JPS5822952Y2 - 組立式保温容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、組立式保温容器の改良に関するものである
。

タンク等の大形容器を多数の単位板から組立てることは
、既に行なわれている。

このような単位板としては、直角四辺形の基板の四周に
直立接合縁を設けたもの（実公昭３９−２７３９９号）
、または直角四辺形の基板の四周に傾斜接合縁と直接合
縁とを設けたもの（実公昭４２−３９６３号）が用いら
れている。

上記の単位板は、金属または合成樹脂で作られるが、何
れの場合においても、この単位板は熱を伝導しやすいの
で、外気温の変化により容器内の液体が冷えたり、また
は加熱されたり、あるいは外壁に結露現象が起ったりす
ることが多かった。

そこで、単位板の熱伝導率を低くすることが必要とされ
た。

しかし、一旦容器を組立てた後では、単位板の熱伝導率
を低くすることが、容易でなかった。

また、容器を解体して熱伝導率の低い単位板から組立て
直すのは、不経済であぬた。

この考案者は、組立容器の熱伝導率を容易に低くする手
段を考えた。

まず、組立容器を構成する単位板に外側から熱絶縁材か
らなる層を当接し、その上に硬質板を当接し、硬質板の
端を押さえ板で押さえて脱離を防止することを考えた。

そして、このように構成すると、組立容器の熱伝導率が
充分低下することを知った。

しかし、上記の構成だけでは、当初は硬質板の脱離を防
止できても、長年月のうちに硬質板が外側へ膨出するよ
うに変形して、最後に脱離するおそれがあることが判明
した。

そこで、形鋼を用いて硬質板の変形を防ぐことを考えた
。

この考案は、このような考え方に基づいてなされたもの
である。

すなわち、この考案は、直角四辺形の基板の四周に接合
縁を設けたものを単位板とし、この単位板を接合縁が外
側に向くように配列し、接合縁同志を結合して側壁を構
成した容器において、単位板の外側面に熱絶縁材からな
る層を当接し、層の露出面にこれを覆うに足る硬質板を
当接し、硬質板に形鋼を固定し、形鋼の両端を硬質板の
対向側縁に近接して位置させ、接合縁に押さえ板を固定
し、押さえ板を硬質板または形鋼の上から単位板に向か
って押付けてなる、組立式保温容器である。

この考案に係る組立式保温容器を、図面に基づいて説明
すると次の通りである。

第１図は、この考案に係る組立式保温容器の一例を示す
一部切欠斜視図である。

第２図は、第１図Ａ−Ａ線における断面図である。

第３図は、この考案で用いる熱絶縁材層と硬質板と形鋼
とが一体化されたものの一例を示す斜視図である。

第４図は、この考案に係る組立式保温容器の別の一例を
示す部分断面図である。

第１図および第２図において、容器の側壁が、単位板１
Ａから組立てられている。

単位板１Ａは、直角四辺形の基板１１の四周に基板１１
に対して、１３５゜の角度で傾斜する傾斜接合縁１２を
設け、その先に基板１１に対して直立する直立接合縁１
３を設けたものである。

単位板１Ａは、直立接合縁１３が外側に向くように配列
され、直立接合縁１３同志が結合されて、側壁が構成さ
れている。

単位板１Ａの外側面に、熱絶縁材からなる層２が当接さ
れ、その露出面に、これを覆うに足る硬質板３が当接さ
れている。

硬質板３には、形鋼４が固定されている。

形鋼４は長く延びて、その両端は、硬質板３の対向側縁
に近接して位置している。

一方、直立接合縁１３には押さえ板５が固定されており
、押さえ板５は硬質板３の上から単位板ＩＡの基板１１
に向かって押付けられている。

このように構成されたものが、この考案の組立式保温容
器である。

上記の組立式保温容器において、単位板１Ａの代りに、
直角四辺形の基板の四周に直立接合縁のみを設けた単位
板、または直立接合縁と傾斜接合縁との何れか一方を設
けた単位板を用いることができる。

