JPS5817509Y2 - 垂直水平両面用の掛吊具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は物品を掛は吊りかつ取り外して掛吊収納する
ための掛吊具を、壁面のような垂直である面と棚板の下
面乃至天井のような水平である面との両者のいずれにも
対し任意選択的に取り付ける手段に関するものである。

掛金物の断面がＣ字形状をなすつりボルトはその屈曲の
程度が多いから垂直面のほか水平面に対して取り付けて
も鉤の尖頭が上向きに屈曲し被掛吊物品が脱落しない。

しかし断面がＬ字または１字形状をなす掛金物は、通常
垂直面に対して取り付けられるものであり、これを水平
面に対して取り付けると鉤の尖端部の屈曲の程度が少な
いから被掛吊物品を脱落させやすい不安定な状態となる
場合が生じる。

また１字形状の掛金物の主柱が棒状であって鉤としての
屈曲部と反対の部分をネジとなしたつりボルト並びにＣ
字形状の同様なつりボルトのいずれも、それらを水平面
である棚板の下面等に対して螺着的に取り付ける場合に
は、被掛吊物品の荷重の程度によっては垂直面への取り
付は使用の場合よりも比較的に抜けやすいから、その主
柱の棒を太くしもしくはネジ部分を長くするなどの必要
を生じさせ、棚板の厚みを超えたつりボルトのネジ部の
尖頭が棚に置かれた物品を損傷するような支障も生じる
。

即ち１本のネジにより掛吊具を水平面に対して取り付け
る場合には、上述のような難点がある。

この考案は簡単な手段によって、上記の欠点を除去する
ことを目的とする。

この考案の掛吊具を図面にもとづいて説明すると、第１
図に示すように、金属もしくは合成樹脂のいずれかの板
によりそれぞれに分離して形成された本体１と副体６と
が、第２図乃至第５図に示すように、本体１の取付面３
または鉤受承面４のそれぞれの外側もしくは内側のいず
れかの面に対して、副体６の装着部８の内面が接するよ
うに、両者を互換的に組み合わせて、掛吊鉤７を屈設し
た副体６を縦位置に保ったまま、本体１の取付面３に於
けるネジ孔５を介し垂直面または水平面のいずれもに対
する懸架を可能にしたことを特徴とする掛吊具である。

本体１は、副体６の幅よりも広くかつネジ孔５を副体６
の幅の外側に穿設しうる幅であり、またネジ孔５を穿設
しうる長さである取付面３の上方の辺から直角に折り曲
げて鉤受承面４を連設する。

その鉤受承面４の幅は取付面３の幅と同じく、またその
長さはネジ孔を設けない分だけ短くかつ副体６を装着し
て被掛吊物品による荷重に耐えうる長さである。

本体１にはさらに、後述する副体６に屈設した装着部８
の幅と厚みとを挿通させうる内法寸法である矩形の透孔
２を、取付面３と鉤受承面４とがなす稜のほは沖央が透
孔２の中心位置と合致するようにして穿設したものであ
る。

副体６は、本体１の稜に穿設した透孔２に挿嵌しうる幅
であり、掛吊機能に適当な長さにより、その下方の部分
に断面が１字形状もしくはコの字形状のいずれかに屈曲
した掛吊鉤７を前方へ向けて連設し、またその上方の部
分には、本体１の透孔２に於いてその板の厚みに対して
被覆的に装着しつる隙き間を保って断面が倒立Ｕ字形状
のように後方へ向けて折り曲げて装着部８を連設し、そ
の長さは本体１の取付面３の長さを超えない程度のもの
である。

この考案の第１使用例は、第２図、に示すように、本体
１の鉤受承面４を上位にかつ後方へ向は取付面３を垂直
に位置づけて、取付面３の内側の面（即ち第１図と第２
図における背面）に副体６の装着部８の内面が接するよ
うに、装着部８を透孔２に挿通して取付面３へ被覆的に
嵌着させるものである。

この場合には後方へ突き出た鉤受承部４を長押（なげし
）もしくは家具等の上面の端縁に引掛けてから取付面３
に於けるネジ孔５を介しそれらの垂直面に対し螺着によ
り懸架取り付けることができ、被掛吊物品の荷重に対し
もつとも合理的に耐えることとなる。

第２使用例は、第３図に示すように、本体１の鉤受承面
４を上位にかつ前方へ向け（即ち第１使用例の場合に比
較すれば取付面３を裏返えして）取付面３を垂直に位置
づけて、取付面３の外側の面に副体６の装着部８が接す
るようになし、第１使用例と同様に本体１と副体６とを
嵌着組み合わせるものである。

この場合は通常一般の垂直な壁面用の掛吊具と同様に、
任意の垂直面に対し懸架取り付けることができることに
なる。

第３使用例は、第４図に示すように、本体１の鉤受承面
４を手前に配置しかつこれを下方へ向け、取付面３を水
平に位置づけて、鉤受承面４の内側の面に副体６の装着
部８の内面が接するようになし、副体６を本体１へ第１
乃至第２使用例と同じ要領で嵌着組み合わせるものであ
る。

この場合は水平面例えば棚板の下面の任意な個所あるい
はその前端縁に沿う個所、または棚板もしくは家具等の
上面の前端縁に沿う個所のいずれかに於いて、取付面３
のネジ孔５を介し螺着により水平面に対する懸架取り付
けを可能とし、副体６の掛吊鉤７は対垂直面懸架の場合
と同様の状態で掛吊機能を果たすこととなる。

