JPS5823524Y2 - 多軸ヘッド交換装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は多数の工具を具えた多軸ヘッドを多軸ターレ
ットなどの工作機械に脱着するための多軸ヘッド交換装
置に関する。

従来この種の工作機械では、多軸ヘッドの各工具を軸毎
に交換していた。

このため交換に多くの時間を要して作業能率が悪い。

この考案はかかる不具合を解消する目的でなされたもの
で、多数の工具を具えた多軸ヘッドを、ヘッドごと交換
するようにした多軸ヘッド交換装置を提供して、工具交
換作業の能率化を図ろうとするものである。

以下この考案を図示の一実施例について詳述する。

第１図は全体的な配置を示すもので、１は交換自在な多
軸ヘッド２を具えた工作機械で、多軸ヘッド２を旋回さ
せながら、多軸ヘッド２に取付けられた複数の工具３に
より、ベッド１ａ上に治具４を介して取付けたワーク５
を加工できるようになっている。

６はこの装置の本体で、多数の多軸ヘッド２を収容した
ストックマガジン１と上記工作機械１の間に位置して、
ストックマガジン７より取出した多軸ヘッド２を工作機
械１へ装着し、また工作機械１より取外した多軸ヘッド
２をストックマガジン１へ格納できるようになっている
。

そして上記本体６は次のように構成されている。

すなわち本体６は基台８を有しており、この基台８の中
心部にスラストベアリング９及びラジアルベアリング１
０により旋回軸１１が、基台８に固着されたスリーブ１
２を介して支承されている。

旋回軸１１の下端にはピニオン１３が固着されていて、
このピニオン１３は油圧シリンダのような旋回駆動源１
４により往復動されるラック１５に噛合されて、上記旋
回駆動源１４により旋回軸１１が旋回されるようになっ
ている。

また旋回軸１１の上端には旋回台１６が固着されている
と共に、この旋回台１６上に一対の案内杆１１が互に平
行するよう水平に設けられている。

これら案内杆１７には移動台１８が移動自在に支承され
ている。

上記移動台１８の下側には旋回台１６上に固定されて油
圧シリンダ１９が設けられており、この油圧シリンダ１
９のピストン杆１９ａ先端には旋回台１６上に案内杆１
７と平行するよう布設されたラック２０噛合するピニオ
ン２１が回転自在に支承されている。

ピニオン２１は同時に移動台１８底面に布設されたラッ
ク２２にも噛合されていて、油圧シリンダ１９の伸縮に
伴い、２倍の速度で上記移動台１８が案内杆１７に沿っ
て駆動されるようになっている。

一方上記移動台１８の側面にはクランプボックス２３が
設けられている。

このクランプボックス２３内には、第６図に示すように
クランプシリンダ２４のピストン杆２４ａに固着され、
かつキー２８に案内されて上下動するクランプピース２
５が設けられている。

クランプピース２５は楔状をなし、一部に傾斜面２５ａ
に沿ってほぼハの字形に溝２５ｂが形成され、これら溝
２５ｂに左右クランプロッド２６，２７の各端部が係合
されている。

左右クランプロッド２６．２７はクランプピース２５の
両側に水平に支承され、上記クランプピース２５の上下
動に伴い夫々接離方向に往復動されると共に、左右クラ
ンプロッド２６，２７の他端部にはピン３０を介して揺
動アーム３１の一端側か係合されている。

各揺動アーム３１はクランプボックス２３の前面より互
に幅方向に離間して突設されたケース２３ａ内に収容さ
れ、中間部がピン３２によりケース２３ａに支承されて
いると共に、他端側はピン３３により把持体３４に係合
されている。

各把持体３４はケース２８ａの先端部に、ガイド板３５
により水平方向へ移動自在に取付けられていると共に、
これら把持体３４の互に対向する面には、縦クランパ３
６及び横クランパ３７が互に隣接して固着されている。

これら縦横クランパ３６．３７は多軸ヘッドに固着され
た保持板３８の縦溝３８ａ及び横溝３８ｂに夫々嵌合し
て縦方向及び横方向の位置決めができるようになってい
ると共に、縦クランパ３６には多軸ヘッド２のクランプ
を検出する図示しないエアマイクロの空気抜き孔３６ａ
が開口されている。

なお図中３９はクランプピース２５を上方へと偏倚して
、クランプ中にクランプシリンダ２４内の圧力変動によ
り多軸ヘッド２が脱落するのを防止する圧縮ばねである
。

しかして上記多軸ヘッド交換装置の動作を第８図以下に
示す図面を参照して説明する。

まず本体６のクランプボックス２３前面をストックマガ
ジン７側に向けて、ストックマガジン７に格納された多
軸ヘッド２を選択し、選択が完了したら油圧シリンダ１
９により移動台１６をストックマガジン７側へ前進させ
て第９図に示すように、各縦横クランパ３６．３７の間
に多軸ヘッド２を位置させる。

