JPS5815978Y2 - ピアノのダンパ−機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、ピアノに付設されるダンパー機構の改良に
関する。

有鍵楽器として知られるピアノのダンパー機構は、各音
高の弦それぞれに対応して設けられ、何個独立に、昔た
同時に全部のダンパー機構が動作し得る如く構成されて
おり、非演奏時において弦を押圧しその、振動を阻止し
、押鍵操作あるいはペダル操作と連動して弦から離間し
、弦の振動を可能にするものであり、通常第１図に示す
ように構成されている。

これを同図に示すグランドピアノの例について説明する
と、ダンパー機構１は、端がダンパーレバーフレンジ４
に回動自在に枢支され、自由端が鍵盤３の後端部３ａの
上方に延在しているダンパーレバー５と、このダンパー
レバ＝５にダンパーブロック６を介して一端が固定され
、他端が弦２の上方に延在しているダンパーワイヤー１
と、このダンパーワイヤー７の上端に固定されたダンパ
ーヘッド８の下面に接着固定されたダンパーフェルト９
等から構成され、各音高の弦２と対応する各鍵盤３の後
端部３ａ上方に位置して配設されている。

そして非演奏時においては前記ダンパー機構１の自重に
よってダンパーフェルト９が弦２を押圧してその振動を
阻止しており、演奏時に鍵盤３の後端部３ａがダンパー
レバー５と当接してこれを上方に突き上げることにより
、上方に移動して弦２から離間し、その振動を可能なら
しめる。

捷た、上記構造において、それぞれのダンパー機構１を
構成する各ダンパーワイヤーＩは１２〜１３ｍの長さを
有してその上端においてダンパーヘッド８を保持するも
のであるため、演奏時におけるふらつきあるいはダンパ
ーフェルト９のおどり（復帰時における上下動）が生じ
易く、このためダンパーワイヤーＩはダンパー機構１の
並設方向（矢印Ａ方向）に沿って８８個の鍵盤全体に亘
って共通に横断延設されたダンパーガイドレール１０の
各小孔１１ａ・・・１１ｎに挿通されて上下方向、すな
わち軸方向に移動自在に支持されている。

なお、１２は前記ダンパーガイドレール１０を固定支持
するダンパーガイドレール駒である。

ところで、上記ダンパーガイドレール１０は平坦な板に
ダンパーワイヤーＩが挿通する多数の小孔１１ａ・・・
１１ｎを穿設して構成されるものであるため、その製作
は一見簡単且つ容易であるが、しかし実際には木材を使
用しているため環境の変化によって反りあるいはねじれ
等を生じないよう長期間に亘るンーズニング処理を必要
とし生産性が悪いばかりか、’ｈＪＬ １１ ａ・・・
１１ｎの穿設に際しては位置決め作業を必要とし、この
ための作業が煩雑でしかも長時間を要する不都合があっ
た。

捷た、小孔１１ａ・・・１１ｎの内壁面にはダンパーワ
イヤー１のふれ、おどり及び雑音の発生を防止するため
に、通常フェルトからなるブッシングを接着しているが
、この作業は小孔１１ａ・・・１１ｎの内径が比較的小
さいものであるため、煩雑で面倒なものであり、熟練を
要する欠点を有している。

従って、この考案は上記のような従来の欠点に鑑みて改
良されたもので、ダンパーガイドレールを省略して作業
性及び生産性を高めると共にダンパー機構を安定且つ確
実に保持し得るように、第１及び第２のダンパーレバー
を回動自在に枢支して上下方向に配設し、これらを連動
部材によって連動させると共に第２のダンパーレバーに
弦を押圧するダンパーを設けてなる新規なピアノのダン
パー機構を提供するものである。

以下この考案を図面に基づき詳細に説明する。

第２図はこの考案に係るピアノのダンパー機構の一実施
例を示す止面図である。

同図において、ダンパー機構２０は鍵盤２１の後端？ｆ
Ｂ２１ａの上方に位置して配設されており、一端がピア
ノの固定部側にダンパーレバーフレンジ２２を介して回
動自在に枢支された第１のダンパーレバ２３と、この第
１のダンパーレバー２３の上方に位置し一端が他のダン
パーレバーフレンジ２４を介して回動自在に枢支された
第２のダンパーレバー２５とを備え、前記第１のダンパ
ーレバー２３の自由端２３ａは前記鍵盤２１の後端部上
向に載置されて初期位置に係止されている。

前記第２のダンパーレバー２５の自由端２５ａ側にはダ
ンパー２６を構成するダンパーワイヤー２７の下端が固
定されており、上端は弦２８の上方に延在してダンパー
ヘッド２９を保持している。

