JPS5814873Y2 - 食品連続熱処理装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は食品連続熱処理装置に関し、特に食品の種類
に応じて数種類の異なった熱処理ができる装置に関する
ものである。

菓子類、肉食類その他の各種食品を連続的に熱処理する
ために、従来から熱風処理装置が使用されている。

従来の熱風処理装置は、処理案内に熱風を送り込むと共
に、処理すべき食品を連続的に通過せしめるようになっ
ており、食品の種類に応じた加熱温度・湿度・時間等を
定めることができるようになっている。

しかし、食品はそれぞれの種類に最も適した熱処理方法
があるため、単に温度・湿度・時間を変化させるだけで
は多くの種類の食品に適用することができず、１種類又
はそれに似た処理条件の数種類の食品に適用できるに過
ぎなかった。

いいかえれば、汎用性に欠けるところがあった。

また、従来の装置は循環する熱風を直接食品に当てて処
理するようになっているため、熱風が直接当たる面の熱
処理がその反対面の熱処理よりも早く進行し、いわゆる
片こげ現象を起こす欠点もあった。

この考案は従来技術の上記の如き欠点を解消することを
目的としている。

以下、この考案を添付図面に基づいて説明する。

この考案に係る装置は、トンネル形の熱処理炉１を設け
、その一端を供給口２、他端を排出口３とし、ネットコ
ンベヤ４のキャリア側を供給口２から排出口３に通過せ
しめ、リターン側を熱処理炉１の下部に配置しである。

また熱処理炉１の供給口２に予熱室５を設け、排出口３
に、徐冷室６を設けである。

これらの予熱室５及び徐冷室６は熱処理炉１内における
処理条件又は食品の種類等により、必要に応じて設けら
れる。

なお、上記コンベヤ４のリターン側を処理室５内に配置
してもよい。

このようにすると、コンベヤ４を炉外に出すことによる
熱損失を防止することができる。

上記の熱処理炉１の内部は、第３図においてよくわかる
ように、上段のバーナ室７、中段の上部熱風室８、下段
の処理室９に大きく区画され、下段の処理室９内の底面
近くに下部熱風室１０を設けである。

上記バーナ室７の排出細麺部の天井には、第１図に示す
ように、排気孔１１と吸気孔１２とを設け、またバーナ
室７の中央部分にダクトバーナ１３、供給側端部に熱風
の循環ファン１４を設けである。

このバーナ室７は第２図に示すように、供給側の端部に
おいて通路１５によって上部熱風室８と連通ずると共に
、その通路１５の両側に設けた通路１６，１６によって
下部熱風室１０とも通じている。

また、上部及び下部熱風室８，１０は排出側においてバ
ーナ室７に通じている。

したがって、吸気孔１２から吸引された空気は、ダクト
バーナ１３によって加熱されて熱風となり、循環ファン
１４によって上部及び下部熱風室８，１０を通過し、吸
気量に応じた分だけ排気孔１１から排出されることにな
る。

上部及び下部熱風室８，１０は処理室９と鉄板製の隔壁
１７゜１８よって区画されているので、その隔壁１７゜
１８を介して処理室９内部を加熱することになる。

処理室９はその両端が供給口２及び排出口３に通じてお
り、その内部をコンベヤ４が通過している。

このコンベヤ４は上部熱風室８の隔壁１７と所要の間隔
をおいて対面している。

また、このコンベヤ４の下方、即ち下部熱風室１０の上
部には、蒸気配管１９が設げられている。

上記の処理室９内には水ａを一定深さ満すことができ、
水ａを満した場合、コンベヤ４はそれ自身の自重又は適
当なガイド装置によるたるみにより、第２図及び第３図
に示す如き冠水状態となる。

上記の水ａは下部熱風室１０によって直接また上部熱風
室８からは間接的に加熱される。

また必要に応じて蒸気配管１９からの蒸気による加熱も
付加する。

なお、水ａは食品の処理方法によっては不要である場合
がある。

その他、図中２０はコンベヤ用モータ、２１は循環ファ
ン用モータ、２２は必要によって設けられるこげ目付は
装置、２３は排水管である。

次に、上記装置による熱処理方法について説明するＯ 第１の処理方法は、処理室９に水ａを満し、コンベヤ４
を冠水せしめると共に、被処理食品を処理ケースＡに入
れ、これを第３図に示すように水ａにつげた状態で通過
せしめる。

上記の水ａは適宜な温度に上昇する１で加熱され、且つ
その水温と上部熱風室８の輻射熱によって食品を加熱す
る。

このような処理方法によると、加熱温度を上げても食品
の表面がこげず、また温水のもつ熱容量により、多くの
食品を一度に処理することができる〇したがって、この
方法は表面の硬化を避け、高温又は低温によって加熱処
理すべき食品に適している０ 第２の処理方法は上記の水ａを抜き、上部及び下部熱風
室８，１０からの輻射熱によって処理室９内部を加熱し
て、乾燥した状態で食品を加熱処理する方法である。

第３の方法は上記の各熱風室８，１０からの加熱を止め
、蒸気配管１９から処理室９内に放出する蒸気のみによ
って加熱処理する方法である。

最後に、第４の方法は、蒸気配管１９から放出する蒸気
と上部及び下部加熱室８，１０からの輻射熱によって加
熱処理する方法である。

この考案装置によれば、以上の如く、４通りの異なった
処理方法が可能であり、更に各方法においても処理条件
を適宜変えることにより、多種類の食品の熱処理に適用
することができる０また、処理室は加熱室から隔てられ
ているため、不完全燃焼のガスが入らない。

そのため、食品の熱処理装置であるにもかかわらず、熱
源に溶油や重油を使用することができる０また、処理案
内での熱風の移動は微小であるので、片こげ現象がなく
、むらなく処理できる等の利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は正面図、第２図はＡ−Ａ線の断面図、第３図は
Ｂ−Ｂ線の断面図である。 １・・・・・・熱処理炉、２・・・・・・供給口、３・
・・・・・排出口、４・・・・・・コンベヤ、７・・・
・・・バーナ室、８・・・・・・上部熱風室、９・・・
・・・処理室、１０・・・・・・下部熱風室、１３・・
・・・・バーナ、１４・・・・・・循環ファン、１９・
・・・・・蒸気配管。

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）熱処理炉の内部を上段から順にバーナ室、上部熱
   風室、処理室、下部熱風室に区画し、各熱風室と処理室
   の間を熱伝導良好な隔壁によって区画し、バーナ室と各
   熱風室とを連通せしめて熱風の循環路を形成し、処理室
   内部にコンベヤを通過せしめ、且つその処理室内部に蒸
   気配管を設けたことを特徴とする食品連続処理装置。
2. （２）上記の下部熱風室を処理案内部の底面に近い部分
   に形威し、上記のコンベヤ及び蒸気配管をその下部熱風
   室より上部に形成したことを特徴とする実用新案登録請
   求の範囲第１項に記載の食品連続熱処理装置。
3. （３）上記処理室内にコンベヤが冠水する深さの水を満
   したことを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項又
   は第２項に記載の食品連続熱処理装置。