JPS5824372Y2 - デンシジユウコウタイ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、陰極線管用の電子銃構体、特に電子銃の主レ
ンズ系を構成する電極に関するものである。

近時陰極線管、特にカラー受像管は高鮮鋭度化。

高解像度化の傾向にあり、電子銃の解像度を向上させる
方法が種々提案されている。

電子銃の解像度を向上させるためには、けい光面上での
ビームスポット径を小さくしたり、その形状を良好なも
のにする必要がある。

具体的には、複数個の焦点距離の長い電子レンズを多段
式に配置して全体として主レンズ系の焦点距離を短かく
することにより、主レンズ系における球面収差を軽減し
てビームスポット形状の改善を図るものがある。

さらに他の方法として、赤、緑、青（以下Ｒ，Ｇ、 Ｂ
と略す）の３色の電子銃を一体構造にして組立精度を著
しく向上させることにより、高解像度の電子銃を得るよ
うにしたものが提案されている。

したがって、複数の電子レンズから主レンズ系を構威し
、かつＲ，Ｇ、 Ｂ ３色の電子銃を一体化構造にすれ
ば、解像度をより一層高めることができ、高鮮鋭でしか
も高解像の画像が得られる。

一方陰極線管においては、第１図に示すように偏向ヨー
クがバルブ外壁に取り付けられている。

図中、１はロート状に形成されたバルブ、２はこのバル
ブのネック基部１ａの外壁に装着された偏向ヨーク、３
はネック部１ｂの内部に支持固定された電子銃である。

前記電子銃３により集束された電子ビームは、前記偏向
ヨーク２によって偏向され、バルブ１のフェースプレー
ト部１Ｃの内面に付着されたけい光面（図示せず）上を
走査する。

しかしながら、電子ビームを偏向ヨークによって偏向す
ると、画面の周辺部にいわゆるデ゛フレクションーデフ
ォーカスと呼ばれる解像度劣化部分が生ずる。

この原因の１つは、電子銃の中心から画面中央部までの
距離と画面周辺部までの距離との差によるバルブの構造
によって生ずるテ゛フオーカスである。

また他の原因としては、偏向ヨークの漏洩磁界が電子銃
内部に侵入して電子ビームを乱すことによるデフォーカ
スである。

前者の画面周辺のテ゛フォーカスは、ダイナミックフォ
ーカス回路を用いて電子銃の集束電極に補正電圧を印加
することにより補正される。

ところが後者の原因によるテ゛フォーカス対策は何ら施
されていない。

特に漏洩磁界による電子ビームの乱れは、画面周辺部の
解像度劣化を招くばかりでなく、画面全体にわたる解像
度および鮮鋭度劣化をも誘発する。

このように偏向ヨークを用いる陰極線管においては、漏
洩磁界の電子銃に対する影響が前述したような高解像度
化された電子銃にとって大きな障害となっている。

漏洩磁界の影響は偏向ヨーク側に近い電極はど大きくな
るが、通常これらの電極はステンレス材などの非磁性体
によって形成されているため、磁界が電極内部まで侵透
して電子ビームを乱す。

したがって、電子銃に対する漏洩磁界の影響を軽減すれ
ば、電子ビームの乱れの問題が解決でき、画面全体の解
像度、鮮鋭度が向上する。

したがって、本考案の目的は偏向ヨークの漏洩磁界によ
る電子銃への影響を軽減して解像度を高めた電子銃構体
を提供することである。

このような目的を達成するために、本考案による電子銃
構体は、偏向ヨークに最も接近する主レンズ系の最終電
極を磁性体によって形成したものである。

以下図面を用いて、本考案による電子銃構体を詳細に説
明する。

第２図は、本考案による電子銃構体の一実施例を示す平
面図である。

図中、４はテ゛ルタ配列されたＲ、 Ｇ、 ８３色を担
当する各電極を一体化した電極部品を支持固定する複数
本のマルチフオームガラス、５は電子ビーム放射源であ
るカソード、６および７はこのカソードに対向配置され
た第１グリツドおよび第２グリツドであり、これらの第
１．第２グリツドは陰極レンズ系を構成している。