前記弦２８は前記ダンパーヘッド２９に接着固定された
ダンパーフェルト３０によって上方から押圧されること
によりその振動を阻止されている。

一方、前記第１及び第２のダンパーレバー２３゜２５間
には連動部材３１を構成するねじ棒３２が配設され、そ
の下端は前記第１のダンパーレバー２３にダンパーブロ
ック３３を介して固定され、上端には釦３４が螺合され
該釦３４が常時第２のダンパーレバー２５の下面に当接
することにより該第２のダンパーレバー２５を支えてい
る。

従って、上記のような構成によるダンパー機構２０によ
れば、償奏時に鍵盤２１の前端２１ｂを押下することに
よって、後端部２１ａが第１のダンパーレバー２３を上
方に押し上げるため、釦３４が第２のダンパーレバー２
５を突き上げる。

この結果、ダンパーワイヤー２１は上方に移動してダン
パーフェルト３０が弦２８から離間し、もって弦２８の
振動を可能にする。

特に、上記構成による大きな特徴は、第１及び第２のダ
ンパーレバーを設けることによりダンパーワイヤー２７
の長さを従来のそれに比べて略％とすることができるの
で、ふらつきが少なくダンパーヘッド２９を安定に保持
することができ、このため演奏時においてもふれあるい
はダンパーフェルト３０のおどりの発生が少なく、良好
な動作を可能ならしめる点にある。

それ故、従来のダンパー機構におして必要としていたダ
ンパーガイドレールを省略することができる利点がある
。

しかも、第１及び第２のダンパーレバー２３゜２５間の
間隔、換言すればダン〉Ｚ−フェルト３０の弦２８に対
する押圧力は卸３４がねじ棒３２に螺合しているためこ
れを回動調整することにより、適宜な値に容易に可変設
定することができ、従ってダンパー２６の弦２８に対す
る止音効果を最適状態に設定し得る。

第３図はこの考案の他の実施例を示す要部の一部破断正
面図で、第１及び第２のダンパーレバー２３．２５を連
動部材３１によって連結させたものである。

すなわち、連動部材３１は第１のダンパーレバー２３の
上面に、右ねじ３５を形成したねじ棒３６を植設し、こ
れと苅向して第２のダンパーレバー２５の下面に左ねじ
３７を形成したねじ棒３８を垂設し、これら両ねし俸３
６．３８にナツト３９を螺合して構成され、前記第１及
び第２のダンパーレバー２３．２５間の間隔は前記ナツ
ト３９を回転調整することによって可変設定される。

このような構成によれば、第２図に示した実施例と異な
り、第１のダンパーレバー２３を鍵盤２１の後端部２１
ａ上面から浮かせた状態で配置することができるため、
ダンパー機構２０は非演奏時において鍵盤２１に負荷と
して作用しない。

従って、従来のダンパー機構と同様のタッチ感を得るこ
とができる。

なお、上記実施例はグランドピアノのダンパー機構に適
用した場合について説明したが、電気ピアノにも実施し
得ることは勿論である。

以上詳細に説明したように、この考案に係るピアノのダ
ンパー機構によれば、第１及び第２のダンパーレバーを
設けてこれらを連動させると共にダンパーワイヤーを短
かくしたので、ダンパーヘッドを安定に保持することが
でき、ダンパーガイドレールを除去することができる。

このため、ダンパーガイドレールのシーズニング、小孔
の穿設、ブッシングの接着等の煩雑で熟練を要する一切
の作業を省略することができ、作業性を大幅に改善する
ことができる。

しかも、第１及び第２のダンパーレバー間の間隔は連動
部材によって容易に可変設定し得るため、調整作業が簡
単で、止音効果を調整できるなど、その実用的効果は非
常に高いものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のグランドピアノにおけるダンパー機構の
要部斜視図、第２図はこの考案に係るピアノのダンパー
機構の一実施例を示す正面図、第３図はこの考案の他の
実施例を示す要部の一部破断正面図である。 ２０・・・・・・ダンパー機構、２１・・・・・・鍵盤
、２３・・・・・・第１のダンパーレバー ２５・・・
・・・第２のダンパーレバー、２６・・・・・・ダンパ
ー、２７・・・・・・ダンパーワイヤー ３１・・・・
・連動部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一端が回動自在に枢支され押鍵操作時に鍵盤によって押
   し上げられる第１のダンパーレバーと、同じく一端が回
   動自在に枢支され前記第１のダンパーレバーの上方に配
   設された第２のダンパーレバーと、前記第１°のダンパ
   ーレバーの自由端部に配設されて該レバーと前記第２の
   ダンパーレバーとの間隔を可変設定し、かつ前記第１の
   ダンパーレバーと一体に上昇して前記第２のダンパーレ
   バーを上昇させる連動部材と、前記第２のダンパーレバ
   ーの自由端部にダンパーワイヤーを介して配設され通常
   は弦を押圧してその振動を阻止し、前記鍵盤の押鍵操作
   時に前記第２のダンパーレバーと一体的に上昇すること
   により弦から離間されるダンパーとを備えたことを特徴
   とするピアノのダンパー機構。