JPH10259902A - ボイラ天井壁貫通部のシール構造 - Google Patents

ボイラ天井壁貫通部のシール構造

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JPH10259902A
JPH10259902A JP6461297A JP6461297A JPH10259902A JP H10259902 A JPH10259902 A JP H10259902A JP 6461297 A JP6461297 A JP 6461297A JP 6461297 A JP6461297 A JP 6461297A JP H10259902 A JPH10259902 A JP H10259902A
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JP
Japan
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heat transfer
ceiling wall
seal
transfer tube
seal box
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JP6461297A
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English (en)
Inventor
Kazutaka Suzaki
一孝 須崎
Yasushi Sato
恭 佐藤
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Mitsubishi Power Ltd
Original Assignee
Babcock Hitachi KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 石炭焚きボイラなどのボイラの天井壁を貫通
して配置された伝熱管3の伸縮を吸収するとともに、ボ
イラの天井壁の上部のペントハウスに燃焼灰が侵入堆積
するのを防止するシール構造を提供すること。 【解決手段】 伝熱管3が貫通する天井壁2の上面に、
1本あるいは複数本の伝熱管3が貫通したシールプレー
ト4と、その上に釣鐘状や断面長方形あるいは球形のシ
ールボックス5を重ねて配置し、伝熱管3とシールボッ
クス5の伝熱管貫通部の溶接部9を周溶接し、同様にシ
ールボックス5の下端部と中央部に伝熱管3の貫通孔を
有するシールプレート4の間、シールプレート4の外周
と天井壁2の間、天井壁2と天井壁管1の各当接部をそ
れぞれ溶接する。また、前記シールプレート4及びシー
ルボックス5を半割りにし、それぞれの半割り部分に加
え、シールプレート4と天井壁2、シールプレート4と
シールボックス5、さらにシールボックス5の伝熱管貫
通部と伝熱管3の外周の各当接部を溶接するシール構造
でも良い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はボイラの伝熱管と天
井壁とのシール構造に係り、特に天井壁上部に配置され
る管寄せと連結し、天井壁を貫通して火炉内に伸びる伝
熱管と天井壁の貫通部において、シールプレートやシー
ルボックスを配置し、これらと伝熱管及び天井壁を溶接
して密閉するとともに、貫通伝熱管の熱膨張や収縮によ
る応力を吸収するのに好適なシール構造に関する。
【0002】
【従来の技術】発電用ボイラの天井壁上部に配置された
管寄せと一端が連結し、他方が火炉あるいは炉内ガス通
路内に伸びる伝熱管が貫通する天井壁部分、伝熱管の伸
縮を妨げないように管状のスリーブやケーシングあるい
はベローズ等を配置したものがある。
【0003】図9と図10及び図11〜図13は、この
ような従来のボイラ天井壁貫通部のシール構造を示す図
である。図9は従来技術の一つの構造を示す天井壁貫通
部の正面断面図、図10は従来技術の他の例を示す天井
壁貫通部の正面断面図である。また図11〜13は従来
技術の他の例で、伝熱管の天井壁貫通部の構造を示す正
