JPS5812878Y2 - ヒカクヨウフクゴウフノ コウゾウ - Google Patents

ヒカクヨウフクゴウフノ コウゾウ

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JPS5812878Y2
JPS5812878Y2 JP1975019266U JP1926675U JPS5812878Y2 JP S5812878 Y2 JPS5812878 Y2 JP S5812878Y2 JP 1975019266 U JP1975019266 U JP 1975019266U JP 1926675 U JP1926675 U JP 1926675U JP S5812878 Y2 JPS5812878 Y2 JP S5812878Y2
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composite fabric
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中原博
内藤武七郎
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旭化成株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、編織布←−スとした新規な皮革様複合布の構
造に係わるものであり、その目的とするところは、天然
皮革の床皮をパフ加工または起毛加工によって、ベロア
、スェードあるいはヌバーク調に仕上げた主として衣料
用に用いる柔軟で薄いドレープ性に富んだ天然皮革に、
異性、風合的に極めて類似した性状を与えることにある
近年生活水準の向上とともに皮革様素材の需要は、1す
1す拡大多様化しつつあり、たとえば天然皮革の床皮を
パフ加工または起毛加工し、スェード、ベロア、ヌバー
クなどと呼ばれる表面に毛羽を有する形態に加工して、
ジャンパー、スカート、スーツ、コートなどの衣料用に
用いることが多くなって来ている。
そのため、かかる表面に毛羽を有する衣料用の天然皮革
に代わる人工の皮革様物の開発も強く要望されるところ
である。
従来より、衣料用の人工の皮革様物としては、ベース基
布としてステープルファイバーのウェアを用い、これを
ニードルパンチ法によって機械的に交絡せしめ、この繊
維層にポリウレタンなどの高分子質を一様に含浸させた
いわゆる「人工皮革」と呼ばれるものが広く知られてい
る。
この人工皮革は、天然皮革の構造を解析しそれをモデル
化して、それぞれの役割を人工物で置換して行くという
考え方に立脚するものであって、基本的には天然皮革の
コラーゲン繊維が形成する網状層の構造に最も近い製布
方式であるニードルパンチ法によって、微細鏡維束から
戒るランダムウェブを交絡させ、天然皮革の組織、構造
に似せる努力をしているものである。
従来の人工皮革で衣料用を狙った改良タイプも種々検討
されているが、一般的に繊維質を構成する繊維原料たる
ポリマー組成、紡糸法、ステープル製造法などに特殊な
技術を必要とするものが多ぐ、さらにニードルパンチ法
をベースとした基布製布法にむいてもかなり複雑な工程
を必要とするのである。
たとえば、特公昭49−35100号公報には、特殊な
海島繊維を用い、ニードルパンチ法によってスェード、
ベロア、ヌバーク調の人工皮革を得る技術が開示されて
いるが、そのニードルパンチ手段として、通常のフェル
ト状不織布がパンチ数100本/傭2〜300本/(:
rI12 であるのに対し、実にパンチ数5000本/
CI′rL2 というような煩雑な処理を施こしており
、また後工程に於いても海島繊維の海部ポリマーを溶出
させるなどの工程を必要とするものである。
一方、比較的低価格品で「合成皮革」と呼ばれるものも
広く知られている。
この合成皮革は、織布、綿布上に厚く樹脂層が存在して
いるものであって、簡単に製造可能なところから天然皮
革のイミテーション的な材料として装身具的な感覚で手
袋、おしやれ衣料、安価な防寒衣料などに用いられてい
る。
かかる合成皮革と呼ばれているものの特徴は、樹脂層と
