JP3103170U - フロート自動開閉型空気管頭装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 海水が侵入した場合に空気通路の閉塞状態を迅速且つ確実に確立することを可能としたフロート自動開閉型空気管頭装置を提供する。
【解決手段】 外部ハウジング10内部に内部ハウジング11を設けて両者の間に区画室25a,25b,25cからなる空気通路を形成する。外部ハウジング10の底部に第1開口10aを形成して、空気管3と下部区画室25aとを連通させる。内部ハウジング11の上部に第2開口11aを形成して、上部区画室25cと内部ハウジング11の内部とを連通させ、更に内部ハウジング11の内部は第3開口11b及び端部開口16aを介して外部大気と連通している。内部ハウジング11内部に移動自在にフロート13を設け、内部ハウジング11内に海水が侵入した場合に、フロート13は浮力により上限位置に移動して第2開口11aを閉塞状態とさせる。フロート13は、ステンレススチールなどの金属により内部空洞を密封した中空の円筒形状に形成してあり、従って海水が侵入した場合にフロート13は迅速且つ確実に第2開口11aを閉塞状態とさせることが可能である。
【選択図】 図1

Description

本考案は、フロート自動開閉型空気管頭装置に関するものであって、更に詳細には、船舶の空気管に装着されて該空気管を介して外部から海水などの流体が船舶内部に流入することを防止するフロート自動開閉型空気管頭装置に関するものである。
従来、船舶が荒天に遭遇した場合などに、船舶内部のバラストタンク、油タンク、清水タンクなどに海水が浸入しないようにこれらのタンクに連通して船舶に設けられている空気管にフロート自動開閉型空気管頭装置が使用されている。
即ち、船舶のバラストタンクには外部から海水を張り込んだり又はバラストタンク内の海水を外部へ排水したりすることが行われ、又船舶の油タンクについては、燃料油、潤滑油等の油を積み込み且つ航行中に油を使用するために油タンクから油を取り出すことが行われる。そのような場合に、タンク内に流体を流入させる場合にはタンクの内部は加圧状態となり、一方タンクから流体を排除する場合にはタンクの内部は負圧状態となるので、タンクの上部に外部大気と連通する空気管を設けてこの様な加圧状態や負圧状態を解消している。しかしながら、この様な空気管は、タンク内部と外部大気とが連通しているので、船舶が荒天に遭遇した場合には、波浪により海水が空気管を介して不所望にタンク内部に流入する場合がある。そこで、この様な不都合に対処するために、通常、船舶の空気管の上端部にはフロート自動開閉型空気管頭装置を装着している。
フロート自動開閉型空気管頭装置は、移動自在なフロートを有しており、荒天時に海水が空気管頭内に流入すると、流入する海水によりフロートが自動的に空気管を密閉状態とさせ、従って海水が不用意に空気管を介してタンク内部に流入することを防止する。
ところで、近年船舶の大型化が進むと共に船舶の安全性が強化され、国際的に統一されたフロート式自動閉鎖空気管頭金物の承認基準、所謂P3が新たに発効された。即ち、船舶の更なる安全を確保するために、バラストタンク(海水)、油タンク(燃料、潤滑)、水タンク(清水)の空気管に取り付けられる空気管頭金物は「自動閉鎖装置が常設されたもので、且つ承認されたものであること」を1998年船舶における満載喫水線条約(International Convention Load Lines, 1966)で採択された。これを受けて、IACS(International Association of Classification、国際船級協会連合)で承認のための試験基準案が審議され、草案としてP3(Rew, 1 May 2001)が制定された。各国加盟船級協会はP3を船級協会承認規則として取り入れて運用を開始することとなった。
この承認基準は大きく分けて以下の3つの試験を施行することを内容とするものである。
(1)海水進入時の漏水量許容値が基準化
(2)流量特性試験(流体の流れた時の通過抵抗の計測)