面断面図である。
【0004】従来より事業用火力発電ボイラには重油あ
るいは液化天然ガスを燃料とするボイラがあり、これは
火炉内が大気圧以上で運転される、いわゆる加圧燃焼が
行われる。この場合、図9に示すように天井壁2を貫通
する伝熱管3とスリーブ16を予めケーシング14に取
り付け、このケーシング14は天井壁2の上面にケーシ
ング溶接部15で固定される。しかし、この取り付け方
法によれば前記伝熱管3が貫通する天井壁2の部分及び
伝熱管3と溶接しているスリーブ16の内表面部分は伝
熱管3の伸縮を妨げないようにするために密閉状態には
なっていない。
【0005】従って前記した重油あるいは液化天然ガス
による加圧燃焼方法では伝熱管3とスリーブ16との隙
間から燃焼ガスが天井壁2の上部に設置されるペントハ
ウス8内へ流入するものの、流入するものはほとんどが
燃焼ガスであるため堆積物は僅かしか生じず、燃焼灰の
堆積に関する対策は重要視されていなかった。
【0006】しかし、燃焼ガスを直接外気中に出さない
対策として図には示していないが、ボイラ天井部の上部
全体をペントハウス8で覆い、さらにこの内側に内部ケ
ーシングを設けて全周溶接し、ボイラの燃焼ガスが外部
へ放出されない構造となっている。しかし、資源の有効
利用等の理由から、ボイラ燃焼用の燃料は重油や液化天
然ガスから石炭へ移行し、ボイラの運用面でも効率向上
を図る目的で起動停止する回数が増加している。
【0007】ボイラ燃料として石炭を用いる場合には、
火炉7側とペントハウス8側の圧力差はゼロか火炉7側
がわずかに低い条件で運用されるのが通常である。しか
し、ボイラ運転中に発生する燃焼条件の変動によってペ
ントハウス8内と火炉7内の圧力差が一時的に逆転する
こともあり、この場合には燃焼ガス及び石炭灰が天井壁
2とケーシング14との間の空間に侵入し、スリーブ1
6と伝熱管3の密閉されていない隙間からペントハウス
8側にも侵入し、堆積する。
【0008】このようになるとペントハウス8内に設置
される天井壁2の上部を覆う耐火物やケーシング14、
さらには図示しない過熱器、再熱器等の管寄せ類の保
守、点検の妨げになり、堆積物を除去するには多大の労
力と時間を必要とする。
【0009】一方、図10に示す他の従来例では、伝熱
管3のボイラ天井壁貫通部分にはベローズ19がネジ止
めによってシールプレート4に固定され、さらにシール
プレート4は伝熱管3に伝熱管溶接部9で固定される。
またベローズ19の下部フランジ20はケーシング14
の上面にネジ止めされ、ケーシング14の下端はケーシ
ング溶接部15によって天井壁のメンブレンバー2’の
上面に溶接固定されている。また、ベローズ19とケー
シング14の内部には燃焼灰の侵入を防止する目的で耐
火物あるいは断熱材17が充填され、こうした構造とす
ることで伝熱管3の上下方向への伸縮を自在にするとと
もに、天井壁2の上部へ燃焼灰が侵入しない構造となっ
ている。
【0010】また、図11に示す他の従来例は、ボイラ
天井壁管1の間を上下方向に貫通して配置される伝熱管
3の外面側に挿緊されるスリーブ16とスリーブ16が
貫通して挿入される開口部を上面に持つ矩形のシールボ
ックス5を配置し、シールボックス5の側壁下端と天井
壁管1の上外面の当接部、シールボックス5の上面開口
部とスリーブ16との当接部、スリーブ16と伝熱管3
の当接部をそれぞれ溶接する構造となっている。
【0011】図12に示す他の従来例は、上記した図1
1の従来例における矩形シールボックス5の代わりに半
球状で頂部にスリーブ5が貫通する開口部を有するシー
ルボックス5を配置したものである。また、図13に示
す他の従来例は、隣接する天井壁管1の間に設置される
メンブレンバー2’に直接円形の開口部を設け、ここに
伝熱管3及びこの伝熱管3に伝熱管溶接部9によって固
定されたスリーブ16を挿入し、メンブレンバー2’の
開口部とスリーブ16をメンブレンバー溶接部23によ
って固定する構造になっている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】図9に示した従来構造
