JPS5825439B2 - ヒト副甲状腺ホルモンの製造方法 - Google Patents

ヒト副甲状腺ホルモンの製造方法

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JPS5825439B2
JPS5825439B2 JP55187011A JP18701180A JPS5825439B2 JP S5825439 B2 JPS5825439 B2 JP S5825439B2 JP 55187011 A JP55187011 A JP 55187011A JP 18701180 A JP18701180 A JP 18701180A JP S5825439 B2 JPS5825439 B2 JP S5825439B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、ヒト副甲状腺ホルモン(humanPara
throid Hormone %以下hPTHと略称
する。
)の製造方法に関する。hPTHは、副甲状腺細胞が産
生ずるホルモンで、活性型ビタミンD3の合成調節作用
およびカルシウムの吸収促進作用などを有する。
そして、hPTHを大量に安価に製造する方法は未だ知
られていない。
本発明者は、hPTHの大量供給を目ざして鋭意研究を
続けたところ、意外にも、hPTH産生能を有するヒト
由来のリンパ芽球様細胞が、その増殖速度が大きく、細
胞当りのhPTH産生産も犬でhPTH産生細胞として
好適であることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、hPTH産生能を有するヒト由来
のリンパ芽球様細胞をヒト以外の温血動物体内に移植し
、または、その温血動物の体液の供給を受けながら増殖
させた細胞からhPTHを産生せしめることを特徴とす
るhPTHの製造方法に関するものである。
本発明の方法は、インビトロで培養させる場合とは違っ
て、hPTHの産生量が大であるだけでなく、高価な血
清などを含む栄養培地が不要または大幅に節約でき、更
に細胞増殖中の維持管理も極めて容易である。
すなわち、hPTH産生能を有するヒト由来のリンパ芽
球様細胞をヒト以外の温血動物体内に移植し、またはそ
の動物の体液の供給を受けることのできるチャンバーに
収容し、通常の飼育をすれば、温血動物体から供給され
る栄養物を含有する体液を利用してその細胞が容易に増
殖しうるのである。
更にインビトロで培養させる場合と比較して、この細胞
の増殖が安定していること、その増殖速度の大きいこと
、得られる細胞量の大きいこと、更には細胞当りのhP
TH産生量の大きいことが特徴である。
本発明で使用するヒト由来のリンパ芽球様細胞は、hP
TH産生能を有し、おつヒト以外の温血動物の体内に移
植して容易に増殖するものであればよい。
例えば、副甲状腺細胞、副甲状腺腫瘍細胞などの本来h
PTH産生能を有する細胞及び肺癌細胞、卵巣腫瘍細胞
、腎癌細胞、肝癌細胞などの異所性hPTH産生能を有
する細胞からhPTH産生遺伝子を、ポリエチレングリ
コールやセンダイウィルスなどを利用する細胞融合の手
段や、DNAリガーゼ、制限酵素(ヌクレアーゼ)、D
NAポリメラーゼなどの酵素を利用する遺伝子組換えの
手段などによって導入したヒト由来のリンパ芽球様細胞
まだは異所性hPTH産生能を有するヒト由来のリンパ
芽球様細胞などが好適である。
これらリンパ芽球様細胞の利用は、ヒト以外の温血動物
に移植する時、その宿主動物の細胞と混りにくい軟腫癌
を形成しやすく、摘出後の分散も容易なので生きたヒト
リンパ芽球様細胞の採取に極めて有利である。
このようなヒトリンパ芽球様細胞には、ヒト白血病もし
くはヒト悪性リンパ腫由来の細胞株が適しており、例え
ばナマルバ(Namalva )細胞、BALL−1
細胞、NALL−1細胞、TALL−1細胞、JBL細
胞などの公知ヒト由来細胞株が、特に有利に使用しうる
本発明におけるhPTHの製造方法に使用する温血動物
