JPS5816179B2 - ハロゲン化銀カラ−写真感光材料用現像液 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はハロゲン化銀カラー写真感光材料用現像液、更
に詳しくは発色現像主薬としてｐ−フェニレンジアミン
誘導体またはその塩を使用する現像液中の濁りが防止さ
れた現像液に関するものである。

通常ハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理に用いられ
る発色現像液は、現像主薬としてｐ−フェニレンジアミ
ン誘導体またはこれらの塩、アルカリ剤として炭酸塩、
ホウ酸塩またはリン酸塩、保恒剤として亜硫酸塩ヒドロ
キシラミン塩等の現像剤成分を含有し、更に現像促進剤
として、水溶性有機溶媒例えばベンジルアルコール等ｔ
４んでいる。

一方、上記発色現像液を長期間使用するとその活性度が
低下するため、該発色現像液に補充液を添加し、現像で
失なわれた成分とオーバーフローによって失なわれた成
分の補充を行っている。

近年、この様な発色現像液は、その経済性と現像処理工
程から排出される現像剤廃液による公害等の理由から、
発色現像補充液が濃厚化される傾向にある。

さらに、現像薬品の混合、溶解等の作業を省力化するた
めに、水で稀釈するだけで容易に調製できる濃厚化され
た現像液の必要性も高まっている。

しかし、この濃厚化に伴い、アルカリ性、特にｐＨ９以
上のとき現像液中の発色現像主薬としてのｐ−フェニレ
ンジアミン誘導体やこれらの塩のアミン塩基が析出した
り水溶性有機溶媒としてベンジルアルコール等のコロイ
ド状油滴が析出し、液中に濁りを生じやすく、この濁り
は長期間の保存、特に低温における保存によって沈降し
、現像液の実質的な組成が変化する結果写真処理性能に
悪い影響を及ぼすという重大な欠点を有している。

更にほこの析出し沈降した結晶は現像機フィルターパイ
プの目づまり等のトラブルを起こす原因にもなる。

この欠点を除くために現像液中にクリコール類を添加し
、ベンジルアルコールの水への溶解を促すことが従来知
られている。

更に、ｐ−フェニレンジアミンの溶解度を高める技術と
して現像液中にアルキルベンゼンスルホン酸を添加する
こと（英国特許第６６９５０５号明細書）メチルセルロ
ースを添加すること（特公昭４６−４１６７６号公報）
、乳糖やヒト宅キシプロピルメチルセルローズのうち少
なくとも一種を添加すること（特公昭５０−２１２５０
号公報）及びビニルアルコールやビニルピロリドンの単
独重合体及びこれらの共重合体を添加すること（特公昭
４７−２０７４３号公報）が従来から知られている。

しかしながら、これらの化合物を現像液中に添加する方
法も種々の欠点を有している。

すなわちグリコール類は現像液１を当り１５、ゾ以上の
添加が必要であり、その結実現像廃液中の生物化学的酸
素要求量（ＢＯＤ）や、化学的酸素要求量（ＣＯＤ）が
著しく増大し、また経済的にも大きな負担となる。

さらにポリエチレングリコール等のグリコール類の添加
は、感度、ガンマ、最大濃度等の現像性への影響が考え
られる。

アルキルベンゼンスルホン酸の場合も１００〜２００ｇ
という大量添加が必要とされる。

又、一連のセルロース類は少量で現像主薬の溶解性を増
す上で効果を示すがメチルセルロースなどは一定量以上
の添加によって逆に現像液の濁りが増加するものもある
。

更ニビニルアルコールやビニルピロリドンの重合体の中
には現像液添加時には濁度的には効果を示すが、保存時
にｐ−フェニレンジアミン誘導体のアミン塩基等が析出
し、実用に供し得ないものもある。

本発明の目的は上記欠点を解決し、極めて少量の添加に
より公害的にも経済的にも優れた、濁りが防止されたカ
ラー写真感光材料用現像液を提供することである。

さらに別の目的は極めて濃厚でありながらも各組成物が
急速に溶解し、しかも長期間の保存によっても、これら
組成物が析出し、沈降することがないようなカラー写真
感光材料用現像液を提供することである。

本発明者等は種々の研究の結果（ａ）下記一般式〔Ｉ〕
で示される単量単位からなる重合体、又は（ｂ）下記一
般式［１）で示される単量単位の少なくとも一種とカル
ボン酸基を少なくとも１個含有するエチレン系不飽和単
量単位の共重合体、のうち少なくとも一種をｐ−フェニ
レンジアミン誘導体またはそれらの塩を含んだ発色現像
液に含有させることにより、上記目的が達成されること
を見い出した。