においては、天井壁2を貫通して延びる伝熱管3の貫通
部を覆うケーシング14にスリーブ16を設けている
が、シール構造とはなっていないため、運転条件によっ
ては火炉7内とペントハウス8内との圧力差によって
は、天井壁2の上部ペントハウス8の中へ燃焼灰が侵入
し、運転中に堆積することになる。こうなると、ペント
ハウス8内に設けられている管寄せや配管などのメンテ
ナンスのためには多量の堆積灰を除去する必要があっ
た。
【0013】また、図10に示した構成によればベロー
ズ19を備えたケーシング14は形状的に複雑で製作工
数がかかることが問題点である。またベローズ19内に
は断熱材等が充填されているが、微少な燃焼灰の侵入を
十分防ぐことはできず、かえって侵入した燃焼灰は充填
材のために火炉7側へ脱落しない。こうした場合、伝熱
管3の伸縮時にベローズ19の内部の燃焼灰との間で摩
耗が発生し、ベローズ19自体に穴があく可能性があ
る。
【0014】一方、図11に示した従来構造において
は、シールボックス5の側壁下端が、天井壁管1に直接
溶接固定されており、天井壁を貫通する伝熱管3の本数
が多数の場合には天井壁管1への溶接施工部は多数にわ
たり、溶接条件によっては天井壁管1に強度面で悪影響
を及ぼす可能性があり、溶接部は極力少なくすることが
望ましい。また、伝熱管3はボイラの運転と停止によっ
て上下方向へ伸縮するが、この伸縮量を吸収するにはシ
ールボックス5の湾曲部分あるいはこの部分の変形が小
さい場合には、シールボックス5の下端部と天井壁管1
を固定する溶接部に応力が加わり、割れが発生すること
も考慮しなければならない。
【0015】また、図12に示した構造の場合では、半
球状のシールボックス5のため、前記した矩形のシール
ボックス5における角部はないものの、天井壁管1と半
球状のシールボックス5との溶接部に伝熱管3の伸縮に
よる変形で応力がかかることになる。
【0016】さらに、図13に示す従来構造において
は、伝熱管3が天井壁管1に取り付けられるメンブレン
バー2’に固定されるもので、この構成ではメンブレン
バー2’の変形可能な距離は小さく、伝熱管3がボイラ
の運転、停止時の熱変化によって伸縮する距離を吸収す
るには不十分である。
【0017】本発明の課題は、上記した従来技術の問題
点を解消し、石炭焚きボイラなどのボイラの天井壁を貫
通して配置された伝熱管3の伸縮を吸収するとともに、
ボイラの天井壁の上部のペントハウスに燃焼灰が侵入堆
積するのを防止するシール構造を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の滋養機課題発明
の次の構成によって解決される。 (1)ボイラ天井壁の上部に設けた管寄せと、これに一
端が連結され、他端はボイラ天井壁を貫通してボイラ火
炉内に伸びる伝熱管と、天井壁の部分に配置される伝熱
管用貫通孔を有するシールプレートと、該シールプレー
トの伝熱管用貫通孔を覆うようにシールプレート上に配
置され、頂部に伝熱管用貫通孔を有する釣鐘状のシール
ボックスとを備え、シールボックスの伝熱管用貫通孔と
伝熱管の間、シールボックス下端部とシールプレートと
の間、シールプレートとボイラ天井壁との間の各当接部
をそれぞれ密閉接合したボイラ天井壁貫通部のシール構
造、
【0019】(2)ボイラ天井壁の上部に設けた管寄せ
と、これに一端が連結され、他端はボイラ天井壁を貫通
してボイラ火炉内に伸び、かつ隣接して配置された複数
の伝熱管と、ボイラ天井壁の部分に配置される複数の伝
熱管用貫通孔を有するシールプレートと、各伝熱管毎に
頂部に伝熱管貫通孔を有する釣鐘状部を有し、かつ隣接
する二つの伝熱管の間に相当する部分には溝状部を有す
る隣接する複数の伝熱管を一体的に支持する形状であ
り、シールプレートの伝熱管用貫通孔を覆うようにシー
ルプレート上に配置されるシールボックスとを備え、シ
ールボックスの各伝熱管用貫通孔と伝熱管の間、シール
ボックス下端部とシールプレートとの間、シールプレー
トとボイラ天井壁との間の各当接部をそれぞれ密閉接合
