JPS6343359B2 - - Google Patents

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JPS6343359B2
JPS6343359B2 JP55166223A JP16622380A JPS6343359B2 JP S6343359 B2 JPS6343359 B2 JP S6343359B2 JP 55166223 A JP55166223 A JP 55166223A JP 16622380 A JP16622380 A JP 16622380A JP S6343359 B2 JPS6343359 B2 JP S6343359B2
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acicular
ferrite
plane
particle
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Hisanori Bando
Toshio Takada
Yasukuni Ikeda
Yoshitaka Toshima
Koichi Okuda
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、新規な結晶方位をもつ針状α―
Fe2O3粒子及びその製造法に係るものであり、そ
の主たる目的は、従来全く知られていなかつた針
状方向が〔0001〕方向、板状面が(1210)面で
ある針状α―Fe2O3粒子を提供するにある。
本発明の他の目的は、優れた磁気的特性、特に
高抗磁力を備えたところの磁気記録材料用針状磁
性粒子の出発原料となる新規な結晶方位をもつ針
状α―Fe2O3粒子を提供するにある。
本発明の他の目的は、優れた機械的特性、特に
高耐摩耗性を備えたところの磁気ヘツド材用配向
性スピネルフエライトの出発原料となる新規な結
晶方位をもつ針状α―Fe2O3粒子を提供するとこ
ろにもある。
更に、本発明の他の目的は、優れた磁気特性、
特に高抗磁力を備えたところの焼結又はゴム・プ
ラスチツク磁石用六方晶系Ba又はSrフエライト
の出発原料となる新規な結晶方位をもつ針状α―
Fe2O3粒子を提供するところにもある。
周知の通り、α―Fe2O3粒子は種々の方法によ
つて製造されており、その結晶方位についても検
討が加えられ報告されているが、本発明に係る針
状α―Fe2O3粒子の如き結晶方位をもつものは全
く報告されていない。
本発明者は、酸化鉄粒子の結晶方位、結晶形態
につき永年にわたり系統的な研究を続けているも
のであるが、今般、全く新規な結晶方位をもつ針
状α―Fe2O3粒子が存在することを見出したもの
である。
即ち、第1図は本発明に係る針状α―Fe2O3
子の電子顕微鏡写真であり、第2図は、第1図の
針状α―Fe2O3粒子1ケの電子顕微鏡写真A、こ
れに対応する電子回折像B、その暗視野像Cであ
る。また第3図は、第2図の針状α―Fe2O3粒子
の制限視野回折像に結晶学的指数をつけたもので
ある。
第1図〜第3図から、一本一本の針状粒子はα
―Fe2O3の単結晶粒子であり、針状方向は
〔0001〕方向であつて、板状面(粒子の面:―注
―紙面に平行)は(1210)面であることが明確
にわかる。
更に、第4図は、第1図の針状α―Fe2O3粒子
の走査型電子顕微鏡写真であり、同図に示されて
いる通り、この粒子の〔0001〕面(断面)は六角
形であり、この針状α―Fe2O3粒子は六角柱であ
ることがわかる。
尚、上掲第1図〜第4図は後出実施例4におい
て得た針状α―Fe2O3粒子についてのものであ
る。
また、上記の結晶方位をもつ針状α―Fe2O3
子を還元した針状Fe3O4粒子、これを酸化した針
状γ―Fe2O3粒子の結晶方位は、いづれも、針状
方向が〔111〕方向であつて、板状面が(211)
面である。かゝる結晶方位をもつ針状Fe3O4
子、針状γ―Fe2O3粒子も全く新規なものであ
る。
更にまた、上記の結晶方位をもつ針状α―