(3)フロートの衝撃試験(強度)
中でも、(1)の荒天時における海水漏水量の許容値が1サイクル2ml/mmと非常に少なく、従来技術における1/40から1/50に相当している。従って、従来技術においては、この様な基準を満足することができないので、新たなフロート自動開閉型空気管頭装置を開発することが必要となった。
本考案は、海水が侵入した場合に空気通路の閉塞状態を迅速且つ確実に確立することを可能としたフロート自動開閉型空気管頭装置を提供することを目的とする。
本考案の別の目的とするところは、フロート式自動閉鎖空気管頭金物の新基準(所謂P3基準)を満足することが可能なフロート自動開閉型空気管頭装置を提供することである。
本考案によれば、フロート自動開閉型空気管頭装置において、
船舶の空気管に装着され前記空気管と連通する第1開口が形成されている第1ハウジング、
前記第1ハウジング内部に装着されて前記第1ハウジングとの間に前記第1開口から第2開口へ連通する通路を形成し且つ外部へ連通する第3開口を具備している第2ハウジング、
前記第2ハウジング内部において上下方向に移動自在に設けられており上限位置に位置された場合に前記第2開口を閉塞状態とさせるフロート、
を有しており、前記フロートが内部を密封空洞状態とした大略円筒形状であることを特徴とするフロート自動開閉型空気管頭装置が提供される。
好適には、前記フロートの上面に弾力性物質からなる所定形状のパッキンを装着しており、前記フロートが前記上限位置に位置された場合に、前記パッキンが前記第2開口の周辺部と密着して前記第2開口を介しての流体の流れを阻止する。該弾性物質としては、合成ゴムとすることが可能である。更に、パッキンは、好適には、大略皿型の形状であって、外周部の断面が楔形状を有しており、更に好適には、この楔形状が半径方向外側へ向かって傾斜している。
本考案によれば、フロートを円筒形状とし海水の侵入口を下側に位置させたので、フロートが浮きやすく、従って海水の侵入量を最小とすることが可能である。更に、フロートの上部に所定形状の自封式パッキンを装着した場合には、自動閉鎖時の漏水防止効果が増加される。更に、本装置の外部大気と通じる端部開口を空気管のフランジよりも外側に配置した場合には、油タンクオーバーフロー時の油拡散を防止することが可能である。更に、第2開口に防火金網を設けることが可能であり、その場合に、防火金網の目詰まり状態は端部開口から容易に確認することが可能である。更に、本装置は、ナットにより着脱自在に組み立て可能であり、内面の塗装及び清掃を容易に行うことが可能である。
図1は、本考案の1実施例に基づいて構成されたフロート自動開閉型空気管頭装置1の概略正面図を示している。図示した如く、本装置1は、船舶の暴露甲板2に固定されている空気管3の上部に装着されている。図示例においては、空気管3は船舶のバラストタンク4に連通しており、バラストタンク4内部には海水面5を有する海水が取り込まれており、海水面5は、バラストタンク4内に海水が取り込まれたり又は排水されたりすることにより上下に移動する。空気管3の上部にはフランジ3aが形成されており、このフランジ3aと本装置1の底部とがボルト20により一体的に装着されている。
本装置1は、基本的に、外部ハウジング10と内部ハウジング11との二重構造のハウジング構成を有している。即ち、外部ハウジング10は大略箱型形状をしており、その底部には第1開口10aが形成されており且つ該底部がフランジ3aとボルト20により一体的に装着されている。第1開口10aは外部ハウジング10の内部と空気管3とを連通させている。
内部ハウジング11も大略箱型形状を有しており、外部ハウジング10の内部に配置されている。内部ハウジング11は、上下の壁と左右一対の壁とから構成されており、その下側の壁は外部ハウジング10の下側の壁から所定距離内部に離隔されて下部区画室25aを画定しており、一方上側の壁は外部ハウジング10の上側の壁から所定距離内部に離隔されて上部区画室25cを画定している。更に、内部ハウジング11の左右一対の壁は外部ハウジング10の左右一対の壁から所定距離内部に離隔されて位置されており、夫々の壁の間に一対の側部区画室25bを画定している。図1,2、3(a)に示されているように、これらの区画室25a,25b,25cは互いに連通しており全体として空気通路25を形成している。尚、内部ハウジング11はボルト21によって外部ハウジング10に固着されている。