したボイラ天井壁貫通部のシール構造、
【0020】(3)ボイラ天井壁の上部に設けた管寄せ
と、これに一端が連結され、他端はボイラ天井壁を貫通
してボイラ火炉内に伸びる伝熱管と、ボイラ天井壁の部
分に配置される伝熱管用貫通孔を有するシールプレート
と、該シールプレートの伝熱管用貫通孔を覆うようにシ
ールプレート上に配置される管状のシールボックス台
と、管状のシールボックス台に下端部が接合され、かつ
頂部に伝熱管用貫通孔を有する球形シールボックスとを
備え、シールボックスの各伝熱管用貫通孔と伝熱管の
間、シールボックス下端部とシールボックス台との間、
シールボックス台とシールプレートとの間、シールプレ
ートとボイラ天井壁との間の各当接部をそれぞれ密閉接
合したボイラ天井壁貫通部のシール構造などである。
【0021】上記シール構造において、シールプレート
及びシールボックス、場合によってはシールボックス台
を半割りにして、それぞれで伝熱管を挟んで天井壁上に
配置し、シールボックスの半割り部分同士、伝熱管とシ
ールボックスの間、シールプレートの半割り部分同士、
シールボックスとシールプレートの間、場合によっては
シールボックス台とシールプレートとの間、シールボッ
クス台の半割り部分同士及びシールプレートとボイラ天
井壁の間の各当接部をそれぞれ密閉接合することもでき
る。
【0022】
【作用】本発明によれば、伝熱管が貫通するボイラの天
井壁上に、伝熱管の貫通孔を有する金属製のシールプレ
ートを配置し、この貫通孔に伝熱管を通す。さらにこの
シールプレート上に金属製の薄板からなる釣鐘状あるい
は球形のシールボックスを配置するが、これらのシール
ボックスは、その頂部に貫通伝熱管外径よりわずかに大
きい直径の伝熱管貫通孔を設け、その下端部はシールプ
レートに当接させる。
【0023】このような構成でシールボックス上部の伝
熱管貫通孔と伝熱管外周を溶接し、ついでシールボック
スの下端全周とシールプレートの上面、更にはシールプ
レート全周とボイラ天井壁の上面をシール溶接すること
によって、ボイラの火炉と天井壁上部に設けられている
ペントハウスを天井壁の部分で密閉分離できるととも
に、ボイラの運転、停止に伴う伝熱管の伸縮に対しても
シールボックスが上下方向へ変形するため、伝熱管の伸
縮を妨げない。
【0024】天井壁貫通伝熱管のシール部分は、メンブ
レンバーの代わりに金属製の板を天井壁管の上側に配置
するが、こうすることによって球状や断面が長方形のシ
ールボックスを安定して天井上部に溶接固定することが
できる。
【0025】また、貫通伝熱管と天井壁をシールするた
めのシールプレートを半割り分割し、この上に配置する
釣鐘状や球形シールボックスも縦方向半割りとすると、
貫通伝熱管を挟んで設置することができ、伝熱管を切断
することなく密閉作業や解体作業が可能となる。さらに
シールボックスを縦方向に分割すると、伝熱管の伸縮に
伴いシールボックスが変形しても溶接継手部へかかる応
力の影響は小さい。
【0026】一方、天井壁を貫通する伝熱管を天井壁管
に平行に多数並ぶ場合には、長方形のシールプレート及
びシールボックスへ直線上に複数の伝熱管貫通孔を開口
してこれに伝熱管を通し、天井壁の上面に設置する。シ
ールボックスにはそれぞれの伝熱管管通孔の間に溝を設
けており、本シールボックスと伝熱管の貫通部、シール
ボックス下端全周とシールプレートさらにはシールプレ
ート全周と天井壁を溶接する。この結果、一度に多数の
伝熱管貫通部を密閉することができ、たとえ各伝熱管の
伸縮に差が生じても溝の部分が開閉変形し、応力を緩和
することができる。また、本構成によるシールプレート
及びシールボックスを長手方向へ半割りとし、天井壁を
貫通する複数の伝熱管を挟んで配置し、半割り部分を始
め、シールプレート、シールボックスさらには天井壁上
面の各部分を溶接することでも火炉側と天井壁上部とを
密閉することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について以下
説明する。本発明の一実施例を図面に基づいて説明す
