性不純物とともにオーバーフローボックスへ流入させ
て、それらを該ボックスからポンプで吸引でき、これら
吸引した液をろ過に供することができる。かくして不純
物を液とともに吸引してろ過することができる。
【0015】本発明に係る液槽及びこれを採用した本発
明に係る物品処理装置では液槽の液オーバーフロー用ノ
ッチを形成した部分が堰部として作用するようになって
おり、該ノッチからオーバーフローボックスへ液がオー
バーフローする。従って液槽内の液面が、望ましい液オ
ーバーフローのための液面位置より少しぐらい上昇して
も、その上昇液面位置がノッチに臨んでいる限り、従来
の矩形堰のように堰の上端縁の全長にわたり一斉にオー
バーフロー量が急激に増加し、そのために全体のオーバ
ーフロー量が著しく増加してしまうということはなく、
該ノッチにおける液面の上昇による液流通断面積の増加
分だけオーバーフロー量が増加するだけである。また、
液槽内の液面が下降しても、従来の矩形堰のように堰部
上端縁の全長にわたり一斉にオーバーフロー量が減少
し、そのため全体のオーバーフロー量が著しく減少して
しまうということはなく、該ノッチにおける液面の下降
による液流通断面積の減少分だけオーバーフロー量が減
少するだけである。従って、液槽における液面の上下変
動があっても、従来の矩形堰に比べると、オーバーフロ
ー量はごく緩やかに増大又は減少する。換言すれば、液
槽における液面の上下変動があっても、従来の矩形堰に
比べると、オーバーフロー量の変動はごく小さく抑制さ
れる。
【0016】かくして液の適切なろ過のために、ろ過用
ポンプ能力に見合った循環ろ過の液量に応じて設定され
る液槽底部からの吸液量(例えば循環ろ過の場合の循環
液量の略70%)とオーバーフローボックスからの吸液
量(例えば循環ろ過の場合の循環液量の略30%)を維
持して、液の適切なろ過が達成される。また、本発明に
係る液槽及びこれを採用した本発明に係る物品処理装置
における液槽では液オーバーフロー用ノッチを形成した
堰部を採用して、該ノッチからオーバーフローボックス
へ液がオーバーフローするようにしてあり、該ノッチは
堰部を越える前の液の深さ方向に延びているから、液槽
内の液面に浮上し易い浮上性不純物だけでなく、それよ
り下層に浮遊し易い不純物も該ノッチからオーバーフロ
ーボックスへ流入しやすく、かかる液面より下層に浮遊
する不純物についても回収してろ過することができる。
【0017】さらに、ノッチの形状や数を選んで、オー
バーフロー量をたやすく設定できるという利点もある。
堰部及びこれと組み合わせのオーバーフローボックスの
数は液槽における液量、液槽の形状等に応じて1又は2
以上とすることができ、適当な位置に設けることができ
る。
【0018】オーバーフローボックスは、液槽周囲壁の
上辺部外周側に設けても、内周側に設けてもよい。外周
側と内周側の双方に設けてもよい。一つの堰部における
液オーバーフロー用ノッチの数は必要に応じ複数設ける
ことができる。ノッチは、幅広い範囲にわたり複数配設
して、より好ましくは均一に分散させて設け、液槽内の
液の全体にわたり、その液面に浮上し易い浮上性不純物
及びそれより下層に浮遊し易い不純物を満遍なくオーバ
ーフローボックスへ流入させることが好ましい。
【0019】かかるノッチの形状としては、逆三角形状
(換言すればV字形状)、U字形状、矩形状等、種々採
用できる。中でも所望オーバーフロー量の設定が容易で
あり、作り易い等の利点を有するものとして、ノッチ上
端から下方へかけて開口幅が次第に狭くなるように形成
されている逆三角形状のノッチや、開口幅の狭い矩形状
のノッチを挙げることができ、さらにはこれらを複数設
けることが好ましい。
【0020】逆三角形状ノッチを採用するばあい、その
逆三角形状の下端頂角として、それには限定されない
が、40°〜90°、より好ましくは50°〜60°程
度を例示できる。いずれにしても前記堰部は、オーバー
フローボックスと液槽との間の仕切り壁の上端縁部にオ
ーバーフロー用ノッチを形成するか、オーバーフロー用
ノッチを形成した堰部材を脱着可能に付設して設けるこ
とができる。
【0021】なお堰部をオーバーフローボックスと液槽
との間の仕切り壁の上端縁部に、オーバーフロー用ノッ
チを形成した堰部材を脱着可能に付設して設ける場合に
は、オーバーフロー量を各種に設定した堰部材のうちか
ら適切な堰部材を選択採用して容易にオーバーフロー量
を設定でき、また、例えば仕切り壁上端縁部と堰部材と
の間に適当厚さのライナーを挿入する等容易な手法で堰
部材の取付け高さを変更したり、堰部材を交換すること
により、オーバーフロー量を容易に変更することもでき
る。
【0022】そこで本発明はまた、処理液を貯留する液
槽を有し、該液槽は液槽内に貯留される液中の上層部に
浮遊する不純物を液とともに堰部からオーバーフローさ
せるための1又は2以上のオーバーフローボックスを有
しており、該液槽内の処理液に被処理物品を浸漬して物
品処理し、該液槽内及びオーバーフローボックス内の液
をポンプとろ過器を含む循環ろ過装置で吸引、ろ過して
該液槽に戻しつつ使用する物品処理装置における該液槽
の該堰部を提供するための堰部材であり、オーバーフロ
ー用ノッチが形成されており、前記オーバーフローボッ
クスと液槽との間の仕切り壁の上端縁部に脱着可能であ
堰部材も提供する。
【0023】この堰部材におけるノッチの数、形状等に
ついても、前記液槽に関連して説明した堰部と同様のこ
とが言える。前記液槽には、液槽底部に溜まりやすい不
純物を集めて円滑に吸引しやすくするため、液槽内底の
周縁部に沿って、1又は2以上の落とし込み形成された
内底溝を設けてもよい。また、このような内底溝を設け
ておくと、液槽清掃時にそこへ、もとから液槽にあった
液や清掃液を流し込めるので、それだけ清掃を円滑に行
える。かかる内底溝の数も、液槽における液量、液槽の
形状等に応じて1又は2以上とすることができる。かか
る内底溝は槽内底の例えば周縁部の適当な部位に沿って
設けるとよい。
【0024】前記内底溝には、該内底溝に溜まる不純物
をできるだけ内底溝の全体から吸引できるように、該溝
の長手方向に沿って延び、複数の吸液孔を有する第1吸
引ヘッドを設置することができる。またこのように第1
吸引ヘッドを内底溝に設置することで、液槽底部にエア
レーション装置が設置されるときでも、ろ過器にとって
最も都合の悪い事項である空気の吸い込みを抑制すべ
く、該エアレーション装置から噴出される空気の第1吸
引ヘッドへの吸い込みを抑制でき、それだけ円滑に不純
物を吸引してろ過できる。
【0025】前記液槽には、さらに、液槽底部に溜まり
やすい不純物を吸引するための吸引ヘッド(後述する第
3吸引ヘッド)を液槽内底の周縁部等における前記内底
溝以外の部分に1又は2以上設置してもよい。前記第1
吸引ヘッドや第3吸引ヘッドが、液ろ過のために吸液す
る遠心ポンプに連通されるものである場合、それら吸引
ヘッドの各吸液孔の口径は、該遠心ポンプにおけるイン
ペラー羽根の高さと同じか、それより小さくしておくこ
とが望ましい。このように各吸液孔の口径を設定してお
くことで、液槽中に脱落することがある被処理物品の一
部や外部からの持ち込み雑部品等が遠心ポンプに吸い込
まれて吸液量が減少したり、インペラー羽根に噛み込む
等して該ポンプが故障することを抑制することができ
る。
【0026】ところで、オーバーフローボックス内へ不
純物とともに流入する処理液は、該ボックス内底部に設
けられた処理液の流出口(通液口)からポンプによって
吸引され、ろ過器へ送られるのであるが、堰部を越えて
該ボックス内へ流入する処理液中の無機及び有機不純物
の嵩乃至粒度において大きいものから小さいもの、さら
に該ボックス内へ外部から落下する物品等が、該ボック
ス底部の流出口に詰まって、オーバーフローボックス内
からのポンプによる吸液が著しく阻害されることが往々
にして起こり、ろ過処理に大きく支障を来すことがあ
る。
【0027】従ってオーバーフローボックスの内底部に
も、複数の吸液孔を有するさらなる吸引ヘッド(第2吸
引ヘッド)を設置してもよい。この第2吸引ヘッドによ
りボックス内液を一旦上方へ吸い上げることができ、従
来のボック底の液流出口(通液口)の形成及びその目詰
まりを回避することができる。該第2吸引ヘッドが液ろ
過のために吸液する遠心ポンプに連通されるものである
場合、該第2吸引ヘッドの各吸液孔の口径も、該ポンプ
におけるインペラー羽根の高さと同じか、それより小さ
くしておいてもよい。
【0028】前記液槽の内底にはエアレーション装置を
設置して液の攪拌を行い、それによる液各部の均質化を
図ることができる。また、液槽内の液による物品処理を
伴う場合には、エアレーション装置からの噴出空気で、
被処理物への液中浮遊不純物の付着を抑制することもで
きる。エアレーション装置を設置する場合、該エアレー
ション装置と前記内底溝に設置された前記第1吸引ヘッ
ドとの間にエア遮断壁を配置し、これにより第1吸引ヘ
ッドがエアレーション装置からの噴出空気を吸い込むこ
とを抑制することが望ましい。前記第3吸引ヘッドを設
置する場合も、該第3吸引ヘッドに隣り合わせて、第3
吸引ヘッドとエアレーション装置との間に該吸引ヘッド
への空気吸い込みを抑制するエア遮断壁を配置すること
が望ましい。
【0029】前記第1吸引ヘッドは、吸引ヘッド長手方
向の吸引ヘッド中心軸の周りに吸引ヘッド下端から前記
エア遮断壁とは反対側へ所定角度範囲内に(例えば略9
0度以下の範囲内に)、且つ、吸引ヘッド下端から該エ
ア遮断壁側へ所定角度範囲内に(例えば略45度以下の
範囲内に)前記吸液孔が分散形成されており、該吸液孔
は該第1吸引ヘッドの長手方向にわたる各部において均
等量吸液できるように分散形成されていることが望まし
い。これにより空気を吸い込み難く、内底溝の底に沈殿
し易い不純物を内底溝のできるだけ全体から一様に、円
滑に吸引できる。
【0030】前記の第3吸引ヘッド及びそれに臨む前記
のエア遮断壁を設ける場合も、該ヘッドの吸液孔は該エ
ア遮断壁に対して、前記第1吸引ヘッドの吸液孔とそれ
に対するエア遮断壁との相互配置関係と同様に設けると
よい。さらには第3吸引ヘッドの長手方向にわたる各部
において均等量吸液できるように分散形成されているこ
とが望ましい。
【0031】また、前記第2吸引ヘッドについても、前
記オーバーフローボックスのできるだけ全体から一様、
円滑に不純物を吸引できるように、該オーバーフローボ
ックスの内底部の長手方向に沿って延在させ、該第2吸
引ヘッドの前記吸液孔は該第2吸引ヘッドの長手方向に
わたる各部において均等量吸液できるように該ボックス
底面に向けて分散形成することが望ましい。
【0032】なお、液槽底部から吸液する主たる吸引ヘ
ッドを前記の第1吸引ヘッドとする場合において(従っ
てそのヘッドは第3ヘッドに比べると大きくなる場合に
おいて)、その第1吸引ヘッドを液槽の内底に内底溝を
設けないで設置し、或いはさらに該第1吸引ヘッドに対
し前記のエア遮断壁を臨設する場合、その液槽が処理液
槽(例えばメッキ処理液槽)のときには、該第1吸引ヘ
ッドやエア遮断壁の高さ相当分、液槽内処理液の液面位
を高くしなければならないことが多い。何故なら、処理
液中に浸漬する引っ掛け部材、該引っ掛け部材に吊り下
げられる被メッキ処理物などが該第1吸引ヘッドやエア
遮断壁板の上端縁に引っ掛かって被メッキ処理物や引っ
掛け部材が処理液中へ落下する恐れがあるからである。
かかる落下物が発生すると、その除去作業は、ときには
メッキ装置の補修を含む、メッキ処理物品の生産を中断
しての作業となり、そのために大きい出費が必要とな
る。従って、液槽の高さ(深さ)を該第1吸引ヘッドや
エア遮断壁の高さ相当分を加えた高さ(深さ)として、
液面位を高くしなければならない。
【0033】このとき、液槽の高さを高くしたことによ
る液量の増加は、液槽面積に対する該吸引ヘッドやエア
遮断壁の高さ相当分であって大量となる。そしてその増
加液量に対する液槽製作代価、液量増加分の液代価、ろ
過器及び循環ポンプの性能向上代価、そしてそれらにか
かる管理代価等のために処理物品生産の大きい原価高騰
を招く。
【0034】よってかかる大量の処理液増加等を招くこ
とのないように、前記のごとく液槽底に内底溝を設け、
これに第1吸引ヘッドやエア遮断壁を設けることが望ま
しいと言える。なお、本発明に係る液槽は各種の液体に
よる物品処理装置における物品処理液槽に適用でき、例
えば物品のメッキ液によるメッキ処理装置、染色液によ
る染色装置、写真の現像液による現像装置、物品洗浄装
置等における物品処理液槽に適用でき、物品処理を伴わ
ないで水等の液体をろ過処理する液体処理装置の液槽な
