JPS582470Y2 - 金属管の内面被覆に際して使用される粉体樹脂供給装置のノズル - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、金属管の内面被覆に際して使用される粉体
樹脂供給装置のノズルに関するものである。

一般に溶融金属メッキ鋼管は主として水道管の他、ガス
管等に使用されているが、水道管の場合、水質の悪化等
の問題から、タールエポキシ、塩化ビニル等の有機樹脂
を内外面に被覆した被覆鋼管が提案されている。

しかしながら、上記被覆鋼管は金属メッキ鋼管に比べて
価格が高くなるとともに、被覆層に疵が入った場合、防
食効果が無くなるという問題があった。

そこで、特に水道管の場合には、直接水道水に接しない
管外面には従来通り金属メッキを施し、水道水と接する
管内面にのみ有機樹脂の被膜を形成する方法が採られて
いる。

金属管の内面に樹脂被膜を形成させる方法の一つとして
、ポリエチレンの如き粉体樹脂を気体と共に管内面に吹
き込むことにより、均一な樹脂被膜を形成させる金属管
内面被覆方法が知られている。

前記の金属管内面被覆方法は、先づ被覆すべき金属管の
内面を酸洗し、活性化させるため燐酸亜鉛等により化成
処理を施し、更に、管内に吹き込まれるポリエチレンの
如き粉体樹脂の密着性を良くするため、エポキシ系のご
ときプライマーを塗布し、前記プライマーの焼付を行な
った後、管を所定の温度に加熱した上でポリエチレンの
如き粉体樹脂を管を回転させながら管内に吹き込み、管
内に樹脂被膜を形成せしめ、その後熱処理を施して製品
とするもので゛ある。

上述した粉体樹脂の管内への吹き込みに当っては、従来
第１図に示されるような粉体樹脂供給装置を介して行な
われている。

すなわち、前記粉体樹脂供給装置は、予熱された金属管
１の両端をノズル２，２′により回転自在に支持し、前
記ノズル２，２′の一方のノズル２に接続した粉体樹脂
供給管３から、タンク５内の粉体樹脂を粉体供給機７を
介してブロワ−６の送風により図示されていないが回転
装置によって回転している管１内に供給し、一方、余剰
の粉体樹脂は、他方のノズル２′から回収管４を介して
タンク５内に循環させるものである。

上記粉体樹脂供給装置において、ノズル２，２′の金属
管１との接触部分の構造は、第２図に示されるように、
金属管挿入端にベアリング８を設け、このベアリング８
によって管１を回転自在にノズル２．２′に支持させる
構造になっている。

そして、樹脂被膜を形成中金属管１の両端部は、中央部
に比し特に冷えやすいので、この部分は誘電加熱機９に
よって加熱している。

ところが、誘電加熱によって加熱するとベアリング８も
一般には磁性体でできている故−緒に加熱されてしまい
、この結果、ベアリング８の寿命が短かくなるとともに
回転機能にも悪影響を及ぼすという問題があった。

この考案は、上述のような従来の粉体樹脂供給装置にお
けるノズルの問題点を解決するためになされたものであ
って、誘導加熱機によって金属管の両端部を加熱すると
ともに、前記金属管をその軸心を中心として回転させな
がら、前記金属管の内部に粉体樹脂を供給する粉体樹脂
供給装置のノズルにおいて、前記ノズルの前記金属管の
挿入端内に弾性を有し、摩擦係数が小さく非磁性体で構
成される、突条を有し、皿状をなす固定シール材をノズ
ルと同心円状に固着し、前記固定シール材の金属管挿入
側面には、前記固定シール材と同様に弾性を有し、摩擦
係数が小さく非磁性体で構成されるリング状の回転シー
ル材を前記固定シール材に対して接触回転自在に設けた
ことに特徴を有する。

この考案を実施例により図面とともに説明する。

第３図は、この考案の実施例のノズルに金属管を挿入し
た状態を示す要部断面図である。

図において、１０は、粉体樹脂供給装置におけるノズル
を示す。

１１は、前記ノズル１０の金属管１挿入端内面にノズル
１０と同心円状に固着された固定シール材であり、金属
管１の挿入側面の周囲には、後述する回転シール材を収
容し、これが逸脱するのを防止するためのガイド用突条
１２が形成されている。

前記固定シール材１１としては、弾性を有し、摩擦係数
が小さく、非磁性体でできた、例えばテフロン、ルーロ
ン、ＭＣナイロンあるいはセラミック等が良い。

１３は、固定シール材１１の金属管挿入側面に対して接
触回転自在に設けられたリング状の回転シール材であり
、前記固定シール材１１の突条１２内に収容される外径
を有し、固定シール材１１と同様に弾性を有し、非磁性
体で摩擦係数の小なる、例えばテフロン、ルーロン、Ｍ
Ｃナイロンあるいはセラミック等でできている。

１４は、ストップリングであり、固定シール材１１の金
属管挿入端内周面に固着され、回転シール材１３が逸脱
するのを防止する作用をするものである。

この実施例のノズルは、上述のように構成されているの
で、金属管１内面に粉体樹脂を供給するに際し、回転装
置により回転される金属管端をノズルの回転シール材１
３面に圧着させれば、前記回転シール材１３は固定シー
ル材１１面に対して滑らかに接触回転することになる。

しかも、シール材１１および１３は何れも非磁性体でで
きているので誘電加熱機９により加熱される虞れも全く
無く常に安定した回転が得られる。

勿論、前記シール材１１および１３は何れも弾性体でで
きているので、粉体樹脂が金属管１と回転シール材１３
との間から漏れる虞れも無い。

以上説明したように、この考案によれば、金属管とノズ
ルとの接触回転を、弾性を有し摩擦係数の小なる非磁性
体をその材質とするシール材を介して行なわしめること
によって、誘電加熱により加熱されることなく常に安定
した状態で、しかも粉体樹脂を外部に漏らすことなく金
属管内面に粉体樹脂を供給することができるという極め
て有用な効果がもたらされる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来の粉体樹脂供給装置により金属管内面に
粉体樹脂を供給している態様を示す図、第２図は、同粉
体樹脂供給装置におけるノズルと金属管との接触部分の
断面図、第３図は、この考案の粉体樹脂供給装置におけ
るノズルと金属管との接触部分の断面図である。 図面において、１・・・・・・金属管、２．２’・・・
・・ノズル、３・・・・・・粉体樹脂供給装置、４・・
・・・・回収管、５・・・・・・タンク、６・・・・・
・ブロワ−１７・・・・・・粉体供給機、８・・・・・
・ベアリング、９・・・・・・誘電加熱機、１０・・・
・・・ノズル、１１・・・・・・固定シール材、１２・
・・・・・突条、１３・・・・・・回転シール材、１４
・・・・・・ストップリング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 誘導加熱機によって金属管の両端部を加熱するとともに
   、前記金属管をその軸心を中心として回転させながら、
   前記金属管の内部に粉体樹脂を供給する粉体樹脂供給装
   置のノズルにおいて、前記ノズルの前記金属管の挿入端
   内に弾性を有し、摩擦係数が小さく非磁性体で構成され
   る、突条を有し、皿状をなす固定シール材をノズルと同
   心円状に固着し、前記固定シール材の金属管挿入側面に
   は、前記固定シール材と同様に弾性を有し、摩擦係数が
   小さく非磁性体で構成されるリング状の回転シール材を
   前記固定シール材に対して接触回転自在に設けたことを
   特徴とする金属管の内面被覆に際して使用される粉体樹
   脂供給装置のノズル。