る。図1の側断面図及び図2(図1のA−A線矢視図)
に示す第1のシール構造によれば、メンブレンバー2’
を有する天井壁2を貫通する各伝熱管3とボイラの天井
壁2は、釣鐘状のシールボックス5とシールプレート4
を介して接続されている。すなわち、天井壁2を貫通す
る伝熱管3は、釣鐘状シールボックス5の頂部に設けら
れる伝熱管貫通孔10も貫通して設けられ、伝熱管3は
シールボックス5の伝熱管貫通孔10のスリーブ状突起
9の部分で周溶接される。
【0028】なお、このスリーブ状の突起9は必ずしも
必要ではないが、突起9を設けておくとシールボックス
5の肉厚が薄いため、溶接作業時の欠陥発生を防止する
には効果がある。
【0029】また、シールボックス5の下端は中央部に
伝熱管貫通孔10を有するシールプレート4の上面に溶
接部11で周溶接される。さらに、シールプレート4は
天井壁2の伝熱管3が貫通する部分の天井壁2上に溶接
部6で周溶接される。この結果、天井壁2上部のペント
ハウス8側には、燃焼ガスや燃焼灰は侵入することはな
く、天井壁2を貫通して配置される伝熱管3の伸縮に対
しては、薄板をプレス成形して製作した釣鐘状のシール
ボックス5の湾曲部分が変形して、伝熱管3の伸縮を吸
収する。なお、伝熱管3の伸縮量の調整には、このシー
ルボックス5に加えて、管寄せを吊るためのスプリング
ハンガー(図示せず)等を併用することによっても可能
である。
【0030】さらにボイラの火炉7における燃焼ガス温
度は1200℃程度になるため、シールボックス5やシ
ールプレート4の材質は、耐酸化性及び耐食性に優れた
ステンレス鋼やCr含有量の高い金属の薄板をプレス等
により成形したものがよい。
【0031】天井壁2とその上に配置されるシールプレ
ート4に共通して設けられる伝熱管貫通孔10の大きさ
は、貫通伝熱管3の外径や天井壁2及び天井壁管1の間
隔から、許容可能な大きさで、かつ大きい方が良い。こ
うすることによってシールボックス5内に堆積した燃焼
灰が再び火炉7内へ落下可能となり、シールボックス5
の中に詰まることはなく、天井壁貫通伝熱管3の伸縮を
妨げることはない。
【0032】このようにシールボックス5は形状として
も簡単な形状であり、板厚の薄い金属をプレス加工等で
製作することができるので、製作工数も少なく、たとえ
解体することになった場合には、釣鐘状のシールボック
ス5をシールプレート4に固定している溶接部11及び
シールプレート4を天井壁2に固定している溶接部6を
除去すれば解体は簡単にでき、これらの部材は再利用も
可能である。
【0033】図3の平面図及び図4の側面図(図3のX
−X線矢視図)には本発明の第2の実施例のシール構造
を示す。天井壁2を貫通する並列状に配置される複数の
伝熱管3の各々は釣鐘状のシールボックス5を貫通し
て、そのスリーブ状突起9の部分で周溶接される。第1
のシール構造と異なり、複数の並列配置された伝熱管3
にわたり釣鐘状のシールボックス5は一体化されてい
る。そしてこの一体化されたシールボックス5の下端部
は長方形のシールプレート4に溶接部11で溶接され、
さらに、シールプレート4は天井壁2の伝熱管3が貫通
する部分の天井壁2上に溶接部6で周溶接される。前記
図1と図2に示した第1のシール構造と同様の作用に加
えて、天井壁管1に平行方向へ天井壁2を貫通して配置
される複数の伝熱管3を通す複数の貫通孔を有し、この
伝熱管3の貫通孔の部分が凸状でかつ隣接する伝熱管3
貫通部との間に溝12を設けたシールボックス5を配置
することにより、伝熱管3の伸縮に対しては、薄板をプ
レス成形して製作した釣鐘状のシールボックス5が変形
して、伝熱管3の伸縮を吸収するだけでなく、複数の伝
熱管3の天井壁3の貫通部をまとめてシールすることが
できると共に、たとえ各伝熱管3の間で伸縮量に差が生
じた場合でも、シールボックス5に設けられた溝12の
部分が変形して、それぞれの伝熱管3の伸縮量に合わせ
て変位できる。
【0034】図5の平面の一部断面図には本発明の一実
施例である第3のシール構造を示す。このシール構造は
天井壁2の上に設けるシールプレート4及び釣鐘状のシ