どにも適用できる。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。図1は本発明に係る液槽を
採用した、液体による物品処理装置の1例であるメッキ
処理装置を示している。図1に示すメッキ処理装置は、
五つの物品処理液槽11、12、13、14、15を備
えている。それぞれの液槽はここでは物品にメッキ処理
を施すメッキ処理液槽である。各液槽は異なる量のメッ
キ液、例えば同液質の各槽異なる量のメッキ液を収容す
るものであってもよいが、ここでの各液槽は同量のメッ
キ液を収容する容積を有している。
【0036】これら五つの液槽は三つのグループに分け
られている。すなわち、一つの液槽11を含む第1グル
ープ、二つの液槽12、13を含む第2グループ、液槽
14、15を含む第3グループである。各液槽には所定
のメッキ液Lが収容される。図中、液槽11の左側には
前処理水洗槽16があり、ここにはメッキ処理前に必要
に応じて被メッキ物品を洗浄できるように洗浄水Wが収
容される。液槽16のさらに左側には作業デッキD1が
設置されている。
【0037】また、液槽11と12の間には作業デッキ
D2が、液槽13と14の間には作業デッキD3が、液
槽15の外側に作業デッキD4がそれぞれ設置されてい
る。各液槽は実質上同じ構造のものである。液槽の構造
について液槽12、13を例にとって図1から図4を参
照して説明する。図2は液槽12、13とその周辺部分
の拡大平面図であり、図3は液槽12とその周辺部分の
拡大側面図である。なお、図3にはあけ換え装置51も
示してあるが、これについては後述する。図4は液槽1
2の一部の斜視図である。
【0038】各液槽は、平面視(平面から見ると)長方
形であり、該長方形の一つの長辺に沿って液オーバーフ
ローボックスB1を、該長方形の一つの短辺に沿って液
オーバーフローボックスB2を有している。ボックスB
1はボックスB2より浅く形成されており、ボックスB
2はボックスB1より深く形成されている。ボックスB
1は、ここにオーバーフローする液をボックスB2へ流
入させるようにボックスB2の上部に連通しており、且
つ、ボックスB1の底はボックスB2へ向かって下り傾
斜している。なおボックスB1の底は必ずしもこのよう
に傾斜している必要はない。
【0039】ボックスB1は液槽の長辺方向に沿って設
けられた堰部21を介して設置されており、ボックスB
2は液槽の短辺方向に沿って設けられた堰部22を介し
て設置されている。各堰部21、22については後ほど
詳述する。図2、図3及び図6(C)に示すように、液
槽の内底101の周縁部の一か所に内底溝102が一体
的に落とし込み形成されている。内底溝102は、ここ
では液槽の片側短辺方向に沿って、該短辺の長さにわた
って延在している。
【0040】液槽の長手方向の各側部の上方には陽極ブ
スバー(busbar) Aが互いに平行に架設されているとと
もに、液槽の中央部上方には陽極ブスバーと平行に陰極
ブスバーCが架設されている。物品にメッキ処理するに
あたっては、例えば、図2、3及び図5に示すように、
陰極ブスバーCに1又は2以上の導電性ハンガーH(図
5(C)参照)を所定の間隔で掛けるとともに、各陽極
ブスバーAの所定位置にアノード材m’を収容した導電
性アノードケースCS(図5(A)参照)を掛け吊るし
てメッキ液L中へ浸漬させ、被メッキ物品a1、a2を
引っ掛け部材S(図5(C)参照)に引っ掛けて支持さ
せ、この引っ掛け部材SをハンガーHに掛け吊るして物
品a1、a2とともにメッキ液L中に浸漬すればよい。
なお、図5(B)に示すCSbはろ過布からなるアノー
ドバッグであり、陽極側に発生する不純物のメッキ液へ
の漏出を防止するためにアノードケースCSに被着され
る。
【0041】被処理物のメッキ処理には、銅、ニッケ
ル、亜鉛、錫、これらの合金などのメッキのように多く
のメッキ処理があるが、ニッケルメッキを施す場合を例
にとると、メッキ液Lをニッケルメッキ液とし、アノー
ドケースCSを耐食性チタン籠とし、これにアノード材
m’としてニッケルチップを収容する場合を例示でき
る。
【0042】各液層の内底溝102には、図6に示す第
1吸引ヘッド104が内底溝102の長手方向に延在す
るように設置されている。吸引ヘッド104は一端に管
接続口部104aを有し、他端が閉鎖された筒体であ
り、複数の吸液孔104bを穿設したものである。第1
吸引ヘッド104とエアレーション装置103との間に
はエア遮断壁板105が設置されている。エア遮断壁板
105は支持片105aにより内底溝102の底から若
干持ち上げられており、壁板105の下にも液が流通で
きるようになっている。そして支持片105a及びエア
遮断壁板105に支持板105bが渡し設けられてお
り、これが第1吸引ヘッド104を支持している。
【0043】第1吸引ヘッド104も支持片105aに
より内底溝102の底から若干持ち上げられており、吸
引ヘッド104の下にも液が流通できるようになってい
る。第1吸引ヘッド104の吸液孔104bは、吸引ヘ
ッド長手方向の中心軸線の周りに吸引ヘッド下端からエ
ア遮断壁板105とは反対側へ90度以下の角度範囲θ
1内、且つ、該ヘッド下端から遮断壁板105側へ45
度以下の角度範囲θ2内の中心角度θ(θ1+θ2)=
135°の範囲内に分散形成されている。前記角度θ
は、内底溝102に溜まる沈殿性不純物を円滑に吸引で
きるように、且つ、エアレーション装置103からのエ
アを吸引し難いように吸液孔を方向付けるための角度範
囲であり、ここでは略135度である。
【0044】さらに第1吸引ヘッド104の吸液孔10
4bは、該吸引ヘッドの長手方向にわたる各部において
均等量吸液できるように分散形成されている。吸引ヘッ
ドの各部において均等量吸液できるようにするには、吸
引ヘッドの管接続口部に近い部位における吸液孔の断面
積合計がより遠い部位における吸液孔の断面積合計より
小さくなるように吸液孔の数及び(又は)口径を調整し
て吸液孔を分散形成すればよい。ここでは各吸液孔の口
径を同じにして、管接続口部104aに近い部位と、そ
れより遠い部位とでは、近い部位における方が遠い部位
より吸液孔104bを疎に、遠い部位ではより密に分散
形成している。
【0045】この第1吸引ヘッド104によると、空気
を吸い込み難く、内底溝102の底に沈殿し易い不純物
を内底溝のできるだけ全体から一様、円滑に吸引でき
る。なお、液槽底部に溜まりやすい不純物を一層効率よ
く吸引するために、第1吸引ヘッド104に加えて、内
底溝102以外の液槽内底101の部分、例えば内底1
01の周縁部の一部等に第3吸引ヘッドを1又は2以上
設置してもよい。図3に、液槽底101の長手方向に沿
う周縁部に第3吸引ヘッド108を設置する例を鎖線で
示している。
【0046】第3吸引ヘッド108についても、第1吸
引ヘッド104と同様の構造とし、吸液孔は、該吸引ヘ
ッドの長手方向にわたる各部において均等量吸液できる
ように分散形成するとよい。また、第3吸引ヘッド10
8とエアレーション装置103との間にはエア遮断壁板
109を設置するとよい。さらに第3吸引ヘッド108
の各吸液口についても、吸引ヘッド長手方向の中心軸線
の周りに吸引ヘッド下端からエア遮断壁板109とは反
対側へ90度以下の角度範囲θ1内、且つ、該ヘッド下
端から遮断壁板109側へ45度以下の角度範囲θ2内
の中心角度θ(θ1+θ2)=135°の範囲内に分散
形成するとよい。
【0047】前記深い方のオーバーフローボックスB2
の内底部には、図6(C)や図7等に示す第2吸引ヘッ
ド106(図1及び図4では図示省略)が設置されてい
る。第2吸引ヘッド106は支持片106c及びこれに
立設された支持板106dを介して支持されており、吸
引ヘッド106の下方にも液が流通できる。吸引ヘッド
106は、液槽の短辺と略平行に延在しており、一端に
管接続口部106aを有し、他端が閉鎖された筒体であ
り、複数の吸液孔106bを有している。該吸液孔10
6bは、吸引ヘッド106の長手方向にわたる各部にお
いて均等量吸液できるように分散形成されている。
【0048】オーバーフローボックスB2に設置される
第2吸引ヘッドについても、吸引ヘッドの各部において
均等量吸液できるようにするには、該吸引ヘッドの管接
続口部に近い部位における吸液孔の断面積合計がより遠
い部位における吸液孔の断面積合計より小さくなるよう
に吸液孔の数及び(又は)口径を調整して吸液孔を分散
形成すればよい。ここでは各吸液孔106bの口径を同
じにして、管接続口部106aに近い部位と、それより
遠い部位とでは、近い部位における方が遠い部位より吸
液孔を疎に、遠い部位ではより密に分散形成している。
【0049】この第2吸引ヘッド106によると、オー
バーフローボックスB2のできるだけ全体から一様、円
滑に液及び不純物を吸引できる。なお、従来ではオーバ
ーフローボックスから液を吸引するとき、オーバーフロ
ーボックスの底に外部への通液口を設け、該通液口に吸
液管を連接し、該吸液管で下方へ吸液していたので、該
通液口やその接続部位で液内不純物が詰まり易く、ろ過
作業に著しい支障を引き起こす原因となっていたが、こ
こでは第2吸引ヘッド106の吸液管は、該ボックス底
部から上方へ吸液できるので、ヘッド106やそれに接
続される吸液管の不純物による詰まりは十分抑制され
る。
【0050】この点についてさらに説明する。図16は
従来例(メッキ処理液槽の1例)を示している。図16
(A)及び(B)において、10’は液槽、B1’、B
2’、B3’は液槽に付設されたオーバーフローボック
ス、21’、22’、23’はオーバーフローボックス
に臨む従来型の矩形堰、V’は液槽内底に設置された従
来型のフート弁である。
【0051】図16(A)においてオーバーフローボッ
クスB1’は溝形のボックスでここに流入した処理液
L’はボックスB2’へ流入する。図16(A)に示す
オーバーフローボックスB2’の底には通液口Lbが設
けられており、これは弁v1’、v2’及びポンプPを
介して液ろ過器Fの液流入口に配管接続されている。液
槽内フート弁V’は弁v7’、v2’及びポンプPを介
して液ろ過器Fの液流入口に配管接続されている。ろ過
器Fの液吐出口は弁v3’、v4’、v5’を介して液
加温の熱交換器Hに、さらに弁v6’を介して液槽1
0’への液戻し口100’へ配管接続されている一方、
弁v3’とv4’との間から弁V8’を介してあけ換え
槽511への液吐出口511’へ配管接続されている。
また、あけ換え槽511の底には吸液用フート弁511
vが設置されており、これは弁v9’を介してポンプP
の吸液口に配管接続されている。
【0052】図16(B)に示すオーバーフローボック
スB3’の底には通液口Lb’が設けられており、これ
は弁v1”を介して、また液槽内フート弁V’は弁v
7”を介してそれぞれ図16(A)に示すと同様の弁v
2’へ配管接続されている。その他の点については図1
6(A)の液回路と同様である。なお、ろ過器における
ろ過助剤のプレコートのための回路は図示を省略してい
る。
【0053】各弁の開閉等は以下のとおりである。 弁 通常の あけ換えろ過のために あけ換えろ過のために メッキ処理時 液を槽511へ移す時 槽511から10’へ 液を戻すとき ポンプ 運転 運転 運転 v1’ 開 開 閉 v2’ 開 開 閉 v3’ 開 開 開 v4’ 開 閉 開 v5’ 開 閉 開 v6’ 開 閉 開 v7’ 開 開 閉 v1” 開 開 閉 v7” 開 開 閉 v8’ 閉 開 閉 v9’ 閉 閉 開 なお、メッキ処理運転において、オーバーフローボック
スB2’(B3’)へのオーバーフロー液量の減少が生
じて該ボックス内が渇液状態になってくると、ポンプP
での空気吸い込みを防止するため、弁V1’(V1”)
を閉じる。
【0054】このように従来では図16に例示するよう
に、オーバーフローボックスB2’又はB3’から液を
吸引するとき、オーバーフローボックス底の通液口L
b、Lb’から吸液していたので、該通液口やそれへの
配管接続部位で液内不純物が詰まり易く、ろ過作業に著
しい支障を引き起こす原因となっていたが、ここでの第
2吸引ヘッド106の吸液管は、該ボックス底部から上
方へ吸液できるので、ヘッド106やそれに接続される
吸液管の不純物による詰まりは十分抑制される。
【0055】再びもとに戻って説明する。第1吸引ヘッ
ド104の各吸液孔104b、第2吸引ヘッド106の
各吸液孔106b、第3吸引ヘッド108の各吸液口の
いずれもその口径は、該吸引ヘッドが後述する多岐管等
を介して接続される、液ろ過のための液循環用の遠心ポ
