JPS5823043Y2 - ボイラ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はボイラに関する。

従来、一般にボイラ、特に超臨界圧ボイラの燃焼壁を形
成する水冷管においては、起動時に水冷管群内の熱吸収
量の差に起因し、内部流体の流動不安定現象を生じ、一
部の管が高温に加熱され易いものであった。

従来のボイラについて第１図に基づいて、説明する。

第１図において、１は火炉周壁を形成する水冷壁管の位
置を示し、２は各々バーナパネル部の水冷管を示し、３
．３’はバーナパネルを形成するために、管曲げされ火
炉から遠ざけられた水冷管を示す。

４は燃焼バーナノズル、５は燃料供給管、６は燃焼用空
気ノズル、７は空気ダクト、８はイグナイター、９はイ
グナイター用空気通路、１０は空気ノズル６と水冷管３
，３′との空間を示す。

起動時の流動不安定現象の原因を説明すると、通常の水
冷壁管１，２の火炉熱負荷は、第２図の曲線ａに示す如
きであるが、水冷壁管３，３′は、バーナパネルの曲管
の最奥部を形成しており、そのため、殆んど熱負荷を受
けないことになる（第２図の曲線ｂ）。

又、燃焼用空気の大部分は空気ノズル６の内側を通過す
る構造となっているが、一部は該ノズル６の冷却のため
に空間１０部を通過する。

このため、水冷管３，３′は空気により冷却されるため
、さらに冷却されて、第２図の曲線Ｃの如くなる。

したがって、水冷管３，３′と水冷管１又は水冷管２と
の間に流体の温度差が生じ、流体の質量差により、内部
抵抗及び水頭差が生じ、流動の不安定現象を生じ易くな
っていた。

そこで本考案は、従来装置の欠点である流動不安定現象
により、水冷管が高温加熱され焼損或いは、噴破事故を
防止することを目的として、なされたものであり、本考
案は燃焼室の壁部が水冷管で形成され、前記壁部の１部
に前記燃焼室内に向って開口した燃焼バーナノズルが配
置され、同燃焼バーナノズルの先端側の周囲を間隔を保
って空気ノズルで覆い、同空気ノズルの外周に間隔を保
って水冷管が設けられたボイラにおいて、燃焼空気の流
れ方向上流及び下流側端部が前記水冷管の外面に沿って
わん曲する冷却防止板を前記空気ノズルの外周と前記水
冷管との間に同水冷管と間隔を保って配置したことを特
徴とするボイラを提供するものである。

本考案のボイラによれば、空気ノズルの外周側に位置す
る水冷管の前面に端部が水冷管に沿ってわん曲した冷却
防止板を設けたことにより、空気ノズルの外周を通過す
る空気が冷却防止板と水冷管との間に流入するのを防ぎ
、水冷管が冷却されるのを防止することによって、管内
部の流動不安定となることを防ぎ１部の水冷却管の焼損
、噴破事故が防止できる。

次に本考案を第３図ないし第６図に示す１実施例に基づ
いて説明する。

第３図において水冷管１゜２．３．３’、燃料バーナノ
ズル４、燃焼用空気ノズル６、空気ダクト７、イグナイ
タ−８、イグナイター用空気通路９、空間１０は第１図
に示す従来のボイラと同じ構造であり、この部分の説明
は省略する。

水冷管３，３′の燃焼用空気ノズル６と対向する側に冷
却防止板１，１が、間隔金物１２を介して水冷管３，３
′と間隔をもってボルト１４、ナツト１６により取付け
られている。

冷却防止板１１の水冷管３と並行している端部は、水冷
管３を包み込むようにわん曲している。

イグナイター用空気通路９の側の水冷管３′の前面にも
、冷却防止板１３が水冷管３′と間隔をもってボルト１
５とナツト２１により取付けられ、水冷管３′と冷却防
止板１３との間には耐火材２０が充填されている。