は、hPTH産生能を有するヒト由来のリンパ芽球様細
胞が増殖しうるものであればよく、例えば、ニワトリ、
・・トなどの鳥類、イヌ、ネコ、サル、ヤギ、ブタ、ウ
シ、ウマ、ウサギ、モルモット、ラット、ヌードラット
、ハムスター、普通マウス、ヌードマウスなどの補乳類
などが使用できる。
これらの動物にヒト由来のリンパ芽球様細胞を移植する
と好ましくない免疫反応を起すおそれがあるので、その
反応をできるだけおさえるだめに使用する動物はできる
だけ幼若な状態、すなわち卵、胚、胎児、新生期、幼少
期のものの方が好ましい。
また、これら動物に、例えば約200〜600レムのエ
ックス線若しくはガンマ線を照射するか、またけ抗血清
若しくは免疫抑制剤などを注射するなどの前処置をほど
こして、免疫反応を弱めて移植してもよい。
使用する動物がヌードマウスやヌードラットなどの免疫
不全動物の場合には、成長したものであっても免疫反応
が弱いので、これら前処置を必要とすることなく、培養
株化されたヒト由来のリンパ芽球様細胞が移植でき、急
速に増殖するので、特に好都合である。
また、ヒト由来のリンパ芽球様細胞を、例えば先ずハム
スターに移植し、増殖させた後、この細胞を更にヌード
マウスに移植するなどのように、ヒト以外の温血動物間
で移植してヒト由来のリンパ芽球様細胞の増殖をより安
定化したり、更にそれらから産生されるhPTH量を増
加させることも自由である。
この場合、同種間、同属間は勿論のこと、同線間、同門
間移植であってもよい。
更に、ヒト由来のリンパ芽球様細胞を移植する動物体内
の部位は、移植した細胞が増殖しうる部位であればよく
、例えば原液体、静脈、腹腔、皮下など自由に選ばれる
また、直接動物体内にヒト由来のリンパ芽球様細胞を移
植することなく、動物細胞の通過を阻止しうる多孔性の
沢過膜、例えば孔径約10−7〜10−5mを有するメ
ンブランフィルタ−1限外ir過膜、またはホローファ
イバーなどを設けた公知の各種形状、大きさの拡散チャ
ンバーを動物体内、例えば腹腔内に埋設して、動物体か
らの栄養物を含む体液の供給を受けつつ、そのチャンバ
ー内で培養株化されたヒト由来のリンパ芽球様細胞を増
殖させることができる。
また、必要に応じて、この拡散チャンバー内の栄養物を
含む体液を動物体内のそれと接続して潅流させるように
した拡散チャンバーを、例えば動物体表に取付け、拡散
チャンバー内のヒト由来のリンパ芽球様細胞の増殖状態
を透視できるようにすることも、また、この拡散チャン
バ一部分のみを着脱交換できるようにして動物を屠殺せ
ずに寿命−称細胞を増殖させて、動物個体当りの細胞生
産量を更に高めることもできる。
これらの拡散チャンバーを利用する方法は、ヒト由来の
リンパ芽球様細胞が動物の細胞と直接接触しないので、
ヒト由来のリンパ芽球様細胞のみが容易に採取できるだ
けでなく、好ましくない免疫反応を起す心配も少ないの
で、免疫反応を抑制する前処置の必要もなく、各種温血
動物を自由に利用できる特徴を有している。
移植した動物の維持管理は、その動物の通常の飼育を続
けれはよく、移植後と言えども特別の取扱いは伺ら必要
としない。
ヒト由来のリンパ芽球様細胞を増殖させるだめの期間は
1〜20間、通常1〜5週で目的を達することができる
このようにして得られるヒト由来のリンパ芽球様細胞数
は、動物個体当り約107〜1012、捷たけそれ以上
に達することも見いだした。
換言すれば、本発明で使用するhPTHの製造方法によ
り増殖させたヒト由来のリンパ芽球様細胞数は、動物個
体当り移植した細胞数の約102〜107倍、またはそ
れ以上にも達し、生体外の栄養培地に接種して増殖させ
る場合の約101〜106倍、またはそれ以上にも達し
て、hPTHの製造のためにはきわめて好都合である。
このようにして増殖させたヒト由来のリンパ芽球様細胞
からhPTHを産生させる方法は自由である。
例えば、腹腔内の腹水に浮遊状で増殖したヒト由来のリ
ンパ芽球様細胞を採取し、または、皮下で増殖した腫瘤
を摘出し、分散させた後採取し、この細胞を約20〜4
