JPS5814048B2 - 磁気ヘッド用多結晶Mn−Znフェライト - Google Patents

磁気ヘッド用多結晶Mn−Znフェライト

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JPS5814048B2
JPS5814048B2 JP49012965A JP1296574A JPS5814048B2 JP S5814048 B2 JPS5814048 B2 JP S5814048B2 JP 49012965 A JP49012965 A JP 49012965A JP 1296574 A JP1296574 A JP 1296574A JP S5814048 B2 JPS5814048 B2 JP S5814048B2
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ferrite
polycrystalline
sliding noise
crystal
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小沢和典
竹井裕
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、磁気ヘッドに適用される多結晶Mn−Znフ
エライトに係わり、特にその結晶粒を大となすと同時に
摺動雑音の低減化を図らんとするものである。
フエライト材料は、金属材料に比較して耐摩耗性に優れ
、且つ高い固有抵抗を有するために渦電流損失が少なく
高周波特性に優れる等、磁気ヘッド材料として好適であ
り、近年オーディオ・ビデオ磁気ヘッドとして広く用い
られるようになった。
然し乍ら、反面フエライト材は磁気ヘッドに使用した場
合、再生の際のテープ走行時にテープからの圧力変動に
応じて発生する摺動雑音が他の磁性材料に比較して大き
い欠点がある。
フエライトに於ける摺動雑音は、その結晶粒の大きさと
透磁率の大きさに依存し、結晶粒径が小さい程、また透
磁率が小さい程雑音レベルが低下する。
特に結晶粒に関しては粒径が50μ以下であれば実用上
問題ない。
然るに、フエライトにおいてその結晶粒を小さくするに
は一般に焼成温度を下げて結晶成長を抑制する方法によ
っているために、粒界強度が弱まり、またフエライト化
が充分進まず、ヘマタイトが発生して特性劣化を招く慣
れがある。
また粒子間の空隙が完全に逃げ切らなhで結晶粒界の交
差部分に空孔が残留しやすい。
従って結晶粒自体がテープ走行によって剥離し空孔の周
囲が欠損して拡大し磁気ヘッドの周波数特性に悪影響を
与える。
更に磁気ヘッドの場合、その加工工程でのギャップ融着
工程に於てフエライトと之を融着するガラスとが反応す
る現象がありフエライトは結晶粒界を通してガラス成分
に侵される。
このとき結晶粒界体積の大きい即ち結晶粒径の小さい結
晶ほどガラス成分に侵され易い。
従って、基本的には摺動雑音の問題さえなければ結晶粒
は大きい方が好ましいが、上述より明らかな如く摺動雑
音と結晶粒とは互に相反する関係にあり、従来より両者
を満足させることは困難であった。
一方、結晶粒径の巨大なものの極限として存在するのが
単結晶フエライトである。
この単結晶フエライトに関しては、既にSnO2を析出
させて磁区の細分化又は磁壁の易動度の抑制を図り、摺
動雑音を低減せしめることが知られている。
然し、多結晶フエライトにおしてこの方法即ち異種元素
物質を添加し結晶粒内に均一に析出させるのは極めて困
難である。
何故ならば多結晶に於てぱ、一般に不純物が結晶粒の成
長時に粒界に掃き出されるかのように結晶粒界に局在し
、析出も粒界に沿って現われるので粒内に均一に析出し
にくい。
また、摺動雑音が低減される程の析出効果を得るには多
量の不純物を混入しなければならないが、殆んどの不純
物は微量に添加する場合を除いて結晶粒の成長を抑制す
る作用を有し、結晶粒は数十μ以下となって初期の目的
である結晶粒を大きくすることに反する。
この様に多結晶フエライトにおいて不純物を添加しその
析出効果によって摺動雑音の低減を実現することは単結
晶の場合と本質的に異なり技術的に極めて困難である。
本発明は、かかる点に鑑み結晶粒が大きく、且つ摺動雑
音が低減した磁気ヘッド用多結晶Mn−Znフエライト
を提供せんとするものである。
本発明者は、種々の実験考察の結果、Mn−Znフエラ
イト原材料にランタン酸化物(La203)を添加する
と結晶粒の大きい、しかも摺動雑音の低減した多結晶M
n−Znフエライトが得られるを認め、又、かかるラン
タン酸化物と例えIdX,ro2,Tie2,Cr02
,Ta205,Mo03,Al203,NbO5等の如