ールボックス5を伝熱管3の貫通部を中心として縦方向
(伝熱管3の長手方向)に半割り状とし、両者共に天井
壁2を貫通して火炉内に延びる伝熱管3を天井壁2上で
挟むように配置し、その後、それぞれの半割り部の面同
士、シールボックス5と伝熱管3との当接部、さらには
シールプレート4と天井壁2の上面、シールボックス5
の頂部に設けた伝熱管3の貫通孔と天井壁2を貫通する
伝熱管の外周及びシールボックス5の下端とシールプレ
ート4の上面との間でそれぞれ溶接する。
【0035】このシール構造の場合、第1のシール構造
で述べたと同様の作用に加え、天井壁2を貫通して配置
されている伝熱管3を切断することなく、シールプレー
ト4およびシールボックス5を設置することができ、伝
熱管3と天井壁2との間を密閉構造にしたり、溶接部を
切断することによって解体、交換もできる。
【0036】また、シールプレート4やシールボックス
5については図5のような半割りでなく、さらに3分割
以上に分割することも可能であるが、この場合は製作工
数が多くなる。また、シールボックス5を縦割りでな
く、水平方向に複数個に分割して伝熱管3を挟み付けて
取り付けた後、この分割した部分を溶接して固定した場
合には、伝熱管3の伸縮に伴ってシールボックス5も上
下方向に伸縮するため、長時間かつ多数の繰り返し変形
によっては水平方向に存在する溶接線の部分に割れの発
生する可能性があり好ましくない。
【0037】図6(平面図)には本発明の一実施例であ
る第4のシール構造を示す。第4のシール構造は図3と
図4に示した第2のシール構造で述べたと同様に天井壁
2を貫通する並列状に配置される複数の伝熱管3の各々
は釣鐘状のシールボックス5を貫通して、そのスリーブ
状突起9の部分で周溶接され、複数の並列配置された伝
熱管3にわたり釣鐘状のシールボックス5は一体化され
ているものである。しかし、第2のシール構造と異なる
のは、天井壁2の上に設ける長方形のシールプレート4
及び溝12を有するシールボックス5は、それらの長手
方向にそれぞれ半割りにし、天井壁2を貫通する複数の
伝熱管3を挟んで配置し、両者の半割り部分同士、さら
には天井壁2上面とシールプレート4の全周、シールプ
レート4上面とシールボックス5の下端部全周、同シー
ルボックス5の頂部に設けた伝熱管3の貫通孔と伝熱管
3の外周を溶接によってそれぞれ密閉するものである。
【0038】上記第4のシール構造の場合は、第2のシ
ール構造で述べたと同様の作用に加え、伝熱管3を切断
することなく天井壁2と貫通する多数の伝熱管3を一つ
のシールボックス5で密閉できる。また、たとえ溶接シ
ールされた複数の伝熱管3が伸縮量や方向に差が生じた
場合でもシールボックス5の上部に設けた釣鐘状の肩の
部分で変形し、また溝12が開閉するかのように変形す
るので、これらの変形により伝熱管3の伸縮を吸収する
ことができる。
【0039】図7(縦断面図)及び図8(図7のA−A
線矢視図)に本発明の一実施例である第5のシール構造
を示す。このシール構造のシールボックス5は図5に示
す第3のシール構造の釣鐘状のシールボックス5の代わ
りに頂部と下部に伝熱管3の貫通孔を有する金属製薄板
の球形のシールボックス5を用いる。そして、天井壁2
の上に設ける円形のシールプレート4及び球状のシール
ボックス5を伝熱管3の貫通部を中心として縦方向(伝
熱管3の長手方向)に半割り状とし、両者共に天井壁2
の貫通部10を貫通して火炉7内に伸びる伝熱管3を天
井壁2で上で挟むように配置する。そして球形のシール
ボックス5の下側には鋼管を縦方向半割りにしたシール
ボックス台21を設け、その上端部が球形のシールボッ
クス5の下端部に設けられた伝熱管3の貫通孔10と一
致するように配置し、その下端部は中央部に伝熱管貫通
孔10を有する鋼製円板を半割りにしたシールプレート
4の上に載せ、シールプレート4とシールボックス台2
1の下端全周を溶接部22で溶接し、さらにシールプレ
ート4と天井壁2に開口された伝熱管貫通孔10が一致
するように配置した後、シールプレート4の全周を天井