Fe2O3粒子を金属にまで還元すると針状Fe粒子が
得られる。
上記の通りに針状方向が〔0001〕方向であつて
板状面が(1210)面である本発明に係る新規針
状α―Fe2O3粒子は、次に述べる如く極めて有用
なものである。
本発明に係る針状α―Fe2O3粒子は、針状方
向が〔0001〕方向であるので、換言すれば、
〔0001〕方向に長軸方向を持つているので、前
述の通り、これを還元して得られるFe3O4
子、再酸化して得られるγ―Fe2O3粒子の長軸
方向はいづれも<111>方向である。
一方、現在、磁気記録材料(例えば磁気テー
プ)用磁性粒子として汎用されているFe3O4
子、γ―Fe2O3粒子は、針状α―FeOOH粒子
を酸化、還元、再酸化して製造されており、周
知の通り、その結晶方位関係は下記の通りであ
る。
α―FeOOH Fe3O4 γ―Fe2O3 (100) ″ (111)″ (111) 〔001〕 ″ 〔101〕″ 〔101〕 〔010〕 ″ 〔121〕″ 〔1
21〕 即ち、長軸方向は〔110〕方向になつている
のである。
針状Fe3O4粒子および針状γ―Fe2O3粒子の
結晶磁気異方性定数Kは負であるから、磁化容
易方向は<111>方向であり、このことは形状
異方性による磁化容易軸(長軸方向)と35゜の
角度をもつていることになるが、この場合は高
抗磁力を得るのには不利である。高抗磁力を得
るためには結晶磁気異方性による容易磁化方向
と形状磁気異方性による磁化容易方向とが一致
していることが望ましいのは当然である。
もし、〔0001〕方向に長軸方向を持つている
針状α―Fe2O3粒子が存在すれば、これを還
元、再酸化して得られるFe3O4粒子、γ―
Fe2O3粒子の長軸方向は<111>方向となるか
ら、結晶磁気異方性による容易磁化方向と形状
磁気異方性による磁化容易方向とを一致させる
ことができるのである。
しかし、α―Fe2O3粒子の結晶構造は六方晶
系で、〔0001〕方向が酸素の最密充填方向であ
るため、結晶成長の常識からすれば、(0001)
面が発達した六角薄板状の結晶粒子が得られる
と考えるのが一般的であり、事実、従来からα
―Fe2O3粒子は水溶液法(高温、高圧のオート
クレーブを用いるものも含む。)、フラツクス
法、気相成長法等々の種々方法で合成されてい
るが、いづれの場合も(0001)面の発達した六
角薄板状結晶が生成したと報告されているので
ある。
ところが、本発明に係る針状α―Fe2O3粒子
は〔0001〕方向に長軸方向を持つものであり、
これを還元、再酸化して得られるFe3O4粒子、
γ―Fe2O3粒子の長軸方向は<111>方向とな
るものであるから、本発明に係る針状α―
Fe2O3粒子を出発原料とすれば、結晶磁気異方
性による容易磁化方向と形状磁気異方性による
磁化容易方向とが一致した高抗磁力を備えた磁
気記録材料用針状磁性粒子が得られるのであ
る。
更に、針状α―FeOOH粒子を出発物とする
場合と比較して、熱処理時の酸素の出入りが少
ないので、出発物の粒子形態を可及的に保持さ
せることができるので、例えば磁気テープに用
いる場合には、テープ方向に<111>方向を配
向させ易く、磁気テープの表面特性がよくな
り、S/N比、記録密度の向上も期待できるの
である。
本発明に係る針状α―Fe2O3粒子は板状面が
(1210)面であるので、換言すれば、(12
10)面が発達しているので、加圧することによ
つて容易に(1210)面を配向させることがで
きる。
一方、磁気ヘツド材用配向性スピネルフエラ
イトとしてMn―Znフエライトが知られてお
り、周知の通り、このものは、〔0001〕面の発
達したα―Fe2O3粒子を用いて、α―Fe2O3
子が〔0001〕方向に配向すること並びに出発物
であるα―Fe2O3とこれとγ―MnOOH、ZnO
との反応生成物であるMn―Znフエライトとの
間に三次元的な結晶方位関係(トポタキシー)
があることを利用し、Mn―Znフエライトの結
晶粒を〔111〕方向に配向させた異方性焼結体
