JPS5811458B2 - アジド化ポリオルガノシロキサンおよびその製造法 - Google Patents

アジド化ポリオルガノシロキサンおよびその製造法

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JPS5811458B2
JPS5811458B2 JP5635476A JP5635476A JPS5811458B2 JP S5811458 B2 JPS5811458 B2 JP S5811458B2 JP 5635476 A JP5635476 A JP 5635476A JP 5635476 A JP5635476 A JP 5635476A JP S5811458 B2 JPS5811458 B2 JP S5811458B2
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角田隆弘
山岡亜夫
舟橋裕一
小関健一
畑中正行
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Toshiba Silicone Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、湿し水を必要としない平版印刷用として有用
な、新規のポリオルガノシロキサンを提供するものであ
る。
また本発明は、か\るポリオルガノシロキサンの製造法
を提供するものである。
湿し水を必要としない平版印刷板は、従来のオフセット
印刷の簡素化を目指すものである。
従来の平版印刷は、外見上同一平面上に画線と非画線と
を有する版を使用するもので、水と脂肪とが互に反撥す
る性質を利用している。
即ち化学的または機械的処理によって親水化された基板
上に、親油性の感光層を設シ、像露光した後、適当な処
理液にて基板上に親水ザ部分と親油性部分とを形成させ
て印刷版とすや。
印刷に当って、版面に水を転移すると、水は親水性部分
に付着して親油性部分には付着しない。
次にインキを転移すると、インキは水が存在する部分に
は付着せず、親油性部分のみに付着し、そのインキを紙
などの被印刷体に転移させることにより印刷を行うこと
ができる。
この方式の欠陥は、湿し水操作が非常に困難であり、ま
た湿し水のためにインキの乳化、被印刷体の寸法変化な
ど、種々な問題点を有している。
これらの問題点を改良すべく、湿し水を用いない平版印
刷法の研究が多くなされているが、まだ十分に満足すべ
き結果が得られていない。
例えば、基材に感光性物質の層と撥油性樹脂層とからな
る多重層を形成せしめた平版を用いる方法は、多重層の
形成が煩雑であり、かつ、解像が劣ったり、版の耐刷性
が劣るという欠点がある。
ポリオルガノシロキサン表面を用いることは、そのすぐ
れた撥油性から着目されているが、ポリオルガノシロキ
サンを用いる多重層方式は、前述の欠点をもつために実
用性に乏しい。
そこで、ポリオルガノシロキサンにアゾ化合物、アジド
化合物のような感光性物質を配合して、その露光による
ラジカル発生により、ポリオルガノシロキサンを架橋せ
しめて、不溶性ポリマーを形成する方法が考案されてい
るが、感光性物質を均一に配合することがむずかしく、
かつ感光性物質が晶出したりして、皮膜の強度や解像力
が低下するという問題点がある。
この様な問題点を解決するために、アクリル酸残基、メ
タクリル酸残基、桂皮酸残基のような不飽和基を含有す
るポリオルガノシロキサンの感光性を利用して単一の感
光層を作る方法が提案されている。
しかし、一般的に、この様なアクリル系不飽和基による
感光層は、すぐれた感光効果を持つ反面、酸素の影響番
受は易く、感光性の経時変化及び暗減衰が大きいという
欠点がある。
また空気中の酸素の影響を避けるために、感光層の上に
透明な保護層を施すか、酸素の存在しない状態で露光す
