JPS5822080B2 - フィルム・シ−ト状洗浄剤の製造方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はフィルムもしくはシート状洗浄剤の製造方法に
関するものであり、特に適度の水分散溶解性を有し、柔
軟性、機械的強度を有し、且つ使。

川風の良好なフィルム・シート状洗浄剤の製造方法に係
るものである。

従来水分散性の良好な紙に洗浄液を浸み込ませた後、こ
れを乾燥してなる謂ゆる紙石鹸は知られているが、この
ものは使用時に紙は崩壊するものの、本質的に不溶性の
セルロール短繊維を用いているため膨潤物に対して異和
感を感するとか、その膨潤残留物を処理しなければなら
ないといった欠点があった。

この欠点を解消する方法として、セルロースエーテル、
ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどの水
溶性ポリマーと洗浄剤とを水に分散溶解せしめて、熱ド
ラム等の表面にキャストし、これを乾燥せしめてフィル
ム・シート状洗浄剤と成す方法および洗浄剤が提案され
ている。

しかしながらこの方法は製造過程で大量の水を除去しな
げればならず、水の蒸発潜熱が大きいことと相俟ってエ
ネルギー使用量が太きいとか、水溶解性の大きい洗剤類
は別にしても水溶解性の小さい洗剤類をフィルム・シー
ト化することが不可能であるとか、得られたフィルム・
シート状石鹸は合成高分子水溶液を用いているため、溶
解洗浄に際して溶解速度が遅（、極めて粘稠な状態を経
由するので使用感が悪いとか、高湿時フィルム・シート
がブロックし易いとか、合成高分子ポリマーを用いてい
るため洗浄廃液が微生物分解性がなく、公害の危険性が
あるとかの欠点を有している。

これら欠点のうち洗浄に際しての水への溶解速度を早め
る方法として、メチルセルロース等を用いた多孔質フィ
ルム・シートを得る方法が提案されており一部車重され
ている。

溶解速度の向上という観点からは非常に改善されてはい
るものの、他の問題は依然として残り、特に水への溶解
性が悪いにも拘らず有用な洗浄活性を示す洗浄剤類をフ
ィルム・シート化することが不可能であった。

本発明者らはこれらの欠点を改良すべく鋭意検討を重ね
、本発明を成すに至った。

即ち天然高分子物質又はその誘導体、親水性低分子有機
可塑剤、滑剤および水から構成される配合組成物に洗浄
剤を添加して成る組成物を用いて、これを押出し成形す
ることにより得られたフィルム・シート状洗浄剤が上記
欠点がすべて改良されたフィルム・シート状洗浄剤であ
ることを見い出し、本発明を成すに至った。

即ち本発明の特徴を述べると以下の如（である。

（１）謂ゆる乾式押出し成形により得られるフィルム・
シート状洗浄剤であるため量産性に優れている。

（２）フィルム・シート化に先立２て水溶液にすること
が不要なため、水溶解性の悪い有用な洗浄剤類でも使用
可能であるし、各種性能を有する洗浄剤を組合わせて使
用出来るので多様な製品が得られる。