である。
上記のMn―Znフエライトを用いたヘツド
は、一般のテープレコーダーには実用されてい
るものであるが、上記Mn―Znフエライトの
(111)面は磨耗し易いものであり、この為ビデ
オレコーダーに用いられるヘツドとしては磨耗
しにくい(110)面または(211)面を持つもの
が要求されており、現在ではビデオレコーダー
に用いるヘツドとしては単結晶から(110)面
または(211)面を切り出したものが実用され
ている。しかし単結晶ヘツドには、所望の磁気
特性を得るために組成を自由に変化させること
が困難であるという欠点や、加工が難しいとい
う欠点、更にはノイズが入り易いという欠点が
あり、この為、多結晶体でしかも(110)面ま
たは(211)面をもつた磁気ヘツド材用配向性
スピネルフエライトの出現が要望されている。
本発明に係る針状α―Fe2O3粒子は、(12
10)面が発達した粒子であり、加圧によつて容
易に(1210)面を配向させることができるも
のであるから、これを出発物とし、下記のトポ
タクシーの結晶学的関係を利用すれば、Mn―
Znフエライトの結晶粒を〔211〕方向に配向さ
せた異方性焼結体を得ることができ、多結晶体
でしかも(211)面をもつた磁気ヘツド用配向
性スピネルフエライトを提供することができる
のである。
(1210)〔1010〕α―Fe2O3(211)
〔022〕Mn―Znフエライト 本発明に係る針状α―Fe2O3粒子は、針状方
向が〔0001〕方向のものであり、換言すれば
〔0001〕方向に大きな粒径を持つものであり、
しかも(0001)面の粒径は0.05〜2μである。
一方、粒子の配向性を利用して六方晶系Ba
フエライト、Srフエライトが焼結又はゴム・
プラスチツク磁石用材料として汎用されてお
り、この製造法は周知の通り、(0001)面の発
達したBaフエライト粒子、Srフエライト粒子
は水溶液法、フラツクス法、固相反応法等によ
り生成させ、これを磁場中で成型して粒子を
〔0001〕方向に配向させ、1200℃以上の高温で
焼結するか、或はゴム・プラスチツク中に分散
させて焼結又はゴム・プラスチツク磁石とする
ものである。
現在、上記の焼結又はゴム・プラスチツク磁
石の磁気的特性は限界に近づきつつあり、もは
や飛躍的な特性の向上は望めないとされてい
る。何故なら、Baフエライト、Srフエライト
は〔0001〕方向の大きな結晶磁気異方性が基本
となつており、高抗磁力(Hc)を持つもので
あるが、(0001)面の粒径がある一定の大きさ
(単磁区径)を越えると急激にHcが減少してし
まうが、〔0001〕方向の粒径は大きい方がHcは
大きくなる。従つて、もし〔0001〕方向に大き
な粒径を持ち、しかも(0001)面の粒径が単磁
区径のBaフエライト粒子、Srフエライト粒子
を生成さすことができれば、磁気的特性は飛躍
的に向上する。しかしながら、Baフエライト
粒子、Srフエライト粒子は六方晶系で、
〔0001〕方向が酸素の最密充填方向であるから、
粒子は〔0001〕方向には成長せずに(0001)面
が発達する。事実、上掲の種々の方法で生成す
るBaフエライト粒子、Srフエライト粒子は、
いづれも(0001)面が発達した六角薄板状であ
ると報告されており、〔0001〕方向に粒子を成
長させることは不可能とされている。
ところが、本発明に係る針状方向が〔0001〕
方向である針状α―Fe2O3粒子を出発原料の一
方として用いる場合には、出発物である針状α
―Fe2O3粒子と生成物であるBaフエライト、
Srフエライトとの間には下記のトポタクシー
の結晶学的関係があるので、針状α―Fe2O3
子とBa、Srの酸化物とを加熱することによつ
て、針状α―Fe2O3粒子の針状方向〔0001〕方
向はBaフエライト、Srフエライトの〔0001〕
方向となり、六角柱状のBaフエライト粒子、
Sr―フエライト粒子を生成させることができ
るのである。
α―Fe2O3 六方晶フエライト (0001) (0001) 〔1100〕 〔1210〕 〔1120〕 〔1010〕 こゝに得られる六角柱状のBaフエライト粒