る必要があるが、前者の方法は平版の製造が煩雑になる
し、後者の方法は露光に特別な装置を必要とし、露光操
作も面倒である。
本発明者らは、前述のような問題を起す原因となってい
る湿し水を必要としない平版印刷方式並びに材料を提供
すべく、研究を行った結果、本発明によって提供される
新規な物質であるアジド化ポリオルガノシロキサンを主
成分とする感光性組成物を用いることにより、湿し水を
用いない平版印刷を可能ならしめることを見出した。
即ち、本発明は式 (但しRI R2R3及びR4はアルキル基、フェニル
基及びビニル基からなる群から選ばれた、夫夫間−又は
相異なる1価の炭化水素基、R5は炭素数1〜10の2
価の炭化水素基、Yは水素原子、アルキル基、アルコキ
シ基、ニトロ基およびハロゲン原子からなる群から選ば
れた基、mは0〜300の整数、nは1〜300の整数
、n+mは1〜300の整数を表わす)で示されるアジ
ド化ポリオルガノシロキサンに関するものである。
また、本発明は、 (但しRI R2R3及びR4はアルキル基、フェニル
基及びビニル基からなる群から選ばれた、夫夫間−又は
相異なる1価の炭化水素基、R5は炭素数1〜lOの2
価の炭化水素基、mはθ〜3300の整数、nは1〜3
00の整数、n+mは1〜300の整数を表わす)で示
される水酸基を有するポリオルガノシロキサンと、式 (但しYは前述の通り)で示されるアジド化芳香族酸塩
化物とを反応させることを特徴とする上記アジド化ポリ
オルガノシロキサンの製造法に関するものである。
また、本発明は、(1)上記の1〜10個の炭素原子を
介してケイ素原子に結合した水酸基を有するポリオルガ
ノシロキサンと、(2)式 (但しYは前述の通り、R6は炭素数1〜10のアルキ
ル基を示す)で表わされるアジド化芳香族カルボン酸ア
ルキルエステルとを反応させることを特徴とする、上記
アジド化ポリオルガノシロキサンの製造法及び(1)式 (但しR1,R2,a3及びR4はアルキル基、フェニ
ル基及びビニル基からなる群から選ばれた、夫夫間−又
は相異なる1価の炭化水素基、mはO〜300整数、n
は1〜300の整数、n+mは1〜300の整数を表わ
す)で表わされる水素原子を有するポリオルガノシロキ
サンに、(2)式(但しYは前述の通り、Zは炭素数2
〜lOのアルケニル基を示す)で表わされるアジド化芳
香族カルボン酸アルケニルエステルを反応させることを
特徴とする)式 (但しR1,R2,R3,R’、m、n及びYは前述の
通り、R5/は2から誘導された炭素数2〜lOの2価
の炭化水素基)で示される(アジド化ポリオルガノシロ
キサンの製造法に関するものである。
本発明のアジド化ポリオルガノシロキサンは、例えば前
記式で示される31〜10個の炭素原子を介してケイ素
原子に結合した水酸基を有するポリオルガノシロキサン
と、一般式 (但しYは前述の通り)で示されるアジド化芳香族酸塩
化物とを反応させて得ることができる。
或いは同様のポリオルガノシロキサンに、式(但しYは
前述の通り、R6は炭素数1〜i。
のアルキル基を示す)で表わされるアジド化芳香族族カ
ルボン酸アルキルエステルを反応させてもよい。
また、前記のケイ素原子に結合した水素原子を有するポ
リオルガノシロキサンに、式 (但しYは前述の通り、Zは炭素数2〜10のアルケニ
ル基を示す)で表わされるアジド化芳香族カルボン酸ア
ルケニルエステルを反応させて得ることも可能である。
これらのアジド化ポリオルガノシロキサンのうち合成の
容易さと塗布された感光層、露光後の皮膜の性質を含め
て考察すると、mは3140、nは2〜20の範囲が好
ましく、更にm十nが15〜40の範囲であることが好
ましい。
m+nが300を越えると、ポリオルガノシロキサン中
間体の合成がむずかしく、しかもアジド化反応の収率が
悪い。