８〜１２は主レンズ系を構成する第３〜第７グリツドで
あり、第３グリツド８、第５グリツド１０および第７グ
リツド１２は加速電極、また第４グリツド９および第６
グリツド１１は集束電極である。

ここで前記第７グリツド１２は偏向ヨーク（図示せず）
に最も接近して配置される最終電極であり、この最終電
極は高透磁率を有するパーマロイなどの磁性体によって
形成された電極である。

加速電極となる第３．第５および第７グリツド８．１０
．１２には通常１０〜３０ ＫＶ程度の高電圧が印加さ
れ、また集束電極となる第４および第６グリツド９，１
１には通常３〜９ＫＶ程度の中電圧が印加される。

第３．第４および第５グリツドと第５．第６および第７
グリツドはともに主レンズを形成し、全体的に焦点距離
の短かい主レンズ系を構成する。

このような主レンズ系によって集束された電子ビームは
偏向ヨークによって偏向されるが、その漏洩磁界が偏向
ヨークに最も近接する最終電極１２にも大きく作用する
。

しかし、この最終電極は磁性体によって形成されている
ために、電極内部に侵透しようとする磁束の大半が遮蔽
され、漏洩磁界による電子ビームの乱れが防止される。

このように、偏向ヨークの漏洩磁界が一番大きく作用す
る最終電極を磁性体によって形成するため、従来のよう
に磁束が電極内部まで侵透して電子ビームに影響を及ぼ
すことがなくなり、電子ビームの乱れにともなうテ゛フ
レクションーデフォーカスが著しく軽減される。

なお本実施例においては、２個の主レンズにより主レン
ズ系が構成された電子銃に本考案を適用した場合につい
て説明したが、１個の主レンズまたは３個以上の主レン
ズにより主レンズ系が構成された電子銃に適用しても同
様な効果が得られる。

さらにＲ，Ｇ、 ８３色の電子銃を一体化した場合につ
いて説明したが、各電子銃がそれぞれ独立した電子銃に
適用してもよい。

以上説明したように、本考案による電子銃構体は最終電
極を磁性体によって形成することにより、主レンズ系に
作用する偏向ヨークの漏洩磁界を遮蔽したものであるた
め、電子ビームの乱れによって生ずる解像度および鮮鋭
度の劣化を防止できる。

また前記実施例で説明したような複数の主レンズを有し
かつ一体化構造の電極部品からなる電子銃構体に本考案
を適用すれば、解像度、鮮鋭度が極めて高い画像が得ら
れる。

またビームトリオ比、ダイナミックコンバーゼンスなど
を向上させるために磁界の有効長を長くしたＰ、Ｓ、
Ｔ（Ｐｒｅｃｉｓｉｏｎ ５ｔａｔｉｃ Ｔｏｒｏｉｄ
ａｌ）形ヨークを偏向ヨークとして用いる場合には、特
に有利になるなど種々の優れた効果を奏す。

【図面の簡単な説明】

第１図は一般の陰極線管の一例を示す要部平面図、第２
図は本考案による電子銃構体の一実施例を示す平面図で
ある。 ２・・・・・・偏向ヨーク、３・・・・・・電子銃、４
・・・・・・マルチフオームガラス、５・・・・・・カ
ソード、６・・・・・・第１グリツド、７・・・・・・
第２グリツド、８・・・・・・第３グリツド、９・・・
・・・第４グリツド、１０・・・・・・第５グリツド、
１１・・・・・・第６グノツド、１２・・・・・・第７
グリツド。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 同一面内に複数個の電子ビーム通過孔を有する一体化電
   極を対向配置し、かつ所定距離々隔して形成された電子
   レンズの複数個の組合わせにより主レンズを構成してな
   る電子銃構体において、前記複数の電子レンズのうち最
   終段の電子レンズを構成する一体化電極からなる加速電
   極を磁性材料によって形成すると共に、前記加速電極と
   対向配置される一体化電極からなる集束電極を含んでそ
   れより前段の電極を非磁性材料で構威してなる電子銃構
   体。