繊維層とが断面に釦いて層状に明確に識別できる構造を
有していることである。
すなわち、従来の合成皮革にあっては必らずその表層部
には樹脂層のみから成る層が存在し、この表層樹脂層が
剥離すれば簡単に繊維層が露呈するという欠陥が生じ、
製品価値は殆んど損なわれてし1うのである。
そのため、耐久性および風合の面から一般衣料用材料と
しては到底利用し難いものである。
本考案者等は、叙上の如き従来技術の諸欠点を充分認識
した上で、一方では衣料用素材として汎用性があり、柔
軟で薄いドレープ性に富んだスェード、ベロア、ヌバー
ク調の人工の皮革状物を極めて低コストでかつ比較的簡
単な方法で得るべく鋭意検討を重ねた。
一般に、衣料用に供する天然皮革などの材料として要求
される基本的性能としては、次のような要件が挙げられ
る。
(1)耐屈曲性として繰り返しの疲労に破れたり折れた
りしないこと。
(2)機械的性能として着用中に破れたりすることかな
いように引裂き、引張り強力が高いこと。
(3表面耐傷性として着用中に表面に傷があ1りつかず
、若し傷がついても簡単に補修がきくこと。
(4)シなやかさとして、天然皮革特有のドレープ性、
柔らかさがあること。
(5)衣料としての着用時に合成物特有の不快音の発生
がないこと。
(6)外観として皮特有の平滑性を有し、天然皮革様で
あること。
などの要件である。本考案者等は、かかる衣料用素材に
供する場合に要求される基本的性能に注目し、これらの
要件を具備せしめるためには、従来の人工皮革の如く構
造的に天然皮革に準拠した構造を必らずしも採用しなけ
ればならない必然性はないという新しい観点に立ち、全
く新規な皮革様物の構造を考案するに至ったのである。
すなわち、本考案の皮革様複合布が具備すべき基本的な
要件は、以下の三つの要件である。
(1)基布として単繊維の平均繊度が1デニール以下の
編、織布を使用し、かつ外層部に高分子質のみから戒る
層が実質的に存在せず、表裏外層部から中央層にかけて
繊維質と高分子質とが一体的に混成されていること。
(2)繊維質群の構造は、マクロ的には規則正しい配列
をし、さらに実質的に長繊維状でもよいが、その各単繊
維群は少くともランダムに開繊されていなくてはならな
いこと。
(3)表面に存在する毛羽は、繊維質でなくてはならず
、さらに繊維質組織中から生成しているものでなくては
ならないこと。
かかる三つの要件を具備せしめることにより、衣料用と
して汎用性の高い皮革状物が安価に提供されることが、
本考案者らによって初めて英明された。
本考案の基本的な特徴の一つは、ベース基布として単繊
維の平均繊度が1デニール以下の糸条で以って構成され
た編、織布を使用する点にある。
すなわち、本考案に於いては従来人工皮革に汎用されて
いるところのステープルファイバーのウェブを機械的に
交絡させるニードルパンチ法による不織布を基布として
使用するものではない。
一般に編、織布は、ニードルパンチ不織布に比較しては
るかにマクロ的には均一であり、密度斑、厚さ斑などは
殆んどないという特徴を有している。
さらに、ニードルパンチ不織布は無理な交絡を機械的に
強制し、恰もフエルチング的な交絡をさせて各単繊維の
自由度を著しく拘束している構造を有しているのに対し
、編、織布はニードルパンチ不織布に比べ、一般にはる
かに構成糸条、単繊維の自由度は大きいものである。
本考案は、かかる編、織布が保有している特徴を巧みに
応用するとともに、一方では該編、織布を構成する糸条
の構成繊維群を充分にバラクさせて開繊度K>2の状態
に開繊せしめ、高分子質と一体的に混成させることによ
り、始めて従来技術では全く知られていなかった新規な
皮革様複合布の構造を提供することができたのである。
すなわち、本考案の要旨とするところは、外層部に高分
子質のみから成る樹脂層が実質的に存在せずに表裏外層
部から中央層にかけて繊維質と高分子質とが一体的に混
成されている皮革様複合布であって、該繊維質は去条の
単繊維の平均繊度が1デニール以下の織布をもって構成
されて督り、かつ該複合布の表層に平行に厚みの中央部