また、生成したアジド化ポリオルガノシロキサンがゲル
状を呈し、取扱いに不便である。
上記の好ましい範囲よりも重合度が高いと、生成したア
ジド化ポリオルガノシロキサンの粘度が高くて取扱いが
不便であり、かつ露光後の現像の際に、溶剤への溶解性
が悪く、現像に困難を生ずる。
また、上記の好ましい範囲よりも重合度が低いと、製版
の際に、フィルム原稿に粘着して感光層、フィルム原稿
をともに害ねるという問題を生ずる。
前述のポリシロキサン類の構造で、R”、R2,R3及
びR4の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基
、メチル基、ヘキシル基の様なアルキル基、ビニル基及
びフェニル基が挙げられる。
これらは同一でも、相異なってもよい。
化学的安定性、合成の容易さ、ポリオルガノシロキサン
の粘度が低くて取扱いが容易なことから、メチル基が最
も有利である。
また、感光効果を上げるために、少量のビニル基を含有
することが有効である。
ゼニル基は、例えばR1として鎖状分子の両端に含有し
てもよく、R2a3 R4のうちの一部に導入してもよ
い。
R5の例としては、メチレン基、エチレン基、プロピレ
ン基、ブチレン基、ヘキセン基が挙げられる。
一般にポリオルガノシロキサンの側鎖についたエステル
結合の加水分解に対する安定性は、エスチル結合がケイ
素原子に直結しているとき最も弱いので、この場合、ア
ジド化ポリオルガノシロキサンは空気中の水分によって
加水分解を受ける。
そこで、エステル結合は前述の2価の炭化水素基R5を
介してケイ素原子に結合する必要があるが、エステル結
合が炭素原子1〜2個を介してケイ素原子に結合してい
る場合も、酸性乃至アルカリ性の環境では、条件によっ
ては僅か乍ら加水分解を受ける傾向があり、炭素原子3
個又はそれ以上を介してケイ素原子に結合しているとき
は、その様な加水分解を受けることがない。
−万、R5が余り大きくなると、ポリオルガノシロキサ
ンの粘度が大きくなって取扱が不便となる。
このことから、R5としては炭素数3〜4のものが好ま
しく、特にプロピレン基が有利であるが、その他の炭素
数1〜10の範囲の2価炭化水素基も倒れも使用可能で
ある。
本発明のアジド化ポリオルガノシロキサンの合成に用い
られるアジド化芳香族酸塩化物の例としては、p−アジ
ド安息香酸クロライド、p−アジド−m−メチル安息香
酸クロライド、p−アジド−m−エチル安息香酸クロラ
イド、p−アジド−m−ニトロ安息香酸クロライド、p
−アジド−m−メトキシ安息香酸クロライド、p−アジ
ド−m−クロロ安息香酸クロライド、m−アジド安息香
酸クロライド、0−アジド安息香酸クロライドなどが挙
げられる。
また、アジド化芳香族カルボン酸アルキルエステルの例
としては、上記酸クロライドに対応する酸のメチルエス
テル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど、更
に具体的には、p−アジド安息香酸メチル、p−アジド
安息香酸エチルなど及びこれらの誘導体が挙げられる。
アジド化芳香族カルボン酸アルケニルエステルの例とし
ては、上記酸クロライド擾こ対応する酸のプロペニルエ
ステル、フチニルエステル、ヘキセニルエステルなど、
更に具体的には、p−アジド安息香酸プロペニル、p−
アジド安息香酸ブテニル、p−アジド安息香酸ヘキセニ
ル及びこれらの誘導体が挙げられる。
アジド化ポリオルガノシロキサンの製造法の一例を、1
〜10個の炭素原子を介してケイ素原子に結合せる水酸
基を有するポリオルガノシロキサンとアジド化芳香族無
水物よりエステル化反応によって合成する方法について
説明する。
ポリオルガノシロキサンのエステル化反応は、ポリオル
ガノシロキサンの水酸基1個に対してアジド化芳香族酸
塩化物の酸クロライド基を好ましくは実質上1個の割合