子、Srフエライト粒子を圧粉または磁場中成
型によつて配向させ、焼結又はゴム・プラスチ
ツクに分散することによつて、〔0001〕方向に
大きな粒径を持ち、しかも(0001)面の粒径が
単磁区径である焼結又はゴム・プラスチツク磁
石が得られ、その磁気特性、特にHcは飛躍的
に向上するのである。
次に、針状方向が〔0001〕方向、板状面が(1
210)面である本発明に係るα―Fe2O3粒子は次
の通りの方法によつて製造できる。
即ち、硫酸第一鉄又は硫酸第二鉄の無水物若し
くはその水和物に、その10〜50重量%に相当する
量のアルカリ金属のハロゲン化物を加え、この混
合物を600〜850℃において加熱処理することによ
つて、針状方向が〔0001〕方向、板状面が(12
10)面である針状α―Fe2O3粒子を得ることがで
きるのである。
以下、詳細に説明する。
上記の通りの本発明方法において、最も特徴的
な点は、硫酸第一鉄又は硫酸第二鉄の無水物若し
くはその水和物(以下、これ等を総称して硫酸鉄
と呼ぶ)。をアルカリ金属のハロゲン化物(以下、
アルカリ塩と呼ぶ。)と混合した状態で加熱処理
するところにある。
周知の通り、硫酸鉄を単独で加熱する場合に
は、約500℃より徐々に熱分解が始まり、約600℃
以上で急激に熱分解して300〜2000Å程度の微細
な不定形のα―Fe2O3粒子の凝集体が生成する。
ところが、硫酸鉄をアルカリ塩と混合した状態
で加熱することによつて、硫酸鉄の熱分解温度を
低くし、また、急激な熱分解を抑制する場合に
は、アルカリ塩がα―Fe2O3結晶の成長方向を決
定する作用を営み、特異的な結晶成長が起り、針
状方向が〔0001〕方向、板状面が(1210)面で
ある針状α―Fe2O3結晶粒子が生成するのであ
る。
ここに起こる反応機構については、いまだ充分
な理論的解明は行つていない。
本発明方法をより具体的に説明すれば次の通り
である。
先づ、硫酸鉄(工業的実施に当つては、硫酸第
二鉄10水塩を選択することが好ましい。)とアル
カリ塩(工業的実施に当つては、NaCl、
Na2SO4等を選択することが好ましい。)との混
合は、充分に行ない可及的に均一な混合状態とす
ることが望ましい。従つて混合には、ライカイ機
を用い、また必要に応じて水を含まない有機溶媒
(例えばメタノール)を用いてもよい。尚、有機
溶媒を用いたときには、加熱処理を施す前に混合
物を乾燥させて置く。
硫酸鉄とアルカリ塩との混合割合は、硫酸鉄に
対してアルカリ塩を5〜100wt%の範囲から選ぶ
べきであり、アルカリ塩の種類にもよるが、通
常、最も好ましい範囲は10〜50wt%である。
尚、5wt%以下の場合には、目的とする針状α
―Fe2O3粒子以外に硫酸鉄の固相から分離した粒
状乃至不定形状のα―Fe2O3粒子が混在してくる
こととなり、また、100wt%以上の場合には通常
のフラツクス法によつて得られる如き六角板状の
α―Fe2O3粒子が混在してくる。
次に、加熱温度は400゜〜1000℃の範囲から選ぶ
べきであり、アルカリ塩の種類及び量にもよる
が、通常、最も好ましい範囲は600゜〜850℃であ
る。
尚、400℃以下の場合には反応が起らないこと
となり、また1000℃以上の場合には、針状比(長
軸と短軸との比)が著しく小さくなり針状形状の
粒子が得られ難い。
加熱処理時間は特に限定されないが通常、10分
〜10時間内である。加熱温度を高くした場合には
処理時間を短かく、低くした場合には長くするこ
とが望ましいことは当然である。加熱処理に当つ
ては周知の電気炉を用いることが温度制禦上有利
である。
次に、前記混合物を所定の温度で加熱処理を施
すと目的とする針状α―Fe2O3粒子とアルカリ塩
との塊状物が得られる。この塊状物を水中に浸
し、アルカリ塩を溶解させ、充分、水洗後、ロ過
すれば目的とする針状α―Fe2O3粒子が得られ
る。
以上の通りの方法によつて得られる針状α―
Fe2O3粒子は、針状方向が〔0001〕方向、板状面
