JPS5817685Y2 - 大径深穴の裏座ぐり加工装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は大型工作機械を必要とせず、大径深穴の裏座ぐ
り加工を行なう装置に関するものである。

従来、テ゛イーゼル機関の合板におけるテンションボル
ト穴のナツト当り面のような大径かつ深穴の裏座ぐり加
工を行なうには、合板裏側の板をあらかじめ座ぐり加工
に必要な大きさの穴を切断しておいて、座ぐり加工しな
ければならない。

ところがこのような工法によると合板裏側の板に座ぐり
加工用穴の切断及び盲蓋の製作、溶接という工程が必要
であるとともに、大径の座ぐり加工には大型工作機械設
備が必要となる欠点がある。

本考案は従来工法の欠点を排除するための裏座ぐり加工
装置であり、一実施例として図示する第１図及び゛第２
図によって説明する。

１はケーシング本体を示し、該ケーシング本体１に嵌着
した軸受ブツシュ２によって回転可に支持された主軸３
の先端部には該主軸中心線から適当な距離だけ偏心した
位置にツールホルダ４の軸部４−１が回転可能に嵌合さ
れ、該ツールホルダ４に取り付けた工具５によって座ぐ
り加工を行なう。

また主軸３には歯車Ｇ２が形成されており、さらに外周
には歯輪７が嵌合されている。

該歯輪７はケーシング本体１に嵌着した軸受ブツシュ６
によって回転可能に支持されている。

ケーシング本１の後部に固定された電動機８の回転軸は
歯車軸９に直結し、該歯車軸９は軸受１０，１１によっ
て回転可能に支持されている。

該歯車軸９に形成された歯車Ｇ２と前記歯輪７の一端に
形成された歯車Ｇ３とが噛み合っている。

１２は差動歯輪で、歯輪７の内周に回転可能に支持され
るとともに当板１３で抜は止めされている。

該差動歯輪１２の外周に形成された歯車Ｇ５は前記歯輪
７の他端に形成された歯車Ｇ４とともに中間歯車１６に
噛み合っている。

該中間歯車１６は軸受１７にて両端を回転可能に支持さ
れる。

次に前記主軸３の中心部に穿設された長穴には両端を軸
受ブツシュ１８゜１９にて回転可能に支持された駆動軸
１５が挿設されている。

該駆動軸１５の一端にはスプライン接手１４が嵌着され
、該スプライン接手１４のスプライン部には前記差動歯
輪１２の内周に形成されたスプライン部が噛み合ってい
る。

また前記駆動軸１５の他端にはピニオンＧ６が嵌着され
、前記ツールホルダ４の軸部４−１端に嵌着されたピニ
オンＧ７と噛み合う。

なお、図示は省略しているが、ピニオンＧ６およびピニ
オンＧ７の組込みおよび主軸３の加工のために、主軸３
は所要位置で軸直角方向に２分割され、これらをボルト
で締着することによって一体化されている。

主軸３の先端部にはブツシュ２０が固着され、加工物の
穴りの内周に沿って主軸３を案内支持する。

上述したような構成の本考案による実施例において、加
工物の穴りに主軸３を挿入し、ケーシング本体１を加工
物の台板取付面Ｆに固定した後本装置によって裏座ぐり
加工を行う。

工具５への回転力伝達は電動機８から歯車Ｇ１を介して
歯車Ｇ２へ伝達され、主軸３が回転する。

またツールホルダ４への回転力伝達、すなわち工具５の
送り駆動は同じく電動機８から歯車Ｇ１を介して順次Ｇ
３．Ｇ４、Ｇ ５．Ｇ ６．Ｇ ７へ伝達されツールホ
ルダ４が回転する。

以下、主軸３の回転数およびツールホルダ４の回転数の
関係について説明する。

歯車Ｇ１の歯数をＺｌとし、歯車Ｇ２の歯数をＺ２．歯
車Ｇ３〜Ｇ７の歯数を各々Ｚ３〜Ｚ７とする。

歯車Ｇ２に対して歯車Ｇ３は転位歯車で歯数２２に対し
歯数２３に４１枚の歯数差をつけている。

又歯車Ｇ４に対しＧ５は転位歯車で４２枚の歯数差をつ
ける。

電動機８側がら主軸３の方向に視て時計方向回転を十回
転、反時計方向回転を一回転とする。

加工物の裏座ぐりをするためには歯車Ｇ２を十回転およ
び歯車Ｇ７を十回転させることを条件としてその関係は
第１表の通りである。

第１表において歯車Ｇ２の回転数ｎ２に対して、歯車Ｇ
７の回転数ｎ４の関係回転差が１回転となるためには、
歯車Ｇ２を ｎ２−０４）回転させればよいことになる
。

尚、そのときの電動機の回転数は（］丁＝＝８）となる
。

故に第２表の数値を代入して計算すると電動機回転数は
、６６６６回転となり、仮に電動機回転数を３６Ｏｒｐ
ｍとすると約１９分間の加工時間で１カ処の裏座ぐり切
削が完了する。

すなわち主軸３の軸心Ｃ１より適当な距離だけ偏心した
位置Ｃ２を回転中心としたツールホルダ４が１回転する
と該ツールホルダ４に固定された工具の刃先部は軌跡Ｈ
を描く。

したがって主軸３の回転にともなってツールホルダも回
転すると、工具の刃先部は軌跡Ｈに沿って移動しなから
座ぐり部Ｊを加工する。

このように本考案の裏座ぐり加工装置によれば、座ぐり
用の穴を加工し、該加工用穴に盲蓋を溶接する必要がな
く、また大型工作機械を使用しないため、工法上の大幅
な能率向上を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による一実施例を断面で示す正面図であ
る。 第２図は第１図に図示した工具の作動を示す説明図であ
る。 １・・・・・・ケーシング、２・・・・・・軸受ブツシ
ュ、３・・・・・・主軸、４・・・・・・ツールホルダ
、５・・・・・・工具、６・・・・・・軸受ブツシュ、
７・・・・・・歯輪、８・・・・・・電動機、９・・・
・・・歯車軸、１０・・・・・・軸受、１１・・・・・
・軸受ｄ２・・・・・・差動歯輪、１３・・・・・・当
板、１４・・・・・・スプライン接手、１５・・・・・
・駆動軸、１６・・・・・・中間歯車、１７・・・・・
・軸受、１８・・・・・・軸受ブツシュ、１９・・・・
・・軸受ブツシュ、２０・・・・・・ブツシュ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 本体に回転自在に支持され、被加工物の貫通孔に嵌合可
   能な主軸と、該主軸内に主軸回転中心とは偏心した軸線
   まわりに回転自在に枢支され、その先端部が主軸先端か
   ら突出してなる刃具回転用軸と、該刃具回転用軸先端に
   固定された刃物台と、該刃物台に取付けられ、その切刃
   が刃具回転用軸中心から径方向に延びる位置にあるとと
   もに主軸先端面を向いた方向にある刃具と、前記主軸お
   よび刃具回転用軸をそれぞれ異なる回転数で同方向に回
   転駆動する手段とによってなることを特徴とする大径深
   穴の裏座ぐり加工装置。