になるように配合して行う。
この場合、副生ずる塩化水素の受容体として、ピリジン
のような有機塩基を存在せしめるとよい。
溶剤として、過剰量のピリジン又はトルエン、キシレン
及びメチルエチルケトンなどから選ばれる有機溶剤を存
在せしめるのが反応を円滑に進行せしめるのに好都合で
ある反応温度は室温〜120℃、好ましくは60〜90
℃、反応時間は2〜48時間が妥当であるが、アジド化
合物の分解温度以下であれば、特に制限されるものでは
ない。
反応終了後、溶液を大過剰の水に落してアジド化ポリオ
ルガノシロキサンを分別すると共に、未反応のアジド化
芳香族酸塩化物を分解し、アジド化ポリオルガノシロキ
サンを水洗、精製する。
この様にして得られたアジド化ポリオルガノシロキサン
の赤外吸収スペクトルを原料ポリオルガノシロキサンと
比較すると、第1図の様になる。
即ち、原料ポリオルガノシロキサンの赤外吸収スペクト
ル(第1図の1)に認められる水酸基に基づく3200
〜3600cm−1の吸収がアジド化ポリオルガノシロ
キサンの赤外吸収スペクトル(第1図の2)では消滅し
ており、それにかわって、新しくエステル結合に基づ<
1735cm−1の吸収、アジド基に基づく1300c
m−1及び2150m−’の吸収を生じていることから
、反応が進行して目的とするアジド化ポリオルガノシロ
キサンが得られたことが確認された。
先に製造法のところで触れたように、反応生成物を大過
剰の水に落してアジド化ポリオルガノシロキサンを分別
する際、未反応のアジド化芳香族酸塩化物は、加水分解
を受けてアジド化芳香族カルボン酸となるが、これは水
に可溶である。
従って、このときアジド化ポリオルガノシロキサン層に
は未反応のアジド化合物は混入してこない。
このシロキサン層を精製したものについて元素分析を行
ったところ、アジド基に起因する窒素の存在が確認され
た。
また、この生成アジド化ポリオルガノシロキサンは、水
銀灯照射によって固有の分解反応を行ってナイトレンラ
ジカルを生じ、ポリオルガノシロキサン中のケイ素原子
に結合せるメナル基からの水素引抜反応、ビニル基(存
在する場合)の二重結合への挿入反応、ナイトレンどう
じのカプリングなどによって、アジド化ポリオルガノシ
ロキサンの架橋を生じ、不溶不融の重合体が得られた。
また、生成ポリオルガノシロキサンをアシドメータに収
容して紫外線照射を行ったところ理論量の窒素ガスの発
生が認められた。
次に、本発明者によって提供される他の2つのアジド化
ポリオルガノシロキサンの製造法、即ちエステル交換法
及び付加反応法を説明する。
ポリオルガノシロキサンのエステル交換反応は、ポリオ
ルガノシロキサンの水酸基1個に対してアジド化芳香族
カルボン酸アルキルエステルを好ましくは実質上1個の
割合になるように配合し、溶剤中で行う。
溶剤としては、トルエン、キシレン、石油系溶剤及びメ
チルエチルケトンなどから選ばれる有機溶剤が用いられ
る。
反応温度は100〜150℃の間がよいが、アジド化合
物の分解温度の低いときは、その温度以下でなければな
らない。
反応の際に、酢酸亜鉛、オクチル酸亜鉛の様な金属脂肪
酸塩を添加することが好ましい。
溶剤の還流下に反応を行いつ\、生成したアルコールを
留去していくのが実際的である。
反応終了後、浴剤を留去し、未反応物を分別によって除
去すれば、目的とするアジド化ポリオルガノシロキサン
が得られる。
ポリオルガノシロキサンへの付加反応は、先に挙げた製
造法とは異なり、ケイ素原子に直接結合した水素原子を
有するポリオルガノシロキサンを出発原料とする。
この5i−R結合1個に対して、アジド化芳香族カルボ
ン酸アルケニルエステルを好ましくは実質上1個の割合
になるように配合し、炭化水素系溶剤の存在下に、カー
ボン担持白金のような、白金系触媒の存在下に反応を行
う。
反応温度は100−150℃の間が適しているが、アジ