き高硬度酸化物を組合せて添加した場合には更に優れた
目的とする多結晶Mn−Znフエライトが得られるを認
めた。
即ち第1図はMn−Znフエライト原材料に対してラン
タン酸化物(La203)を添加し、又高度酸化物とし
てジルコニウム酸化物(ZrO2)を添加したときの夫
々の添加量と成長した結晶粒径との関係を示す結晶粒径
分布特性図で、横軸にランタン酸化物(La203)の
添加量(重量%)をとリ、縦軸にジルコニウム酸化物(
ZrO2)の添加量(重量係)をとって示す。
又図中に記した具体的数値は夫々曲線で囲まれた範囲内
での平均的な結晶粒径の大きさであり、単位はμmで示
す。
第1図より明らかなようにランタン酸化物(La203
)の添加が結晶粒の成長に寄与し、特にその添加量が0
.02重量%以下においては結晶粒径が極めて小さく且
つ不安定であるも、0.02重量%以上に於ては均一な
巨大結晶が現われ、具体的数値で示す如くその添加量と
共に漸次結晶粒径が大きくなる。
なお粒径は焼成条件(温度と雰囲気)及びLa203量
の制御で数百〜数千μmの制御が可能である。
第3図は、ランタン酸化物(Laz03)及びジルコニ
ウム酸化物(ZrO2)の夫々の添加量と最終的に得ら
れた多結晶Mn−Znフエライトの透磁率との関係を示
す透磁率の分布特性図で、横軸にランタン酸化物(La
203)の添加量(重量%)をとり、縦軸にジルコニウ
ム酸化物(Zr02)の添加量(重量%)をとって示す
また図中に配した具体的な数値は夫々曲線間に囲まれた
範囲内での平均的な透磁率の値である。
この第3図より明らかなようにランタン酸化物(La2
03)及びジルコニウム酸化物(zrO2)共にその添
加量が増せば漸次透磁率が小となる。
之は添加量を増すことによって摺動雑音の低減化が図れ
ることを示唆している。
第2図は、ランタン酸化物(La203)及びジルコニ
ウム酸化物(ZrO2)の夫々の添加量と最終的に得ら
れた多結晶フエライトの摺動雑音との関係を示す特性図
である。
なお摺動雑音の測定は、標準テープ(テープ速度19c
m/sec)を用い400HzにてOdBを0.775
Vと定義し、イコライザーで40Hz〜12.5KHz
までフラットに調整した後測定したものである。
このようにして摺動雑音を測定した結果、第2図に示す
如く曲線1,4及び5にて囲まれた領域Aが最も摺動雑
音が低減されパーマロイと同程度となるを認め、以下曲
線1、2及び5で囲まれた領域B1曲線2及び3で囲ま
れた領域C及び曲線3と横軸で囲まれた領域Dの順にそ
の雑音レベルが高くなるを認めた。
なお、領域Dは他の領域に比して雑音レベルが高いも使
用規格に入る程度の摺動雑音である。
又、第2図においてランタン酸化物の添加量が0.02
重量係以下の斜線にて示す領域Eは結晶粒径が小さすぎ
て実際の使用に不適当であり、又外周の斜線にて示す領
域Fは透磁率が小さ過ぎ磁気ヘッドとして適用した場合
には不適当である。
なお磁気ヘッドとして適用した場合、その結晶粒径は少
なくともトラック巾より小なることが望ましい。
これは例えば結晶粒がトラック巾より大きいと、結晶粒
の機械的異方性によってヘッドキャップ部の摩耗が局部
的に大きくなって長期使用に耐えないことになる。
第4図は本発明のフエライトと不純物添加しなイ従来の
フエライトとを比較した摺動ノイズスペクトラムである
曲線Cは測定時の測定器からのノイズ、曲線bは不純物
を添加しない従来のフエライトの場合、曲線a1〜a3
は本発明のフエライトの場合であり、夫々次の表に示す
不純物添加、透磁率及び結晶粒径を有したものである。
かかる第4図の特性図より本発明によるフエライトの摺
動ノイズが従来のフエライトに比して著しく低減される
のが認められる。
上述の各特性図より明らかなようにランタン酸化物は非
常に微量の添加で巨大な結晶作用を発揮しランタン酸化
物を単独で適当量添加した場合でモ多結晶Mn−Znフ
エライトの結晶成長を促進させると共に、その摺動雑音
が低減でき、更にランタン酸化物と高硬度酸化物を共に
添加した場合は、ランタン酸化物が主として結晶粒の成
長に寄与し、高硬度酸化物が磁壁の移動を阻止する結晶
粒内の析出部分を構成して、一層摺動雑音が低減する。
即ち、ランタン(La3+ 1.22Å)はフエライト
構成金属元素のイオン半径(Fe3+ 0.67Å,F
e2+0.8 3 Å,Mn2+0.91Å,Mn4+
0.52Å,Zn2+0.83Å) に比較して大きな
イオン半径を有するので、フエライトには殆んど固容し
ない。
従って多成分粒子系の成型体であるフエライトの焼結で
は不純物を添加しない場合の焼結機構は固相焼結である
が、La203の添加により固体粒子間の物質移動が活
発化し、結晶成長が著しく促進される。