壁2の上部の溶接部6で溶接固定する。さらに、上記し
たシールボックス5、シールボックス台21、シールプ
レート4それぞれの半割り部分同士及び球形シールボッ
クス5の頂部の伝熱管貫通孔がある溶接部9と伝熱管3
の外周部を溶接密閉する。このときシールボックス台2
1の肉厚はシールボックス5の肉厚より厚くする方がシ
ール部分全体の横方向の変形を小さくする上で好都合で
ある。
【0040】このシール構造の場合、球形のシールボッ
クス5、シールボックス台21およびシールプレート4
はいずれも半割り状態にして、天井壁2を貫通する伝熱
管3を挟むように配置するため、取り付けや取り外しの
際に伝熱管3を切断することなく天井壁2と伝熱管3と
の間をシールすることができ、伝熱管3が熱によって伸
縮してもシールボックス5の球形部分が上下方向に変形
することによって、伝熱管3の変形を吸収できる。ま
た、球形のシールボックス5、シールボックス台21お
よびシールプレート4は半割り状態にしないで用いても
良い。
【0041】
【発明の効果】本発明により、ボイラの天井壁を貫通し
て配置される伝熱管と貫通部の天井壁とを密閉すること
により、ボイラ天井壁上部に燃焼ガスや燃焼灰が侵入す
ることがないために、天井壁上部に設けられている断熱
材や管寄せ等の構造物に対するメンテナンス時の障害と
なっていた堆積物の除去作業が不要となる。また、天井
壁上部への噴出物がなくなるため、従来設けられていた
管寄せやマニホールド等を収納していたペントハウスも
小型化が可能となり、安全性、経済性が向上するなどの
優れた効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係わる実施形態のボイラ伝熱管の天
井壁貫通部と伝熱管の密閉状態を示す正面断面図であ
る。
【図2】 本発明に係わる実施形態のボイラ伝熱管の天
井壁貫通部と伝熱管の密閉状態を示す平面図である。
【図3】 本発明に係わる実施形態のボイラ伝熱管の天
井壁貫通部と伝熱管の密閉状態を示す平面図である。
【図4】 図3のX−X断面図である。
【図5】 本発明に係わる実施形態のボイラ伝熱管の天
井壁貫通部と伝熱管の密閉状態を示す平面図である。
【図6】 本発明に係わる実施形態のボイラ伝熱管の天
井壁貫通部と伝熱管の密閉状態を示す平面図である。
【図7】 本発明に係わる実施形態のボイラ伝熱管の天
井壁貫通部と伝熱管の密閉状態を示す正面断面図であ
る。
【図8】 本発明に係わる実施形態のボイラ伝熱管の天
井壁貫通部と伝熱管の密閉状態を示す平面図である。
【図9】 従来技術におけるボイラ伝熱管の天井壁貫通
部と伝熱管の密閉状態を示す正面断面図である。
【図10】 従来技術におけるボイラ伝熱管の天井壁貫
通部と伝熱管の密閉状態を示す正面断面図である。
【図11】 従来技術におけるボイラ伝熱管の天井壁貫
通部と伝熱管の密閉状態を示す正面断面図である。
【図12】 従来技術におけるボイラ伝熱管の天井壁貫
通部と伝熱管の密閉状態を示す正面断面図である。
【図13】 従来技術におけるボイラ伝熱管の天井壁貫
通部と伝熱管の密閉状態を示す正面断面図である。
【符号の説明】
1 天井壁管 2 天井壁 2’メンブレンバー 3 伝熱管 4 シールプレート 5 シールボッ
クス 6 シールプレート溶接部 6a シールプ
レート半割り溶接部 7 火炉 8 ペントハウ
ス 9 伝熱管溶接部 10 伝熱管貫
通孔 11 シールボックス溶接部 12 溝 13 シールボックス半割り溶接部 14 ケーシング 15 ケーシン
グ溶接部 16 スリーブ 17 断熱材 18 上部フランジ 19 ベローズ 20 下部フランジ 21 シールボ
ックス台 22 シールボックス台溶接部 23 メンブレ
ンバー溶接部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ボイラ天井壁の上部に設けた管寄せと、
    これに一端が連結され、他端はボイラ天井壁を貫通して
    ボイラ火炉内に伸びる伝熱管と、天井壁の部分に配置さ
    れる伝熱管用貫通孔を有するシールプレートと、該シー
