JPS636596Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 発電用ボイラ、産業用ボイラ、舶用ボイラ等の
炉壁構造に関するものである。

これら従来ボイラの炉壁管はたとえば第１図に
示されるように冷却管１がスパイラル状に配置さ
れ、これらの冷却管１，１′は第２図に示される
ようにそれらの間をフイン又は溶金２でシール溶
接されて炉壁平面部が構成されている。大型ボイ
ラの場合には、炉壁に設けられる燃焼用バーナ風
箱取合部（第１図Ａ部）において、第３図に示す
ように、バーナノズル６を炉内に挿入して、燃料
を燃焼させるために、炉壁の冷却管を管曲げし、
開口部を設けるが、該管曲げされた冷却管３，
３′は炉外側に一般に平面状に突き出され、炉内
ガスシールのために該開口部の冷却管３に冷却管
３′との間にはフイン４を挿入され、溶接にて板
状に形成されている（この板状部をバーナパネル
という）。バーナ風箱５は、この板状に形成され
た管曲げ開口部側面の最外端管部３−１に設けら
れた取付金物８と、バーナ風箱側に設けられた金
物９とによつてフランジ取合とされ、パツキン１
０を挾み込みボルト締めされ（ボルト１１）、取
付けられている。ところがこの取合においては上
述のように開口部側面が板状になつているため相
当大きな剛性を有している。同じくバーナ風箱側
も剛性が大きいことから、相当大きな剛性を有す
るもの同志を締付けることとなり、そのフランジ
取合部のボルト１１は極めて大きな力で締付ける
必要があり、取付けが難しい。更には、該部にお
いて炉内ガスのシールが必要であるが、若し炉壁
開口パネル又はバーナ風箱側に製作上の誤差等に
より変形等がある場合は、その締付は更に難しく
又、フランジ取合部のガスシールが出来なくなる
などの欠点を有していた。

更に、第１図に示す如く炉壁がスパイラル状に
配置される冷却管方式の場合は、第３図に示す如
く開口部側面の内部にはバーナノズル支持用の側
板７が内蔵される、該支持用の側板７はその内面
部を燃焼用空気で冷却されるが、この側板と上記
開口部側面の冷却管との間は燃焼用空気が流れな
いため、炉内の燃焼ガスに曝され又、炉内の高温
ガスの放射熱等により高温になるなどの欠点を有
していた。

本考案は上記の欠点を排除し、製作容易な、信
頼性の高いボイラの炉壁構造を提供することを目
的としている。

本考案において第４図の実施例に示すように、
開口部の炉壁平面部近傍には取付金物１２を設
け、風箱５には開口部側面の冷却管３の最外端近
傍に取付金物１４を設けてある。これらの金物１
２，１４にはさらに板状の開口部側面に平行に風
箱５と炉壁冷却管１との取合いを行う取付側板２
０を取付けるための取付金物１３，１５を設けて
ある。取付側板２０は前記取付金物１３および１
５との間にそれぞれパツキン１６および１７をは
さまれ、ボルト１８および１９で取付金物１３お
よび１５に締付けられる。このようにして風箱５
の取合を取付側板２０を介して連結することによ
りバーナパネル側に設けられる取付金物１２，１
３を管曲げ開口部側面の最外端部管３−１に取付
けないで、炉壁冷却管１に近い部分に設けること
ができる。

このため管曲げ開口部側面の冷却管３にはバー
ナ風箱５からの力は直接伝達されず、該取付側板
２０を介して、炉壁冷却管１近傍に設けられた取
付金物１２，１３に伝達され炉壁冷却管１部へ伝
達支持される。従つて、該管曲げ開口側面の冷却
管３部は大きな剛性を有する必要がないため該管
曲げ側面の冷却管３，３′間をシールフインや溶
金で固定する必要がなくなるので、該部は冷却管
３の単独管の管曲げのフレキシブルな構造となり
該管部は熱変形等も自由に吸収されることになり
偏つた集中応力等も生じなくなり、安全性も極め
て向上する。又、該管曲げ開口部側面の冷却管３
をシールフイン４等で溶接固定する必要がないこ
とから該バーナパネルの製作も容易となり信頼性
の高いものを安価に提供できることになる。

更には、バーナ風箱５とバーナパネルとの取合
が該管曲げ開口部側面の面軸方向のボルト締め取
合でなく取付側板２０を該開口部側面の面外方向
から管曲げ開口部側面及びバーナ風箱側にそれぞ
れ設けられた取付金物１３，１５にボルト１８，
１９で締付け取付けられることからその組立が容
易となる。

更に、本考案においては、該取付側板２０の外
面側に冷却媒体２２の通路を形成する外側シール
板２３が接続されている。該冷却媒体２２の圧力
は火炉内のガス圧よりやや高い圧力とされるので
ボルト１８，１９を大きな力で締め付け完全シー
ルする必要はない。この冷却媒体２２を取付側板
２０の内側へ通過させるために該取付側板２０に
複数個の冷却穴２１を設けてあり、これにより上
記冷却媒体２２が該冷却穴２１を通り、矢印で示
すように、管曲げ開口部側面の冷却管３，３′間
の隙間を通つて、内蔵されたバーナノズル６の支
持側板７を外面から冷却し、更にバーナノズル６
の側面部を補助的に冷却することにより、該支持
側板７、及びバーナノズル６の焼損を防止してい
る。

又、取付側板２０に設けられた冷却穴２１を通
過する過程においては、該取付側板２０を冷却す
るので、該冷却媒体２２の温度をバーナ風箱５の
温度と略同じ温度のものを使用することにより、
取付側板２０とバーナ風箱５の温度とが略同じと
なり熱膨張差がなくなり、伸び差等により熱応力
が生じないようになるなどの特長を有する。

第５図は本考案の他の実施例を示すもので、炉
壁冷却管が垂直に配置される場合のバーナ風箱取
付部を示す。本実施例においてもその作用及び効
果は前述と殆んど同様であり説明は省略する。

【図面の簡単な説明】

第１図は発電用ボイラの炉壁管の斜視図、第２
図は第１図の−線に沿うシール溶接された冷
却管部の拡大断面図、第３図は第１図の−線
に沿う従来の管曲げ開口部の拡大断面図、第４図
は本考案による管曲げ開口部の断面図、および第
５図は本考案の他の実施例の断面図である。 １，１′……火炉壁冷却管、２……フイン又は
溶金、３，３′……管曲げ開口部側面の冷却管、
４……フイン又は溶金、５……風箱、６……バー
ナノズル、７……バーナノズル支持側板、８，９
……取付金物、１０……パツキン、１１……ボル
ト、１２，１３，１４，１５……取付金物、１
６，１７……パツキン、１８，１９……ボルト、
２０……取付側板、２１……冷却穴、２２……冷
却媒体、２３……外側シール板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ボイラの炉壁が、多数の水管と、水管の間に配
   置され水管に溶接されたシールフイン若しくは溶
   金とからなり、同炉壁の一部にバーナ風箱が挿入
   される管曲げ開口部が形成されたものにおいて、
   前記バーナ風箱と管曲げ開口部側面とが冷却穴を
   有する取付側板を介して連結され、同取付側板の
   外面側に冷却媒体通路が接続されて同通路から、
   取付側板の冷却穴、管曲げ開口部側面の冷却管と
   冷却管の間、バーナノズル支持側板外周、バーナ
   ノズル外周、炉内にかけて冷却媒体流路が形成さ
   れるとともに、前記取付側板と管曲げ開口部側面
   との連結部が炉壁平面部近傍に配設されているこ
   とを特徴とするボイラの炉壁構造。