ンプにおけるインペラー羽根の高さと同等に、又はそれ
より小さく設定される。
【0056】このように口径を小さくしておくことで、
液槽中に脱落することがある被メッキ物品の一部や部品
及びその他外部から持ち込まれた雑品類等が遠心ポンプ
に吸い込まれてインペラー羽根に噛み込むなどして該ポ
ンプが故障することを抑制することができる。なお、第
2吸引ヘッド106に代えて他の形態の吸引ヘッドを採
用してもよい。例えば図8に示す吸引ヘッド107を採
用してもよい。
【0057】吸引ヘッド107は、除塵ストレーナとも
呼べるもので、小ボックス形態をしており、上部に管接
続口部107aを有し、側周壁及び底壁に複数の吸液孔
107bを分散形成したものである。足107cが付い
ており、これでオーバーフローボックスB2の底に立
つ。各吸液孔107bも、その口径は液循環用の遠心ポ
ンプにおけるインペラー羽根の高さと同等、又はそれよ
り小さく設定しておくとよい。
【0058】以上説明した第1吸引ヘッド104、第2
吸引ヘッド106(又は107)、或いはさらに第3吸
引ヘッド108は次に説明する循環ろ過装置の構成部品
となる。前述の一つの液槽11を含む第1グループ、二
つの液槽12、13を含む第2グループ、液槽14、1
5を含む第3グループのそれぞれについて循環ろ過装置
が設けられている。さらに、液槽11から液槽15まで
の全液槽を含む第4グループについての循環ろ過装置も
設けられている。
【0059】図1中、液槽11に対する循環ろ過装置は
符号3で、液槽12、13に対する循環ろ過装置は符号
4Aで、液槽14、15に対する循環ろ過装置は符号4
Bで、全液槽11〜15に対する循環ろ過装置は符号6
で示す。循環ろ過装置において、第1グループの循環ろ
過装置3は液循環ポンプ(ここでは遠心ポンプ)1台に
よる1液槽の単独循環ろ過装置であり、第2グループの
循環ろ過装置4A及び第3グループの循環ろ過装置4B
は、各々処理液槽二つについて液循環ポンプ(ここでは
遠心ポンプ)1台による循環ろ過装置である。さらに第
4グループとなる循環過装置6は全処理液槽五つについ
て液循環ポンプ(ここでは遠心ポンプ)1台による循環
ろ過装置である。
【0060】第2グループのろ過装置4A及び第3グル
ープのろ過装置4Bはそれぞれ液循環ポンプ1台による
2液槽の循環ろ過装置であり、各グループにおける二つ
の液槽内の処理液は循環ろ過の過程において、循環回路
の液流量に僅かながらも強弱が生じ、時間の経過にとも
ない、二つの液槽のうち一方では液面位が降下し、これ
に反して他方の液槽では液面位降下の液槽における液減
量相当分の液量の増加流入が生じ、遂には該他方の液槽
から処理液が溢れ、一方の液槽内処理液の液面位が降下
し過ぎて、両液槽ともに処理液によるメッキ作業ができ
なくなることがある。
【0061】そこでここでは全液槽5槽について、液循
環ポンプ1台によって、同時に循環ろ過を行う循環ろ過
装置6を設置運転し、これによって液槽間における液面
位の上下差を抑制するように液面位を制御するとともに
液混合を行って、各液槽における液の組成及び液温度を
均一化しつつ循環ろ過を行うようにしている。すなわ
ち、循環ろ過装置6は循環ろ過装置であるとともに液混
合用及び液面位置制御のための装置でもある。
【0062】また、この液混合用及び液面位置制御のた
めの装置は、各液槽の容量が異なる場合でも液混合及び
各液槽における液面位置制御を行いつつ循環ろ過を行え
る。液槽11に対する循環ろ過装置3は、ろ過器31及
び液循環用の循環ポンプ32(本例では遠心ポンプを採
用)を含んでいる。液槽11は吸液回路を介して循環ポ
ンプ32の吸液口に連通できる。ろ過器31は送液回路
を介して液槽11に連通できる。
【0063】該吸液回路は図1に示すように、液槽11
における第1吸引ヘッド104及び第2吸引ヘッド10
6(図1では省略、図2、図6、7等参照)と、液合流
用の多岐管33と、吸引ヘッド104、106の管接続
口部104a(図6参照)、106a(図6、図7参
照)をそれぞれ手動開閉弁v11、v12を介して多岐
管33の分岐管へ接続する配管と、多岐管33の主開口
部を手動開閉弁v13を介し循環ポンプ32の吸液口に
接続する配管とを含んでいる。
【0064】第3吸引ヘッド108を採用するときは、
これによって吸引される液が最終的には、前記の弁v1
1、v12を介して吸引される液に混合、合流されてポ
ンプ32へ流入するように弁等を介してポンプ32に配
管接続される。送液回路は、ろ過器31の送液口を手動
開閉弁v14及び温度制御回路45、さらに二つの手動
開閉弁v15を介して液槽11の2箇所に分岐連通させ
る配管を含んでいる。なお液槽11への連通はこのよう
に2箇所でなく、一箇所でも、3箇所以上でもよい。
【0065】循環ポンプ32の吐出口は逆止弁v16を
介してろ過器31の液供給口に配管接続されている。ろ
過器31は、液種、ろ過液量に適応する種々のタイプの
ものを採用できるが、ここでは、ろ過器に圧入される液
が、適当なろ過助剤によるプレコート層を有するろ過床
を通過することで不純物がろ過され、浄化されるタイプ
のろ過器である。後述する循環ろ過装置4A、4B、さ
らに液混合及び液面位置制御のための装置6におけるろ
過器も同タイプのものである。
【0066】また、送液回路には一つの液槽内メッキ液
の劣化、消耗等に伴い変化する液組織を復元し、更には
蓄積不純物の除去ろ過を行うためのあけ換え装置51
(図1、図3参照)が付設されている。循環ろ過装置3
における前記温度制御回路45及びあけ換え装置51
は、次に説明する循環ろ過装置4A、4Bにおける温度
制御回路45及びあけ換え装置51とそれぞれ基本構造
は同一であるから後ほどろ過装置4Aにおいて回路45
及び装置51を説明することとし、ここでの温度制御回
路45、装置51の説明は省略する。
【0067】循環ろ過装置4Aと循環ろ過装置4Bとは
全く同じ構造、作用のものであるから、装置4Aのみ説
明し、装置4Bの説明は省略する。装置4Aと4Bにお
いて同じ部品については図中同じ符号を付す。循環ろ過
装置4Aは図1に示すように、ろ過器41及び液循環用
の循環ポンプ42(ここでは遠心ポンプ)を含んでい
る。液槽12、13は吸液回路を介して循環ポンプ42
の吸液口に連通できる。ろ過器41は送液回路を介して
液槽12、13に連通できる。
【0068】該吸液回路は、液槽12、13のそれぞれ
における第1吸引ヘッド104及び第2吸引ヘッド10
6(図1では省略、図2等参照)と、液合流用の多岐管
431、432、430と、一方の液槽12の吸引ヘッ
ド104、106の管接続口部104a(図6参照)、
106a(図6、図7参照)をそれぞれ手動開閉弁v4
1、V42を介して一方の多岐管431の分岐管へ接続
する配管と、他方の液槽13の吸引ヘッド104、10
6の管接続口部104a、106aをそれぞれ液槽12
におけると同様の手動開閉弁v41、v42を介して他
方の多岐管432の分岐管へ接続する配管と、多岐管4
31、432の主開口部を多岐管430の分岐管へ接続
する配管と、多岐管430の主開口部を手動開閉弁v4
3を介して循環ポンプ42の吸液口に接続する配管とを
含んでいる。
【0069】液槽12、13において第3吸引ヘッド1
08を採用するときは、これによって吸引される液が最
終的には、前記の弁v41、v42を介して吸引される
液に混合、合流されてポンプ42へ流入するように弁等
を介してポンプ42に配管接続される。送液回路は、ろ
過器41の送液口を手動開閉弁v44及び温度制御回路
45を介して液分配用の多岐管433の主開口部に接続
する配管と、多岐管433の一方の分岐管を二つの手動
開閉弁v45を介して液槽12の2箇所に分岐連通させ
る配管と、多岐管433の他方の分岐管を液槽12の場
合と同様の二つの手動開閉弁v45を介して液槽13の
2箇所に分岐連通させる配管とを含んでいる。
【0070】ポンプ42の吐出口は逆止弁v46を介し
てろ過器41の液供給口に配管接続されている。ろ過器
41は循環ろ過装置3におけるろ過器31と同タイプの
ものである。なお異なるタイプのものであってもよい。
また、送液回路には二つの液槽12、13から一つの液
槽を選択してその液槽内のメッキ液の劣化、消耗等に伴
い変化する液組織を復元し、更には蓄積不純物の除去ろ
過を行うためのあけ換え装置51(図3参照)が付設さ
れいる。
【0071】温度制御回路45は、図3に示すように、
手動開閉弁va’、熱交換器451、手動開閉弁vb’
を直列接続した回路に流量調整弁Vを並列接続したもの
で、熱交換器入口側の弁va’の入口及び流量調整弁V
の入口は液分配用の多岐管452を介して前記の弁v4
4(ろ過器出口側の弁)に配管接続され、弁vb’の出
口及び流量調整弁Vの出口は液槽へ通じる前記の液分配
用多岐管433に配管接続されている。
【0072】循環ろ過装置3における温度制御回路45
循環ろ過装置4A、4Bにおけるこの温度制御回路4
5と基本的に同構造である。但し、循環ろ過装置3にお
ける温度制御回路45では、弁vb’に相当する弁及び
流量調整弁Vに相当する弁の出口は多岐管を介すること
なく一本の配管に集められ、さらに二つの手動開閉弁v
15を介して液槽11の2箇所に分岐連通されている。
【0073】あけ換え装置51は、図3に示すように、
ろ過器41の送液口を手動開閉弁v51を介してあけ換
え槽511に連通させ得るように配管するとともに、ポ
ンプ42の吸液口を手動開閉弁v52を介してあけ換え
槽511の底部に設置した従来型のフート弁(foot val
ve) v53に配管接続したものである。循環ろ過装置3
におけるあけ換え装置51もこのあけ換え装置51と基
本的に同構造である。ここで本明細書にいう前述及び後
述の「多岐管」について述べると、該多岐管は一端が閉
鎖された閉鎖筒体の形態の多岐管本体と、これに接続さ
れた複数の分岐管とを含んでいる。そして循環ポンプに
よる液槽からの吸液回路及びろ過器から液槽への送液回
路に該多岐管を用いる循環ろ過装置において、該多岐管
の本体に設ける複数の各々同一又は異なる断面積を持つ
分岐管のそれぞれからの吸液又は送液における通液量が
その分岐管の断面積によって決まるものである。
【0074】さらに説明すると、該複数分岐管のそれぞ
れにおいて単位断面積あたりの通液量は、例えばろ過器
のろ過助剤のプレコート層が不純物除去の許容範囲を超
えて著しく目詰まりし、プレコート層前後の圧力差、換
言すればろ過器内原液室とろ過室との圧力差が著しく変
動するなどの不都合がない限り、実質上同量であり、各
分岐管は該単位断面積あたり等量の通液量に基づいて必
要とされる所定の通液量を得る断面積を有する。多岐管
本体はこれを構成している筒体内の略全長にわたり同一
断面積で、且つ、複数多岐管の合計断面積より若干大き
い断面積を有する。多岐管本体内圧力は、筒体内の略全
長にわたり同一断面積のもとに同一の負圧力又は正圧力
下におかれ、各分岐管ごとの所定の通液量を過不足無く
得られる。再びもとに戻って説明を続けると、以上説明
した循環ろ過装置3における液合流用多岐管33及び温
度制御回路45の図示省略の多岐管、並びに循環ろ過装
置4A、4Bにける液合流用多岐管431、432、、
430、液分配用多岐管433及び温度制御回路45の
多岐管452はいずれも基本的に図9に示す多岐管と同
じ構造のものであり、製作材質は塩化ビニル樹脂(PV
C)によるもので、後述の図10に示す多岐管も材質は
同様である。なおこれら多岐管は他の材料製、例えば他
の合成樹脂製や金属製でもよい。
【0075】すなわち、循環ろ過装置3における液合流
用多岐管33、温度制御回路45の図示省略の多岐管、
並びに循環ろ過装置4A、4Bにける液合流用多岐管4
31、432、430、液分配用多岐管433及び温度
制御回路45の多岐管452はいずれも、構造的には図
9に示すように、それとは限定されないがここでは断面
円形の多岐管本体401とこれに接続された2本の、そ
れとは限定されないがここでは断面円形の分岐管40
2、403とからなるものである。多岐管本体401は
一端に他の管を接続するための主開口部401aを有
し、他端401bが閉鎖された内径略均一な(液流通断
面積が略均一な)閉鎖筒体である。
【0076】そして分岐管402、403に対する正又
は負の同一圧力下における多岐管本体401の開口部4
01aの断面積は、それぞれ必要とする所定の通液量を
与える分岐管402、403の合計断面積に相当する断
面積を有している。また多岐管本体401の断面積は該
複数分岐管の合計断面積に対して余裕のある断面積とし
て該開口部401aよりは若干大きい断面積を有してい
