JPS6231210Y2

JPS6231210Y2 -

Info

Publication number: JPS6231210Y2
Application number: JP1981165811U
Authority: JP
Priority date: 1981-11-09
Filing date: 1981-11-09
Publication date: 1987-08-11
Also published as: JPS5870805U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は旋盤等のチヤツクにおける被加工物把
握用のチヤツク爪に関するものである。

従来、旋盤等におけるチヤツク爪は、安全性と
確実性とを保障する必要上、一体となつているチ
ヤツク爪がクランプボルトでチヤツク本体に固定
されるのが一般的構造となつている。

このため、チヤツク爪の交換に当つては、クラ
ンプボルトの締め、緩めに要する時間が大とな
り、また把握精度の再現性が悪いため、時には、
爪成形の必要性も生じ準備作業時間が多くなる欠
点があり、特に多種少量生産の際にその欠点が大
きな問題となつている。

またこのような欠点を避けるため、油圧等を利
用してチヤツク爪の固定を行い、交換作業の迅速
化を図つたものも提案されているが、チヤツク本
体の構造が特殊なものとなるほか、特別の付属設
備が必要であるため、設備費が嵩むのみでなく、
把握径の規定に困難を伴う別の欠点を有してい
る。

本考案は、上記の従来技術の問題点を解決する
ために考案されたものであつて、被加工物に応じ
たチヤツク爪の交換時間を短縮でき、該爪による
把握径の規正が容易であり、把握精度の再現性が
確実なチヤツク爪を提供することを目的とするも
のである。

そして、本考案は、上記の目的を達成するため
にその構成を、チヤツク爪をジヨーホルダーとこ
れに嵌着するトツプジヨーとで構成し、前記ジヨ
ーホルダーはその裏面側にチヤツク本体への固定
部を、その表面側にトツプジヨーとの嵌合面及び
ストツパ面をそれぞれ設け、前記トツプジヨーに
は被加工物把握用端面と、ジヨーホルダーに設け
た前記嵌合面及びストツパ面にそれぞれ係合する
嵌合部と端面とを設け、前記ジヨーホルダーに設
けたストツパ面の形状と、このストツパ面に係合
する前記トツプジヨーに設けた端面の形状をとも
に、チヤツク本体への固定位置においてチヤツク
本体軸心と同軸上に頂点を有しジヨーホルダーの
表面側を底円とする円錐面とし、さらに前記ジヨ
ーホルダーのストツパ面の反対側に弾性体よりな
るトツプジヨーの落下防止機構を設けたチヤツク
爪としたものである。

本考案の実施例を図面を参照して以下説明す
る。

第１図において１は本考案にかかるチヤツク爪
であつて、同図に示されるように従来のものと同
じく、チヤツク本体２の前端面に等間隔に配置さ
れるものであり、該チヤツク爪１は第２図に示さ
れているジヨーホルダー３と第３図に示されてい
るトツプジヨー４とで構成されている。

ジヨーホルダー３は第２図、第４図、第５図に
示されるように裏面５側に、チヤツク本体２に固
定するためのセレーシヨン６及び取付ボルト孔
７，８よりなる固定部を備え、チヤツク本体２上
の定位置に固定されるものである。またジヨーホ
ルダー３の表面９側には、第１図中符号Ａで示す
ようにチヤツク本体２に固定した位置において、
その両側縁部に、該チヤツク本体２の中心と取付
ボルト孔７又は８の中心を通る線と平行方向に走
る切欠溝１０，１１が形成されている。なお図示
例では切欠溝１０，１１により挾まれ形成された
部分が凸字状の断面形状となつているが、第１図
中符号Ｂの状態において、トツプジヨー４が矢印
イの方向に摺動自在で、矢印ロの方向に位置決め
できる限りは、いかなる断面形状であつてもよい
ものである。

さらに、ジヨーホルダー３には、チヤツク本体
２に固定した位置においてチヤツク本体２の周縁
１２側に、チヤツク本体２の軸心と同軸上に頂点
を有しジヨーホルダー３の表面側を底円とする円
錐面であるストツパ面１３を有する突出体１４が
形成されている。また、ジヨーホルダー３には、
チヤツク本体２に固定した位置において、チヤツ
ク本体２の中心側に形成される切欠溝１０，１１
の端面１５，１６にトツプジヨー４の落下防止用
板バネ１７，１８が配設されている。

一方、トツプジヨー４は、前記構造のジヨーホ
ルダー３に嵌着されるものであり、第３図に示さ
れるようにその下面１９にジヨーホルダー３の切
欠溝１０，１１により形成された凸字状の断面形
状に合致する突部２０，２１及びこれら突部２
０，２１の間の凹部が形成されている。そしてそ
の突部２０，２１間の間隔Ｌは、ジヨーホルダー
３の切欠溝１０，１１に突部２０，２１が嵌入し
得る幅に形成されている。またトツプジヨー４に
は、ジヨーホルダー３の突出体１４のストツパ面
１３に当接する端面２２が形成されており、この
端面２２がジヨーホルダー３のストツパ面１３に
当接することにより端面２２の反対側に位置する
被加工物把握用の端面２３の位置が規正されるよ
うに構成されている。この端面２２の形状はジヨ
ーホルダー３側のストツパ面１３の円錐面形状に
一致する円錐面形状に形成される。