第４使用例は、第５図に示すように、本体１の鉤受承面
４を後方に配置しかつこれを下方へ向け、取付面３を水
平に作置づけて（即ち第３使用例の場合に比較すれば本
体１を１８０°水平方向に回して）、鉤受承面４の外側
の面に副体６の装着部８の内面が接するようになし、副
体６を本体１へ第１乃至第３使用例と同様な要領で嵌着
組み合わせるものである。

この場合には棚板の下面の任意な個所のほか、例えば壁
面に密接的に取り付けられてし）る吊り戸棚の下面に於
いて副体６をほぼ壁面に沿うようその下面のもつとも奥
となる個所に、螺着が困難であるタイル貼りの壁面に対
してではなく吊り戸棚の下面に対する懸架取り付けを可
能とすることとなる。

即ち被懸架個所の選択に止まらず被取付面の転換的な選
択もできることとなる。

この考案は上述のように、簡単な材料と加工方法とによ
って製造できるように構成した本体１と副体６とに分離
したことにより、それぞれ同一の部分品のままで、使用
者が簡単にそれらの組み合わせの方向を変えるだけで４
乃至５種類の懸架取り付は方法があり、別に特殊な形状
の掛吊鉤になすか、または掛吊鉤の付は根等に回動機構
を用いて掛吊鉤の主柱体部分を垂直に保って掛吊鉤の尖
頭部分を上向きとなしその取付座板の回動により対水平
面懸架をも可能とする構成のような複雑な手段を用いな
いで、垂直面と水平面との両面に対し任意選択的に懸架
取り付けができる掛吊具となるものである。

殊に、第１使用例における後方へ突き出た鉤受承面４を
長押もしくは家具等の上面に対し引掛けて懸架し、また
は第３使用例における後方へ向は水平に位置づけた取付
面３を棚板もしくは家具等の前端縁に沿う上面に掛は置
いて固着的に懸架して、被掛吊物品の耐荷重対策を一層
合理的になすことともなる。

さらに、これらの特徴を利用すれば、例えば家庭用電気
冷蔵庫もしくは金属製家具、金属製机等のように螺着に
よる取り付けが困難または無効（即ち木製材料に比較し
て板厚が薄くネジが利かない）であるような被取付面に
対しても、これらの対水平上面相は置き方法による使用
例に準じてこの考案の掛吊具を、懸架に適当な接着剤を
用いて取り付けることもできることとなる。

なおまた、第４使用例に述べたタイル貼り壁面のような
通常の木ネジによる螺着が著しく困難であったり、ある
いは螺着は容易に受けつけるがネジ孔となる損傷跡を付
けてはならないような場合の長押・家具等の正面となる
垂直面である個所に使用者が掛吊具を懸架する必要を生
じる場合に、長押・家具等の上面（ネジ孔路が正面より
も目立たない場合）において螺着するか、または第４使
用例に述べたようなタイル貼り壁面に隣接する吊り戸棚
の下面、即ちほぼ直角に隣接する他の被取付面を使用し
て掛吊具の懸架を可能にすることとなる場合もある。

この考案は上述のような特徴を有するものである。

この考案の掛吊具は、被掛吊物品による荷重の程度に応
じ適当な材料と寸法を選択し、また懸架取り付は用ネジ
の材料・太さ・長さを同様に選定すればよい。

通常は鉄板のような比較的に低摩で丈夫かつ加工しやす
い材料を用いて容易に製造することができるものである
。

また上述の特徴にもとづき、家庭用品・工具・その他の
物品のための掛吊具として多岐に使用で゛きるもので゛
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図はその考案の構成、第２図は第１使用例、第３図
は第２使用例、第４図は第３使用例、第５図は第４使用
例を示す、いずれもこの考案の掛吊具の斜視図である。 １・・・・・・本体、２・・・・・・透孔、３・・・・
・・取付面、４・・・・・・鉤受承面、５・・・・・・
ネジ孔、６・・・・・・副体、７・・・・・・掛吊鉤、
８・・・・・・装着部。 第１乃至第２使用例では、取付面３が鉤受承の作用を兼
ねるから、必ずしも適切な部分名称でないが、便宜上、
基本的な機能に基づいて名付けた。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 懸架取り付は用のネジ孔５を左右の端縁に寄せて穿設し
   うる幅と長さとをもつ板である取付面３の上方に、同じ
   幅と適当な長さとをもつ鉤受承面４を直角に折り曲げて
   連設し、またこれらの両面３．４がなす稜のほぼ中央に
   、副体６に屈設する装着部８を嵌通しうる内法寸法であ
   る透孔２を穿設した本体１と、並びに、物品を掛は吊す
   に適当な幅をもつ板でありかつその下方の部分に１字形
   もしくはコの字形のいずれかの断面形状となし物品の掛
   吊と取外しとに適切なようその尖端が上向きであるよう
   になした掛金物７を前方へ向けて連設し、またその上方
   の部分に本体１の板の厚さに対し被覆的に嵌着しうる隙
   き間を保って後方へ向は装着部８を屈設した副体６とを
   、それぞれ分離した別々の部分品となすことにより、副
   体６の装着部８を本体１の透孔２に挿入するに際して、
   本体１に於ける取付面３または鉤受承面４のいずれかに
   対して、しかもな゛おかつこれら両者３，４の外側もし
   くは内側のいずれかに対しても、副体６の装着部８の内
   面がそれぞれ接するようになして本体１の取付面３を垂
   直または水平のいずれかに選択的に位置付けできるよう
   に、本体１と副体６とを互換的に組み合わせるようにな
   した垂直水平両面用の掛吊具。