JPS5823521Y2 - スロ−アウエイチップの締付装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はスローアウェイチップの締付装置に関し、さら
に詳細にはスローアウェイバイト等からなる切削工具の
先端座ぐり部にスローアウェイチップを簡単な操作でか
つ強い拘束力を以て取付けることのできるチップ締付装
置に関する。

従来、スローアウェイチップをスローアウェイバイト等
の切削工具の先端座ぐり部に締付固着する締付装置とし
ては、工具本体に回転可能に設けられた締付杆の偏心頭
部によ′リチップ取付孔を係合して該チップのブ側面を
座ぐり部の後側面に押圧するもの、上記偏心頭部による
抑圧に加えてチップの上面を押え金にて座ぐり部の底面
方向へ押圧するもの、工具本体に固定した締付杆の頭部
に係合したチップの後側面を該チップと座ぐり部後側面
との間に圧入される楔状部材により押圧するものなどが
使用されている。

しかしながら、上記締付杆の偏心頭部によりチップの一
側面を座ぐり部後側面に押圧するタイプのものは締付力
が偏心頭部によりのみ与えられるのでチップの拘束力が
十分ではなくさらにチップの拘束機構力坏安定であるた
めに切削時にチップの浮き上りを生じ易く、又、上記締
付杆の偏心頭部にょる押圧に加えて押え金にてチップ上
面を押圧するタイプのものはより大きな締付力が得られ
るが、チップを固定するに偏心頭部と押え金による二度
の締付動作を必要とするために操作性が悪く、さらに、
上記工具本体に固定した締付杆の頭部に係合したチップ
の後側面を楔状部材により押圧するタイプのものは締付
力がくさび部材によりのみ与えられるので十分ではなく
さらにチップの拘束構構が不安定であるために締付時又
は切削時にチップの浮き上りを生じ易いという欠点を有
する。

本考案は上記従来の欠点を解消すべくなされたものであ
って、これを図について説明するに、本考案によるスロ
ーアウェイチップ締付装置は、第１図に示すごとく、ス
ローアウェイバイト等から成る切削工具１の先端に形成
された座ぐり部２にスローアウェイチップ３を締付固着
するために、工具本体１には上記座ぐり部２に開口する
円筒孔４が上下方向に貫通形成されており、該円筒孔４
内には締付杆５が嵌合されており、該締付杆５はその上
部に座板６の開口部まわりに係合するフランジと座板６
の上方に突出してチップ３の取付孔７に係合可能な頭部
８とを形成されており、ナツト９によりその下端部を締
付けられて予め座板６と共に工具本体１に固定されるよ
うになっている。

上記締付杆５の頭部８は締付杆の本体部と同心状に形成
されており、またその外径ｄはチップの取付穴７の直径
ＣよりもやＸ小さめに選ばれている。

上記座ぐり部２においてチップ３と座ぐり部の後側面１
０との間にはクランプ駒１１が配置され、該クランプ駒
１１はチップ３と座ぐり部後側面１０との間に面接触を
以って楔状に圧入されてチップ３の上面１２と後側面１
３とを同時に締付けることができるようになっている。

即ち、クランプ駒１１は、第２図に詳細に示すように、
その前部にはチップ３の上面１２に係合可能な第１の係
合面即ち爪１４と、該第１の保合面とはゾ直交するごと
く配置されかつチップ３の後側面１３に係合可能な第２
の係合面１５とを備え、またその後部には座ぐり部２の
傾斜した後側面１０と密着して係合可能な当文面１６を
有し、該当文面１６と上記第２の係合面１５とのなす角
度θはチップの後側面１３と座ぐり部後側面１０とがな
す角度にはマ一致するごとく選？ｉれており、また上記
第２の係合面１５と当文面１６との間の寸法はチップ３
が締付杆の頭部８により係合された状態で該チップの後
側面１３と座ぐり部後側面１０との間の寸法にほぼ等し
くなるように選ばれている。

上記クランプ駒１１のはゾ中央部には、図示のごとく、
締付杆５とはソ平行に上下方向に伸びる締付ボルト１７
用の貫通孔１８が形成されており、該締付ボルト１１を
工具本体１にねじ込むことによりクランプ駒１１をチッ
プ３と座ぐり部後側面１０との間に圧入することができ
るようになっている。

上記クランプ駒１１の上面側には所定巾ａおよび所定深
さｂの開放切溝１９が設けられており、該開放切溝１９
は上記貫通孔１８の中央付近で当該クランプ駒を前後に
はゾニ等分するごとく横方向に伸ひており、このためク
ランプ駒１１はボルト１７を締付けることによりチップ
３と座ぐり部後側面１０との間に圧入された際に上記第
２の係合面１５と当文面１６との間の寸法が若干収縮す
るごとく弾性変形が可能である。