ド化合物の分解温度の低いときは、その温度以下でなけ
ればならない。
反応終了後、触媒を戸別し、溶剤を留去して、目的物で
あるアジド化ポリオルガノシロキサンが得られる。
これらの製法を比較すると、アジド化芳香族カルボン酸
塩化物によるエステル化法は、反応が比較的低温で短時
間に起り、好収率で目的物とするアジド化ポリオルガノ
シロキサンが得られ、かつ、未反応物の除去が容易であ
ること、アジド基の分解がないこと、原料ポリオルガノ
シロキサンの有機基が任意に選べることなどの利点があ
る。
原料の、少くとも1個の炭素原子を介してケイ素原子に
結合せる水酸基を有するポリオルガノシロキサンは、ケ
イ素原子に直結した水素原子を有するポリオルガノシロ
キサンへの不飽和アルコールの付加反応、又はポリオル
ガノシロキサンのケイ素原子に結合したアルキル基の塩
素化とそれに続く加水分解反応によって容易をこ得るこ
とができる。
また、アジド化芳香族カルボン酸アルキルエステルによ
るエステル交換法は、前者よりや\反応温度が高いが、
脱アルコール反応により、比較的好収率で目的物が得ら
れる。
この方法は必要とする原料がすべて容易に得られること
、ピリジンのような高価な溶剤を必要としないという利
点がある。
アジド化芳香族カルボン酸アルケニルエステルを用いる
付加反応法は、反応温度が高く、アジドの分解に注意す
る必要があること、R5として炭素原子1個のものが得
られないこと、ビニル基が5i−H結合と反応するため
R1−R4としてビニル基を用いることができないこと
が不利な点であるが、原料ポリオルガノシロキサンは、
最も一般的なものの一つであるケイ素原子に結合した水
素原子を有するポリオルガノシロキサンをそのまN用い
得る利点がある。
本発明によるアジド化ポリオルガノシロキサンは、溶剤
に溶解し、必要に応じて増感剤及び/又はビニル基含有
ポリオルガノシロキサンを添加することにより、すぐれ
た感光性組成物を得るのに用いられる。
この組成物は、支持体に塗布して乾燥し、紫外線照射に
よって露光部を硬化せしめることにより、すぐれた乾式
印刷用平版を作ることができる。
この様なアジド化ポリオルガノシロキサンを用いる乾式
平版印刷は、感光剤が基ポリマーから分離、結晶化する
ことがないので、次の様な利点がある。
(1)製版工程が簡単である。
(2)安定性をこすぐれ保存性が良い。
(3)感度が高い。(4)現像性が良い。(5)光硬化
部と支持体との接着性や、光硬化部の機械的強度がすぐ
れている。
また、本発明の組成物を用いる乾式平版印刷は、アジド
型感光材によるもののすぐれた利点である、感光性の持
続性がすぐれていること、暗減衰が少ないこと、酸素を
遮断する必要がないことをも利点として持つので、上記
の利点(1)〜(5)と相まって、すぐれた平版印刷方
法を提供する。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明の範囲は、下記
の実施例に限定されるものではない。
また、実施例において、部はすべて重量部を表わす。
実施例 1 平均分子式 で示されるポリジオルガノシロキサン50部をピリジン
400部に溶解し、p−アジド安息香酸クロライド50
部に加え、攪拌しながら80℃に14時間保った。
溶液を大過剰の水に落すと、茶褐色粘稠物質が器壁に付
着してきた。
これを、ピリジン臭がなくなる迄水洗した後、アセトン
に溶解し、これを水に加えた。
析出物をメチルエチルケトンに溶解し、無水硫酸ナトリ
ウムで脱水する。
脱水剤を戸別した後、メチルエチルケトン留去して、高
粘性淡茶色のアジド化ポリオルガノシロキサンを得た。
収率は理論収量に対して94%であった。
後述の分析結果から、得られたアジド化ポリオルガノシ
ロキサンは、平均分子式 で示されるものであることが結論付けられた。