次にクランプシリンダ２４によりクランプピース２５を
引き上げると、このクランプピース２５により左右クラ
ンプロッド２６，２７が離間方向へ移動し、揺動アーム
３１の基端側をピン３２を中心に拡開する。

これによって各揺動アーム３１の先端側に取付けられた
縦横クランパ３６゜３７が保持板３８を介して多軸ヘッ
ド２をクランプするので、この状態で第１０図に示すよ
うに移動台１６を所定位置へ後退させる。

所定位置へ移動台１６が後退したら旋回駆動源１４によ
りラック１５及びピニオン１３を介して旋回軸１１を回
転させ、第１１図に示すようにクランプボックス２３の
前面が工作機械１側へ向くよう旋回台１６を旋回させた
後、再び油圧シリンダ１９により移動台１６を工作機械
１側へ前進させ、第１２図に示すように工作機械１へ多
軸ヘッド２を装着する。

多軸ヘッド２の装着を完了した移動台１６は第１３図に
示す位置まで後退して次の交換のために待機する。

なお多軸ヘッド２の取外しは上記と逆の順序で行なえば
よいので、その説明は省略する。

この考案は以上詳述したように、ストックマガジンに予
め格納した複数個の多軸ヘッドより所定の多軸ヘッドを
選択してこれを取出し、取出し後工作機械側へと旋回し
て工作機械にこれを取付け、また工作機械より取外した
多軸ヘッドを上記と逆の動作でストックマガジンに格納
するようにしたことから、予め必要な工具を取付けた多
軸ヘッドを用意しておくことにより、短時間で能率よく
工具の交換が行なえるようになる。

また多軸ヘッドを把持する縦横クランパの開閉を楔状の
クランプピースを上下動することにより行うことから、
強力な把持力が得られると共に、上記クランプピースを
圧縮ばねにより縦横クランパの閉方向へ付勢しているこ
とから、上記クランプピースを上下動するクランプシリ
ンダ内の圧力が把持中低下しても多軸ヘッドを脱落させ
る虞れもない。

しかも縦横クランパには多軸ヘッドの位置決め手段と検
出手段を夫々設けていることから、多軸ヘッドを常に適
正位置に把持できると同時に、ミスクランプにより多軸
ヘッドを落下させる虞れもない。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示し、第１図は全体的な平
面図、第２図はこの装置の側面図、第３図は同縦断面図
、第４図は移動台駆動部の拡大断面図、第５図はクラン
プ機構の水平断面図、第６図は第４図ＶＩ−ＶＩ線に沿
う断面図、第１図は保持板の斜視図、第８図ないし第１
３図は作用説明図である。 １は工作機械、２は多軸ヘッド、７はストックマガジン
、８は基台、１４は旋回駆動源、１６は旋回台、１７は
案内杆、１８は移動台、２４はクランプシリンダ、２５
はクランプピース、２５ａは傾斜面、２６及び２Ｔはク
ランプロッド、３１は揺動アーム、３４は把持体、３６
は縦クランパ、３７は横クランパ、３８は保持板、３８
ａは縦溝、３８ｂは横溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 予め複数個の多軸ヘッド２を格納したストックマガジン
   ７及び上記多軸ヘッド２を脱着すべき工作機械１の近傍
   に基台８を設け、この基台８上に旋回駆動源１４により
   旋回自在な旋回台１６を設け、旋回台１６上には適宜駆
   動手段により案内杆１７に沿って移動自在な移動台１８
   を設け、この移動台１８にクランプシリンダ２４により
   上下動自在な楔状のクランプピース２５を設け、このク
   ランプピース２５の傾斜面２５ａに左右クランプロッド
   ２６．２７の一端側を当接し、各クランプロッド２６，
   ２７の他端側は、上記移動台１８の前方へ突設した一対
   のケース２３ａに中間部が軸支された揺動アーム３１の
   一端側に係合し、また上記クランプピース２５を圧縮ば
   ね３９により各揺動アーム３１の他端側が閉合する方向
   へ付勢すると共に、各揺動アーム３１の他端側は各ケー
   ス２３ａの先端部に接離方向に移動自在に取付けられた
   縦横クランパ３６．３７に係合し、かつこれら縦横クラ
   ンパ３６．３７には把持すべき多軸ヘッド２の縦方向及
   び横方向の位置決めを行う手段と、多軸ヘッド２の検出
   を行う検出手段を設けてなる多軸ヘッド交換装置。