でスライスした場合の断面に存在する糸条の構成繊維群
は開繊度K>2の状態に開繊しており、しかも表面に釦
いては繊維質部を構成する編、織布の外層近傍の繊維ば
一様に短かい毛羽状となって突出していることを特徴と
するスエードビロア、ヌバーク調皮革様複合布の構造に
ある。
かかる本考案の皮革様複合布の構造は、従来の人工皮革
に見られる天然皮革に準拠した構造ならびに合成皮革に
見られる樹脂層と繊維層とが断面に於いて層状に識別で
きる構造とは、それぞれ明確に区別できるところの本考
案独特のものであることは以下の説明から容易に理解さ
れるであろう。
以下、添付図面を参照しつつ、本考案をさらに詳細に説
明する。
第1図は、従来からある合成皮革4の断面模型図を示す
ものである。
図において、1は編、織布から構成される基布層、2は
高分子質のみから成る樹脂層、3はその接合部をそれぞ
れ表わす。
かかる断面構造を持つ従来の合成皮革は、前述した如く
表層樹脂層が存在するため、種々の欠陥を露呈し一般衣
料用素材としては汎用性が無い。
第2図は、マルチフィラメント糸条による通常の編地に
高分子質を含浸させた複合布15の断面模型図を示し、
本考案の対象外のものを例示している。
図に見られるように、編組織(ジグザグとして表現)を
構成する糸条5は、この場合開繊されていないため各単
繊維が収束群として存在している。
ことが認められる。
高分子質6は、これを包み込むように分布しているが、
単繊維群が収束しているために全体としてはやはり繊維
群と高分子負群とが、それぞれブロック状に群拠する構
造を呈している。
このような構造では、本考案の目的とする優れた耐屈曲
性、機械的性能、表面耐傷性釦よびその補修性、しなや
かさといった諸性能を具備する皮革様複合布とはなり得
ない。
さらに、かかる構造の複合布15では、これに起毛加工
を施こしも表面に毛羽を均一に発生させることは困難で
あり、第2図に示す如く毛羽7は切り株状にしかならな
いのである。
これに対し、本考案の皮革様複合布は単繊維の平均繊度
が1デニール以下の編、織布をたとえば揉布工程に通し
て、充分に揉み作用を与え該組織を構成する糸条を充分
にバラク開繊させた後、高分子質を含浸させて繊維質と
高分子質とを一体的に融和混成せしめることにより得ら
れるものである。
第3図は、典型的な本考案の皮革様複合布16の一例を
示す断面模型図である。
図に見られるように、編組織を構成する糸条8は充分に
開繊されており、高分子質9と一体的によく融和混成し
ている。
しかも、かかる構造の複合布16にすることにより、こ
れに起毛加工を施こした場合発生する表層毛羽群10は
、よく均一に分散せしめることができ第2図に示す複合
布15の如き切り株状にはならないという特徴を生じて
くる。
以上述べた如き本考案に係わる皮革様複合布の構造的な
特徴は、該複合布の表面に平行に厚みの中央部でスライ
スした場合の断面の状態を観察することにより、明確に
識別することが可能である。
すなわち、本考案の対象外のもの、たとえば第2図に示
す如き複合布15の表面に平行な面で切断した中央スラ
イス面、つ1り第2図X−に面での断面の状態を観察す
ると、第4図の如くになる。
第4図においては、編地を構成するマルチフィラメント
糸条の断面5は、糸条集団を構成する如く、一部分では
膠着すら生じた如き状態で集束している。
従って、繊維質部5と高分子負部6(斜線部)とはブロ
ック状に存在し、この場合繊維質部と高分子負部とは明
らかに混成一体化されているとは云い得ないものである
一方、本考案の皮革様複合布の中央スライス面つ普り第
3図Y−Y’面での断面の状態は、第5図の如くになる
第5図にネ・いては、各単繊維8は糸条を構成する集束
した糸条集団として認められず、高分子質9の中にあっ
て個々の繊維として分散している如き構造を呈し、この
場合は繊維質部と高分子負部とは混成一体化されている
のである。
このように本考案の構成土量も重要な点は、高分子質を
含浸させる前に充分に織物、編物の組織を構成する糸条
の構成繊維群をバラクさせ開繊させなければならない点
である。
かかる開繊方法の具体的手段としては、たとえば縮絨機
