JPS589910Y2 - 断熱性組立式貯槽 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、高架水槽、消火水槽、受水槽、薬液タンクな
どに使用される組立式貯液槽の断熱性を高め、結露防止
、凍結防止の性能向上を図ったものである。

組立式貯液槽は、その資材搬入や組立作業が容易に出来
るという利点から、需要急増の傾向にある。

しかし、貯液槽には耐久性強度のほか結露や凍結などの
問題があって、従来種々の対策が講じられているが末だ
不充分である。

本考案は、叙上の問題点を解決したもので、パネル面板
の周囲にフランジを設けて箱状となした単位パネルを左
右上下各フランジにより隣接せしめ各フランジの孔に通
したボルトにより締結して槽体を組立て上記各単位パネ
ルのフランジ内にそれよりも小形の化粧面板と幅の狭い
フランジをもって浅瀬の箱状に形成すると共にフランジ
外側面乃至化粧面板周辺部にかげてゴム、プラスチック
等の発泡体層を設けて成る化粧パネルを入子状に嵌合し
、該発泡体層を単位パネルのフランジ内面及びパネル面
板周辺部に当接させ、上記パネル面板の略中央部と化粧
パネルの化粧面板との間に間隙を設けて空気層を形成し
、隣接した化粧パネルの両フランジにコ字状の挾み金具
を嵌めて化粧パネルを結合したことを特徴とする断熱性
組立式貯槽に係る。

以下、本考案を図示の一実施例について説明する。

１は単位パネル、２は化粧パネルで、それらの材料は強
化プラスチック（ＦＲＰ）、金属（ステンレス、アルミ
ニウム、鉄など）を間はず、いづれも平板あるいはエン
ボス板をもって形成される。

化粧パネルの板厚は単位パネルに比し非常に薄く、例え
ば０．２〜０．６ｍｍ程度とする。

単位パネル１は、面板１ａの周囲に該パネル面板と直角
にフランジ１ｂを設けて箱状となし、各フランジには面
板１ａと平行に且つフランシロ縁１ｃから一定の深さＡ
を保った直線に沿ってボルト用の孔１ｄを所定間隔で配
列穿孔する。

化粧パネル２は上記単位パネルに準じ化粧面板２ａの周
囲にフランジ２ｂを設けて箱状に形成されるが、その外
側寸法を単位パネル１の内側寸法よりも短縮して例えば
各辺約１０ｍｍづつ短（形成すると共にフランジ２ｂの
外側面から化粧面板２ａの周辺部にかげてゴム又はプラ
スチックの発泡体層２ｄを所定の厚さく例えば５閣）に
密着固定せしめて設け、−辺の長さを単位パネル１の内
側寸法と同じにする。

又、各フランジ２ｂの口縁２ｃから発泡体層２ｄの裏面
までの幅Ｂは単位パネルフランジ１ｂの口縁１Ｃから孔
１ｄまでの深さＡもしくは口縁１ｃから面板１ａまでの
幅Ｃと同程度に形成する。

後者の場合に（ま発泡体層２ｄのうちボルト４、ナツト
５と当たる箇所は切欠き２ｅを設けてお（必要がある。

尚、フランジ２ｂにはボルト用の孔２ｆを穿つ。

３はパツキン、４は前記単位パネルフランジの孔１ｄに
通した結合用のボルト、５はナツト、６はコ字状の挾み
金具、６ａは該金具の脚片、６ｂは該脚片に穿ったボル
ト用の孔、Ｉは該孔６ｂから前記化粧パネルフランジ２
ｂの孔２ｆに止めたボルトである。

前記の単位パネル１は面板１ａを垂直方向にして左右上
下に順々に並べ、隣り合った両パネルのフランジ間にパ
ツキン３を挾んで隣接せしめると共に両フランジの互に
対応する孔１ｄにボルト４を通しナツト５により締結し
て単位パネル１の結合により所望の槽体を組立てる。

そして、各単位パネル１のフランジ１ｂ内には化粧パネ
ル２を入子状に嵌合して面板２ａの周辺部の発泡体層２
ｄをボルト４、ナツト５に突き合わせるとともにフラン
ジ１ｂ、２ｂ間に発泡体層２ｄを挾ませ、フランジ１ｂ
、２ｂの口縁１ｃ、２ｃを面一に揃える。