が(1210)面なる結晶方位をもつものである。
また、こゝに得られる針状α―Fe2O3粒子は後
出第5図によつて確認される如く、不純物を含ま
ない純粋なるα―Fe2O3である。
尚、こゝに得られる針状粒子を周知の還元条件
(水素雰囲気、300゜〜500℃加熱)で還元して針状
Fe3O4粒子とした場合、また、その針状Fe3O4
子を周知の酸化条件(空気中、200゜〜400℃加熱)
で酸化して針状γ―Fe2O3粒子とした場合には、
トポタクシーの結晶学的関係によつていづれも針
状方向が〔111〕方向、板状面が(211)面なる
結晶方位をもつものとなる。更に、周知の還元条
件(水素雰囲気、400゜〜600℃加熱)で金属にま
で還元すれば針状Fe粒子が得られる。
また、硫酸鉄として硫酸第二鉄10水塩を用いる
場合は著しく大きな針状α―Fe2O3粒子を得るこ
とができ、本発明者は長軸20μ、短軸2μにも達す
る粒子が得られることを確認している。
次に、実施例によつて本発明を説明する。
実施例 1 硫酸第一鉄の7水塩150gに、NaClを50wt%添
加し、メチルアルコールとともにライカイ機で5
時間混合し、得られた混合物を室温で20時間乾燥
した。
次に、上記乾燥混合物225gを高純度アルミナ
容器に入れ、これを電気炉中で850℃で1時間加
熱した後、室温に急冷して塊状物を得た。
上記塊状物を水中で充分洗浄した後、吸引ロ過
し、60℃の乾燥器中で10時間乾燥して、やゝ黄味
がかつた赤色の粒子粉末49gを得た。
ここに得られた粒子粉末は、X線回折の結果、
α―Fe2O3の回折線のみであつた。また、この粒
子は電子顕微鏡で観察したところ、長軸0.5〜1μ、
短軸0.05〜0.1μの針状形態を有していた。
更に、こゝに得られた粒子粉末は、電子回折の
結果、すべてα―Fe2O3の単結晶であり、針状方
向は〔0001〕方向、板状面は(1210)面なる結
晶方位をもつものであることを確認した。
尚、本実施例において得た針状α―Fe2O3粒子
粉末を、330℃、2時間、150ml/minの水素流量
の条件で還元して得た黒色強磁性粒子粉末は、X
線回折の結果、Fe3O4の回折線のみであつた。ま
た、この黒色粒子は、電子顕微鏡で観察したとこ
ろ、長軸0.5〜1μ、短軸0.05〜0.1μの針状形状を呈
していた。更に、この黒色粒子は、電子回折の結
果、針状方向は〔111〕方向、板状面は(211)
面なる結晶方位をもつものであることを確認し
た。
尚、また、上記黒色強磁性粒子粉末を、230℃、
20時間、空気中の条件で酸化を行つて得た赤茶色
強磁性粒子粉末は、X―線回折の結果、γ―
Fe2O3の回折線のみであつた。また、この赤茶色
粒子は、電子顕微鏡で観察したところ、長軸0.5
〜1μ、短軸0.05〜0.1μの針状形状を呈していた。
更に、この赤茶色粒子は、電子回折の結果、針状
方向は〔111〕方向、板状面は(211)面なる結
晶方位をもつものであることを確認した。
上記赤茶色粒子(針状γ―Fe2O3粒子)の磁気
特性を、振動式磁力計を用いて18KOeの磁場で、
測定したところ、飽和磁化79emu/gr、
Hc450Oeの値を得た。この磁気特性値と一ケ一
ケの粒子が単結晶であり分散性に優れている粉体
特性とからすれば、このものは、従来のα―
FeOOHを出発物とする針状γ―Fe2O3粒子と比
較して、より優れた磁気記録材料用磁性粉となる
ことが解つた。
実施例 2 硫酸第一鉄の7水塩を空気中120℃40時間加熱
して得た硫酸第一鉄の1水塩を、更に真空中(2
×10-3mmHg)300℃で20時間加熱して得た硫酸塩
第一鉄無水物100gに、NaClを30wt%、Na2CO3
を10wt%、Na2SO4を5wt%、Li2SO4を5wt%添
加し、ライカイ機で5時間混合して混合物を得
た。
次に、上記混合物150gを高純度アルミナ容器
に入れ、これを電気炉中で750℃で1時間加熱し
た後、室温に急冷して塊状物を得た。
上記塊状物を実施例1と同様に洗浄、ロ過、乾
燥して、赤色の粒子粉末74gを得た。