の如き機械での揉布処理、加圧開放の繰り返し処理など
の物理的処理および化学的膨潤処理などを利用する方法
など適宜の方法が採用できる。
要は織布、編布の組織を構成する糸条の各単繊維の組織
による収束、撚などの繊維集合体として存在する膠着を
解放し、後に定義する開繊度にとしてK>2の状態を満
足する如く充分に開繊させることができれば良い。
このような構造にすることにより、天然皮革に似た機械
的性質、表面耐傷性及びその補修性、しなやかさが得ら
れ、パフ又は起毛処理により、スェード、ベロア、ヌバ
ーク調の外観が得られるのである。
次に本考案の構成要件の一つである基布部の構成糸条の
開繊度と複合布性能との関係について述べる。
複合布中の構成糸条の開繊程度を評価するにはその複合
布の中央スライス面の1単位糸条分の開繊具合いで判断
できる。
第4図11、第5図12(倒れも破線で囲んだ部分)は
複合布巾の1単位糸条分であり、先に説明したように、
第4図が開繊処理していない基布を用いた複合布のスラ
イス面であり、第5図が本考案の充分開繊処理した基布
を用いた複合布のスライス面であるので、第4図11と
第5図12部の見かけの面積の比で開繊度を表現するこ
とができる。
第6図イは第4図11の部分を拡大した模型図で、第6
図口は第5図12の部分を拡大した模型図である。
これらの糸条断面の最外部を囲んだ閉面域は第7図ハ、
二に示す実線で囲んだ面域である。
第6図イと第7図ハ、第6図口と第7図二はそれぞれ同
一物である。
今、第7図ハの面積をA1第7図二の面積をBとすると
開繊性の度合いはB/Aで示すことができるが、実際に
はBのみを問題にすればよいことから、本考案では開繊
度Kを次式の如く定義した。
すなわち、 K=−(B、Mの単位は、平方ミク ロン値) 但し、ここでMは、開繊処理前の閉面域の面積を表わす
インデックスであり、次式によって求められる数値であ
る。
111D−n、c M= ρ 但し、上式において、Dは糸条を構成する平均単単糸デ
ニール、nは糸条の構成本数、ρは繊維の比重、Cは糸
種によって定する恒数であり、およそフィラメント糸で
1.1、紡績糸で1.2、仮撚加工糸で1.4である。
閉面域面積Bは、スライス面の拡大写真などによって実
測によって求めなければならない。
このパラメーターで示し得る揉布などによる開繊処理に
よる効果としての開繊度には本考案を実施するのに重要
であり、使用糸条の単糸デニール、及びこの開繊度と皮
革ライク性を各種素材、各種組織の編織布につき検討し
た結果、督よそ、K>2としなければならないことが判
った。
以下に本考案をより明確にする為に検討例を示す。
試料 1゜ 無撚のキュプラ糸601)−300fil・(単糸0.
2D)を用い、30ゲ一ジ/吋のダイヤルシリンダー型
編機で両面スムース編布を作成し、精練後の性量はコー
ス数65目/吋、ウェル数40目/吋、厚みはQ、39
1mであった。
これを基布としポリウレタン溶液を該精練布100に対
し120重量部含浸させたのち水中で凝固発泡させ、凝
固完了時に熱水中に移し、揉みを与えてから乾燥し、表
裏の外層部のポリウレタン単独層を削り除去し、パフ仕
上げして、スェード状の複合布を調製した。
試料 2゜ 試料1に用いたと同様の精練布の組織糸を開繊させる為
、羊毛織物の縮絨機の原理に似た押込み式縮絨機で湿潤
状態で合計3回繰り返し処理して操作用を与えたものを
基布とした。
その他の条件、工程は試料1と同様にして調製。
試料 3゜ 試料1で用いた精練布につき、押込み式縮絨処理を7回
行って基布とした。
その他の条件、工程l*は試料2と同様にして調製。
試料 4゜ 無撚のキュプラ糸60 D−45fil、棒糸1.3D
)を用い、その他の条件、工程は大略試料1と同様にし
て調製。
試料 5゜ 試料4で用いた精練布を用いた以外の条件、工程は試料
2と同様にして調製。
試料 6゜ 試料4で用いた精練布を用いた以外の条件、工程は試料
3と同様にして調製。
以上6試料につき、開繊度にと皮革ライク性とを検討し
た結果を第1表に示す。
第1表に於ける評点の方法は、柔らかいスェード(ヤギ
