JPH0311224Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は油焼入部品用直火式連続焼戻炉に関す
るものである。

（従来技術とその問題点） 従来、油焼入部品用直火式連続焼戻炉において
は、装入側に設けた焼入槽からの処理材に付着し
た油ヒユームが炉内に入ることを防止するため、
また、炉内で発生する油ヒユームを除去するた
め、装入扉上方および装入口近傍の炉天井にダク
トを設け、油ヒユームを炉外に排出する構成とな
つている。

しかしながら、油ヒユームは徐々にダクトにコ
ンデンスされて付着し、炉内の高温排ガスにより
着火して火災の原因となる。また、この油ヒユー
ムは熱量を有するにもかかわらずそのまま炉外に
排出することは、省エネルギー化を図るうえから
も好ましくないという問題点を有する。

したがつて、本考案は、油ヒユームの炉外への
排出をなくして火災の発生の防止するとともに、
油ヒユームを熱源として有効利用することのでき
る油焼入部品用直火式連続焼戻炉を提供すること
を目的とする。

（問題点を解決すべき手段） 本考案は、前記目的を達成するために、油焼入
部品用直火式連続焼戻炉の加熱・均熱帯装入部
に、天井仕切壁を介して予熱帯を連設し、前記予
熱帯に天井循環フアンとバツフルとからなる雰囲
気強制循環装置とふく射管とを取り付ける一方、
前記加熱・均熱帯に前記同様の雰囲気強制循環装
置を炉長方向に複数配設するとともに、前記天井
仕切壁近傍の加熱・均熱帯側に直火式バーナを備
えたヒユーム燃焼室を設け、このヒユーム燃焼室
を隣接するバツフル内と連通させ、かつ、前記ふ
く射管の一端部を前記ヒユーム燃焼室に接続した
構成としたものである。

（実施例） つぎに、本考案の一実施例を図面にしたがつて
説明する。

図において、１は本考案にかかる連続焼戻炉
で、加熱・均熱帯１２の装入部には、天井仕切壁
２を介して予熱帯３が連設され、加熱・均熱帯１
２の抽出口には循環フアンを有する冷却室（いず
れも図示せず）が設置されている。

前記予熱帯３の天井部には、循環フアン９とバ
ツフル１０とからなる雰囲気強制循環装置８が設
けてある。また、前記バツフル１０内にはジグザ
グ状にふく射管４が配設され、その一端は、バー
ナ燃焼用空気を加熱する熱交換器５を介してダク
ト７に接続している。なお、６は炉圧制御用ダン
パーである。

一方、加熱・均熱帯１２の天井部には、前記雰
囲気強制循環装置８と同様、循環フアン１４、バ
ツフル１５からなる雰囲気強制循環装置１３が炉
長方向に複数配設されている。そして、前記天井
仕切壁２の加熱・均熱帯１２側に空気過剰状態で
燃焼させる直火式バーナ１６を備えたヒユーム燃
焼室１７が設けてある。このヒユーム燃焼室１７
は隣接する雰囲気強制循環装置１３₁のバツフル
１５内と連通するとともに、前記ふく射管４の他
端と接続している。

なお、図中、１１は装入扉、１８は連続焼戻炉
１に設けた搬送ローラ、１９は直火式バーナであ
る。

前記構成からなるため、炉１内に装入された処
理材（油焼入部品）Ｗは、予熱帯３で、ふく射管
４からのふく射熱と、雰囲気強制循環装置８のバ
ツフル１０のスリツト１０ａから噴出する高温雰
囲気により対流予熱され、その後、加熱・均熱帯
１２で、雰囲気強制循環装置１３のバツフル１５
のスリツト１５ａから噴出する高温雰囲気で加熱
され、抽出口から冷却室に至り、ここで所定温度
に冷却されたのち、炉外に抽出される。

ところで、予熱帯３あるいは加熱・均熱帯１２
の予熱帯３側で発生した油ヒユームは、雰囲気強
制循環装置１３₁のバツフル１５内に循環フアン
１４の吸引作用により加熱・均熱帯１２の排ガス
とともに吸引混合し、その後、昇圧されて、ヒユ
ーム燃焼室１７に導入される。この排ガス中の油
ヒユームは空気過剰状態で燃焼される直火式バー
ナ１６により完全燃焼される。そして、この燃焼
された高温の排ガスは前述のように、加熱・均熱
帯１２の排ガスと一緒にふく射管４を通り、その
間に処理材Ｗを予熱したうえ、炉外に排出される
ことになる。

なお、前記実施例では、油ヒユームの燃焼用空
気を直火式バーナ１６で供給するようにしたが、
別途、ヒユーム燃焼室１７に、空気供給口を設け
て供給するようにしてもよい。さらに、ふく射管
４は、第３図に示すように、予熱帯３の両側壁近
傍にジグザグ状に配設して、その一端を熱交換器
５を介してダクト７に、他端をヒユーム燃焼室１
７に接続するようにしてもよい。

（考案の効果） 以上の説明で明らかなように、本考案によれ
ば、その加熱時に生じる油ヒユームはヒユーム燃
焼室で完全燃焼させられるため、炉内あるいはダ
クトにコンデンスされて付着することがなく、火
災の危険性はない。また、油ヒユームは完全燃焼
され、その熱はふく射管を介して処理材の予熱源
として利用され、省エネルギーを図ることができ
る。さらに、予熱室のふく射管には、油ヒユーム
の燃焼排ガスと加熱・均熱帯の排ガスが通過する
とともに、処理材は強制対流で予熱されるため、
予熱効果の向上を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案にかかる油焼入部品直火式連続
焼戻炉の要部断面図で、第２図は第１図の−
線断面図で、第３図は他の実施例を示す部分断面
図である。 １……直火式連続焼戻炉、２……天井仕切壁、
３……予熱帯、４……ふく射管、７……ダクト、
８，１３……雰囲気強制循環装置、９，１４……
循環フアン、１０，１５……バツフル、１２……
加熱・均熱帯、１６……直火式バーナ、１７……
ヒユーム燃焼室、Ｗ……処理材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 直火式連続焼戻炉の加熱・均熱帯装入部に、天
   井仕切壁を介して予熱帯を連設し、前記予熱帯に
   天井循環フアンとバツフルとからなる雰囲気強制
   循環装置とふく射管とを取り付ける一方、前記加
   熱・均熱帯に前記同様の雰囲気強制循環装置を炉
   長方向に複数配設するとともに、前記天井仕切壁
   近傍の加熱・均熱帯側に直火式バーナを備えたヒ
   ユーム燃焼室を設け、このヒユーム燃焼室を隣接
   するバツフル内と連通させ、かつ、前記ふく射管
   の一端部を前記ヒユーム燃焼室に接続したことを
   特徴とする油焼入部品用直火式連続焼戻炉。