冷却防止板１１には長穴１８、間隔金物１２には長穴１
７が設けられスライド可能となっている。

なお、本ボイラにおいては、長穴１８を長穴１７より大
きくして、冷却防止板１１と間隔金物１２とを固着して
いるが、これらを別体とし、長穴１８を長穴１７より小
さくしてボルト１４、ナツト１６で両者をおさえるよう
にしてもよい。

さらにはナツト１６を座金としてボルト１４に固着させ
ボルト１４は水冷管３，３′の間の壁部に取り付けても
よい。

ノズル６と水冷管３，３′の空間１０部を通過する空気
はノズル６の外表面を冷却する機能を有しており、空間
１０部を空気が通らないように、空気ノズル６の端部で
閉塞すると水冷管３，３′の冷却は防止されるが、反面
空気ノズル６の冷却が阻害され空気ノズル６が焼損され
ることになり好ましくない。

したがって、空間部１０には、空気を通過させ、空気ノ
ズル６の冷却を行いながら、水冷管３，３′だけを冷却
しないことが必要であり、空間１０部に冷却防止板１１
を設は空間１０部を流れる空気が水冷管３．３′に直接
接触しないようにする。

冷却防止板１１は、空気により冷却されるが、この冷却
された冷却防止板１１が、水冷管３，３′に直接接触す
ると、熱伝導により、水冷管３，３′は冷却されること
になり、その効果は半減されることになるので冷却防止
板１１と水冷管３，３′の間に空間１９を設け、空間１
９を保持するために間隔金物１２を設けることにより、
冷却防止板１１の影響を水冷管３，３′に伝わるのを防
止している。

更に、冷却防止板１１の両端部は、所定の間隔を保って
水冷管３，３′の外面に沿うようにわん曲されているの
で、空気の乱入を防止し、冷却防止効果を向上させると
共に、該冷却防止板１１が、熱により変形しようとする
力を止め補強の機能を有している。

又、冷却、防止板１１と水冷管３，３′とは、熱膨張差
が生じるため、支持ボルト１４部においては、冷却防止
板１１及び間隔金物１２には、各々長円穴が設けてあり
、熱膨張差をスライド方式により逃がせることが可能で
ある。

さらに又、冷却防止板１３と、冷却防止板１１と略同等
であり燃焼用空気がイグナイタ用空気通路９を通過する
際、水冷管３′の冷却を耐火材２０とともに防止するも
のである。

すなわち、本装置によれば、空気ノズル６の冷却効果を
阻害することなく、又、構造簡単にして、安価な装置に
て、水冷管３，３′のバーナパ、ネル部において全く流
動安定な起動運転の出来るボイラを提供している。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のボイラ、第２図は、従来のボイラの燃焼
室内の温度関係を示すグラフ、第３図は本考案の１実施
例を示す図、第４図は第３図Ａ部拡大図、第５図は第４
図Ｂ−Ｂ矢視図、第６図は第５回正面図である。 １．２，３．３’・・・・・・水冷管、４・・・・・・
燃料バーナノズル、５・・・・・・燃料供給管、６・・
・・・・燃焼空気ノズル、７・・・・・・燃焼空気ダク
ト、８・・・・・・イグナイター、９・・・・・・イグ
ナイター用空気通路、１０．１９・・・・・・空間、１
１．１３・・・・・・冷却防止板、１２・・・・・・間
隔金物、１４．１５・・・・・・ボルト、１６゜２１・
・・・・・ナツト、１７，１８・・・・・・長穴、２０
・・・・・・耐火材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 燃焼室の壁部が水冷管で形成され、前記壁部の１部に前
   記燃焼室内に向って開口した燃焼バーナノズルが配置さ
   れ、同燃焼バーナノズルの先端側の周囲を間隔を保って
   空気ノズルで覆い、同空気ノズルの外周に間隔を保って
   水冷管が設けられたボイラにおいて、燃焼空気の流れ方
   向上流及び下流側端部が前記水冷管の外面に沿ってわん
   曲する冷却防止板を前記空気ノズルの外周と前記水冷管
   との間に同水冷管と間隔を保って配置したことを特徴と
   するボイラ。