基)を比較標準とし、これにどの位近いかを一対比較法
で数値化し、順位すけしたものをグループ分けし、スェ
ードに近い順から、○、△、×の記号で整理したもので
ある。
第1表の結果から、スェード調の衣料用皮革に似せる為
にはその境界は定かでないが大略、K>2とすることが
必要であることが判る。
又糸条単糸も1デニールD以下でなければ開繊度も高く
ならず、また皮革ライクにならないことが判る。
な釦、同様な検討を、キュプラ糸20D 100 fil・及び20D−15fil、使いの絹地
(シラノリブ組織)、キュプラ糸60D−300f i
1.及び60D−45fi11使いの織物(二重織組
織)、ポリエステル、ナイロン混合紡糸による糸75D
−75fi1.の織物(綾組織)、ポリエステル75D
−38fil、の同上織物、などについても、同様に検
討を加えたが、倒れも開繊度K>2のものに天然皮革に
近いと云う判定がでた。
又糸条の単光デニールについては、伺れもID以下のも
のが天然皮革に近いとする判定であった。
さらに本考案複合布の表裏外層部に於ては、高分子質の
みから威る層が実質的にあってはならず、外層から中央
層にかけて、繊条質と高分子質とが融和混成していると
云う点に於て一体物であり、さらに表層部にむいては繊
維質を構成する編物又は織物の組織糸の外層近傍部の繊
維が、一様にその長さに応じ、スェード、ベロア、ヌバ
ーク状に毛羽状となって突出している構造である。
以上、本考案の基本的構成について述べたが、さらに高
度な可撓性、柔軟性を賦与したい場合には基布たる編布
、織布の組織を部分的に、第8図に断面模型図を示す如
く故意に損傷させ、編物、織物の組織をくずしても良い
尚第8図に釦いて、13に組織の一部が損傷された態様
の模型を示し、14は表面の毛羽を示す。
このように基布たる織布、編布の組織をくずすことによ
り、組織による拘束が解放され、自由度が増加するので
、さらに可撓性、柔軟性に富む皮革様複合布となる。
なお、組織をくずす方法としては、ニードルパンチング
法など任意な方式が応用でき、複合布に使用する前の基
布の段階で行う。
かかる処理は強度などの機械的性質より、柔らかさなど
の風合特性を重視する場合に有効な構造を与える。
以下、本考案の特徴的な効果について列挙する。
本考案は、主としてジャンパー コート、スカート、コ
ートなどに用いるスェード、ベロア、ヌバークなどの毛
羽を有する天然皮革に代用し得る皮革様複合布を提供す
るものであり、事実これら天然皮革に近い機能、風合を
有しでいる。
その特徴の第1は、ベース基布が単繊維の平均繊度が1
デニール以下の編織布であるので薄くても耐屈曲性があ
ること、引裂強力、引張強力が強いことである。
人工皮革は一般に厚いニードルパンチ式不織布に、高分
子質を含浸させ、平面方向にスライスして所定の厚みに
するので、繊維質のかなりの部分が確率的にきわめて短
かい繊維長となってし1う。
従って基本的には機械的強度が低いので、これをカバー
する為、ある程度の厚みが必要で、衣料用としてはこれ
によってドレープ性、柔らかさを損うなど欠点がある。
本考案の皮革様複合布では、基布に構造的に強い編織布
を用いていて、しかもスライスしなくても薄いものが任
意に製造可能なので、不織布をベースにしたスライス型
の人工皮革に比較して機械的性質がきわめて良い。
このような理由から、前述人工皮革の素材としてはポリ
エステル、ナイロンなどの強度の高い繊維原料を用いる
ことが必須条件であるのに対し、本考案の複合布では強
度が比較的低い再生繊維さえも任意に用いることができ
る。
先に述べた検討例の試料3などは実に厚さQ、35mm
でありながら、引裂強力(JISK6550,5.2法
)で2kg以上あった。
第2の特徴は均質性である。
ニードルパンチ不織布をベースにした人工皮革は、ラン
ダムな無定形のステープル群から直接に基布を作るので
密度斑が発生しやすく、これを均質にするには、薄いウ
ェブを何枚も重ね合せて算術平均的に均質化をはかるし
かないなど、不織布をベースとする以上均質にすればそ
れだけ級数的にコストがかかることになる。