そして、内部ハウジング11の上部壁には第2開口11aが形成されており、従って、内部ハウジング11の内部は第2開口11aを介して上部区画室25cと連通している。内部ハウジング11は一対の側部開口を有しているが、一方の開口は外部ハウジング10の対応する側壁によって閉塞されており、他方の開口11bはフード16によって被覆されている第3開口を画定している。フード16は、第3開口11bを被覆しているが、その底部において外部大気と連通する開口16aを画定している。尚、フード16は、ボルト22によって外部ハウジング10に固着されている。
内部ハウジング11の底部の中央にはガイドロッド12の下端部が固定されており、このガイドロッド12に遊嵌させてフロート13が設けられている。フロート13は、大略円筒形状であり、内部に密封した空洞を有しており、且つガイドロッド12を緩く挿入することを可能とする中央挿通孔が形成されている。従って、フロート13は、ガイドロッド12上を上下に所定の距離範囲にわたり移動自在に設けられている。フロート13は、例えば、ステンレススチール等の金属から成形すると良い。フロート13の中央挿通孔の上端部にはプラグ15が挿入され且つ固定されている。更に、フロート13の上表面上には所定形状のパッキン14が固定されている。このパッキン14は、例えば、合成ゴム等の弾性物質から構成されており、大略皿型の形状を有している。即ち、図5に示した図示例においては、パッキン14は、外周の周辺部が楔型の形状に構成されており且つその楔形形状部分は半径方向外側に向かって傾斜している。従って、パッキン14の楔形の外周部はその先端部14aが先細形状となっており、フロート13が上限位置へ移動された場合に、パッキン14の先細形状の先端部14aが内部ハウジング11の第1開口11a周りの上部壁に押圧されて内部ハウジング11の第1開口11aを閉塞状態とさせる。先細形状の先端部14aは、この閉塞状態を確実に確立することに貢献する。
次に、上述した構成を具備するフロート自動開閉型空気管頭装置の動作について説明する。先ず、図1に示されているように、本装置1において、船舶が通常の航行状態にある場合には、フロート13はその自重により下限位置に位置している。従って、バラストタンク4の内部は、空気管3を介して、本装置1の下部区画室25a、一対の側部区画室25b、上部区画室25cからなる空気通路25に連通しており、更にこの空気通路25は、第1開口11aを介して内部ハウジング11の内部に連通している。更に、内部ハウジング11の内部は第2開口11b及び端部開口16aを介して外部大気と連通している。この様な状態において、バラストタンク4内に外部から海水を取り込んだ場合には、バラストタンク4内の海水の液面5は上昇し、従ってバラストタンク4内の空気は、矢印E1、E2、E3、E4、E5の如くに流れて外部大気に流出する。一方、バラストタンク4内の海水を外部へ排出させると、バラストタンク4内の液面5は下降し、従って、外部大気は、矢印I1、I2、I3、I4、I5で示した如くに流れてバラストタンク4内に流入する。
次に、船舶が、例えば、荒天に遭遇し、海水が本装置1内に流れ込んだ場合について、特に、図5及び6を参照して説明する。図5に示した様に、海水がフード16下側の端部開口16aを介して本装置1の内部ハウジング11の内部に矢印Aで示した如くに流れ込むと、フロート13は矢印Bで示した如くガイドロッド12に沿って上方への浮力を受ける。従って、内部ハウジング11の内部に海水が徐々に流入するに従い、フロート13は上方へ移動して究極的にその上限位置に到達し、その場合にフロート13上部に固定されているパッキン14が内部ハウジング11の上部壁の第1開口11a周辺部に押圧され第1開口11aを閉塞状態とさせる。従って、更に海水が内部ハウジング11内部に流入しても、海水が第1開口11aを介して上部区画室25c内に流れ込むことはない。