これをアジド化ポリオルガノシロキサンAとする。
アジド化ポリオルガノシロキサンAを、その原料ポリオ
ルガノシロキサン及び紫外線照射後の架橋ポリオルガノ
シロキサンと、赤外分光スペクトルによる比較を行った
結果を第1図に示す。
即ち原料ポリオルガノシロキサンをNaClセル、液膜
法によって赤外分光にかけ、得られたスペクトルを1、
同様にして得られたアジド化ポリオルガノシロキサンの
赤外分光スペクトルを2、これを450Wの高圧水銀灯
で15分間露光して得たものの赤外分光スペクトルを3
に示す。
2を1と比較すると、水酸基に基づ<3400cm−1
の吸収が消滅し、エステル結合に基づ<1735cm−
1の吸収、アジド基に基づく1280〜1300cm−
1及び2150cm−1O吸収が認められる。
このアジド基の吸収は、紫外線照射によって減少してい
る。
アジド化ポリオルガノシロキサンAの元素分析を行った
ところ、第1表のような値を得、理論量とよく一致して
いた。
また原料ポリオルガシロキサン及びアジド化ポリオルガ
ノシロキサンAの平均分子量を何れもアセトン溶媒中、
標準物質としてベンジルを用い、蒸気圧平衡法で測定し
た結果も第1表に記す。
また、アジド化ポリオルガノシロキサンAの0.1%ベ
ンゼン溶液をアシドメータに入れて紫外線照射を行い、
発生する窒素ガスの量を容量分析したところ、6.10
重量%の窒素ガスの発生があり、9.15重量%のアジ
ド基が存在することが認められた。
次の組成物を作成した。
アジド化ポリオルガノシロキサンA 100部ポリメ
チルビニルシロ+サン 100〃5−ニトロア
セナフテン lO〃トルエン
1800部この組成物を、ブラシ研磨
したアルミ板に回転塗布し、乾燥後、高圧水銀灯で3分
間像露光することにより、露光部分に網状構造の不溶不
融性の重合体を得た。
露光後、メチルエチルケトンで未感光部分を洗い流して
版を得た。
この版を、湿し水供給装置をはずした印刷機にセットし
、東洋インキ株式会社製スピードキング“紅“インキを
用いて、5000枚印刷したところ、良好な印刷物を得
た。
また、印刷の前後において、版の状態に変化がみられな
かった。
実施例 2 平均分子式 で示されるポリシロキサン50部をピリジンに溶解し、
これを分子式 で示されるアジド化合物50部に加え、80℃で15時
間攪拌しながら保った。
その後大過剰の水に落し充分に水洗した後、アセトンに
溶解しこれを水に加えた。
析出物をメチルエチルケトンに溶解し、無水硫酸ナトリ
ウムで脱水を行った。
脱水剤を戸別した後メチルエチルケトンを除去して高粘
性のアジド化ポリオルガノシロキサンを理論収率91%
で得た。
実施例1と同様に赤外分光分析及び平均分子量の測定を
行った結果、得られたアジド化ポリオルガノシロキサン
は、 で示されるものであることが結論付けられた。
即ち、第1図の2にはゾ類似する赤外分光スペクトルが
得られ、滲透圧法による平均分子量は3850で、理論
値3858とはシ一致していた。
また、アジド化ポリオルガノシロキサンの0.1%ベン
ゼン溶液をアシドメータ中で紫外線照射を行ったところ
、アジド化ポリオルガソシロキサン1g分子当り7.8
モルの窒素ガスの発生が認められた。
実施例 3 平均分子式 で示されるポリシロキサン50部をピリジンとトルエン
の等景況合液に溶解し、これにp−アジド安息香酸クロ
ライド50部を加え、実施例1と同様な方法で反応を行
ったところ、次の平均分子式で示されるアジド化ポリオ
ルガノシロキサンを得た。
このものは紫外線照射を行うと窒素ガスを発生しながら
硬化して不溶不融性の皮膜を形成した。
実施例 4 平均分子式 で示されるポリオルガノシロキサン50部をピリジンに
溶解し、これにm−アジド安息香酸クロライド50部を
加え80℃で20時間攪拌を行い、実施例1と同様な処
理を行った後、次の平均分子式で示される感光性のアジ
