JPS5818539B2 - 板ばね - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は板ばねに関し、特へ長手方向各位置における幅
および断面積がそれぞれほぼ一定な板ばねに関する。

車両用懸架装置等における板ばねは従来から主として鋼
製であったが、軽量化推進のためＦＲＰ製への転換が検
討されている。

“従来の鋼製板ばねにおいては、全長にわ庭つ文ヤング
率が一定であるので、設計上の混乱を招ぐようなことも
なく、また、応力分布が均等となる・ように各位置にお
ける断面形状を異ならしめることも可能である。

ＦＲＰ板ばねにおいても、応力分布の均等化を図るため
には、たとえばテーパ状に各位置の断面形状を異ならし
める必要がある。

すなわち、最も量産性に優れているＦＲＰ板ばねの製造
法であって、繊維と樹脂とを混合した状態で連続的に送
出することによシ板ばねを連続的に生産する方法におい
て、上述のように断面形状を変化させるためには繊維お
よび樹脂の量の増減を連続的に繰返すことが必要となる
。

しかし、このような連続生産においては連続した繊維が
用いられるのでその量の増減を連続的に繰返すことは不
可能もしくはきわめて困難である。

仮に樹脂量のみを増減するとしても、繊維量が一定であ
れば樹脂量の増減には限界があシ、しかも樹脂量に応じ
て加熱装置における加熱量を連続的に増減させなげれば
ならないなどの問題が派生し、いずれにしても装置の構
造が複雑化するとともに制御がめんどうになる。

また、繊維量のみを変化させ得たとしても、各位置にお
ける繊維含有率を一定になし得なげれば板ばね全長にわ
たりヤング率が一定でなくなるので、設計計算が複雑に
なるなどの不具合を生ずる。

一方、断面積な一定に保持したままでは、たとえば厚さ
を変化させるとそれに伴なって幅が変化することになり
、仮に板端部を薄くすれば幅が増大して懸架装置の各構
造部が大きくなり、取付けが不可能になったり、あるい
はタイヤチェーンなど七干渉するおそれがあり、応力分
布の均等化に支障を来すことになる（第１４図参照）。

本発明は上記事情のもとになされたもので、その目的と
するところは、幅および断面積が有効部分の全長にわた
ってほぼ一定で、かつ断面二次モーメントおよび断面係
数が長手方向にそれぞれ変化し、応力分布が均等なＦＲ
Ｐ板ばねな提供することにある。

以下、本発明を図示の実施例について説明する。

第１図ないし第５図において板ばね１は帯状の本体２と
、この本体２に突設され長手方向に延在して厚さ方向に
突出するリプ３とを有して、ＦＲＰから一体に形成され
、基部４がたとえば自動車用懸架装置等の適宜手段（図
示略）に支持されるとともに、自由端部５が目玉部６を
介して上記自動車の車体側に連結され厚さ方向の荷重Ｐ
を支持し得るように構成されている。

上記本体２は有効長ｌ。

にわたって幅Ｂがほぼ一定に形成されるとともに、基部
４の長さ１３の範囲における厚さｔｌ および、自由端
部５の長さ１１の範囲における長さｔ。

がそれぞれほぼ一定に形成されており、かつ基部Ａと自
由端部５との間の長さ１２の範囲には厚さが基部方向に
漸減するテーパ一部７が形成されている。

上記リブ３は有効長ｌｏにわたって幅すがほぼ一定忙形
成されるとともに、基部４の長さ１３の範囲における厚
さＴ。

がほぼ一定に形成され、かつテーパ一部８の長さ１２の
範囲においては厚さが基部４方向に漸増するように形成
されている。

そして板ばね１は本体２とリブ３の合計断面積ＢｔＸ十
ｂ（ＴＸ−ｔＸ）（第４図参照）が有効長ｌｏ にわた
ってほぼ一定となるように、リプ３の断面積ｂ（ＴＸ−
ｔＸ ）が本体２の断面積ＢｔＸに関連して設定されて
いる。

すなわち、図示の記号を用いて表わせば Ｂｔ□＝Ｂｔｙ ＋ｂ（ＴＸ ｔｚ）＝Ｂｔ １＋ｂＴ
ｏ ”（１）となる。

理解し易いようにＢｅ ｂ、ｔＯｓ Ｌｌ ｓＴｏが
それぞれ一定であるとし、かっα＝Ｔｏ／Ｔ１．β二ｂ
／Ｂとおけば、上記式（１）はｔｏ＝（ｌ−β）ｔｘ十
βＴＸ＝ｔ１＋αβＴ−・・（２）と書きかえられ、こ
の式（２）から ｔｏ／Ｔ ＝ １＋αβ−α ・・・（３
）の関係があることが知られる。

また、上記式（１）または（２）から判るように、距離
Ｘ （１１く工＜ ｔｔ ＋１２． ）における本体１
の厚さ域と総厚さ叛とは工の同次関数である。

たとえば総厚さＴＸが ’ｒＸ＝ｊｏ十（Ｔ−ｔｏ） （Ｘ−１１）／ｌ、・（
４）と表わされるような線形テーパーの場合には、本体
１の厚さ暇が ｔｘ＝ｔｏ−α４（Ｘ−１１）／１２ ・・・（５
）と表わされる線形テーパーとなる。

