JP2541267Y2

JP2541267Y2 - 倣い削り用のクランプバイト

Info

Publication number: JP2541267Y2
Application number: JP1989055513U
Authority: JP
Inventors: 近司加藤; 靖明寺田
Original assignee: 東芝タンガロイ株式会社
Priority date: 1989-05-15
Filing date: 1989-05-15
Publication date: 1997-07-16
Anticipated expiration: 2004-05-15
Also published as: JPH02145906U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案は、倣い削り用のクランプバイトに関し、特に
ノーズに構成される対頂角θが30°以下に小さくできる
ように改善したものである。

（従来の技術）従来、この種の倣い削り用のクランプバイトとして
は、例えば、特公昭48−15188号公報、実公昭50−6060
号公報、特公昭53−25157号公報、特公昭48−36231号公
報等にみられるものが開示されている。

前二者は、平行四辺形板状の切刃チップの上面に切欠
部分を設け、押え金によってチップ座側壁に引寄せるよ
うに構成したものである。これに対し、第三番目に開示
されたものは、平行四辺形板状の切刃チップに中央取付
け穴を穿設し、この中央取付け穴に対しては、Ｌ字状の
ピンおよび取付けねじを関連配置したいわゆるレバーロ
ックにより固定するようにしたものである。

さらに、第４番目のものは、切刃チップの上面側の中
央部位にノッチ部分を形成し、その底面側にはノッチ部
分と直交する方向に頂角部分を位置させたＶ字突面を形
成し、押え金によってノッチ部分が押圧されたときにチ
ップ座の凹底面に対するＶ字突面、およびチップ座の後
壁に対する後端面が接触することにより切刃チップを抱
束するようにしたものである。

（考案が解決しようとする課題）しかしながら、上記公報にみられるクランプバイト
は、ノーズ角が大きいものにしか適用できず、倣い削り
作業が制限される問題点があった。このようなことか
ら、本考案では、ノーズ角が30°以下の小さいものに適
用できる倣い削り用のクランプバイトを提供しようとす
るものである。

（課題を解決するための手段）本考案は、上述の点に鑑みなされたもので、平行四辺
形板からなる予じめ逃げ面の付与された切刃チップの構
成およびクランプ構成を改善したものである。

すなわち、切刃チップは、対頂角が30°以下に形成さ
れるとともに、その上面側の中央部位には、押え金によ
る押圧力を受けられるように横切刃稜と直交するノッチ
部分が形成され、その底面側には、前記ノッチ部分と直
交する方向に頂角部分を位置させたＶ字突面が形成され
るようにしたものである。

そして、この切刃チップがチップ座内に配置され、押
え金によってノッチ部分が押圧されたときには、チップ
座の凹底面に対するＶ字突面およびチップ座の後壁面に
対する後端面が接触することにより拘束されるようにし
たものである。この場合チップ座の側壁に対する切刃チ
ップの側端面が非接触で抱束されないようにしたもので
ある。

（作用）本考案の倣い削り用のクランプバイトは、切刃チップ
のノーズに構成される対頂角θが30°以下で、例えばθ
＝25°のものに適用できることから、複雑な形状を有す
る倣い削り作業に利用できるものである。