ド化ポリオルガシロキサンを得た。
実施例 5 で示されるポリシロキサン50部をピリジンに溶解し、
これを分子式 米で示されるアジド化合物50部を加え実施例1と同様
な方法で反応を行ったところ次の平均分子式で示される
感光性シリコーン化合物が得られた。
実施例 6 平均分子式 で示されるポリジオルガノシロキサン50部をトルエン
300部に溶解し、p−アジド安息香酸メチル50部に
加え、酢酸亜鉛0.1部を加えて、トルエンの還流下に
加熱し、生成したメタノールを除きうつ、反応を10時
間継続した。
メタノールの留出が認められなくなった後、トルエンを
留去して、次の平均分±式をもつアジド化ポリオルガノ
シロキサンか理論収量の92%の収率で得られた。
このものの赤外分光スペクトルは、実施例1で得られた
ものとよく一致していた。
また、このものを用いて、実施例1と全く同様の組成物
を作り、同様にアルミ板に塗布して高圧水銀灯による露
光を行ったところ、同様に良好な乾式平板が得られた。
実施例 7 平均分子式 で示されるポリオルガノシロキサ750部をキシレン2
50部に溶解し、p−アジド−m−メチル安息香酸エチ
ル55部醗こ加れ、酢酸亜鉛0.1部を加えて、キシレ
ン還流下に加熱し、生成したエタノールを除きつつ、反
応を12時間継続した。
エタノールの留出が認められなくなった後、キシレンを
留去して、次の平均分子式をもつアジド化ポリオルガノ
シロキサンが得られたー このものは、紫外線照射によって容易に架橋硬化して、
不溶不融の皮膜を作ることができた。
実施例 8 平均分子式 で示されるポリメチルハイドロジエンシロキサン50部
を石油ターペン330部に溶解し、p−アジド安息香酸
ブテニル55部擾こ加え2重量%の白金をカーボンブラ
ックに担持させた白金カーボン0.26部を加えて、1
20℃で24時間の加熱攪拌を行った。
反応終了後、触媒を戸別し、減圧下に石油ターペンを留
去して、次の平均分子式をもつアジド化ポリオルガノシ
ロキサンが得られた。
収量は理論収量の85%であった。
これをアルミ板Eこ塗布して紫外線照射を行ったところ
、良好な光硬化性が認められた。
実施例 9 平均分子式 で示されるポリメチルハイドロジエンシロキサン50部
を石油ターペン350部擾こ溶解し、p−アジド−m−
メチル安息香酸へキモニル65部に加え、2重量%の白
金をカーボンブラックに担持させた白金カーボン0.2
8部を加えて、135℃で24時間の加熱攪拌を行った
反応終了後、触媒を戸別し、減圧下に石油ターペンを留
去して、次の平均分子式をもつアジド化ポリオルガノシ
ロキサンが得られた。
【図面の簡単な説明】
第1図は、原料ポリオルガノシロキサン、アジド化ポリ
オルガノシロキサン、光硬化後のポリオルガノシロキサ
ンの赤外吸収スペクトルを示す。 1……原料ポリオルガノシロキサンのスペクトル、2…
…アジド化ポリオルガノシロキサンのスペクトル、3…
…光硬化後のポリオルガノシロキサンのスペクトル。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1式 (但しR1,R2,R3及びR4はアルキル基、フェニ
    ル基及びビニル基からなる群から選ばれた、夫々間−又
    は相異なる1価の炭化水素基、R5は炭素数1〜10の
    2価の炭化水素−1Yは水素原子、アルキル基、アルコ
    キシ基、ニトロ基およびハロゲン原子からなる群から選
    ばれた基、mは0〜300の整数、nは1〜300の整
    数、n+mは1〜300の整数を表わす)で示されるア
    ジド化ポリオルガノシロキサン。 2 R1JR2tR3及びR4がすべてメチル基である
    、特許請求の範囲第1項記載のアジド化ポリオルガノシ
    ロキサン。 3 R’がプロピレン基である特許請求の範囲第1項記