特にその結晶成長促進効果はランタン以外の添加物に比
較して桁違いに大きく、同時に他の高硬度酸化物、高融
点酸化物の如き不純物を多量に添加してもその結晶成長
促進効果は弱まることがない。
析出部分を構成する不純物はフエライトとの親和性がよ
くテープ走行で剥離しないものが要求され、且つフエラ
イトより先に摩耗しては空孔が生ずるのと同じことにな
りヘッドの周波数特性などに悪影響を及ぼすので硬い物
質が望ましい。
例えばZr,Ti,Ta,Mo,Nb,Al,Cr等の
酸化物を用いることが出来、その中でもZrO2の析出
部はフエライトと良くなじみテープ走行試験では最も良
好であるを認めた。
テープ走行時における摺動雑音は、従来より種種の検討
がなされてきたが、その原因、メカニズムは必ずしも明
確にされていない。
凡そ逆磁歪効果による磁壁の移動に起因するものと思わ
れる。
従って摺動雑音を低減する方法としては、何らかの手段
で磁区を細分化することによって磁壁の総体積を増大さ
せ、テープ走行時にテープからの圧力変動に対応して起
る磁壁の動きの移動距離を短かくする方法、或は磁壁の
動きそのものを抑制するか、変位の緩和時間を変える方
法が考えられる。
又磁歪定数の違いも雑音に反映されるであろう。
本明細書の冒頭で述べた結晶粒を小さくすることによる
摺動雑音の低減効果は主として磁区の細分化に起因する
と考えられる。
また結晶粒内に不純物を析出させることは磁区を細分化
する意味で結晶粒を小さくすることと同等に考えられ、
本発明で著しく摺動雑音が低減したのはこのためと考え
られる。
次に本発明の実施例を述べるも、本発明にかかる実施例
に限るものではない。
実施例 組成: Fe203 5 2.5 モル%Zr
0 20.5 モル% Mn0 27 モル% La203 0.08重量% ZrO2 0.5 重量% 上記原材料を湿式ボールミルにて12時間混合し添加物
を十分に分散させたのち赤外線乾燥し粉砕する。
再び湿式ボールミルにて24時間微粉砕し、乾燥後充分
ほぐして高圧プレス( 1ton/cm2)を行い次の
条件で焼成する。
昇温速度100℃/時間で1200℃まで窒素ガス雰囲
気中で昇温し、酸素圧(Po2)0.1atmの雰囲気
に代えて1時間保持する。
その後酸素圧0.25atmの雰囲気で1300°Cま
で昇温速度160°C/時で昇温し、酸素圧1.0at
mの雰囲気にして1400℃まで160°C/時で昇温
する。
1400℃で1.5時間保持して後、酸素圧0.0 0
5atmの雰囲気に代え降温速度100℃/時で12
00℃まで冷却し、その温度で4時間保持した後酸素圧
を更に減らし乍ら徐冷する。
このようにして得た多結晶Mn−Znフエライトより磁
気ヘッドを作製した場合、その結晶粒径が800μであ
ったが結晶粒径30μと同等以上の著しい摺動雑音の低
減がみられ、且つ音質面でも澄んだ音が得られ、高信頼
性、低雑音、音質向上の磁気ヘッドが得られた。
なお、このときの磁気特性は、最大磁束密度Bsが43
10゜〔Gauss〕、残留磁束密度Brが1820(
Gauss,]、抗磁力Hcが0、16〔Oe〕、透磁
率μが2415(0.5mOeに於て)であった,また
結晶粒径は500〜800μであった。
上述せる如〈、本発明によればランタンの酸化物と高硬
度酸化物の複合添加により結晶粒径が大きく且つ低雑音
の多結晶Mn−Znフエライトが得られるので、磁気ヘ
ッド用として好適ならしめるものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の説明に供するLa203及びZrO2
の添加奄とフエライトの結晶粒径との関係を示す特性図
、第2図は本発明の説明に供するLa203及びZr0
2の添加量とフエライトヘッドの摺動雑音との関係を示
す分布特性図、第3図は本発明の説明に供するLa20
3及びZrO2の添加量とフエライトの透磁率との関係
を示す特性図、第4図は従来のフエライトより成る磁気
ヘッドと本発明のフエライトより成る磁気ヘッドとの摺
動雑音スペクトラムを比較した特性図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 Zr,TI,Ta,Mo,Nb,Al,Crより選
    ばれた金属の高硬度酸化物とランタンの酸化物が複合添
    加されてなり、前記高硬度酸化物が結晶粒中に析出され
    てなる磁気ヘッド用多結晶Mn−Znフエライト。
JP49012965A 1974-01-31 1974-01-31 磁気ヘッド用多結晶Mn−Znフェライト Expired JPS5814048B2 (ja)

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