JPS5821834Y2 - 海洋投棄船の開閉扉構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は海洋投棄船の開閉扉構造に関するものである。

第１図に示す基本的な海洋投棄船１は、その船倉２を傾
斜シュート形式の隔壁３により形成している。

そして船倉２の中央部には山形部材４が設けられ、以っ
て左右一対の投棄口５を形成している。

これら投棄口５には、横軸６，７０周りに揺動自在な上
下一対の開閉扉８，９が設けられ、その揺動は、上甲板
１０に設けたウィンチ装置１１゜１２のチェノ１３，１
４を開閉扉８，９０道端に連結することにより各別に可
能としている。

そして下位開閉扉９とその受は部材１６との間には運搬
中における海水の流入を阻止するための水密構造が施こ
され、また上位開閉扉８とその受は部材１５との間にも
ある程度の水密構造が施こされている。

かかる海洋投棄船１においては、投棄現場において仮想
線に示すように両開閉扉８，９を開動して投棄した後に
、海水が投棄口５を通って船倉２内に流入し、この状態
で両開閉扉８，９を実線に示すように閉じることから、
海水両開閉扉８゜９間の空所と、上位開閉扉８の上方の
船倉２内に残ることになる。

両開閉弁８，９間の空所にある海水は、当該箇所に連通
ずるビルジポンプ等からなる排水装置１７により船外へ
排出し得るが、船倉２内の海水はそのまま残ることにな
る。

したがってこの海水は、例えば上位開閉扉８を再び少し
開動させて空の空所内に落下させるなど複雑な作用を行
なわなければ排出できない。

そこで本考案は、船倉内に流入した海水を自動的に排出
し得る海洋投棄船の開閉量構造を提案するもので、以下
その一実施例な第２図〜第４図に基づいて説明する。

前記上位開閉扉８は、天板１８と、底板１９と、前後左
右の側板２０と、前後左右の仕切り板２１とから構成さ
れ、その適所（実施例では三箇所）に、変形筒状の流通
路形成部材２２により厚さ方向に海水の流通を許す流通
路２３を形成している。

この流通路２３の上開口部は、天板１８に溶接結合され
た上部ローズプレート２４により閉塞され、またこの上
部ローズプレート２４に多数設けられた孔２５は小さく
、さらに投棄物の侵入に対しても容易に対処できる、す
なわち目詰りを防止できる裾広がり形に形成されている
。

また下開口部は、底板１９側に対してボルト２６により
離脱可能に取付けた下部ローズプレート２７により閉塞
され、またこの下部ローズプレート２７に多数設けられ
た孔２８は、上部ローズプレート２４の孔２５よりも極
力大きいものとして残留が生じ難いものにしである。

前記流通路形成部材２２の上部内面には下向き円状の弁
座２９が形成され、この弁座２９に対して下方から接当
可能なボール状の浮き弁体３０が流通路形成部材２２内
に設けられている。

）両開閉扉８，９を閉じて、空所内ならびに
船倉２内に海水が流入しているとき、前記浮き弁体３０
はその浮力により第４図仮想線に示すように弁座２９に
圧接している。

そして排水装置１７により空所内の海水の排出が行なわ
れると、その水位の低下に伴なって浮き弁体３０が下降
し弁座２９から離れる。

これにより海水は孔２５を通って流通路２３内に流入し
、そして孔２８を通って空所内に流入したのち排水装置
１７により船外に排出される。

上位開閉扉８を閉じて投棄物を受は止めた状態において
、投棄物は孔２５を通って落下しようとするが、これは
孔２５が小さいためにその落下は小さなものが少量とな
る。

さらに落下物ならびに孔２５に詰ったものは、この孔２
５が裾広がりで且つ孔２８が大きいことから、排出され
る海水の流動力により容易な除去し得る。

また連通路２３内の清掃、弁座２９の点検、浮き弁体３
０の点検ならびに取換えは下部ローズプレート２７を外
すことにより容易に行なえる。

以上、述べたように本考案によると、船倉内に流入した
海水を自動的に空所内に流入させ、そして排水装置によ
り容易に船外排出することができ、また通常航海時に於
いて、万一下位開閉扉より海水が流入しても浮き弁体が
押上げられて弁座に圧接することから船倉内への流入は
防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は基本例を示す横断面図、第２図〜第４図は本考
案の一実施例を示し、第２図は上位開閉扉の縦断面図、
第３図は同一部切欠平面図、第４図は第２図における要
部拡大図である。 １・・・・・・海洋投棄船、２・・・・・・船倉、５・
・・・・・投棄口、６．７・・・・・・横軸、８・・・
・・・上位開閉扉、９・・・・・・下位開閉扉、１７・
・・・・・排水装置、２２・・・・・・流通路形成部材
、２３・・・・・・流通路、２４・・・・・・上部ロー
ズプレート、２５・・・・・・孔、２７・・・・・・下
部ローズプレート、２８・・・・・・孔、２９・・・・
・・弁座、３０・・・・・・浮き弁体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 投棄口に上下一対の開閉扉を設けると共に、閉塞姿勢に
   ある両開閉扉により形成される空所に連通ずる排水装置
   を設け、前記上位開閉扉の適所に、その厚さ方向に海水
   の流通な許す流通路を形成し、この流通路内に、流通路
   形成部材に形成した弁座に対して下方から接当可能な浮
   き弁体を設けたことを特徴とする海洋投棄船の開閉扉構
   造。