上記クランプ駒１１の上面は、図示のごとく、上記開放
切溝１９により三等分された前方部が後方部よりもや＼
高目になるように段差ｅがつけられており、このためボ
ルト１７の締付力はクランプ駒１１の上面前方部におけ
るはゾ中央位置に作用してチップ３を第１の係合面１４
により常に下方に締付けることができ、これによりチッ
プの浮き上りを有効に防止することができる。

また、上記クランプ駒１１の当文面１６における上方部
にはぬすみｆが設けられており、これにより該当文面１
６と座ぐり部後側面１０との接触位置が上記開放切溝１
９の位置よりも下方に位置するごとく形成され、このた
めチップが締付けられた後において被加工物を切削する
際に該切削力の影響によるクランプ駒１１の前後方向へ
の撓みが有効に防止されて刃先精度を維持することがで
きるようになっている。

さて、上記構成による本考案締付装置によりチップ３を
工具本体１に締付固着するには、締付ボルト１１従って
クランプ駒１１をゆるめた状態でチップ３を予め固定さ
れている締付杆５の頭部８に係合した上で上記締付ボル
ト１γを締付ける。

ボルト１７でクランプ駒１１の上面を締付けることによ
り、クランプ駒１１はその当文面１６が座ぐり部後側面
１０と接触しながら下方かつ前方に移動され、これによ
りクランプ駒１１の第１および第２の係合面１４および
１５にはそれぞれチップ３の上面１２および後側面１３
に向けて移動される。

該移動に伴い、まず第１の係合面１４とチップの上面１
２および第２の保合面１５とチップの後側面１３の中い
ずれか一方が接触し、これによりまずチップの上面およ
び後側面の中いずれか一方を拘束する。

さらにボルト１７を締め付けると、クランプ駒１１は開
放切溝１９を有するために前後方向に縮少するごとく変
形し、これによりチップの上面１２および後側面１３の
中残りの面も拘束され、該残りの面が十分拘束された時
点で締付動作を完了する。

以上のように、本考案によるときは締付ボルトの簡単な
締付は動作によりスローアウェイチップの上面および後
側面を同時に拘束することができるので簡単な操作によ
りチップを工具本体に強い拘束力を以て取付けることが
でき、また拘束機構が安定しているために締付時および
切削時におけるチップの浮き上り等を防止して良好な刃
先精度を維持できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案によるチップ締付装置をスローアウェイ
バイトに適用した例を示すものであり、同図ａは一部断
面にて示す部分的側面図、同図すは同平面図、第２図は
本考案締付装置のクランプ駒の一例を示すものであり、
同図ａは平面図、図面すは同図ａのＢ−Ｂ線断面図であ
る。 １・・・・・・工具本体、２・・・・・・座ぐり部、３
・・・・・・スローアウェイチップ、５・・・・・・締
付杆、７・・・・・・取付孔、１０・・・・・・座ぐり
部後側面、１１・・・・・・クランプ駒、１２・・・・
・・上面、１３・・・・・・後側面、１４・・・・・・
第１の係合面、１５・・・・・・第２の係合面、１１・
・・・・・ボルト、１８・・・・・・貫通孔、１９・・
・・・・開放切溝。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）切削工具先端の座ぐり部にスローアウェイチップ
   を締付固着するに工具本体に設けられた締付杆によりチ
   ップの取付孔を係合すると共に該締付杆により係合され
   たチップの後側面を該チップと前記座ぐり部を形成して
   いる側面との間に楔状に圧入されるクランプ駒にて押圧
   してなるスローアウェイチップの締付装置において、前
   記クランプ駒は前記スローアウェイチップの上面に係合
   可能な第１の係合面と当該チップの後側面に係合可能な
   第２の係合面とを備え、前記第１の係合面と第２の係合
   面とがはゾ直角をなしかつ前記座ぐり部を形成している
   側面が斜面しており、前記クランプ駒ははゾその中央に
   上下方向に伸びるボルト用貫通孔を設けられ、工具本体
   にボルト締めされることにより前記チップの後側面と座
   ぐり部の側面との間に圧入されるようになっており、前
   記クランプ駒はさらにその上側面に前記チップと前記座
   ぐり部の側面との間に圧入される際に収縮し得るように
   ほぼ横方向に伸び、前記貫通孔をはゾ二等分する如く開
   放切溝を設けられており、これにより二分された前方部
   が後方部よりもや＼高目になるように段差を設けられて
   おり、上記クランプ駒にてチップの上面および後側面を
   同時に締付は可能としたことを特徴とするスローアウェ
   イチップの締付装置。
2. （２）前記クランプ駒と前記座ぐり：部の側面′との接
   触位置が前記開放切溝の位置よりも下方に位置するごと
   く前記座ぐり部の側面に面するクランプ駒の当支面上方
   部にぬすみを設けた実用新案登録請求の範囲第（１）項
   記載のスローアウェイチップの締付装置。