また、押え金による取付けも切刃チップのノッチ部分
を利用してＶ字突面および後端面からなる３面拘束にな
ることからクランプ強度が高いものである。

（実施例）以下、本考案倣い削り用のクランプバイトにおける一
実施例について、図を参照しながら説明する。

第１図乃至第３図において、（１）は、矩形断面を有
するホルダーであり、その一端には、切刃チップ（２）
を受入れるチップ座（３）が形成されている。この場
合、切刃チップ（２）は、第４図（ａ）〜（ｃ）にみら
れるように長辺および短辺からなる平行四辺形板状をな
すもので、側面部分には、予じめ逃げ角が付与されてい
るポジ形式のものである。そして、この切刃チップ
（２）の上面には押え金（４）が切刃チップ（２）を強
固に押圧できるように、ノッチ部分（５）が形成され
る。なお、前記押え金（４）は、締付けねじ（６）によ
ってホルダー（１）に取付けられる。また、切刃チップ
（２）の底面には、Ｖ字突面（７）が形成される。この
場合、前記ノッチ部分（５）およびＶ字突面（７）の頂
角部分は、それぞれ表裏面の関係にあるが直交する方向
に設けられているものである。しかして、この切刃チッ
プ（２）は、チップ座（３）内に取付けられたときに
は、長辺側で横切刃稜（８）を形成し、短辺側で前切刃
稜（９）を形成する。この場合、切刃チップ（２）のチ
ップ座（３）内における拘束面は、チップ座（２）のＶ
字状をなす凹底面（10）に対するＶ字突面（７）および
チップ座（２）の後側面（3a）に対する非削端側の後端
面（11）である。したがって、被削端側にある傾斜した
側端面（12）は、チップ座（２）の側壁（3b）とは接触
せず拘束されないものである。これは、チップ座（２）
の側壁（3b）は、ホルダー（１）の強度上から必要とさ
れるものだからである。

第５図乃至第７図は、切削ユニット（13）を示してい
るが、この切削ユニット（13）は、ホルダー（１）の側
部にねじ止めされるものである。そして、この切削ユニ
ット（13）は、押え金（４）が一体的に形成され、締付
けねじ（６）によって切刃チップ（２）を固定するもの
である。

なお、本実施例で示した切刃チップ（２）の対頂角θ
は、θ＝25°のものが適用されている。

（考案の効果）本考案は、以上説明したように、対頂角θが30°以下
の小さい平行四辺形板状のポジ形式の切刃チップ（２）
を利用して、その上面および底面にノッチ部分（５）お
よびＶ字突面（７）を形成し、これらの３つの拘束面で
チップ座（３）内に固定されるようにしたものである。
したがって、対頂角θが25°程度のものにも適用できる
ことから複雑な形状を有する倣い削り加工に利用でき、
しかも切刃チップ（２）のクランプ力も強固であるので
能率的な切削作業を行なうことができるという利点を有
する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案倣い削り用のクランプバイトの一実施
例を示す一部正面図、第２図は、その平面図、第３図
は、第２図に対する側面図、第４図（ａ）〜（ｃ）は、
切刃チップを拡大して示した図で、（ａ）は平面図、
（ｂ）は下方からの側面図、（ｃ）は左方向からの側面
図、第５図乃至第７図は、切削ユニットを示す図で、第
５図は正面図、第６図は平面図、第７図は第６図に対す
る側面図である。（１）……ホルダー、（２）……切刃チップ、（３）…
…チップ座（４）……押え金、（５）……ノッチ部分、（７）……
Ｖ字突面（８）……横切刃稜、（９）……前切刃稜、（10）……
凹底面（11）……後端面、（12）……側端面

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】ホルダー（１）の一端に構成されるチップ
座（３）内には、鋭角の対頂角θによって横切刃稜
（８）および前切刃稜（９）が形成されるようにした平
行四辺形板からなる倣い削り用の切刃チップ（２）が配
置され、しかもこの切刃チップ（２）が押え金（４）に
よって圧接固定されるようにした倣い削り用のクランプ
バイトにおいて、前記切刃チップ（２）は、対頂角θが30°以下に形成さ
れるとともに、その側面部分には予じめ逃げ角が付与さ
れるようになっており、その上面側の中央部位には、押
え金（４）による押圧力を受けられるように横切刃稜
（８）と直交するノッチ部分（５）が形成され、その底
面側には、前記ノッチ部分（５）と直交する方向に頂角
部分を位置させたＶ字突面（７）が形成され、しかもチ
ップ座（３）内に配置され、押え金（４）によってノッ
チ部分（５）が押圧されたときには、チップ座（３）の
凹底面（10）に対するＶ字突面（７）およびチップ座
（２）の後壁（3a）に対する後端面（11）が接触するこ
とにより拘束され、チップ座（２）の側壁（3b）に対す
る傾斜した側端面（12）が非接触で拘束されないように
したことを特徴とする倣い削り用のクランプバイト。