る。
【0077】分岐管402、403は多岐管本体401
の長手方向における2箇所において、多岐管本体の長手
方向に直交する方向から該多岐管本体内へ突出挿入さ
れ、各分岐管402、403の多岐管本体への突出度
(突出挿入高さ)αは本体401の内径Rの略1/2以
上3/5以下の範囲にある。
【0078】多岐管本体401は該二つの分岐管40
2、403に対して液密に接着剤、溶接等によって接続
されている。なお後述する図10に示す多岐管、さらに
はその多岐管本体600及び分岐管601〜605につ
いても、その基本構成は以上説明した多岐管と同様であ
る。また、いずれの多岐管においても、分岐管の多岐管
本体に対する接続部位は特に限定されず、液回路構成に
応じて多岐管本体周囲の任意の部位に接続できる。ま
た、その接続にあたっての分岐管の角度は、必ずしも多
岐管本体の長手方向に直交する方向でなくてもよい。
【0079】かかる構造の多岐管によると、多岐管本体
401の主開口部401aに液循環用ポンプの吸液口を
連通させて液合流用の多岐管として用いた場合、ポンプ
の吸引圧力(負圧力)、すなわち多岐管本体内の液圧
(吸引圧)が多岐管本体内各部で均一化され、従って各
分岐管402、403から多岐管本体401内への吸液
量は各分岐管の液流通断面積に応じたものとなる。
【0080】また、多岐管本体401の主開口部401
aにポンプの吐出口を連通させて液分配用の多岐管とし
て用いた場合、ポンプの吐出圧力(正圧力)、すなわち
多岐管本体内の液圧(正圧力)が多岐管本体内各部で均
一化され、従って各分岐管402、403からの吐出液
量は該分岐管の液流通断面積に応じたものとなる。ここ
ではこのような構造の多岐管を、循環ろ過装置3におけ
る多岐管33及び温度制御回路45の図示省略の多岐
管、並びに循環ろ過装置4A、4Bにける液合流用多岐
管431、432、430、液分配用多岐管433及び
温度制御回路45の多岐管452として採用しているか
ら、液槽の内底溝102及びオーバーフローボックスB
2から所定量ずつ液を吸引し、循環ろ過装置3において
は液槽11へ所定量のろ過後の液を戻すことができ、ま
た、複数の液槽に対して設けられた循環ろ過装置4A、
4Bについては該複数の液槽に所定量ずつろ過後の液を
戻すことができ、さらに各温度制御回路45において
は、図3に示すように多岐管452を設け、流量調整弁
Vによって設定された任意の熱交換流量でもって容易に
熱交換器に送液できるのである。
【0081】なお、従来採用されている多岐管9は、概
ね図15に示すように、一か所に液流通用の主開口部9
1aを有し、該主開口部91aの位置を除く複数箇所に
分岐管92を接続したものである。分岐管92の接続
は、分岐管の一端を多岐管本体91の壁に設けた孔91
bに合わせ接続することでなされている。ところがこの
ような従来型多岐管では、多岐管本体内の全長における
各部で液圧が均一に作用せず、特にろ過器におけるろ過
圧力が不純物除去に伴って上昇してきたときには、たと
えそのろ過圧力がろ過器自体では許容範囲にあるときで
も各部で液圧が均一に作用せず、例えばポンプによって
主開口部91aから正圧力下に多岐管本体91内に液体
を導入したとすると、主開口部91aに近い分岐管には
多くの液が流出し、主開口部91aから順次遠くなる各
位置では、それより前の位置での分岐管への液流出によ
り液圧が低下して、その位置での分岐管にはより少ない
量の液しか流出しない。
【0082】一方、ポンプによる吸液圧力(負圧力)下
において分岐管92に外部から液を流入させ、これを主
開口部91aから吸引する場合は、主開口部91aに近
い分岐管からは多くの液を吸引できるが、主開口部91
aから順次遠くなるに従ってポンプの液吸引作用が低下
してその位置での分岐管92からはより少ない量の液し
か吸引できない。
【0083】このような多岐管を処理液のろ過のための
液体回路、後述する複数の液槽における処理液を均質に
維持するための液体回路、各液槽における液面位置を制
御するための液体回路等に採用すると、所望のろ過処
理、処理液質の維持、液面制御に支障をきたすことにな
る。このような問題を解決するには、各分岐管に流量調
整弁90を設けなければならないが、それではコスト高
となるうえに、不純物のろ過除去量に応じて日時の経過
とともに減量していくろ過量、さらに配管抵抗による各
吸、送液管毎の通液量の減少等を均一化するについて、
流量調整弁90の開き度乃至絞り度の調整に著しく手間
を要する。
【0084】この点、図9に示す構造の多岐管による
と、各分岐管において、図15に示すような流量調整の
ための流量調整弁90を設ける必要はなく、その液流通
断面積に応じた通液量を簡単、容易に、安価に得ること
ができる。次に以上説明したろ過装置等について、説明
の都合上、ろ過装置4Aから説明する。
【0085】循環ろ過装置4Aによると、通常の循環ろ
過においては、前記の弁v41〜v45が開けられ、温
度制御回路45における弁va’、vb’、Vはそれぞ
れ任意の所定の開度に設定され(常に開いたままでもよ
い)、あけ換え装置51へ通じる手動開閉弁v51、v
52は閉じられる。
【0086】そして循環ポンプ(本例では遠心ポンプ)
42を運転することで、弁v43を介して液槽12、1
3の各内底溝102から第1吸引ヘッド104にて主と
して沈殿性不純物を含むメッキ液を吸引し、また図3に
鎖線で示すように液槽内底の他の部位に第3吸引ヘッド
108も設置してあるときは該第3吸引ヘッドからも液
槽内底部及びその近傍の不純物を含むメッキ液を吸引
し、一方、液槽12、13のそれぞれにおけるオーバー
フローボックスB1、B2へ堰部21、22を越えてメ
ッキ液とともに流れ込み、該ボックスB2へ集まる浮遊
性不純物をボックスB2内のメッキ液とともに第2吸引
ヘッド106にて吸引し、これら不純物をろ過器41で
ろ過し、ろ過後のメッキ液を再び各液槽12、13の2
箇所へ還流することができる。このようにろ過後の液を
各液槽の1箇所ではなく複数箇所に戻すので、それだけ
該液槽の各部において液の清浄度が向上する。
【0087】この循環ろ過中、メッキ液は温度制御回路
45における熱交換器451にて所定温度に制御され
る。連休や休日あけ等においてメッキ処理装置を運転開
始する際、メッキ液の温度が所定の温度から大きく外れ
ているようなときには、所定の温度又はそれに近くなる
まで、温度制御回路45における流量調整弁Vを絞るか
閉じて、メッキ液を熱交換器451に集中的に流すこと
で、速やかに所定のメッキ液作業温度を得ることができ
る。
【0088】ところで、一般に物品処理液槽の場合、処
理液中には、被処理物に当初から付着していて持ち込ま
れる不純物、被処理物の前処理工程中に発生する不純物
であって被処理物に付着して持ち込まれる不純物、そし
て処理液内での被処理物の処理過程において電解、劣化
等により発生する不純物等が相乗して不純物が日々積増
していき、このためにコスト高を招くろ過器のろ過床の
頻繁な洗浄復元及び液槽あけ換えろ過を行わなければな
らない。
【0089】物品メッキ処理液槽を例にとると、メッキ
処理液中には、被処理物に当初から付着していて持ち込
まれる不純物、被処理物の前処理工程中に発生する不純
物であって被処理物に付着して持ち込まれる不純物、そ
してメッキ処理液槽内での被処理物の処理過程における
アノードの電解、処理液の劣化等により発生する不純
物、外部から液槽内へ落下することがある不純物等が相
乗して不純物が日々積増していき、このためにろ過器内
のろ過床の頻繁な洗浄復元作業、そして液槽あけ換えろ
過を行わなければならない。さらにこれら作業のため
に、メッキ製品の生産中断、残業の増加、これらに伴う
人件費の増加、高価なメッキ液の損失、諸薬品や排液の
管理費の増加、電気等のエネルギーの過大な消耗を招
き、ひいてはメッキ製品の高騰を招く。
【0090】あけ換えろ過を例にとると、あけ換えろ過
実施の周期は液質、生産品種等によって大きく左右され
るが、概ね1ケ月から3ケ月の間である。あけ換えろ過
によって無機、有機不純物の除去のための活性炭処理及
びろ過等の処理を行って液組成を再生復元し、その復元
液を再び元の液槽に還流させる。いま説明しているメッ
キ処理液槽11〜15においては次のようにあけ換えろ
過処理を行う。
【0091】すなわち、液槽12内メッキ液のあけ換え
ろ過を行うときは循環ろ過装置4Aにおける、液槽12
側の弁v42、液槽13側の弁v41、v42及び温度
制御回路45の入口へ通じる弁v44、あけ換え装置5
1の弁v52を閉じ、液槽12側の弁v41、ポンプ4
2の吸液口に通じる弁v43と共にあけ換え装置51に
おける弁v51を開き、ポンプ42を運転する。
【0092】これにより、液槽12側の弁v41、多岐
管431、多岐管430(図3では図示省略、図1参
照)、ポンプ吸液側の弁v43、ポンプ42、逆止弁v
46、ろ過器41、弁v51を経由して液槽12内のメ
ッキ液をあけ換え槽511へ回収することができる。あ
け換え槽511に回収した液には活性炭ろ過処理、液組
成復元処理等を施す。処理済液のあけ換え槽511から
液槽12への還流には、あけ換え装置51の弁v51、
ポンプ42の吸液口に通じる弁v43、液槽13側の弁
v45を閉じ、あけ換え装置の弁v52、温度制御回路
45へ通じる弁v44、温度制御回路45の弁V、液槽
12側の弁v45を開き、ポンプ42を運転する。
【0093】これによりあけ換え槽511の底部にある
フート弁v53から復元されたメッキ液は吸入されて、
あけ換え装置の弁v52、ポンプ42、逆止弁v46、
ろ過器41、弁v44、温度制御回路45の多岐管45
2、弁V、多岐管433を経由して液槽12側の弁v4
5から液槽12へ還流する。一方、液槽13内のメッキ
液のあけ換えろ過を行うときは、循環ろ過装置4Aにお
ける、液槽13側の弁v42、液槽12側の弁v41、
v42及び温度制御回路45へ通じる弁v44、あけ換
え装置51の弁v52を閉じ、液槽13側の弁v41、
ポンプ42の吸液口に通じる弁v43と共にあけ換え装
置51における弁v51を開き、ポンプ42を運転す
る。
【0094】これにより、液槽13側の弁v41、多岐
管432、多岐管430、ポンプ吸液側の弁v43、ポ
ンプ42、逆止弁v46、ろ過器41、弁v51を経由
して液槽13内のメッキ液をあけ換え槽511へ回収す
ることができる。あけ換え槽511に回収した液にはろ
過処理等を施す。あけ換え槽511から液槽13への液
還流には、あけ換え装置51の弁v51、ポンプ42の
吸液口に通じる弁v43、液槽12側の弁v45を閉
じ、あけ換え装置の弁v52、温度制御回路45へ通じ
る弁v44、温度制御回路45の弁V、液槽13側の弁
v45を開き、ポンプ42を運転する。
【0095】これにより、あけ換え槽511の底部にあ
るフード弁v53から復元されたメッキ液が吸入され
て、あけ換え装置51の弁v52、ポンプ42、逆止弁
v46、ろ過器41、弁v44、温度制御回路45の多
岐管452、弁V、多岐管433を経由して液槽13側
の弁v45から液槽13へ還流する。このようにここで
は液槽12、13のメッキ液のあけ換えろ過は、各槽の
メッキ液をそれぞれ全量あけ換えろ過ができる。
【0096】液槽12、13のメッキ液を個別にあけ換
えろ過処理できるようにしたのは、2槽一緒に液交換す
るとなればあけ換え槽511をそれだけ容量大にしなけ
ればならず、それではあけ換え槽511の設置スペース
が大きくなってしまうし、コスト高につくからであり、
さらに、あけ換えろ過が要求される原因は、各槽毎に生
じることが多いからである。
【0097】なお、大容量のあけ換え槽511の設置ス
ペースがある等の場合は2槽について一度にあけ換えろ
過作業を行ってもよい。循環ろ過装置4Bにおいても、
ろ過装置4Aの場合と同様に液槽14、15のメッキ液
を循環ろ過できる。また、メッキ液の温度制御もでき
る。さらに液槽14、15のメッキ液をそれぞれ全量
け換えろ過ができる。
【0098】循環ろ過装置3によると、通常の循環ろ過
においては前記の弁v11〜v15が開けられ、温度制
御回路45における開閉弁及び流量調整弁はそれぞれ所
定の開度に設定され、あけ換え装置51へ通じる開閉弁
は閉じられる。そして循環ポンプ32を運転すること
で、液槽11の内底溝102から第2吸引ヘッド104
にて主として沈殿性不純物をメッキ液とともに吸引し、
また図3に鎖線で示すように液槽内底の他の部位に第3
吸引ヘッド108も設置してあるときは該第3吸引ヘッ
ドからも液槽内底部及びその近傍の不純物を含むメッキ
液を吸引する。
【0099】一方、液槽11に付設されたオーバーフロ