一般式 〔■〕 （たたし、式中Ｒは水素原子またはＮ換°未置換のアル
キル基、Ｘは置換・未置換のカルボン酸アミド、置換・
未置換の２−．３−．４−ピリジル基を表わす。

）上記一般式においてＲで表わされるアルキル基として
は、炭素数１〜４の低級アルキル基が本願発明において
は特に好ましい。

又、Ｘで表わされるカルボン酸アミド及び２−２３−２
４−ピリジル基に置換し得る基としては神様のものが選
はれるが、置換基を有してもよい炭素数１〜４の低級ア
ルキル基が特に好ましい。

更にカルボン酸アミドの置換基が互いに環を形成しても
よい。

また、本発明において使用するカルボン酸基を少なくと
も１個含有するエチレン系不飽和単量単位の中の他の置
換基としては、種々のものが選べるが、実技的には重合
体の水溶性を阻害しない基であることが望ましい。

本発明で用いられる重合体の分子量は特に制限はないが
１０００〜１０００００程度が好ましい。

また上はｂ）で表わされる共重合体には含窒素置換基を
有する単量単位が少なくとも１０モル％含まれていれば
本願発明の効果はあり更に重合体はアルカＩＪ 可溶性
であることが望ましい。

以下具体的な重合体の例を示す。

上記重合体は米国特許第２，６９４，６９７号、同第２
．６７５．３７０号明細書、英国特許第７１２．２２０
号明細書等に記載の方法によって容易に合成する事がで
きる。

これら重合体の現像液への添加量は、現像主薬アルカリ
剤の種類、濃度等によって異なり、また現像促進剤とし
て添加されるベンジルアルコールの濃度によっても異な
るが通常現像液１を当り０．０１〜５ｇ、特に好ましく
は０．０５〜１ｇの範囲で良好でかつ充分な効果が得ら
れる。

これらの重合体の現像液への添加は粉状または水溶液の
形で現像液調整時または調整された現像液等例れの段階
でもよいが、現像主薬の添加前に添加する方が一般によ
い効果が得られる。

次に本発明において好ましく使用できるｐ−フェニレン
ジアミン誘導体の代表的具体例を示すがこれらに限定さ
れるものではない。

−１ なお上記化合物を例えば硫酸、塩酸、リン酸、シュウ酸
、アルキルベンゼンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、
ナフタレンスルホン酸、アルキルスルホン酸その他の有
機酸もしくは無機酸により塩としたものも上記例示化合
物と同様に本発明に有効に用いることができる。

また本発明における発色現像主薬は単独であるいは２種
以上併用して、また所望により白黒現像主薬例えばハイ
ドロキノン等と併用して用いてもよく、更に発色現像液
は一般的にアルカリ剤例えば水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム、水酸化アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸
カリウム、硫酸ナトリウム、メタホン酸ナトリウム等を
含み、更に種々の添加剤例えばベンジルアルコール、ハ
ロゲン化アルカリ金属、例えば臭化カリウムあるいは現
像調整剤として例えばシトラジン酸等を含有してもよい
。

この発色現像液ＯｐＨ値は通常７以上であり、最も一般
的には約９〜１３である。

更に、これら発色現像主薬は一般に発色現像液１ｔにつ
いて約０．１〜約３０Ｆの濃度、更に好ましくは発色現
像液１ｔについて約１ｇ〜約１５ｇの濃度で使用する。

また本発明の重合体を含有した現像液を用いた現像処理
はカラーネガフィルム、カラーペーパー、カラーポジフ
ィルム、スライド用カラー反転フィルム、映画用カラー
反転フィルム、ＴＶ用カラー反転フィルムなどの一般の
ハロゲン化銀カラー写真感光材料等のいずれの処理にも
適用できる。

また本発明は現像液中でのベンジルアルコール等の水溶
性有機溶媒の有無にかかわらず適用されるものである。

さらに本発明はカラー写真用現像液の発色現像補充液に
適用されやすいが迅速処理やその他の目的のための濃厚
な発色現像液などにももちろん適用されるものである 以下実施例に従って本発明の詳細な説明するがこれによ
り本発明の実施の態様が限定されるものではない。