    ルプレートの伝熱管用貫通孔を覆うようにシールプレー
    ト上に配置され、頂部に伝熱管用貫通孔を有する釣鐘状
    のシールボックスとを備え、 シールボックスの伝熱管用貫通孔と伝熱管の間、シール
    ボックス下端部とシールプレートとの間、シールプレー
    トとボイラ天井壁との間の各当接部をそれぞれ密閉接合
    したことを特徴とするボイラ天井壁貫通部のシール構
    造。
  2. 【請求項2】 シールプレート及びシールボックスを半
    割りにして、それぞれで伝熱管を挟んでボイラ天井壁上
    に配置し、シールボックスの半割り部分同士、伝熱管と
    シールボックスの間、シールプレートの半割り部分同
    士、シールボックスとシールプレートの間及びシールプ
    レートとボイラ天井壁の間の各当接部をそれぞれ密閉接
    合することを特徴とする請求項1記載のボイラ天井壁貫
    通部のシール構造。
  3. 【請求項3】 ボイラ天井壁の上部に設けた管寄せと、
    これに一端が連結され、他端はボイラ天井壁を貫通して
    ボイラ火炉内に伸び、かつ隣接して配置された複数の伝
    熱管と、ボイラ天井壁の部分に配置される複数の伝熱管
    用貫通孔を有するシールプレートと、各伝熱管毎に頂部
    に伝熱管貫通孔を有する釣鐘状部を有し、かつ隣接する
    二つの伝熱管の間に相当する部分には溝状部を有する隣
    接する複数の伝熱管を一体的に支持する形状であり、シ
    ールプレートの伝熱管用貫通孔を覆うようにシールプレ
    ート上に配置されるシールボックスとを備え、 シールボックスの各伝熱管用貫通孔と伝熱管の間、シー
    ルボックス下端部とシールプレートとの間、シールプレ
    ートとボイラ天井壁との間の各当接部をそれぞれ密閉接
    合したことを特徴とするボイラ天井壁貫通部のシール構
    造。
  4. 【請求項4】 シールプレート及びシールボックスをそ
    れぞれ半割りにして、複数の伝熱管をそれぞれ挟んでボ
    イラ天井壁上に配置し、シールボックスの半割り部分同
    士、伝熱管とシールボックスの間、シールボックス下端
    部とシールプレートの間、シールプレートとボイラ天井
    壁の間の各当接部をそれぞれ密閉接合することを特徴と
    する請求項3記載のボイラ天井壁貫通部のシール構造。
  5. 【請求項5】 ボイラ天井壁の上部に設けた管寄せと、
    これに一端が連結され、他端はボイラ天井壁を貫通して
    ボイラ火炉内に伸びる伝熱管と、ボイラ天井壁の部分に
    配置される伝熱管用貫通孔を有するシールプレートと、
    該シールプレートの伝熱管用貫通孔を覆うようにシール
    プレート上に配置される管状のシールボックス台と、管
    状のシールボックス台に下端部が接合され、かつ頂部に
    伝熱管用貫通孔を有する球形シールボックスとを備え、 シールボックスの各伝熱管用貫通孔と伝熱管の間、シー
    ルボックス下端部とシールボックス台との間、シールボ
    ックス台とシールプレートとの間、シールプレートとボ
    イラ天井壁との間の各当接部をそれぞれ密閉接合したこ
    とを特徴とするボイラ天井壁貫通部のシール構造。
  6. 【請求項6】 球形シールボックスと管状のシールボッ
    クス台とをそれぞれ縦半割りにし、かつシールプレート
    も半割りとし、球形シールボックスと管状のシールボッ
    クス台とシールプレートで伝熱管をそれぞれ挟んで配置
    し、前記球形シールボックスの半割り部分同士、シール
    ボックスと伝熱管の間、シールカバー台の半割り部分同
    士、シールボックス台とシールプレートの間、シールプ
    レートの半割り部分同士、シールプレートとボイラ天井
    壁との間をそれぞれ密閉接合することを特徴とする請求
    項5記載のボイラ天井壁貫通部のシール構造。
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