上記板ばね１０基部４における慣性モーメント■および
断面係数２．ならびに自由端部５における慣性モーメン
ト■。

および断面係数Ｚ。から、これらの比■。

／■および２゜／２を求めると、上記記号を用いて、 第１２および第１３図にβをパラメータとしてＩｏ ／
ｉおよびＺ。

／２とαとの関係を示す。これらの図かられかるように
、αおよびβを適宜に設定することにより■。

／工および２゜／２を広範囲にわたって選択的に設定す
ることができる。

したがって、応力分布が均等になるようにして軽量化を
図ることができる。

また、断面積が一定であるからヤング率が一定なＦＲＰ
板ばねな容易に量産することができる。

つぎに、１ｏ＝５７０朋、Ｐ＝１３００ｋｇとしてヤン
グ率Ｅ＝４２０ ｏ、ｋｇ／朋２．比重γ＝ １．９２
０ＦＲＰからばね定数８ｋｇ／ｍｍＯ板ばねを形成した
場合、上記実施例においてＢ＝６０．Ｔ＝２８とした場
合の最大応力σ（ｋｇ／ｍｍ２）および板ばね総重量Ｗ
（ｋｙ ）を下表の区分Ａに示す。

、同表中の区分ＢおよびＣは上述と同一の条件に適合す
るように同等のＦＲＰから形成された比較例であって、
Ｂは断面矩形状のままで断面積一定なテーパー状に形成
されたもの、Ｃは幅（６０ｉｍ）および厚さく１８ｍｍ
）が一定な板ばね２枚を重合したものである。

すなわち、Ｂにおいては基部の幅が６０朋、厚さ２６龍
であるが、自由端部においては幅が１５２龍に増大され
、しかも実施例Ａに比し最大応力および重量のいずれも
犬であり、Ｃにおいては応力および重量ともさらに犬で
ある。

また、表中りは上述と同一な条件に適合する鋼製（Ｅ＝
２１００ ｏｋｇ／朋、γ＝７．８５）の参考例であっ
て、幅（’６．０ｍｍ）および厚さく７ｉｍ）がそれぞ
れ一定な板ばね９枚（長さは不同）を重合したものであ
る。

なお、本発明は上記実施例のみに限定されるものではな
く、たとえば板ばね１を構成する材料はＦＲＰ以外に鋼
材その他の適宜のものであってもよい。

また、リプ３は幅すが一定のものの他に、第６図Ａ、Ｂ
、Ｃに例示するように長手方向に漸次変化するものであ
ってもよい。

要すれば、リプの断面形状および数等も任意に設定可能
であり、第７図に例示するように軸方向両側部に１つづ
つ設けたり、第８図に例示するように複数のリプを間隔
的に設けたりしてもよく、あるいは第９図に例示するよ
うに単一の断面弧状のリプとしても、第１０図に例示す
るように波状断面のリプなどとしてもよい。

これらのいずれの場合であっても、リプは本体１の厚さ
方向他側または両側に設けるようにしてもよい。

さらに、第１１図に例示するように・本発明に係る板ば
ね１を、鋼製またはＦＲＰ製の他の板ばね１０と重合し
て用いることも可能である。

本発明は、上述したように幅がほぼ一定な板ばね本体に
厚さが長さに関連して変化するテーパ一部を形成すると
ともに厚さ方向に突出する長手方向のリプを一体に突設
し、本体とリプとの合計断面積が長手方向各位置におい
てほぼ相等しくなるように本体の断面積に関連してリプ
の断面積を設定することを特徴とするものである。

したがって、応力分布が均等な軽量化設計ができ、しか
も幅がほぼ一定であるから動作時に他の関連機器と干渉
するようなことがなく、かつヤング率一定なＦＲＰ材と
しても量産が容易であり、特に車両用懸架装置等に好適
な板ばねを提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は本発明の一実施例を示す側面図お
よびＦ面図、第３図、第４図および第５図は第２図の■
−■線、ＩＶ−ＩＶ線およびＶ−ｖ線に沿う各断面図、
第６図Ａ、Ｂ、Ｃないし第１０図は要部の変形例を示す
説明図、第１１図は本発明の他の一実施例を示す側面図
、第１２図および第１３図は慣性モーメントおよび断面
係数の各分布状態を例示する線図、第１４図ＡおよびＢ
は従来例を示す側面図および平面図である。 １・・・・・・板ばね、２・・・・・・本体、３・・・
・・・リプ、７゜８・・・・・・テーパ一部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 幅がほぼ一定な板ばね本体を有するものにおいて、
   上記本体に、厚さが長手方向に変化するテーパ一部を形
   成するとともに厚さ方向に突出する長手方向のリプな一
   体に挺設し、上記本体とリプの合計断面積が長手方向各
   位置においてほぼ相等しくなるように本体の断面積に関
   連してリプの断面積を設定することを特徴とする板ばね
   。