実施例 １ 下記の組成物からなる３つの濃縮液［ＩＬ［ＩＩ）〔■
■〕を順次適当量の純水に添加、混合、溶解し全量を１
ｔとしてｐＨ１０，６の現像液［Ａ）を作成した。

現像液 （Ａ） 組成物〔■〕 組成物（ＩＩ） 組成物〔■〕 この現像液［Ａ）に対して、組成物〔ｌＩ Ｅ中に下記
表に示したような本願発明に係る重合体のそれぞれの量
を添加して現像液〔Ａ〕と同様な方法によりそれぞれ現
像液を作成した。

また比較用試料として従来公知なビニルメチルエーテル
−マレイン酸／共重合体と特公昭４７−２０７４３号公
報記載のポリビニルピロリドン及びビニルピロリドン−
アクリルアミド／共重合体を含有した現像液を作成した
。

各現像液に対して濁度及び低温保存（５℃）時の結晶析
出の度合を測定した結果を下記の表に示す。

なお濁度は１」本精密光学株式会社製５ＥＰ−ＰＬ型ボ
イツク積分求式濁度計にて２０℃で測定した値である。

上記表−１から明らかなように本願発明に係る重合体を
現像液に添加した場合、濁度は無添加及び比較試料に比
べて、極めて良好であり、低温保存においても現像主薬
等の結晶析出が防止されており、現像主薬の溶解度が上
昇していることが判る。

また、上記発色現像液［Ａ〕中の現像主薬を３−メチル
−４−アミノ−Ｎ−エチル−Ｎ−（β−メタンスルホン
アミドエチル）アニリン硫酸塩に代えて、等モルの３−
メチル−４−アミノ−Ｎ−：Ｌｆ）Ｌ／−Ｎ−メトキシ
エチルアニリン−ｐ−トルエンスルホン酸塩を添加した
場合においても、本発明に係る重合体を現像液中に添加
した場合、同様の効果が得られた。

実施例 ２ 下記組成物ＣＩ ］ 、 （ＩＩ 〕、 〔１１Ｉ）か
らなる発色現像剤を水４００ｍ１に順次溶解し全量を５
００ｍ１として濃厚な現像液〔Ｂ〕を調製した。

組成物〔Ｉ〕 組成物（ＩＩ） 組成物〔■〕 得られた現像液は極めて濃厚なため調製後直ちに現像主
薬の針状結晶が析出し始め使用に供しえない。

これに対し組成物［ＩＬ（ＩＩ）を順次水４００ ｍｌ
に溶解した後本発明に用いられる重合体を添加し、次い
で組成物ＣＩＩＩＩを溶解し全量を５００ｍ１とする。

得られた現像液はいずれも濁りはなく室温で１週間保存
しても結晶の析出は見られない。

その結果を下記表−２に示す。

このような濃厚な現像液は、極めて活性であるので迅速
な現像処理に用いることもできるし、また稀釈して用い
ることもできる。

また上記現像所Ｂ〕中の現像主薬を３−メチル−４−ア
ミノ−Ｎ−エチル−Ｎ−（β−メタンスルホンアミドエ
チル）アニリン硫酸塩に代えて、等モルの３−メチル−
４−アミノ−Ｎ−エチル−Ｎ−メトキシエチルアニリン
−ｐ−トルエンスルホン酸塩、３−メチル−４−アミノ
−Ｎ−エチル−Ｎ−（２−（２−メトキシエトキシ）エ
チルコアニリン−ｐ−）ルエンスルホン酸塩および３−
メチル−４−アミノ−Ｎ−エチル−Ｎ−［２−（２−エ
トキシエトキシ）エチルコアニリン−ｐ−トルエンスル
ホン酸塩を使用した場合にも本発明に係る重合体を現像
液中に添加した場合、同様の効果が得られた。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ｐ−フェニレンジアミン誘導体またはそれらの塩か
   ら選ばれる発色現像主薬ならびに、（ａ）下記一般式〔
   Ｉ〕で示される単量単位から選ばれる少なくとも一種か
   らなる重合体、および（ｂ）下記一般式〔１〕で示され
   る単量単位から選ばれる少なくとも一種とカルボン酸基
   を少なくとも１個含有するエチレン系不飽和単量単位と
   の共重合体、のうち少なくとも一種を組み合わせて含有
   することを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料
   用現像液。 一般式ＣＤ （ただし、式中、Ｒは水素原子または置換・未置換のア
   ルキル基、Ｘは置換・未置換のカルボン酸アミドまたは
   置換・未置換の２−２３−または４−ピリジル基を表わ
   す。 ）