0°Cに保った栄養培地に細胞濃度が約10’〜108
/mlになるように浮遊させ、約1〜100時間保つこ
とによって、hPTHを産生させればよい。
この際、産生量をより高めるだめに、例えば、グリシン
、ロイシン、リジン、アルギニン、システィンなどのア
ミノ酸、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウ
ム、硫酸マグネシウムなどの塩類、ドーパミン、イソプ
ロテノール、エピネフリン、ノルエピネフワンなどのホ
ルモンなどの一種または二種以上の物質に共存させるこ
とも好都合である。
このようにして産生されたhPTHは、公知の精製分離
法、例えば、塩析、透析、濾過、遠心分離、濃縮、凍結
乾燥などを行なうことによって容易に精製分離し、採取
することができる。
、更に高度の精製を必要とする場合には、例えば、′イ
オン交換体への吸着・脱着、ゲル濾過、アフイニテイク
ロマトグラフイー、等電点分画、電気泳動などの公知の
方法を組み合せれば、最高純度hPTHを採取すること
も可能である。
このようにして得たhPTHば、単一物質で、またはこ
れに他の一種若しくは二種以上の物質を含有せしめ、例
えば、注射薬、外用薬、内服薬、診断薬などとしてヒト
の疾患の予防、治療に有利に利用できる。
hPTHの産生量は、J、A、Parsons et
al、 z Endocrinologyy Vo
l、 92 、454〜462 (1973)に報告さ
れているバイオアッセイ法に準じて測定し、米国NIH
より入手される1〜が1300USP単位の標準品の重
量で表示される。
以下、2〜3の実施例を述べる。
実施例 1 副甲状腺腫瘍の患者から摘出、細切、分散させて得たヒ
ト副甲伏線@瘍細胞とリンパ芽球様ナマルバ細胞(Na
malva cell )とを140mMNaC1,5
4mMKCl、1mMNaH2Po4,2mMCaCl
2を含有する塩類溶液にそれぞれ約10’ /mlにな
るように浮遊させ、これに予め紫外線で不活化したセン
ダイウイルムを含有する前記塩類溶液を水冷下で混合し
、約5分後に37°C恒温水槽に移して、約30分間攪
拌しつつ細胞融合を起させ、リンパ芽球様ナマルバ細胞
にhPTH産生能を導入した。
このリンパ芽球様ナマルバ細胞を成長したヌードマウス
の腹腔内に移植した後、通常の方法で5週間飼育した。
生じた腫瘤約15gを摘出し、細切した後、トリプシン
含有の生理食塩水に懸濁して細胞を分散させた。
この細胞を牛胎児血清10V/V’%を補足したEar
le 培地199 (pH7,2)で洗浄した後、L
−アルギニンを30mM、CaCl2を20mM存在せ
しめた同培地に細胞濃度約105/TfLlになるよう
に浮遊させ、37°Cで40時間保ってhPSE(を産
生させた。
その後、細胞を超音波処理し、得られる上清を用いてh
PsH量を測定したところ、浮遊液ml当り約830■
であった。
対照として、ヒト副甲状腺腫瘍細胞を牛胎児血清10V
/V%を補足したEarle培地199(pH7,2)
に37°Cでインビトロで培養させ、得られる細胞を同
様に処理してhPSHを産生させたところ、浮遊液ml
当りわずかに約4ngであった。
実施例 2 腎癌患者から摘出、細切、分散させて得た腎癌細胞とリ
ンパ芽球JBL球細胞とを実施例1の方法に準じて細胞
融合させ、リンパ芽球様JBL細胞にhPTH産生能を
導入した。
この細胞を、ウサギから公知の方法で調製した抗血清を
予め注射し免疫反応を弱めた新生児・・ムスターの皮下
に移植し、その後通常の方法で3週間飼育した。
皮下に生じた腫瘤約ICB1’を摘出し、細切した後、
コラゲナーゼ含有の生理食塩水に懸濁して細胞を分散さ
せた。
この細胞をヒト血清sv/v%を補足したEagle
の最少基本培地(pH7,4)で洗浄した後、20m
M CaCl2.20mM’ドーパミンを存在せしめた
同培地に細胞濃度約106/wLlになるように浮遊さ
せ、37°Cに20時間保ってhPTHを産生させた。
その産生量を測定したところ、浮遊液wLl当り約1.