ーボックスB1、B2へ堰部21、22を越えてメッキ
液とともに流れ込み、ボックスB2へ集まる浮遊性不純
物をボックスB2内の第2吸引ヘッド106にてメッキ
液とともに吸引して、これら不純物をろ過器31でろ過
し、ろ過後のメッキ液を再び液槽11の2箇所へ還流す
ることができる。このようにろ過後の液を液槽11の1
箇所ではなく複数箇所に戻すので、それだけ液槽11の
各部において液の清浄度が向上する。
【0100】この循環ろ過中、メッキ液は温度制御装置
45において所定温度に制御することもできる。連休及
び休日あけ等においてメッキ処理装置を運転開始する
際、メッキ液の温度が所定の温度から大きく外れている
ようなときには、所定の温度又はそれに近くなるまで、
温度制御回路45における流量調整弁Vを絞るか閉じ
て、メッキ液を熱交換器に集中的に流すことで、速やか
に所定のメッキ液温度を得ることができる。
【0101】液槽11内メッキ液のあけ換えろ過を行う
ときは、ろ過装置3において前述の液槽12、13のあ
け換え装置51と同様に液槽11側の弁v11を開いて
v12を閉じ、さらに温度制御回路45へ通じる弁v4
4と装置51の弁v52を閉じ、あけ換え槽511への
送液用開閉弁v51を開き、ポンプ32の運転によって
液槽11内のメッキ液を該あけ換え槽へ回収することが
できる。
【0102】そして回収されて再生し復元されたメッキ
液は、あけ換え装置51によって前述の液槽12、13
と同様にして液槽11に還流することができる。以上説
明したメッキ処理装置には、さらに、液槽11〜15の
それぞれからメッキ液を回収して混合し再び各液槽に戻
しつつ各液槽内の液面位置を所定位置に制御するための
液混合及び液面位置制御のための装置6が設けられてい
る。以下これについて説明する。
【0103】前記液混合及び液面位置制御のための装置
6は図1に示すように、液循環ポンプ(ここでは遠心ポ
ンプ)61と、液槽11〜15のそれぞれのオーバーフ
ローボックスB2から手動開閉弁v71、液合流用の第
1多岐管J1及び液合流用の第2多岐管J2、さらに手
動開閉弁v62を介してポンプ61の吸液口へ液を導く
回路と、液槽11〜15のそれぞれのオーバーフローボ
ックスB2から手動開閉弁v61及び各液槽に対応する
液排出用電動弁Va(合計5個ある)を介して液合流用
の第3多岐管J3へ、さらに該第3多岐管J3から前記
第2多岐管J2及び手動開閉弁弁v62を介してポンプ
61の吸液口へ液を導くことができる回路と、ポンプ6
1の吐出口から逆止弁Vo及びろ過器60を介して、さ
らに手動開閉弁v63、液分配用の第4多岐管J4及び
液分配用の第5多岐管J5を介して各液槽11、12、
13、14、15へ液を導く回路と、ポンプ61の吐出
口から前記の逆止弁Vo及びろ過器60を介して、さら
に弁v63、前記第4多岐管J4、液分配用の第6多岐
管J6及び各液槽に対応する液供給用電動弁Vb(合計
5箇ある)、さらに手動開閉弁v64を介して各液槽1
1、12、13、14、15へ液を導くことができる回
路とを備えている。液混合及び液面位置制御のための装
置6はさらに各液槽のオーバーフローボックスB2に設
置された液面位置検出装置62を含んでいる。
【0104】液排出用電動弁Va、液供給用電動弁Vb
はここではいずれも弁開閉駆動モータを備えた弁であ
る。なお、図示のメッキ処理装置は、図11(A)に示
すように装置全体の動作を制御する制御部7を備えてお
り、制御部7の一部は、いま説明している液混合及び液
面位置制御のための装置6の一部を構成している。
【0105】制御部7には操作盤71が接続されてお
り、それには各ポンプを始動したり、停止したりするス
イッチ等が搭載されている。そして、図11(A)に示
すように、各ポンプ32、42、42、61は該制御部
に接続されていて、該制御部からの指示に基づいて動作
するようになっているとともに、液混合及び液面位置制
御のための装置6における各液槽に対応する液排出用電
動弁Va、液供給用電動弁Vb及び液面位置検出装置6
2も該制御部に接続されている。
【0106】各液面位置検出装置62はいずれも同構造
のものであり、そのうち一つについて図11(B)に概
略構成を示すように、オーバーフローボックスB2内に
上方から吊り下げ挿入される合計5本の電極棒621〜
625を含んでいる。これら電極棒は電極棒621、6
22、623、624の順に長く、この長い順に深くボ
ックスB2内に挿入されている。電極棒625はアース
電極棒であり、電極棒624と略同じかより深くボック
スB2内に挿入されている。
【0107】各液槽のオーバーフローボックスB2内に
おいて、電極棒621は異常な液面の上限を検出するた
めの電極棒であり、電極棒622は液面位置が許容範囲
の上限に達するとこれを検出するための電極棒であり、
電極棒623は液面位置が許容範囲の下限に達するとこ
れを検出する電極棒であり、電極棒624はそのオーバ
ーフローボックス内が渇液状態にあることを検出する電
極棒である。
【0108】液槽11〜15のいずれの液槽において
も、該液槽における堰部21、22を越えてオーバーフ
ローボックス内に収容されている液の液面高さが所定の
上限と下限の範囲内にあるときは、即ちボックスB2内
の液面位置が電極棒622の下端より下方に、且つ、電
極棒623の下端より上方に位置している場合には、該
液槽に対応する液排出用電動弁Va、液供給用電動弁V
bはいずれも制御部7の指示のもとに開かれたままで、
該液槽について液の排出及び供給が続けられる。
【0109】しかし、該液槽における堰部21、22を
越えてボックスB2内に収容されている液の液面高さが
所定の範囲を超えて高くなって電極棒622の下端に接
触すると、制御部7の指示のもとに、該液槽に弁v64
(通常、開けてある)を介して連通している液供給用電
動弁Vbは閉じて該液槽への給液は停止される一方、液
排出用電動弁Vaは開かれ、弁v61(通常、開けてあ
る)を介して該液槽から液が排出される。
【0110】このとき、電動弁Vaを介しての排出回路
とは別に、弁v71(通常開けてある)、多岐管J1を
介して排出される液が、多岐管J2内において、電動弁
Va及び多岐管J3からの排出液と合流し、これら合流
液が弁v62を介してポンプ61に吸引される。また該
液槽内の液面位置が降下して電極棒623の下端を離れ
ると、制御部7の指示のもとに、液排出用電動弁Vaが
閉じられる一方、液供給用電動弁Vbは開かれ、弁v6
4を介して該液槽へ送液される。このとき、ポンプ61
からの送液は、逆止弁Vo、ろ過器60を経て、多岐管
J4の二つの分岐管のうち一方の分岐管により前記の多
岐管J6、電動弁Vb、弁V64を経て液槽へ還流する
同時に、多岐管J4の他方の分岐管から多岐管J5
へ、さらに液槽への液流出口63へと還流する。
【0111】そして該循環ろ過装置6において、ポン
プ61の吸液回路における弁v61から電動弁Vaを経
由する排出液量と、電動弁Vaを経由しないで弁v71
から多岐管J1、J2を経て排出される液量との合計排
出液量と、該ポンプの送液回路における電動弁Vb、
弁v64を経由して液槽へ還流する送液量と、電動弁V
bを経由しないで多岐管J4、J5を経て液流出口63
から液槽へ還流する液量との合計送液量とが略等量とな
るように当初において設定されている。
【0112】なお、この間、ポンプ61の運転は継続し
ている。オーバーフローボックスB2内において、不測
の事態等により処理液の液面高さが所定の高さより低く
なって、該液面が電極棒624を離れると、或いは処理
液の液面高さが所定の高さより高くなって該液面が電極
棒621に接触すると、制御部7の指示のもとに前後者
ともにポンプ61のみならず全ポンプが非常停止され
る。安全管理のためにこの場合に警報を発する警報装置
を設けておいてもよい。
【0113】前記の液合流用の多岐管J1〜J3、は、
吸液のための吸液空間を有するとともに該吸液空間に連
通する液流通主開口部を一か所に有する多岐管本体と、
該多岐管管本体の前記主開口部位置を除く複数の所定箇
所のそれぞれに連設された分岐管とを備えており、液が
各分岐管に流入し、多岐管本体内で合流し主開口部から
流出するものである。
【0114】また、前記の液分配用の多岐管J4〜J6
は、送液のための送液空間を有するとともに該送液空間
に連通する液流通主開口部を一か所に有する多岐管本体
と、前記多岐管本体の前記主開口部位置を除く複数の所
定箇所のそれぞれに連設された分岐管とを備えており、
液が主開口部に流入し、各分岐管から別れて流出するも
のである。
【0115】第1多岐管J1及び第3多岐管J3、さら
に第5多岐管J5及び第6多岐管J6のそれぞれには、
液槽の数と同数(ここでは5本)の分岐管が設けられて
おり、第2多岐管J2及び第4多岐管J4については2
本の分岐管が設けられている。 装置6で採用されてい
る液合流用の多岐管J2及び液分配用の多岐管J4は、
循環ろ過装置で採用した図9に示す構造の多岐管と基本
構造を同じくするもので、各分岐管にその液流通断面積
に応じた通液量を得ることができるものである。 ま
た、装置6で採用される液合流用多岐管J1及びJ3並
びに液分配用の多岐管J5及びJ6はいずれも図10に
示す多岐管と同構造を有するものであり、製作材質は塩
化ビニル樹脂(PVC)によるものである。なおこれら
多岐管は処理液質等に応じて他の材料製、例えば他の合
成樹脂製や金属製でもよいすなわち、多岐管J1、J
3、J5、J6のそれぞれは、図10に示すように、そ
れとは限定されないがここでは断面円形の多岐管本体6
00とこれに接続された5本の、それとは限定されない
がここでは断面円形の分岐管601、602、603、
604、605とからなるものである。
【0116】多岐管本体600は一端に他の管を接続す
るための主開口部600aを有し、他端600bが閉鎖
された内径略均一な(液流通断面積が略均一な)閉鎖筒
体である。そして分岐管601〜605に対する正又は
負の同一圧力下における多岐管本体600の開口部60
0aの断面積は、それぞれ必要とする所定の通液量を与
える分岐管601〜605の合計断面積に相当する断面
積を有している。各分岐管の液流通断面積はここでは同
一である。また多岐管本体600の断面積は該複数分岐
管の合計断面積に対して余裕のある断面積として該開口
部600aよりは若干大きい断面積を有している。
【0117】分岐管601〜605はそれぞれ多岐管本
体600の長手方向における5箇所において、多岐管本
体の長手方向に直交する方向から該多岐管本体内へ突出
挿入され、各分岐管の多岐管本体への突出度(突出挿入
高さ)βは本体600の内径R’の略1/2以上3/5
の範囲にある。分岐管601〜605のそれぞれの多岐
管本体600内への突出挿入高さは、該多岐管本体にお
よぶポンプ61の吸液圧力(負圧力)又は送液圧力(正
圧力)下において、該多岐管本体内の圧力(負又は正圧
力)を均一圧力下におくものである。
【0118】この構造の多岐管においても、多岐管本体
600の主開口部600aにポンプ61の吸液口を連通
させて液合流用の多岐管として用いた場合、多岐管本体
内の液圧(負圧力)が多岐管本体内各部で均一化され、
従って各分岐管601〜605から多岐管本体600内
への吸液量は該分岐管の液流通断面積に応じたものとな
る。ここでは同じ吸液量となる。
【0119】また、多岐管本体600の主開口部600
aにポンプ61の吐出口を連通させて液分配用の多岐管
として用いた場合、多岐管本体内の液圧(正圧力)が多
岐管本体内各部で均一化され、従って各分岐管601〜
605からの吐出液量は該分岐管の液流通断面積に応じ
たものとなる。ここでは同じ吐出液量となる。以上説明
したように、ここでは、多岐管J1〜J6(図1参照)
として、各分岐管にその液流通断面積に応じた通液量を
得ることができる多岐管を採用しており、それにより、
各液槽の相互液混合を継続しつつ行う各液槽11〜15
における液面位置の制御を、各液槽における液面高さに
見合った状態で適切に行うことができ、また、それによ
り液面位置制御のための各弁Va、Vb(図1参照)の
開閉回数を低減させることができ、その開閉サイクルを
それだけ長びかせると共に電動弁Va、Vbの耐久性を
も長びかせることができる。
【0120】以上説明した液混合及び液面位置制御のた
めの装置6によると、各液槽のオーバーフローボックス
B2における液面が正常位置にあるときは、各弁Va、
Vbが開かれ、液循環ポンプ61が運転されることで、
複数の液槽11〜15のそれぞれのオーバーフローボッ
クスB2から弁v61、v71を介して液が吸引され、
各槽の液は液合流用の第1多岐管J1及び第3多岐管J