    載のアジド化ポリオルガノシロキサン。 4 (1)式 (但しal、R2,R3及びR4はアルキル基、フェニ
    ル基及びビニル基からなる群から選ばれた、夫夫間−又
    は相異なる1価の炭化水素基、R5は炭素数1〜10の
    2価の炭化水素基、mはO〜300の整数、nは1〜3
    00の整数、n+mは1〜300の整数を表わす)で示
    される水酸基を有するポリオルガノシロキサンと、(2
    )式 (但しYは水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ニト
    ロ基およびハロゲン原子からなる群から選ばれた基)で
    示されるアジド化芳香族酸塩化物とを反応させることを
    特徴とする式 (但しR”、R2,R3,R’、R’、m、n及びYは
    前述の通り)で示されるアジド化ポリオルガノシロキサ
    ンの製造法。 S R’、R2,R3及びR4がすべてメチル基である
    特許請求の範囲第4項記載のアジド化ポリオルガノシロ
    キサンの製造法。 6 R’がプロピレン基である特許請求の範囲第4項記
    載のアジド化ポリオルガノシロキサンの製造法。 7 (1)式 (但しRI R2R3及びR4はアルキル基、フェニル
    基及びビニル基からなる群から堺ばれた、夫夫間−又は
    相異なる1価の炭化水素基、R5は炭素数1−10の2
    価の炭化水素基、mは0〜300の整数、nは1〜30
    0の整数、n+mは1〜300の整数を表わす)で示さ
    れる水酸基を有するポリオルガノシロキサンと、(2)
    式 (但しYは水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ニト
    ロ基およびハロゲン原子からなる群から選ばれた基 R
    6は炭素数1〜10のアルキル基を示す)で表わされる
    アジド化芳香族カルボン酸アルキルエステルとを反応さ
    せることを特徴とする式 (但しR”、R2,R3,R’lR5m、n及びYは前
    述の通り)で示されるアジド化ポリオルガノシロキサン
    の製造法。 8 (1)式 (但しal R2R3及びR4はアルキル基、フェニル
    基及びビニル基からなる群から選ばれた、夫夫間−又は
    相異なる1価の炭化水素基、mはO〜300の整数、n
    は1〜300の整数、n+mは1〜300の整数を表わ
    す)で表わされる水素原子を有するポリオルガノシロキ
    サンに、(2)式(但しYは水素原子、アルキル基、ア
    ルコキシ基、ニトロ基およびハロゲン原子からなる群か
    ら選ばれた基、Zは炭素数2〜lOのアルケニル基を示
    す)で表わされるアジド化芳香族カルボン酸アルケニル
    エステルを反応させることを特徴とする式 (但しR1,R2,R3,R’、m、n及びYは前述の
    通り、R5′はZから誘導された炭素数2〜lOの12
    価の炭化水素基)で示されるアジド化ポリオルガノシロ
    キサンの=進法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6040263U (ja) * 1983-08-24 1985-03-20 渡辺 幸征 干し蒲団糸くず着毛除去板
JPH0317773U (ja) * 1989-06-29 1991-02-21

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JPS6040263U (ja) * 1983-08-24 1985-03-20 渡辺 幸征 干し蒲団糸くず着毛除去板
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