また、基板１１には、凹凸を設けることができる。

これらの単位板は、鉄または強化合成樹脂で作るのが適
当である。

なお、容器の底（図示せず）は、単位板１Ａ、またはそ
の他の単位板から組立てたものであってもよく、１枚の
板またはコンクリートからなるものであってもよい。

また、容器には蓋６を付設することができる。

上記熱絶縁材の層２としては、ウレタンフオーム、アク
リルフオーム等の硬質または軟質合成樹脂発泡体、繊維
板等が用いられる。

発泡体としては、独立気泡のものが望ましい。

また、硬質板３としては、鉄板等の金属板、強化合成樹
脂板、スレート板等が用いられる。

さらに、形鋼４としては、図示したアングル以外に、チ
ャンネル、■形鋼等を用いることができる。

形鋼４の長さは、単位板の内寸よりやや小さいことが望
ましい。

上記層２、硬質板３および形鋼４は、別々に用いてもよ
いが、第３図に示すように、予じめこれらを一体化した
ものを用いるのが便利である。

第３図に示したものを製造するには、硬質板３に予じめ
形鋼４を溶接またはボルト止めしたものを作り、これを
成形用型の蓋として用い、型内で合成樹脂を発泡させて
層２を形成させるのが適当である。

別の方法として、予しめ形鋼４に見合う溝を設けた層２
を成形し、溝内に形鋼４をはめて接着してもよい。

なお、形鋼４は、硬質板３の露出面側に固定されていて
もよい。

上記押さえ板５を直立接合縁１３に固定するには、第１
図および第２図に示すように、直立接合縁１３に取付金
具５１をボルト５２または溶接によって固定し、取付金
具５１に予じめねじ棒５３を溶接しておき、このねじ棒
５３を押さえ板５の孔に挿通し、ナツト５４で固定する
ことが望ましい。

取付金具５１としては、図示したようにアングル状のも
のが好都合である。

取付金具５１および押さえ板５は、隣接し合う硬質板３
間の隙間に沿って連続していてもよい。

押さえ板５は、少なくとも形鋼４の上に存在しているこ
とが望ましい。

また、図示したように、押さえ板５の上がチャンネル状
カバー７で覆われ、カバー６の交点が十字状カバー８で
覆われていてもよい。

なお、形鋼４が硬質板３の露出面側に固定されている場
合には、押さえ板５を形鋼４の上から層２に向かって押
付けることが望ましい。

さらに、第４図に示すように、押さえ板５と取付金具５
１との間に、硬質板３の端を挾んで締付けてもよい。

なお、第４図には、側壁が、基板１１の周縁に直立接合
縁のみを設けてなる単位板１Ｂから組立てられ、形鋼４
としてチャンネルが用いられた場合を示した。

この考案の組立式保温容器は、単位板に熱絶縁材からな
る層と硬質板とを当接したので、単位板に予じめ熱絶縁
材を含ませておかなくても、容器の熱伝導率を小さくす
ることができる。

また、硬質板に形鋼を固定し、形鋼の両端を硬質板の対
向側縁に近接して位置させたので、硬質板が変形して外
側へ膨出することが防がれる。

さらに、単位板の接合縁に押さえ板を固定し、押さえ板
を硬質板または形鋼の上から単位板に向かって押付けた
ので、層、硬質板または形鋼が脱離することがない。

また、この考案によれば、既設の容器を熱伝導率の小さ
なものに容易に変えることができる。

さらに、既設の保温容器における熱絶縁材層の厚さや材
質を変えることができる。

また、従来、鉄製の単位板に熱絶縁材層を含ませて一体
成形することが困難であったため、保温容器を鉄で作る
ことができなかったが、この考案によれば鉄製保温容器
を容易に作ることができる。

この考案は、上記のように数多くの利点を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案の組立式保温容器の一例を示す一部
切欠斜視図、第２図は、第１図Ａ−Ａ線における断面図
、第３図は、この考案で用いる熱絶縁材層と硬質板と形
鋼とが一体化されたものの一例を示す斜視図、第４図は
、この考案の組立式保温容器の別の一例を示す部分断面
図である。 各図において、１Ａおよび１Ｂは単位板、２は熱絶縁材
からなる層、３は硬質板、４は形鋼、５は押さえ板、６
は蓋、７および８はカバー、１１は基板、１２は傾斜接
合縁、１３は直立接合縁、５１は取付金具、５２はボル
ト、５３はねじ棒、５４はナツトである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 直角四辺形の基板の四周に接合縁を設けたものを単位板
   とし、この単位板を接合縁が外側に向くように配列し、
   接合縁同志を結合して側壁を構成した容器において、単
   位板の外側面に熱絶縁材からなる層を当接し、層の露出
   面にこれを覆うに足る硬質板を当接し、硬質板に形鋼を
   固定し、形鋼の両端を硬質板の対向側縁に近接して位置
   させ、接合縁に押さえ板を固定し、押さえ板を硬質板ま
   たは形鋼の上から単位板に向かって押付けてなる、組立
   式保温容器。