こゝに得られた粒子粉末は、X線回折の結果、
α―Fe2O3の回折線のみであつた。また、この粒
子は電子顕微鏡で観察したところ、長軸1〜2μ、
短軸0.05〜1μの針状形態を有していた。
更に、こゝに得られた粒子粉末は、電子回折の
結果、すべてα―Fe2O3の単結晶であり、針状方
向は〔0001〕方向、板状面は(1210)面なる結
晶方位もつものであることを確認した。
実施例 3 硫酸第二鉄の10水塩200gに、KClを10wt%、
NaClを20wt%、BaCl2を5wt%添加し、ライカ
イ機で5時間混合して混合物を得た。
次に、上記混合物270gを高純度アルミナ容器
に入れ、これを電気炉中で680℃で3時間加熱後、
室温まで徐冷して塊状物を得た。
上記塊状物を実施例1と同様に洗浄、ロ過、乾
燥して、やゝ紫色がかつた赤色の粒子粉末50gを
得た。
こゝに得られた粒子粉末は、X線回折の結果、
α―Fe2O3の回折線のみであつた。また、この粒
子は電子顕微鏡で観察したところ、長軸10〜
20μ、短軸0.2〜2μの針状形態を有していた。
更に、こゝに得られた粒子粉末は、電子回折の
結果、すべてα―Fe2O3の単結晶であり、針状方
向は〔0001〕方向、板状面(1210)面なる結晶
方位をもつものであることを確認した。
実施例 4 硫酸第二鉄の10水塩を空気中300℃で20時間加
熱して得た硫酸第二鉄無水物150gに、KNO3
5wt%、NaClを15wt%、NaLiSO4を0.5wt%添加
し、ライカイ機で5時間混合して混合物を得た。
次に、上記混合物180gを高純度アルミナ容器
に入れ、これを電気炉に入れて100℃/時間の加
熱速度で昇温して行き、700℃に到つた時、昇温
を止め、この温度で1時間加熱後、室温まで炉冷
して、塊状物を得た。
上記塊状物を実施例1と同様に洗浄、ロ過、乾
燥して、赤色の粒子粉末55gを得た。
ここに得られた粒子粉末は、X線回折の結果、
α―Fe2O3の回折線のみであつた。また、この粒
子の電子顕微鏡写真は、第1図の通りであり、長
軸2〜10μ、短軸0.1〜1μの針状形態を有している
ことが確認できる。
更に、こゝに得られた粒子粉末の電子回折の結
果は、第2図、第3図の通りであり、すべてα―
Fe2O3の単結晶であり、針状方向は〔0001〕方
向、板状面(1210)なる結晶方位をもつことが
確認できる。
更に、こゝに得られた粒子粉末の走査型電子顕
微鏡写真は第4図の通りである。
また、こゝに得られた粒子粉末について液体窒
素温度(−196℃)から10℃の範囲における磁気
測定を行つた結果を第5図に示した。同図におい
て、不純物に対して敏感なα―Fe2O3のスピン軸
がC軸からC面への変化する温度(モーリン点)
が−13℃に求められることから、この粒子が不純
物を含まない純粋なα―Fe2O3であることが確認
できる。
尚、本実施例において得た針状α―Fe2O3粒子
粉末を330℃、2時間、150ml/minの水素流量の
条件で還元を行つて得た黒色強磁性粒子粉末は、
X線回折の結果、Fe3O4の回折線のみであつた。
またこの黒色粒子は、電子顕微鏡で観察したとこ
ろ、長軸2〜10μ、短軸0.1〜1μの針状形態を有し
ていた。更に、この黒色粒子は、電子回折の結
果、すべてFe3O4の単結晶であり、長軸方向は
〔111〕方向、板状面は(211)面なる結晶方位を
もつものであることを確認した。
尚、また、上記の黒色強磁性粒子粉末を、200
℃、20時間、空気中の条件で酸化を行つて得た赤
茶色強磁性粒子粉末は、X線回折の結果、γ―
Fe2O3の回折線のみであつた。またこの赤茶色粒
子は、電子顕微鏡で観察したところ、長軸2〜
10μ、短軸0.1〜1μの針状形態を有していた。
更に、この赤茶色粒子は、電子回折の結果、単
結晶特有のネツトパターンが確認され、その長軸
方向は〔111〕方向、板状面は〔211〕面なる結
晶方位をもつものであることを確認した。
使用例 1 実施例3で得られた針状α―Fe2O3粒子粉末を
用い、これとγ―MnOOHとZnOとを、Mn0.3