さらに、トツプジヨー４には、その端面２２の
反対側に、ジヨーホルダー３に配設されている落
下防止用板バネ１７，１８が、第１図中符号Ｂの
状態で当接し得る端面２４，２５が形成されてい
る。

以上、説明したように本考案によるチヤツク爪
１はジヨーホルダー３とトツプジヨー４とよりな
るものであつて、これをチヤツク本体２に取り付
けるに当つては、ジヨーホルダー３を、その裏面
５側に設けたセレーシヨン６及び取付ボルト孔
７，８よりなる固定部によつてチヤツク本体２上
の正しい位置に固定したのち、第５図に示すよう
にトツプジヨー４の端面２４，２５とジヨーホル
ダー３側の落下防止用板バネ１７，１８の先端２
６，２７を当接させ、落下防止用板バネ１７，１
８をチヤツク本体２の中心方向へ引いた状態と
し、矢印ハの方向に押し込み、ジヨーホルダー３
の切欠溝１０，１１にトツプジヨー４の突部２
０，２１を合致させる。これにより、落下防止用
バネ１７，１８の抗力が作用し、ジヨーホルダー
３のストツパ面１３とトツプジヨー４の端面２２
が当接し、第１図中符号Ｂで示す状態となり、被
加工物を把握するに備えられるものである。

また、チヤツク爪交換に当つては、第４図矢印
ニの方向にトツプジヨー４を抜き取り、予め別に
準備されているトツプジヨーを装着すればよい。

なお、落下防止用板バネ１７，１８により、チ
ヤツクが被加工物を把握しない時に、トツプジヨ
ー４がジヨーホルダー３から抜け落ちることを防
止するものである。

本考案は、以上のような構成、作用を有するも
のであるから、チヤツク爪の交換は、単にトツプ
ジヨーのみの抜き取り、装着という作業のみで達
成されるので交換時間を著しく短縮でき、被加工
物を把握する際の把持径はチヤツク本体に固定さ
れるジヨーホルダーのストツパ面とトツプジヨー
の端面との当接による各トツプジヨー端面間の距
離により規定されるので、その規定がきわめて容
易となる。

特に本考案においては前記ストツパ面とトツプ
ジヨー端面とを円錐面としているため、被加工物
を把持する時トツプジヨーとジヨーホルダーとの
密着性が良好となり、また一般に円錐面は平面に
比し加工が容易で精度が出しやすいので、このよ
うな形状のストツパ面を有する本考案のチヤツク
爪は被加工物の把持精度が向上する。またチヤツ
ク爪が被加工物を把持しない時は弾性体によりト
ツプジヨーがジヨーホルダーから落下しないよう
にしているので、ボルトの締め付けによりトツプ
ジヨーを保持する従来例に比しその取扱いがきわ
めて容易となる。

また、トツプジヨーが同一である限り、装脱を
繰り返しても常に正確な把持径が再現されるの
で、把握精度の再現性が確実となり、さらに、ト
ツプジヨーが均質に製作されている限り新しいト
ツプジヨーを装着使用するに当り、再調整等の必
要がなく、作業性を向上させることができるなど
旋盤等のチヤツク爪として数々の優れた効果を奏
するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例のチヤツク爪を取り
付けたチヤツク本体の正面図。第２図は第１図に
示されている実施例のチヤツク爪の構成部品であ
るジヨーホルダーを示すもので、ａはその平面
図、ｂは同正面図、ｃは同側面図、第３図は同じ
く第１図に示されているチヤツク爪の構成部品で
あるトツプジヨーを示すもので、ａはその平面
図、ｂは同正面図、ｃは同側面図、第４図は第１
図中Ｃ−Ｃ線で切断したチヤツク爪の要部を示す
断面図、第５図は第２図に示すジヨーホルダーに
第３図に示すトツプジヨーを装着する直前の正面
図である。１……チヤツク爪、２……チヤツク本体、３…
…ジヨーホルダー、４……トツプジヨー、５……
ジヨーホルダー裏面、６……セレーシヨン、７，
８……ボルト孔、９……ジヨーホルダー表面、１
０，１１……切欠溝、１３……ストツパ面、１４
……突出体、１７，１８……落下防止用板バネ、
１９……トツプジヨー下面、２０，２１……突
部、２２……端面、２３……被加工物把握用端
面、２４，２５……端面。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

チヤツク爪をジヨーホルダーとこれに嵌着する
トツプジヨーとで構成し、前記ジヨーホルダーに
は、その裏面側にチヤツク本体への固定部をその
表面側にトツプジヨーとの嵌合面及びストツパ面
をそれぞれ設け、前記トツプジヨーには被加工物
把握用端面と、ジヨーホルダーに設けた前記嵌合
面及びストツパ面にそれぞれ係合する嵌合部と端
面とを設け、前記ジヨーホルダーに設けたストツ
パ面の形状と、このストツパ面に係合する前記ト
ツプジヨーに設けた端面の形状をともに、チヤツ
ク本体への固定位置においてチヤツク本体軸心と
同軸上に頂点を有しジヨーホルダーの表面側を底
円とする円錐面とし、さらに前記ジヨーホルダー
のストツパ面の反対側に弾性体よりなるトツプジ
ヨーの落下防止機構を設けたチヤツク爪。