この状態で隣接したフランジ１ｂ、発泡体層２ｄ及びフ
ランジ２ｂの各一対を共に挾む様にそれらを跨いでコ字
状挾み金具６０両脚片６ａを嵌め、その孔６ｂからフラ
ンジ２ｂにボルト７を入れて化粧パネル２を固定する。

本考案は、上述の構成により所期の目的を達したもので
、次にその利点を摘記する。

（１）本考案の貯液槽は通常の単位パネルで組立てた槽
本体に対して、あらかじめ用意した別体の化粧パネルを
単位パネルのフランジ内に嵌入し、隣接した化粧パネル
をコ字状の挾み金具で結合するので、既設の槽に簡便に
しかも迅速に断熱性を付与することができる。

この際、単位パネルを締結しているボルトを取外す等槽
本体に於げる変更は、何ら要しないので、あらかじめ槽
内の貯留水を空にしておく必要もなく、槽本体が使用状
態であっても施工することができる。

該化粧パネルの発泡体層は、フランジ外側面乃至化粧面
板周辺部にかげて設けてなるものであるから、単位パネ
ルのパネル面板表面形状に合わせて製作する必要がなく
、従って製作容易であり、パネル面板が平板であっても
中央部が突出形成してあっても適用することができる。

しかも化粧パネルの発泡体層を単位パネルのフランジ内
面及びパネル面板周辺部に当接させ、パネル面板の略中
央部と化粧パネルの化粧面板との間に間隙を設けて空気
層を形成したから、発泡体層に空気層が一層よく密封さ
れるので断熱効果が太きいと共に、単位パネルのパネル
面板の略中央部が貯留水による水圧の作用で槽外に向っ
て突出しても、化粧パネルの化粧面板に接触することが
ないから、化粧面板が槽外に向って突出することがない
。

従って、化粧面板の破損や単位パネルからの離脱又は遊
離が生じることがなく、断熱効果が損われることがない
。

（２）シかも、貯液槽組立後の初期漏液防止作業及びそ
の後の保守点検、補修等に際しても必要箇所の化粧パネ
ルのみ取外して容易に行なうことができ、保守管理上好
ましいものである。

（３）従来の現場で発泡樹脂を吹きつげる場合のように
毒性の問題がない上に、外観が美しく仕上がり、かつ結
露防止のみでなく寒冷地での凍結防止も可能であり、寒
冷地用にも適切なものである。

本考案による断熱性能を例示すると次の通りである。

供試品の単位パネルは厚さ３．２ｍｍの鋼板の表裏に厚
さ０．３ｍｍのナイロン樹脂層を設けたもの、化粧パネ
ルは厚さ０．５ｍｍの鋼板製に厚さ５ｍｍの発泡樹脂層
を前記の如く設けたもので、両パネルは面板間に厚さ４
８．５ｒｒｒＩｒＬの空間を存して嵌合し固定結合され
る。

風速２ｍ／ｓｅｃ時の伝達抵抗Ｒは Ｒ＝ ２．４７ｍ２． ｈｒ 、 ’Ｃ／Ｋ ｃａｌで
あって、従来のものに比し優秀である。

なお、前記化粧パネルは建築物の壁体化粧用パネルとし
ても利用できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図は組立前
の一部切析斜視図、第２図は組立てた状態の斜視図、第
３図は同上一部の断面図である。 １は単位パネル、１ａは面板、１ｂはフランジ、１ｄは
孔、２は化粧パネル、２ａは面板、２ｂはフランジ、２
ｄは発泡体層、２ｅは切欠き、２ｆは孔、３はパツキン
、４はボルト、５はナツト、６は挾み金具、７はボルト
である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. パネル面板の周囲にフランジを設けて箱状となした単位
   パネルを左右上下各フランジにより隣接せしめ各フラン
   ジの孔に通したボルトにより締結して槽体を組立て上記
   各単位パネルのフランジ内にそれよりも小形の化粧面板
   と幅の狭いフランシロ縁って浅瀬の箱状に形成すると共
   にフランジ外側面乃至化粧面板周辺部にかげてゴム、プ
   ラスチック等の発泡体層を設けて成る化粧パネルを入子
   状に嵌合し、該発泡体層を単位パネルのフランジ内面及
   びパネル面板周辺部に当接させ、上記パネル面板の略中
   央部と化粧パネルの化粧面板との間に間隙を設けて空気
   層を形成し、隣接した化粧パネルの両フランジにコ字状
   の挾み金具を嵌めて化粧パネルを結合したことを特徴と
   する断熱性組立式貯槽。