JPS5822505Y2 - 脱穀機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は脱穀機に関し、特に扱室内における処理物の排
塵口側への移動量を調節するようにした脱穀機に関する
ものである。

従来装置の脱穀機に、扱室の周面に張設した受網と、と
の受網に設けた仕切金と、前記受網および仕切金の扱胴
の回転方向後方に設けられ、扱室の周方向に対する角度
を変えることによって処理物の排塵口側への移動量を調
節する案内板とを備えたものである。

そしてこの脱穀機は、扱室内の処理物の発生が多い場合
には、案内板の角度を犬きくして処理物を速やかに排塵
口側へ送るようにし排塵口から選別部に放出して扱室に
処理物が大量に滞溜して詰るのを防止し、また、扱室内
の処理物の発生が少い場合には、案内板の角度を小さく
して処理物の排塵口側への移動を遅くして十分に再処理
して選別室に放出するようにしている。

ところが、案内板の角度を大きくして処理物の移動量を
大きくした場合には、穂切やカギ父などの未処理物が、
かなり処理されて選別部へ送られるべきものと一緒に排
塵口に送られて放出され、選別部の処理負担が大きくな
って３番飛散が多くなる問題があった。

そこで本考案は、前記仕切金の後端部を、案内板の前端
側に重合するよう延長することによって案内板を送塵側
に調節した場合でも、処理物のうちの未処理物（粗大物
）は仕切金に沿って移動させて扱室内にとどまらせて再
処理し、かなり処理されたものは仕切金より外側の案内
板に沿って排塵口側に送られ選別部に放出するようにし
て、扱室での処理能力を向上することで排塵口からの未
処理物の放出を少くし、選別部の処理負担を軽減して３
番飛散を少くするようにした脱穀機を提供しようとする
ものである。

以下、図面を参照して本考案の実施例を具体的に説明す
る。

図において、符号１は上級式脱穀機の扱室で、との扱室
１内には、周面に多数の扱歯２を植設した扱胴３が軸４
により軸支され、また、扱室１の周面には、上部受網５
と下部受網６とが所定の間隔をおいて張設され、この間
隔に処理物案内部７が設けられている。

処理物案内部Ｉは、板体を扱室１の周方向にく字状に屈
曲し、前端部を上部受網５の後端位置に固着された上部
案内面８、および後端部を下部受網６の前端位置に固着
された下部案内面９と、上部案内面８にビン１０を介し
て上端部を枢支され、中間部に設けた蝶ねじ１１によっ
て扱室１の軸心方向に立設し、かつ後部を下部案内面９
上に臨！せ扱室１の周方向に対する角度を調節可能にし
た三角形状の案内板１２とからなるもので、上部案内面
８は上部受網５の後端部の、會た、下部案内面９は下部
受網６の前端部のそれぞれ接線方向に位置するよう配設
され、両受網５，６の周面より外側に張出しており、案
内板１２の内周縁は、受網５，６の局面とほぼ一致させ
ている。

そして案内板１２は、扱室１内に発生する処理物の多寡
に応じて蝶ねじ１１によってピン１０を中心に回動固定
し、扱室１の周方向への角度を変更して、処理物の図示
しない排塵口側への移動量を調節するようにしている。

前記上部受網５には、前記案内板１２の前方に位置して
仕切金１３が設けられ、この仕切金１３０後端部は、上
部受網５の後端位置（即ち上部案内面８および案内板１
２の前端位置でもある）からさらに後方に延長されて延
長部１３ａを形威し、案内板１２に重合させている。

このような構成の脱穀機においては、被脱穀物の品種（
特に脱粒性の難、易）、作柄（収量）、供給殻稈の姿勢
（稈の乱れの有、無）、含水率（乾燥度）、殻稈の強弱
などによって、脱穀時に扱室１内に発生する処理物の発
生量の変化に応じて案内板１２０角度を蝶ねじ１１によ
り調節する。

例えば、処理物の発生が少ないときには、案内板１２０
角度を小さく、第２図で仕切板１３とほぼ平行になるよ
うにすると、処理物は、扱胴３の回転によって扱歯２と
扱室１の周面との間で通常の脱粒処理が行われ、処理物
は仕切金１３および案内板１２に沿って移動し、排塵口
側への送りが遅くなって十分に処理されてのち選別部へ
送られる。

また、処理物の発生が多いときは、案内板１２０角度を
第２図に示すように大きくすると、処理物は、仕切金１
３に沿って移動したのち、処理物のうちの未処理物（粗
大物）は、延長部１３ａに沿って矢印Ａで示すように進
み、再び扱室１内を周回する間に処理される。

仕切金１３に沿って移動する処理物のうちのかなり処理
の進んだもの法扱胴３の回転により与えられる遠心力に
より扱室１の周面に接するように移動し処理物案内部Ｉ
では案内面８．９に沿って移動し、従って、第２図で矢
印Ｂに示すように排塵口側に送られ選別部に放出される
。

このように本考案の脱穀機によれば、仕切金１３の延長
部１３ａを、案内板１２にラップさせたので、処理物の
発生が多くて案内板１２を送塵側に調節した場合でも、
かなり処理されたもののみを送塵口側に送り、未処理の
粒大物は扱室にとどまるように案内することになり、扱
室での未処理物の脱粒処理が促進され、選別部の処理負
担を過大にすることがなく、従って、３番飛散などロス
を少くすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す脱穀機の部分縦断側面図
、第２図は要部の平面図である。 １・・・・・・扱室、３・・・・・・扱胴、５・・・・
・・上部受網、６・・・・・・下部受網、Ｉ・・・・・
・処理物案内部、８・・・・・・上部案内面、９・・・
・・・下部案内面、１０・・・・・・ピン、１１・・・
・・・蝶ナツト、１２・・・・・・案内板、１３・・・
・・・仕切金、１３ａ・・・・・・延長部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 扱室の局面に張設した受網と、この受網に設けた仕切金
   と、前記受網卦よび仕切金の扱胴の回転方向後方に設け
   られ、扱室の周方向に対する角度を換えることによって
   処理物の排塵口側への移動量を調節する案内板とを備え
   たものにおいて、前記仕切金は、その後端部を案内板の
   前端側に重合するように延長したことを特徴とする脱穀
   機。