図6(a)は、船舶が波浪によりローリングされ、本装置1が左傾斜角40度の状態となった場合を示しており、一方図6(b)は、本装置1が右傾斜角40度の状態となった場合を示している。いずれの場合においても、フロート13は内部ハウジング11の内部に流れ込んだ海水の浮力Bによりガイドロッド12に沿って上方へ移動して上限位置に位置され、第1開口11aを閉塞状態としている。
更に、図示していないが、第2開口11bに防火金網を設けることが可能である。この場合に、防火金網の目詰まり状態は、端部開口16aを介して容易に確認することが可能である。
次に、図4は、本装置1を油タンク用の空気管に装着した場合を示している。即ち、本装置1は空気管3の上部に装着されており、空気管3は油タンク7に連通している。油タンク7内には油が収容されており、その液面8は油タンク7内の油の量に依存して上下に移動する。ところで、本装置1においては、上述した如く、端部開口16aをフランジ3aの外側に配置させているので、油タンク7がオーバーフローした場合において油拡散を防止することが可能である。
本考案の1実施例に基づくフロート自動開閉型空気管頭装置を示した概略正面断面図 図1の装置の概略平面図。 (a)は図1の装置の概略左側面断面図の左半分の図、(b)は図1の装置の概略右側面断面図の右半分の図。 本考案の装置を油タンクに連通する空気管に装着した場合の概略図。 図1の装置の中に海水が侵入した状態を示した概略正面断面図。 (a)は本装置1が左傾斜角40度に傾斜した状態を示した概略図、(b)は本装置1が右傾斜角40度に傾斜した状態を示した概略図。
符号の説明
1:フロート自動開閉型空気管頭装置
10:外部ハウジング
11:内部ハウジング
11a:第1開口
11b:第2開口
12:ガイドロッド
13:フロート
14:パッキン
15:プラグ
16:フード
16a:端部開口
25a:下部区画室
25b:側部区画室
25c:上部区画室

Claims (5)

  1. フロート自動開閉型空気管頭装置において、
    船舶の空気管に装着され前記空気管と連通する第1開口が形成されている第1ハウジング、
    前記第1ハウジング内部に装着されて前記第1ハウジングとの間に前記第1開口から第2開口へ連通する通路を形成し且つ外部へ連通する第3開口を具備している第2ハウジング、
    前記第2ハウジング内部において上下方向に移動自在に設けられており上限位置に位置された場合に前記第2開口を閉塞状態とさせるフロート、
    を有しており、前記フロートが内部を密封空洞状態とした大略円筒形状であることを特徴とするフロート自動開閉型空気管頭装置。
  2. 請求項1において、前記フロートの上面に弾力性物質からなる所定形状のパッキンを装着しており、前記フロートが前記上限位置に位置された場合に、前記パッキンが前記第2開口の周辺部と密着して前記第2開口を介しての流体の流れを阻止することを特徴とするフロート自動開閉型空気管頭装置。
  3. 請求項2において、前記弾力性物質が合成ゴムであることを特徴とするフロート自動開閉型空気管頭装置。
  4. 請求項2又は3において、前記パッキンが断面において楔形の形状を有していることを特徴とするフロート自動開閉型空気管頭装置。
  5. 請求項4において、前記楔形の形状が半径方向外側へ傾斜されていることを特徴とするフロート自動開閉型空気管頭装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH0588876U (ja) * 1992-05-26 1993-12-03 富士重工業株式会社 ベアリング引抜き装置
CN115992902A (zh) * 2023-03-23 2023-04-21 江苏南极机械有限责任公司 一种空气管自动启闭pv阀装置

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