3μgであった。
対照としてhPTH産生能を導入したリンパ芽球様JB
L細胞を用いて実施例1と同様にインビトロで培養しh
PTHを産生させたところ、浮遊液ml当り約16ng
にすぎなかった。
実施例 3 新生児ラットの静脈内へ、実施例1の方法に準じてヒト
卵巣腫瘍細胞からhPTH産生能を導入したリンパ芽球
様BALL−1細胞を移植した後、通常の方法で4週間
飼育した。
生じた腫瘤的309を摘出し、実施例1と同様に処理し
てhPSHを産生させた。
その産生量は、浮遊液rul当り約900 ngであっ
た。
対照として、hPSH産生能を導入したリンパ芽球様B
ALL−1細胞をインビトロで培養し、hPSHを実施
例1と同様に産生させたところ浮遊液ml当り約10n
gにすぎなかった。
実施例 4 成長した普通マウスに約400レムのエックス線を照射
してマウスの免疫反応を弱めた後、その皮下に実施例1
の方法に従ってヒト肺癌細胞からhPSH産生能を導入
したリンパ芽球様NALL−1細胞を移植し、通常の方
法で3週間飼育した。
皮下に生じた腫瘤的15gを摘出し、実施例2と同様に
処理してhPSHを産生させた。
その産生量は、浮遊液rul当り約1.2μgであった
対照として、hPSH産生能を導入したリンパ芽球様N
ALL−1細胞をインビトロで培養し、hPSHを実施
例2と同様に産生させたところ、浮遊液ml当り約20
ngにすぎなかった。
実施例 5 孔径約0.5ミクロンのメンブランフィルタ−を設けた
内容量的10m1のプラスチック製円筒型拡散チャンバ
ー内に、実施例1の方法に準じてヒト副甲状腺腫瘍細胞
からhPSH産生能を導入したリンパ芽球様TALL−
1細胞を生理食塩水で浮遊させ、これを成長したラット
の腹腔内に埋設した。
このラットを通常の方法で4週間飼育した後、コノ拡散
チャンバーを取り出した。
これにより得られだTALL−1細胞の濃度は約6×1
o8/mlであって、インビトロでの炭酸ガスインキュ
ベーター中で培養する場合の約102倍以上にも達する
ことがわかった。
この細胞を実施例2と同様に処理してhPTHを産生さ
せた。
その産生量は、浮遊液ml当り約1.1μyであった。
対照としてヒト副甲状腺腫瘍細胞を同様に拡散チャンバ
ー内に収容し、ラット腹腔内に埋設して同様に4週間飼
育し、細胞濃度的8 X 106/mlを得、この細胞
を用いて実施例2と同様にhPTHを産生させたところ
、浮遊液ml当り約3ngにすかなかった。
実施例 6 37℃で5日間保ったニワトリの受精卵に、実施例1の
方法に従ってヒト肺癌細胞からhPTH産生能を導入し
たリンパ芽球様JBL細胞を移植した後、37°Cで1
週間保った。
この卵を割卵した後、増殖細胞を採取し、実施例1と同
様に処理してhPTHを産生させた。
その産生量は、浮遊液ml当り約700 ngであった
対照として、ヒト肺癌細胞を同様にニワトリの受精卵に
移植したが増殖は見られなかった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 ヒト副甲状腺ホルモン産生能を有するヒト由来のリ
    ンパ芽球様細胞をヒト以外の温血動物に移植し、または
    その温血動物の体液の供給を受けながら増殖させた細胞
    からヒト副甲状腺ホルモンを産生せしめることを特徴と
    するヒト副甲状腺ホルモンの製造方法。
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