（３）水溶性天然高分子を用いているため、合成高分子
と異なり、溶解に際して高い粘稠度を示さないので溶解
速度が早い。

（４）押出し成形であるため極めて薄いフィルムから比
較的厚いシート迄任意の厚みのものが得られる。

（５）表向平滑性があるため、水溶性インクを用いた印
刷が可能である。

（６）微生物崩壊性を有しており公害の不安がない６（
７）天然高分子であるため、使用に際して皮膚の保護効
果を有しており皮膚刺激性が非常に小さい。

次に本発明の詳細につき述べる。

本発明の方法に用いられる水溶性天然高分子物質又はそ
の誘導体とは、コラーゲン、カゼイン、膠、グルテン、
アルブミン、ゼラチン、ノジウムカセイネート等の蛋白
系物質又はこれらのアルカリ又はアルカリ土類金属塩類
、又はこれらの誘導体、穀類、豆類、いも類より得られ
るでんぷん類、デキストリン、酸化でんぷん、α化でん
ぷん、ノ・イアミロースでんぷん、ハイアミロペクチン
でんぷん等のでんぷん系物質、又はこれらのエーテル化
、エステル化、燐酸化等を行ったもの、カルボキシメチ
ルセルロース、セルロースエーテル、ヒドロキシエチル
セルロース等のセルロース系物質、アルギン酸ソーダ、
マンナン、アラビアガム、トラガントガム、プルラン、
カードラン、デキストラン等の天然の含水炭素類、天然
ガム類、又はこれらの混合物より得られるものであれば
すべて使用可能である。

特にこれらの中のでんぷん系物質と蛋白系物質のアルカ
リ又はアルカリ土類金属塩との併用の謂ゆるでんぷん一
蛋白二元系物質が成形性、加工性、フィルム・シート状
洗浄剤としての必要物性の確保という点から望ましい。

特に製品のブロッキング防止という点からアミロース含
有量５０％以上のコーンスターチとカゼインナトリウム
の組合わせが優れており、アミロース含有量の少ない場
合高湿下でブロッキングが生じてしまう。

更に得られたフィルム・シート状洗浄剤の軟質化及び加
工性の向上を図る意味でグリセリン、ンルヒトール、マ
ンニトール、マルチトール等に代表される謂ゆる親水性
低分子有機可塑剤が用いられる。

一般にはグリセリンが用いられ、特にでんぷん−蛋白二
元系配合においては、特に加工性、高湿下での可塑剤の
ブリード防止、低湿下での脆化防止、ブロッキング防止
という観点からグリセリンの添加が好ましい。

又特殊な配合組成物の押出しであるため、押出し加工性
向上のため滑剤の添加が不可欠であり、この為の物質と
してステアリン酸等の高級脂肪酸、多価アルコールの高
級脂肪酸エステル類、燐脂質類が有るが、生分解性およ
び成形加工性を考慮した場合燐脂質であることが望まし
い。

更に上記配合組成物に洗浄剤が配合使用されるが、洗浄
剤としてはすべてのものが利用可能であるが、一般に以
下の様な洗浄剤が多種の目的で使用され、二種以上の洗
浄剤の組合わせも得られるフィルム・シート状洗浄剤の
多種の機能の附与という点から好ましい。

即ち洗浄剤は石鹸、高級アルコール硫酸エステル塩、ア
ルキルアリルスルフォン酸塩、脂肪酸モノグリセライド
のモノ硫酸エステル塩、脂肪酸スルフォン酸塩、ポリオ
キシエチレンアルキルエーテル、脂肪酸ジェタノールア
ミン塩、アルキルベタイン、アシルグルタミン酸のアル
カリ金属又はトリエタノールアミン塩等が有る。

この中で特に低皮膚刺激性という点でアシルグルタミン
酸系の洗浄剤が好ましいが、従来この洗浄剤は水溶解性
が低いため湿式法によっては、該洗浄剤が必要量添加さ
れたフィルム・シート状洗浄剤はフィルム・シート化が
不可能とされていたが、本発明の方法を使用することに
よりこれが可能になった。

これら洗浄剤の前記組成物への配合量は、配合組成物１
００重量部に対して、１０重量部以上であることが必要
であり、これ以下であると得られる製品の泡立ち性、洗
浄性といった性能が極度に低下してしまい、洗浄剤とし
ての機能が得られないものになってしまう。

上述の如き水溶性天然高分子物又はその誘導体、親水性
低分子有機可塑剤、滑剤、水および洗浄剤から構成され
る組成物は均質に混合して押出機内に導入するが、この
混合方法には種々の方法が有る。