3の各分岐管に至り、それら分岐管から該多岐管の本体
内へ流入し、合流し、さらに該多岐管本体から液合流用
の第2多岐管J2の分岐管へ流れ、該多岐管J2の本体
を経て、各槽の液が混合された状態で液循環ポンプ61
へ吸い込まれる。
【0121】そして、液循環ポンプ61に吸い込まれた
液体は該ポンプから吐き出され、ろ過器60でろ過され
たのち、液分配用の第4多岐管J4の本体へ流入し、さ
らに該多岐管から液分配用の第5多岐管J5及び第6多
岐管J6の本体へ流入し、該多岐管の各分岐管を経て各
液槽11〜15へ還流する。このように各液槽から吸引
されたメッキ液が多岐管J1、J3で合流し、さらに多
岐管J2で合流し、液循環ポンプ61に吸い込まれて吐
き出され、さらにろ過器60を通過し、第4多岐管J4
で分配され、さらに第5多岐管J5及び第6多岐管J6
で分配される過程で、複数の液槽11〜15からのメッ
キ液が混合され、これが連続的に実施されることで各液
槽のメッキ液組成は、均質に維持される。
【0122】また、前記のとおり各液槽の液面位置が制
御される。このようにして各液槽内の処理液を混合し
て、均一な液組成のもとに生産作業を継続的に実施でき
る。しかもこれら液混合と液面制御は一つの液循環ポン
プ61により達成される。かくして、装置構造の複雑
化、大形化、高価格化を抑制しつつ、液槽間において処
理液を均質に維持することができるとともに各液槽にお
ける液面位置の所定液面位置に対する変動を抑制でき
る。
【0123】なお、以上説明した液混合及び液面位置制
御のための装置6のように、少なくとも液循環ポンプ6
1へ液を導くための各回路及び液面位置検出装置62を
オーバーフローボックスB2に対して設けることで、液
槽の堰部を越える前の液を収容している部分で邪魔もの
少なくメッキ処理を行える。また、液槽全体における液
量の変動に対して液面の上下変動を大きくとれるオーバ
ーフローボックスにおいて液槽における液面位置の変動
をより決め細かく検出して、適切な液面位置制御を行え
る。
【0124】ろ過器60はオーバーフローボックスに流
入する液量に対応できる本来の循環ろ過のためのろ過器
31、41よりも小型でよい。しかもろ過器60は既に
述べたように1台でも足りる。図1に示すメッキ処理装
置におけるメッキ液の循環ろ過装置3、4A、4Bによ
る循環ろ過は、各液槽についてみると、通例に従い例え
ば、1時間当たり1液槽の液収容量に対し約3回循環ろ
過することができる。すなわちろ過量は該容量の約3倍
を標準とすることができる。また、循環ろ過装置6によ
る液混合及び液面制御のための液処理量は、例えば1液
槽の液収容量に対し1時間あたり約0.5回循環ろ過す
る量とできる。すなわちろ過量は該容量の約0.5倍を
標準とすることができる。
【0125】例えば図1に示す五つの液槽のそれぞれに
おける正規の液収容量を5m3 とすると、1分間あたり
のろ過量は次表のように設定できる。 ろ過回数×液収容量×液槽数÷ろ過時間= 1分間ろ過量 ろ過装置3 3 × 5m3 × 1 ÷ 60分= 0.25m3 /分 ろ過装置4A 3 × 5m3 × 2 ÷ 60分= 0.5 m3 /分 ろ過装置4B 3 × 5m3 × 2 ÷ 60分= 0.5 m3 /分 ろ過装置6 0.5 × 5m3 × 5 ÷ 60分= 0.208 m3 /分 次に各液槽11〜15においてオーバーフローボックス
B1、B2に臨む堰部21、22(図4も参照)につい
て説明する。
【0126】堰部21、22はいずれの液槽のものにつ
いても同じであるから、ここでは液槽12に設けられて
いるものに代表させて説明する。他の液槽についても堰
部の点については以下の説明が当てはまる。堰部21は
液槽12とオーバーフローボックスB1との間の仕切り
壁w1(図4参照)の上端縁部にオーバーフロー用ノッ
チ20を形成して設けられている。堰部22は液槽12
とオーバーフローボックスB2との間の仕切り壁w2
(図4参照)の上端縁部にオーバーフロー用ノッチ(切
欠部)20を形成して設けられている。ここでは堰部2
1、22における各オーバーフロー用ノッチ20は同じ
形状、サイズである。
【0127】各ノッチ20はここでは逆三角形状であ
り、堰部21、22のいずれについても複数形成されて
いる。このように液オーバーフロー用ノッチ20を形成
した堰部21、22を採用して該ノッチ20からオーバ
ーフローボックスB1、B2へ液がオーバーフローする
ようにしたので、該堰部21、22から液を浮遊性不純
物とともにオーバーフローボックスB1、B2へ流入さ
せて、それらを前述のとおり該ボックスからポンプで吸
引でき、これら吸引した液をろ過に供することができ
る。
【0128】そして液オーバーフロー用ノッチ20を形
成した堰部21、22を採用して該ノッチ20からオー
バーフローボックスB1、B2へ液がオーバーフローす
るようにしたので、液槽12内の液面が望ましい液オー
バーフローのための液面位置より少しぐらい上昇して
も、その上昇液面位置がノッチ20に臨んでいる限り、
従来の矩形堰のように堰の上端縁の全長にわたり一斉に
オーバーフロー量が急激に増加し、そのために全体のオ
ーバーフロー量が著しく増加してしまうということはな
く、該ノッチ20における液面の上昇による液流通断面
積の増加分だけオーバーフロー量が増加するだけであ
る。
【0129】また、液槽12内の液面が下降しても、そ
の下降液面位置がノッチ20に臨んでいる限り、従来の
矩形堰のように堰部上端縁の全長にわたり一斉にオーバ
ーフロー量が減少し、そのため全体のオーバーフロー量
が著しく減少してしまうということはなく、該ノッチ2
0における液面の下降による液流通断面積の減少分だけ
オーバーフロー量が減少するだけである。
【0130】従って、液槽12における液面の上下変動
があっても、従来の矩形堰に比べると、オーバーフロー
量はごく緩やかに増大又は減少する。換言すれば、液槽
12における液面の上下変動があっても、従来の矩形堰
に比べると、オーバーフロー量の変動はごく小さく抑制
される。かくして液の適切なろ過のために、ろ過用ポン
プ能力に見合った循環ろ過の液量に応じて設定される液
槽12底部からの吸液量(例えば循環ろ過液量の略70
%)とオーバーフローボックスからの吸液量(例えば循
環ろ過液量の略30%)を維持して、液の適切なろ過が
達成される。
【0131】また、液オーバーフロー用ノッチ20を形
成した堰部21、22を採用して、該ノッチ20からオ
ーバーフローボックスB1、B2へ液がオーバーフロー
するようにしてあり、該ノッチ20は堰部21、22を
越える前の液の深さ方向に延びているから、液槽12内
の液面に浮上し易い浮上性不純物だけでなく、それより
下層に浮遊し易い不純物も該ノッチ20からオーバーフ
ローボックスB1、B2へ流入しやすく、かかる液面よ
り下層に浮遊する不純物についても回収してろ過するこ
とができる。
【0132】さらに、ノッチ20の形状(ここでは特に
ノッチの逆三角形状の下端頂角の角度とノッチの深さ)
や数を選んで、オーバーフロー量をたやすく設定できる
という利点もある。なお、図示のノッチ20は逆三角形
状であるが、矩形状、U字形状など他の形状であっても
よい。図示のように逆三角形状ノッチを採用するばあ
い、その逆三角形状の下端頂角として、それには限定さ
れないが、40°〜90°、より好ましくは50°〜6
0°程度を例示できる。
【0133】図12(A)に示すように、幅500mm
の従来矩形堰200があり、液槽の標準液位が該矩形堰
200の上端よりh=10mm上昇した位置にあり、こ
のとき堰200を越えてオーバーフローする標準液量
(所定液量)は略55.2リットル/分であり、液槽の
液面がh=15mm、20mm、25mmとそれぞれ上
昇したとすると、矩形堰200をオーバーフローする液
量は次表に示すように、101.4リットル/分、15
6.1リットル/分、218.2リットル/分となる。
【0134】ここで矩形堰200に代えて、図12の
(B)、(C)、(D)に示すような幅40mmの矩形
ノッチN1、逆三角形状の下端頂角90度のノッチN
2、逆三角形状の下端頂角60度のノッチN3をそれぞ
れ有する堰部201、202、203を採用した場合、
矩形堰200と同じ標準オーバーフロー液量55.2リ
ットル/分を得ようとすると、次表に示すように、堰部
201については、ノッチN1の個数Pを5個とする
と、各ノッチN1の液流通断面の高さh1を18.4m
mとすればよい。
【0135】堰部202については、ノッチN2の個数
Pを5個とすると、各ノッチN2の液流通断面の高さh
2を28mmとすればよい。堰部203については、ノ
ッチN3の個数Pを4個とすると、各ノッチN3の液流
通断面の高さh3を38.1mmとすればよい。すなわ
ち、液オーバーフロー用のノッチを有するいずれの堰部
201、202、203においても該ノッチは液の深さ
方向へ延びているから、矩形堰200の上端より液面ま
での高さh=10mmより深く切れ込んでいる。これに
より液面に浮上し易い浮上性不純物だけでなく、それよ
り下層に浮遊し易い不純物も該ノッチからオーバーフロ
ーさせ得ることがわかる。
【0136】また、液槽の液面が前記のように矩形堰2
00の上端よりh=15mm、20mm、25mmとそ
れぞれ上昇したときの該堰200を越えるオーバーフロ
ー液量と同じオーバーフロー液量を得ようとすると、各
ノッチ付き堰部201、202、203におけるノッチ
の個数Pとノッチにおける液流通断面の高さh1、h
2、h3は次表のようになる。すなわち次表より、液面
の高さが通常液面位置より5mm(h=15mmの場
合)、10mm(h=20mmの場合)、15mm(h
=25mmの場合)と変動しても、ノッチ付き堰部20
1、202、203においては、オーバーフロー液量の
変動を矩形堰200より小さく抑制できることがわか
る。
【0137】次表においてMは矩形堰200におけるオ
ーバーフロー液量リットル/分を示し、mは各ノッチに
おけるオーバーフロー液量リットル/分を示し、Pはノ
ッチの数を示す。h、h1、h2、 h3 の単位は〔mm〕で
ある。 さて、従来の上端縁が水平一直線に延びる所謂矩形堰に
よると、液槽の底部から吸液する量とオーバーフローボ
ックスから吸液する量とをろ過用ポンプの能力に応じて
所定の割合に設定してあっても、液槽内液面の僅かの上
昇によってもオーバーフロー量が大きく増し、それによ
りオーバーフローボックス内液量が、ポンプ能力のうち
オーバーフローボックスからの吸液能力を超えて多くな
りすぎ、次第に液槽内の液面とオーバーフローボックス
内の液面とが同位置近くになって落差が小さくなり、遂
には浮遊性不純物をオーバーフローボックスに充分回収
できなくなることがあることは、既に述べた。この点に
ついてもう少し説明する。
【0138】例えば物品の電気メッキ液処理において、
メッキ処理液槽内のメッキ液の循環ろ過量は、被メッキ
物によって異なるが、概ね1時間当たり液槽内処理液量
の3倍のろ過量を標準とみている。そこで、従来の所謂
矩形堰からメッキ処理液をオーバーフローさせる前記の
ようなオーバーフローボックスB1、B2を備える液槽
の循環ろ過量を例にとると次のようになる。
【0139】 液槽内幅 液槽内長さ及び 液高さ 液量 堰の長さ (液深さ) 液 槽 1.0m 10m 1.1m 液 槽 内液量11m3 ボックスB1 0.2m 10m 0.3m ボックスB1液量 0.6m3 ボックスB2 0.4m 1m 0.5m ボックスB2液量 0.2m3 合計 11.8 m3 上記液量11.8m3 についての1時間当たりの循環総
ろ過量は、 11.8m3 ×3倍=35.4m3 /hr となる。
【0140】そして液槽内及びオーバーフローボックス
内の処理液のろ過量をそれぞれ全ろ過量の70%、30
%に設定すると、次のようになる。 液槽内液のろ過量 35.4m3 /hr×70%=24.8m3 /hr オーバーフローボックス 35.4m3 /hr×30%=10.6m3 /hr 内液のろ過量 合 計35.4m3 /hr 然るに従来の矩形堰によるオーバーフロー量は、堰上端
から液面までの高さh(図12(A)参照)を一般平均
的なh=10mmとすると、つぎのようになる。
【0141】h=10mmのとき、堰幅を前記のように
500mmとすると、オーバーフロー量は既述のとおり
概ね55.2リットル/分となり、堰幅がボックスB1
の長さ10mとボックスB2の長さ1mの合計11mで
あるから、55.2リットル/分÷500mm×11m
×60分=72.86m3 /hrとなり、前記のオーバー
フローボックスについて設定された循環ろ過液量10.