本考案複合布はベースとして編織布を用いているのでマ
クロ的には完全に均質で、さらに充分開繊されているの
でミクロ的にも均質である。
第3の特徴は皮革特有のドレープ性、柔らかさに富む点
で、これは本考案のベースが単繊維拘束度の比較的低い
編織物であり、人工皮革のベースとしての緻密な不織布
は基本的にその構造上、どうしても繊維を強く相互にか
ら寸せないと得られないのに対し、本考案複合布はむし
ろさらに各構成繊維を開繊させ弛めている構造をとって
いる為である。
このような構造に由来し、衣料としての着用時に合成物
特有の不快音の発生がない。
また、従来の不織布をベースとするスェード、ベロア、
ヌバーク調人工皮革が、一般に構成繊維質の平均繊度が
大略0.1〜0.01 Dであるのに対し、本考案の編
織布使用の場合にはその数倍の繊度で同様の柔らかさが
得られるのである。
第4の特徴として、本考案複合布は起毛タイプの皮特有
の平滑性と毛羽の均一性に富む点である。
本考案複合布の表面特徴として、毛羽の均一性において
、本考案の構成の一つである所の、組織糸が開繊してい
る状態に起因することを先に述べたが、さらにベースが
編織布であることに由来し、不織布をベースとした人工
皮革に比較して毛羽量が多い点である。
これは不織布などの毛羽発生に寄与する部分が極く表面
にある繊維だけなのに刻し、編織布にむいては基本的に
立体的な糸条によって表面が形成されているので実質表
面積、つ捷り毛羽発生に寄与する部分がはるかに多いこ
とによる。
その他、本考案複合布の特徴としては表面耐傷性として
着用中に傷がつきに<<、若し傷がついても、やすりが
けするなどして補修が容易にきくことである。
以上本考案によれば、天然皮革に準拠した内部構造を持
つ、所謂不織布をベースにした従来の人工皮革に比較し
、極めて低コストで、比較的簡単にしかも特別な装置な
しで、皮革様材料が得られるので、一般に皮革様素材の
衣料が高価であるのに対し性能が良い皮革様材料を安価
に提供できるようになった。
【図面の簡単な説明】
第1図は従来からある合成皮革の断面模型図である。 第2図は通常の編織布に高分子質を含浸させて成る複合
布の断面模型図である。 第3図は・本考案の典型的な一例を示すものであり、充
分に開繊した編織布に高分子質を含浸させた複合布の断
面模型図である。 第4図、第5図は夫々第2図、第3図の複合布の表面に
平行に、厚みの中央部でスライスした断面模型図である
。 第6図、第7図は夫々、第4図、第5図の一部分を拡大
した一系条分の断面態様図である。 第8図は本考案の別の実施態様を示すもので、複合布巾
の基布の組織繊維を部分的に損傷させた場合の断面模型
図例であるO

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 外層部に高分子質のみから成る樹脂層が実質的に存在せ
    ずに表裏外層部から中央層にかけて繊維質と高分子質と
    が一体的に混成されている皮革様複合布であって、該繊
    維質は糸条の単繊維の平均繊度が1デニール以下の編、
    織布で以って構成されており、かつ該複合布の表面に平
    行に厚みの中央部でスライスした場合の断面に存在する
    糸条の構成繊維群は開繊度K>2 「 K=旦 (BlMの単位は平方ミクロン値) (但し、ここでBは開繊処理後の閉面域面積、Mは開繊
    処理前の閉面域面積で次式 1式% で表わされる。 但しDは単糸デニール、nは糸条の構成本数、ρは繊維
    の比重、Cは糸種によって定する恒数)」 の状態に開繊しており、しかも表面においては繊維質部
    を構成する編、織布の外属近傍の繊維が一様に短かい毛
    羽状となって突出していることを特徴トスるスェード、
    ベロア、ヌバーク調皮革様複合布の構造。
JP1975019266U 1975-02-13 1975-02-13 ヒカクヨウフクゴウフノ コウゾウ Expired JPS5812878Y2 (ja)

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