Zn0.2Fe2O4の組成比になるように秤量し、湿式ボ
ールミルで混合して泥漿物とし、これを直径2cm
の棒状に押出し成形して棒状物とし、更にこの棒
状物の長さ方向に対して直角に0.2ton/cm2の圧力
で加圧して成形して成形体とする。この成形体を
乾燥後、800℃で1時間加熱し、室温に冷却後、
再度前回の加圧方向と同方向から1ton/cm2の圧力
で加圧し、このものを1200℃、2時間加熱し、窒
素中で室温に冷却して棒状フエライト焼結体を得
る。
ここに得られる棒状フエライト焼結体は、X線
回折により配向度を測定し、配向性(f)を
Lobgedingの方法により見ると、加圧方向では<
211>フエライトがf=0.8、棒の長さ方向では<
111>フエライトがf=0.9であり、二軸配向性の
ものであることが確認できた。
使用例 2 実施例3で得られた針状α―Fe2O3粒子粉末と
直径0.1μの微細なSrCO3とを、SrO・5.8Fe2O3
組成になるように秤量し、湿式ボールミルで24時
間混合した後、乾燥し、得られた混合物を電気炉
で1000℃、30時間加熱し、冷却後、湿式ライカイ
機で5時間粉砕して粉状物を得る。このものはX
線回折の結果、マグネトプランバイト型ストロン
チウムフエライトであることが確認された。電子
顕微鏡観察の結果、出発物の針状α―Fe2O3粒子
の粒子形態とは若干変化し、軸比は小さくなつて
いたが針状形態を保持しており、低温焼成のため
焼結は殆んど進行しておらず、1ケ1ケの針状粒
子はストロンチウムフエライトの単結晶であるこ
とが確認された。また、電子回折の結果、針状方
向は〔0001〕方向であることも確認された。
上記の針状ストロンチウムフエライト粒子粉末
44grとエチレン酢酸ビニル共重合樹脂8grとを、
100℃で混練し、これを押し出し成形機を用いて
直径10mmの棒状成形体とする。この成形体を厚さ
5mmに切断した試料を、測定磁場10KOeで磁気
測定したところ、残留磁束密度Brは2600gauss、
保磁力Hcは2200Oe、最大エネルギー積(BH)na
は1.6MGOeであつた。
尚、市販の板状ストロンチウムフエライト粒子
粉末を用い、上記の同じ工程によつて得たプラス
チツク磁石の(BH)naxは1.3MGOeであり、上記
の針状ストロンチウムフエライト粒子粉末を用い
た場合に高い特性値が得られている要因は、該粒
子の配向性が優れている点にあることは勿論であ
るが、これとともに該粒子は1ケ1ケの粒子体積
が大きいものであるため、プラスチツク中への粒
子粉末の充填率を上げることができる点にもある
と推定される。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に係る針状α―Fe2O3粒子の
電子顕微鏡写真である。第2図は、第1図の針状
α―Fe2O3粒子1ケの電子顕微鏡写真A、これに
対応する電子回折像B、その暗視野像Cである。
第3図は、第2図の針状α―Fe2O3粒子の制限視
野回折像に結晶学的指数を付けた図である。第4
図は、第1図の針状α―Fe2O3粒子の走査型電子
顕微鏡写真である。第5図は、第1図の針状α―
Fe2O3粒子の磁化の強さδと温度Kとの関係図で
ある。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 針状方向が〔0001〕方向、板状面が(12
    10)面である針状α―Fe2O3粒子。 2 硫酸第一鉄又は硫酸第二鉄の無水物若しくは
    その水和物に、その10〜50重量%に相当する量の
    アルカリ金属のハロゲン化物を加え、この混合物
    を600〜850℃において加熱処理することによつ
    て、針状方向が〔0001〕方向、板状面が(12
    10)面である針状α―Fe2O3粒子を得ることを特
    徴とする新規な結晶方位をもつ針状α―Fe2O3
    子の製造法。
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