6m3 /hrを大幅に上回ってしまう。
【0142】このことは、オーバーフローボックス内液
量が、ポンプ能力のうちオーバーフローボックスからの
吸液能力を超えて多くなりすぎ、急速に液槽内の液面と
オーバーフローボックス内の液面とが同位置近くになっ
て落差が無くなり、浮遊性不純物をオーバーフローボッ
クスに充分回収できなくなることを意味する。その結
果、液ろ過が不充分となり、被メッキ物表面に不純物が
付着してザラ付き等が発生するなど、不良品が多発する
という重大問題が生じる。
【0143】そして、液槽内液面位置は、被処理物の前
処理工程で被処理物に付着した液の持ち込み、被処理物
による処理液の汲み出し、前記熱交換器による液加温に
際しての水分の蒸発等によって、時々刻々変動するの
で、各液槽内液面位置の調節、オーバーフローボックス
内への液流入量の調節は頻繁にして、厄介、且つ、重要
な作業となっていた。
【0144】この点本願発明では、前記のような液オロ
ーバーフロー用ノッチを設けた堰部を採用することで、
液槽内液面の上下変動があっても、従来の矩形堰に比べ
ると、オーバーフロー量の変動は小さく抑制され、それ
によりろ過用ポンプ能力に見合った循環ろ過の液量に応
じて設定される液槽底部からの吸液量とオーバーフロー
ボックスからの吸液量を維持して、液の適切なろ過が達
成され、ひいては不良品の発生を大幅に低減させること
ができる。
【0145】前記の堰部21、22は液槽とオーバーフ
ローボックスB1、B2との間の仕切り壁w1、w2の
上端縁部にノッチ20を形成して固定的に設けられたも
のであるが、液の適切なろ過をより一層簡単容易に行う
ために、堰部として、液槽とオーバーフローボックスと
の間の仕切り壁の上端縁部に取り外し可能に設置できる
堰部材を採用することもできる。図13はそのような着
脱可能の堰部材の1例を示しており、図14は同じく着
脱式の堰部材の他の例を示している。
【0146】図13(A)は堰部材8の斜視図である。
図13(B)は該堰部材の使用状態を示しており、図1
3(A)のX−X線に沿う断面で示している。堰部材8
は、液オーバーフロー用の矩形ノッチ80を四つ形成し
た板体81に断面門形状(乃至U字形状)の壁差し込み
部分800を一体的に形成し、ノッチ80を避けて補強
リブ83も一体的に形成したものである。
【0147】それには限定されないが、ここでの壁差し
込み部分800は凹所の形態のもので、板体81の片面
の途中部分に倒立L字形状の屈曲板部82を一体的に設
けて形成してある。屈曲板部82とそれに重なる位置に
ある板体81の下部には、上下方向に長いボルト貫通用
の長孔82aをそれぞれ設けてある。この堰部材8は、
それには限定されないが、ここでは液槽内処理液に対し
耐蝕性の合成樹脂(処理液が電気メッキ液の場合は例え
ば塩化ビニル樹脂)で全体を一体的に形成してある。
【0148】この堰部材8は、液槽11(12、13、
14、15)とオーバーフローボックスB1、B2との
仕切り壁に上方から差し込まれる。図13()は堰部
材8を液槽11とオーバーフローボックスB2との間の
仕切り壁w2に、前記の壁差し込み部分800で、上方
から差し込んだ状態を示している。堰部材8は、液槽内
の液量、ノッチ80の大きさ等の兼ね合いで、1又は2
以上が使用される。2以上を使用する場合、隣り合う堰
部材8は互いに接触させて仕切り壁w2に差し込む。図
示を省略しているが、堰部材8と同様の堰部材が液槽と
オーバーフローボックスB1との間の仕切り壁w1にも
差し込み配置される。
【0149】図13(A)に示すように、堰部材8を仕
切り壁w2に差し込み配置するとき、必要に応じ、前記
の壁差し込み部分800の上端奥に高さ調節用のライナ
ーLNを配置することができ、堰部材8は直接或いはこ
のライナーLNを介して仕切り壁w2の上端に載置され
る。そしてこのように仕切り壁w2に差し込まれた堰部
材8には、例えば前記の倒立L字形状の屈曲板部分82
側から、そこのボルト貫通用長孔82a、予め壁w2に
設けたボルト84が丁度貫通できる内径のボルト孔及び
板体81のボルト貫通用長孔82aにボルト84が通さ
れ、ナットで緊締される。このとき必要に応じ、ボルト
84に嵌合させた液シール材840を屈曲板部分82及
び板体81のそれぞれの外面に当てがい、これによりボ
ルト貫通用長孔82aの開いた部分を液密に閉じる。
【0150】かくして堰部材8は液槽とオーバーフロー
ボックスとの間の仕切り壁に所定高さで、換言すれば、
ノッチ80の高さ位置を、所定の液オーバーフロー量を
得る高さ位置に設定して取り付けられる。この堰部材8
によると、液オーバーフロー用ノッチ80を形成してあ
るから、先に説明した、ノッチ20を形成した堰部21
や22と同様の利点がある。
【0151】さらにこの堰部材8によると、オーバーフ
ロー量を各種に設定した堰部材8のうちから適切な堰部
材を選択採用して容易にオーバーフロー量を設定でき、
また、前記ライナーLNを高さの異なるものに変更する
等して堰部材8の取付け高さを変更したり、堰部材8を
交換することにより、オーバーフロー量を容易に変更す
ることもできる。
【0152】仕切り壁w2やw1が処理液に対し耐蝕性
に劣る、例えば金属材からなるもので、その表面に耐蝕
性合成樹脂等がコーティングしてあるときは、前記ボル
ト84を通すための孔を設けるとき露出する金属材等の
部分は、該ボルト孔に耐蝕性のシール剤を入れる等して
保護すればよい。図14(A)は堰部材8’の斜視図で
ある。図14(B)は該堰部材の使用状態を示してお
り、図14(A)のY−Y線に沿う断面で示している。
堰部材8’は前記の堰部材8の変形例であり、次の点が
堰部材8と異なる。その他の点は堰部材8と同様であ
り、堰部材8と同じ部分には同じ参照符号を付してあ
る。
【0153】この堰部材8’では、液オーバーフロー用
の矩形ノッチ80を形成した板体81の上部にもボルト
貫通用の長孔82aが形成してある。かかる長孔82a
はここでは板体81の両端部の上部に形成してある。そ
して、倒立L字形状の屈曲板部82は板体81の両端部
にある補強リブ83の外側位置で上部の水平部分が削除
されている。
【0154】この堰部材8’も堰部材8と同様に、図1
4(B)に示すように壁差し込み部800で仕切り壁w
2に差し込まれる。但しそのとき、倒立L字形状の屈曲
板部82の前記上部水平部分の削除部位に、それに対応
して予め仕切り壁w2の上端から上方へ一体的に延ばし
た立ち上がり壁W’が貫通し、板体81両端部の上部に
重なる。図示を省略しているが、堰部材8’と同様の堰
部材が液槽とオーバーフローボックスB1との間の仕切
り壁w1にも差し込み配置される。
【0155】そして堰部材8’は、堰部材8の場合と同
様に板体下部において仕切り壁w2にボルトナット留め
されるだけでなく、板体81の上部においても立ち上が
り壁W’にボルトナット留めされる。すなわち、立ち上
がり壁W’に予め設けた、ボルト84’が丁度貫通でき
る内径のボルト孔及び板体81上部のボルト貫通用長孔
82aにボルト84’が通され、ナットで緊締される。
このときも必要に応じ、ボルト84’に嵌合させた液シ
ール材840を板体81に当てがい、これによりボルト
貫通用長孔82aの開いた部分を液密に閉じる。かくし
て堰部材8’は液槽とオーバーフローボックスとの間の
仕切り壁に所定高さで、換言すれば、ノッチ80の高さ
位置を、所定の液オーバーフロー量を得る高さ位置に設
定して取り付けられる。
【0156】この堰部材8’においても堰部材8と同様
の利点がある。さらに、堰部材8’では、その一部に仕
切り壁w2の一部に相当する壁W’が重ね固定されるか
ら、堰部材8ならば液槽内の大きい液圧が加わって破損
する恐れのあるときでも、堰部材8’ではその恐れがな
い。図13、図14を参照して説明した堰部材8、8’
では液オーバーフローのためのノッチ80は矩形ノッチ
であるが、堰部材8、8’においても液オーバーフロー
のためのノッチは、既述の堰部21、22における逆三
角形状ノッチでもよく、或いはさらに他の形状のノッチ
でもよい。
【0157】また堰部材8、8’を仕切り壁w1、w2
に固定するのに前記の貫通ボルト84に代えて、堰部材
8、8’に螺合して仕切り壁w1、w2の壁面に当接す
ることで該堰部材を仕切り壁に固定するものを採用して
もよい。
【0158】
【発明の効果】以上説明したように本発明によると、
理液を貯留する液槽を有し、該液槽は液槽内に貯留され
る液中の上層部に浮遊する不純物を液とともに堰部から
オーバーフローさせるための1又は2以上のオーバーフ
ローボックスを有しており、該液槽内の処理液に被処理
物品を浸漬して物品処理し、該液槽内及びオーバーフロ
ーボックス内の液をポンプとろ過器を含む循環ろ過装置
で吸引、ろ過して該液槽に戻しつつ使用する物品処理装
置用の該液槽であって、次の利点を有する液槽を提供す
ることができる。 (1)液槽中の液面位置が上下変動しても、従来矩形堰
のように堰部を越えてオーバーフローボックスへ流入す
る液量の著しい変動を招くことがない。 (2)液槽内液面に浮上し易い浮上性不純物だけでな
く、それより下層に浮遊し易い不純物もオーバーフロー
ボックスへ流入させて効率よく回収できる。 (3)従ってまた、それだけ液槽内に残留する不純物量
を減らすことができる。 (4)これらにより液槽底部及びオーバーフローボック
スの双方からポンプで吸液して該液をろ過処理する際に
は、そのろ過処理を効率よく行うことができる。 (5)従ってまた、液槽内処理液により物品処理を行う
ときには、不純物の影響を少なくして処理後物品の品質
を向上させることができる。 (6)オーバーフローボックスへ流入する液量の設定を
たやすくなし得る。また本発明によると、処理液を貯留
する液槽を有し、該液槽は液槽内に貯留される液中の上
層部に浮遊する不純物を液とともに堰部からオーバーフ
ローさせるための1又は2以上のオーバーフローボック
スを有しており、該液槽内の処理液に被処理物品を浸漬
して物品処理し、該液槽内及びオーバーフローボックス
内の液をポンプとろ過器を含む循環ろ過装置で吸引、ろ
過して該液槽に戻しつつ使用する物品処理装置であっ
て、該液槽として上記利点を有する液槽を採用した物品
処理装置を提供することもできる。
【0159】また本発明によると、処理液を貯留する液
槽を有し、該液槽は液槽内に貯留される液中の上層部に
浮遊する不純物を液とともに堰部からオーバーフローさ
せるための1又は2以上のオーバーフローボックスを有
しており、該液槽内の処理液に被処理物品を浸漬して物
品処理し、該液槽内及びオーバーフローボックス内の液
をポンプとろ過器を含む循環ろ過装置で吸引、ろ過して
該液槽に戻しつつ使用する物品処理装置用の該液槽の該
堰部を提供するための堰部材であって、以下の利点を有
するものを提供することができる。 (1)液槽に取り付けて堰部として用いた場合におい