即ち攪拌混合機を用いて単にブレンドする方法、混練ロ
ール、加圧ニーダ−１押出機等の加熱混練装置を用いて
混練した後、これを冷却して粉砕若しくは造粒して得ら
れた粉末若しくは粒状物を用いるとかの方法がある。

特に後者の方法を用いる場合、押出機ホッパーからの均
一チャージ性、押出し混線条件の緩和、押出し製品の均
−性等の上から好ましい。

次に押出機に該物質をチャージし、１００℃以上に設定
された押出機内で加熱混練し、ダイスを介して所望の厚
みのフィルム・シートを得る。

か（して所望厚みのフィルム・シート状洗浄剤を得る。

このものはそのまま用いても優れた洗浄剤となり得るが
、更に商品価値を高める目的で、本発明によるフィルム
・シート状洗浄剤は表面の平滑性に優れているため表面
に印刷を施すことが出来るという特徴を生かした、印刷
体を得ることも可能である。

この為には使用時に水崩壊性を有する印刷インクの使用
が好ましい。

以下代表的実施例により本発明の詳細な説明す、るが、
これにより本発明は限定されるものではない。

実施例 １ 上記組成物を混合攪拌して多少湿気を帯びた粉体混合物
を得た。

該混合物に更にラウリル硫酸エステルのナトリウム塩８
０重量部および少量の香料および着色料を添加し、混合
を継続して粉状配合物を得た。

上記配合物を表面温度が８０℃に設定された混練ロール
を用いて混練し、得られたシートを冷却後衝撃式粉砕機
を用いて粉砕し粉粒状物を得た。

次に上記組成物を圧縮比１８のダルメージ型スクリュー
を内蔵する押出機内に導入し、６０ｒｐｍの回転速度、
シリンダー内温度１２０〜１６０℃、ダイス温度１２０
℃、ダイスリップ間隔０．１〜の条件で押出し、引取り
装置にて延伸し６０μのフィルム状洗浄剤を得た。

得られたフィルム状洗浄剤は洗剤とバインダー物質が均
質に混合されたフィルムであり、水に対する溶解性に優
れ、泡立ち、洗浄力にも優れたフィルム状洗浄剤であっ
た。

実施例 ２ 上記組成物を攪拌混合し、更に１００重量部のラウリル
硫酸ナトリウムと５０重量部のアシルグルタミン酸のナ
トリウム塩および少量の香料を添加し、混合し粉体組成
物を得た。

得えらた組成物を実施例１の条件に準じて径３％、長さ
６Ｘのペレットを得た。

実施例１と略々同様の成形条件で該ペレットを再度押出
機より押出し厚さ８０μのフィルム状洗浄剤を得た。

得られたフィルムは高度の洗浄性、泡立ち性を有し、皮
膚刺激性のない優れたフィルム状洗浄剤であった。

実施例 ３ 実施例１および実施例２で得られた表面平滑性を有する
フィルム・シート状洗浄剤の表面に、マレイン化ロジン
をビヒクルにした印刷インクを用いてスクリーン印刷を
施し、これを６０℃で乾燥せしめたところ、鮮明な画像
を有する表面に絵柄を有するフィルム洗浄剤を得た。

このものを実際に洗浄に供試したところ、絵柄はフィル
ムの消失と同時に消失し、全く異和感を感じず、商品価
値の高いものであった。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 蛋白系物質のアルカリおよび／またはアルカリ土類
   金属塩、アミロース含有量５０％以上のアミロースを含
   有するでんぷん系物質、グリセリンおよび／またはソル
   ビトール、大豆燐脂質および／まタハ庶糖脂肪酸エステ
   ル、および水から構成される配合組成物１００重量部に
   対して１０重量部以上の石鹸および／または洗浄用界面
   活性剤を混合し、得られた湿潤状態にある粉末または粒
   状物質を押出機ホッパー内に導入し、押出機バレル内で
   混練しながらダイスを介してフィルムまたはシート状に
   成すことを特徴とするフィルムシート状洗浄剤の製造方
   法。