て、液槽中の液面位置が上下変動しても、オーバーフロ
ーボックスへ流入する液量の著しい変動を招くことがな
い。 (2)液槽内液面に浮上し易い浮上性不純物だけでな
く、それより下層に浮遊し易い不純物もオーバーフロー
ボックスへ流入させて効率よく回収できる。 (3)従ってまた、それだけ液槽内に残留する不純物量
を減らすことができる。 (4)これらにより液槽底部及びオーバーフローボック
スの双方からポンプで吸液して該液をろ過処理する際に
は、そのろ過処理を効率よく行うことができる。 (5)従ってまた、液槽内処理液により物品処理を行う
ときには、不純物の影響を少なくして処理後物品の品質
を向上させることができる。 (6)オーバーフローボックスへ流入する液量の設定、
変更を簡易になし得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る液槽を採用した、液体による物品
処理装置の1例であるメッキ処理装置の概略平面図であ
る。
【図2】一部の液槽とその周辺部分の拡大平面図であ
る。
【図3】図2に示す液槽のうち一つの液槽とその周辺部
分の拡大側面図である。
【図4】液槽の一部の斜視図である。
【図5】図(A)はアノードケース等の斜視図、図
(B)はアノードバッグの斜視図、図(C)は陰極ブス
バー、ハンガー及び引っ掛け部材等の斜視図である。
【図6】図(A)は第1吸引ヘッドの平面図、図(B)
は第1吸引ヘッドの側面図、図(C)は液槽内底溝及び
オーバーフローボックス底部とそれらに関連する部品の
断面図である。
【図7】第2吸引ヘッドの側面図である。
【図8】第2吸引ヘッドの他の例の斜視図である。
【図9】分岐管を2本有する多岐管の、一部を断面で示
す側面図である。
【図10】分岐管を5本有する多岐管の、一部を断面で
示す側面図である。
【図11】図(A)は図1に示すメッキ処理装置の制御
回路のブロック図、図(B)は液面位置検出装置の概略
構成を示す図である。
【図12】図(A)は従来型の矩形堰部材の例を示す
図、図(B)は液オーバーフロー用の矩形ノッチを有す
る堰部材例を示す図、図(C)及び(D)はそれぞれ液
オーバーフロー用の逆三角形状ノッチを有する堰部材例
を示す図である。
【図13】図(A)は本発明に係る着脱式堰部材の1例
の斜視図であり、図(B)は同堰部材の使用状態を示す
図(A)のX−X線に沿う断面図である。
【図14】図(A)は本発明に係る着脱式堰部材の他の
例の斜視図であり、図(B)は同堰部材の使用状態を示
す図(A)のY−Y線に沿う断面図である。
【図15】従来の多岐管例を一部断面で示す側面図であ
る。
【図16】従来の液槽とその周辺部分の概略斜視図であ
る。
【符号の説明】
11、12、13、14、15 メッキ処理液槽(物品
処理液槽の例) 16 前処理水洗槽 L メッキ液 W 洗浄水 D1、D2、D3、D3、D4 作業デッキ 101 液槽の内底 102 液槽に設けた内底溝 103 エアレーション装置 103a 気泡 104 第1吸引ヘッド 104a 管接続口部 104b 吸液孔 105 エア遮断壁板 105a 支持片 105b 支持板 106 第2吸引ヘッド 106a 管接続口部 106b 吸液孔 106c 支持片 106d 支持板 107 吸引ヘッド 107a 管接続口部 107b 吸液孔 107c 足 108 第3吸引ヘッド B1、B2 オーバーフローボックス w1、w2 液槽とオーバーフローボックスとの間の仕
切り壁 21、22 堰部 20 堰部のノッチ A 陽極ブスバー C 陰極ブスバー H ハンガー S 引っ掛け部材 m’ アノード材 CS アノードケース CSb アノードバッグ a1、a2 被メッキ物品 3 循環ろ過装置 31 ろ過器 32 循環ポンプ(本例では遠心ポンプ) 33 液合流用の多岐管 v11〜v15 手動開閉弁 v16 逆止弁 4A、4B 循環ろ過装置 41 ろ過器 42 循環ポンプ(本例では遠心ポンプ) 430、431、432 液合流用の多岐管 433 液分配用の多岐管 v41〜v45 手動開閉弁 v46 逆止弁 45 温度制御回路 451 熱交換器 va’、vb’ 手動開閉弁 V 流量調整弁 452 液分配用の多岐管 51 あけ換え装置 v51、v52、v61〜v64、v71 手動開閉弁 511 あけ換え槽 v53 フート弁 401 多岐管本体 402、403 分岐管 401a 多岐管本体401の主開口部 401b 多岐管本体401の他端 9 従来の多岐管 91 多岐管本体 91a 主開口部 91b 孔 92 分岐管 90 流量調整弁 6 液混合及び液面位置制御のための装置 60 ろ過器 61 循環ポンプ(本例では遠心ポンプ) 62 液面位置検出装置 621〜625 電極棒 63 液流出口 Vo 逆止弁 J1、J2、J3 液合流用の多岐管 J4、J5、J6 液分配用の多岐管 Va 液排出用電動弁 Vb 液供給用電動弁 7 制御部 71 操作盤 600 多岐管本体 601〜605 分岐管 600a 多岐管本体600の主開口部 600b 多岐管本体600の他端 200 従来の矩形堰 201〜203 堰部 N1、N2、N3 ノッチ 8、8’ 堰部材 80 液オーバーフロー用の矩形ノッチ 81 板体 82 倒立L字形状の屈曲板部 82a ボルト貫通用長孔 83 補強リブ 84、84’ボルト 800 壁差し込み部分 840 液シール材 LN ライナー W’立ち上がり壁 10’液槽 L’ 液 B1’、B2’、B3’ オーバーフローボックス 21’、22’、23’ 矩形堰 v1’〜v7’、v1”、v7”、v8’、v9’手動
開閉弁 V’ フート弁 Lb、Lb’通液口 F ろ過器 P 循環ポンプ H 熱交換器 100’液戻し口 511v フート弁 511’ 液吐出口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C25D 21/06 C25D 17/00 C02F 1/40

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】処理液を貯留する液槽を有し、該液槽は液
    槽内に貯留される液中の上層部に浮遊する不純物を液と
    ともに堰部からオーバーフローさせるための1又は2以
    上のオーバーフローボックスを有しており、該液槽内の
    処理液に被処理物品を浸漬して物品処理し、該液槽内及
    びオーバーフローボックス内の液をポンプとろ過器を含
    む循環ろ過装置で吸引、ろ過して該液槽に戻しつつ使用
    する物品処理装置における該液槽の該堰部を提供するた
    めの堰部材であり、オーバーフロー用ノッチが形成され
    ており、前記オーバーフローボックスと液槽との間の仕
    切り壁の上端縁部に脱着可能であることを特徴とする堰
    部材。
  2. 【請求項2】前記ノッチが複数設けられており、各ノッ
    チは逆三角形状又は矩形状のノッチである請求項1記載
    の堰部材。
  3. 【請求項3】前記オーバーフローボックスと液槽との間
    の仕切り壁に上方から差し込むための差し込み部を有し
    ている請求項1又は2記載の堰部材。
  4. 【請求項4】処理液を貯留する液槽を有し、該液槽は液
    槽内に貯留される液中の上層部に浮遊する不純物を液と
    ともに堰部からオーバーフローさせるための1又は2以
    上のオーバーフローボックスを有しており、該液槽内の
    処理液に被処理物品を浸漬して物品処理し、該液槽内及
    びオーバーフローボックス内の液をポンプとろ過器を含
    む循環ろ過装置で吸引、ろ過して該液槽に戻しつつ使用
    する物品処理装置用の該液槽であり、該液槽の前記堰部
    はオーバーフローボックスと液槽との間の仕切り壁の上
    端縁部にオーバーフロー用ノッチを形成して設けられて
    いることを特徴とする液槽。
  5. 【請求項5】前記オーバーフロー用ノッチが複数設けら
    れており、各ノッチは逆三角形状又は矩形状のノッチで
    ある請求項4記載の液槽。
  6. 【請求項6】処理液を貯留する液槽を有し、該液槽は液
    槽内に貯留される液中の上層部に浮遊する不純物を液と
    ともに堰部からオーバーフローさせるための1又は2以
    上のオーバーフローボックスを有しており、該液槽内の
    処理液に被処理物品を浸漬して物品処理し、該液槽内及
    びオーバーフローボックス内の液をポンプとろ過器を含
    む循環ろ過装置で吸引、ろ過して該液槽に戻しつつ使用
    する物品処理装置用の該液槽であり、該液槽の前記堰部
    はオーバーフローボックスと液槽との間の仕切り壁の上
    端縁部に請求項1、2又は3記載の堰部材を脱着可能に
    付設して設けられていることを特徴とする液槽。
  7. 【請求項7】前記物品処理装置がメッキ処理装置である
    請求項4から6のいずれかに記載の液槽。
  8. 【請求項8】処理液を貯留する液槽を有し、該液槽は液
    槽内に貯留される液中の上層部に浮遊する不純物を液と
    ともに堰部からオーバーフローさせるための1又は2以
    上のオーバーフローボックスを有しており、該液槽内の
    処理液に被処理物品を浸漬して物品処理し、該液槽内及
    びオーバーフローボックス内の液をポンプとろ過器を含
    む循環ろ過装置で吸引、ろ過して該液槽に戻しつつ使用
    する物品処理装置であり、前記液槽の堰部がオーバーフ
    ローボックスと液槽との間の仕切り壁の上端縁部にオー
    バーフロー用ノッチを形成して設けられていることを特
    徴とする物品処理装置。
  9. 【請求項9】前記オーバーフロー用ノッチが複数設けら
    れており、各ノッチは逆三角形状又は矩形状のノッチで
    ある請求項8記載の物品処理装置。
  10. 【請求項10】処理液を貯留する液槽を有し、該液槽は
    液槽内に貯留される液中の上層部に浮遊する不純物を液
    とともに堰部からオーバーフローさせるための1又は2
    以上のオーバーフローボックスを有しており、該液槽内
    の処理液に被処理物品を浸漬して物品処理し、該液槽内
    及びオーバーフローボックス内の液をポンプとろ過器を
    含む循環ろ過装置で吸引、ろ過して該液槽に戻しつつ使
    用する物品処理装置であ り、前記液槽の堰部がオーバー
    フローボックスと液槽との間の仕切り壁の上端縁部に請
    求項1、2又は3記載の堰部材を脱着可能に付設して設
    けられていることを特徴とする物品処理装置。
  11. 【請求項11】メッキ処理装置である請求項8、9又は
    10記載の物品処理装置。
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