JP2000122299A - ポリイミド前駆体組成物およびそれを用いたパターン形成方法 - Google Patents

ポリイミド前駆体組成物およびそれを用いたパターン形成方法

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JP2000122299A
JP2000122299A JP28953998A JP28953998A JP2000122299A JP 2000122299 A JP2000122299 A JP 2000122299A JP 28953998 A JP28953998 A JP 28953998A JP 28953998 A JP28953998 A JP 28953998A JP 2000122299 A JP2000122299 A JP 2000122299A
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polyimide precursor
group
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precursor composition
film
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JP28953998A
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English (en)
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Haruhiko Yoshikawa
治彦 吉川
Fumio Kataoka
文雄 片岡
Makoto Kaji
誠 鍜治
Minoru Sugiura
実 杉浦
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Hitachi Ltd
Showa Denko Materials Co Ltd
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Hitachi Chemical Co Ltd
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】剥離することなく水溶液により短時間で現像で
き、感度が高い。 【解決手段】ポリイミド前駆体100重量部と、下記一
般式(化1)で表わされる有機ケイ素化合物0.1〜5
0重量部とを含む。ただし、R9は2価の有機基を、R
10およびR11はそれぞれ、アルキル基、アルケニル基及
び芳香族基から独立して選択された基を表わし、mは1
〜3の整数である。 OCN−R9−Si(OR10m11 3-m …(化1)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体素子の表面
コート膜等の保護膜や薄膜多層配線基板の層間絶縁膜等
を形成するための技術に係り、特に、耐熱性ポリイミド
の前駆体を含む感光性ポリイミド前駆体組成物と、該組
成物を用いた樹脂パターンの形成方法とに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、耐熱性高分子化合物を得るための
感光性耐熱材料としては、特公平5−67026号公報に記載
されている共有結合で感光基を導入したもの、すなわ
ち、芳香族テトラカルボン酸二無水物をオレフィン不飽
和アルコールと反応させてオレフィン芳香族テトラカル
ボン酸ジエステルを合成し、この化合物とジアミンとを
カルボジイミドを用いた脱水縮合反応により重合させた
もの、および、特公昭63−31939号公報に記載されてい
るイオン結合で感光基を導入したもの、すなわち、芳香
族テトラカルボン酸二無水物を芳香族ジアミンと反応さ
せて得られるポリアミド酸に、感光基を有するアミン化
合物を反応させたものが知られている。
【0003】これらの従来技術はいずれも、適当な有機
溶剤に溶解したポリイミド前駆体を、ワニス状態で基板
に塗布し、乾燥させて被膜とした後、適当なフォトマス
クを介して紫外線を照射することにより露光部を光硬化
させ、有機溶媒を用いて現像およびリンスして、ネガ型
のレリーフ・パターンを得ている。
【0004】しかしながら、パターン形成時に現像液と
して有機溶媒を使用すると、現像時に露光部の膨潤が起
こり易く、高解像度のパターンを得ることが困難であ
る。また、有機溶媒を用いると、作業者の健康に悪影響
があることや、廃液処理に手間がかかるといった問題点
があった。
【0005】そこで、上述の問題点を解決するため、水
性の液により現像可能な材料として、例えば、ポリアミ
ド酸のカルボキシル基に、ナフトキノンジアジドスルホ
ニルアミド基を導入したポジ型のポリマが提案されてい
る(特開平6-258835号公報)。このポリマは、光照射に
よりナフトキノンジアジドスルホニルアミド基がカルボ
キシル基に変化するため、露光部が塩基性水溶液に可溶
化するという特徴を有しており、ポジ型感光材料として
用いられる。
【0006】しかし、このポジ型感光材料は、現像に長
時間を必要としたり、膜厚が厚い(10μm以上)場合
感度が充分でないという問題点があった。
【0007】そこで、本発明者らは、これらの問題点を
無くし、水溶液による短時間の現像が可能な、現像時に
露光部の膨潤が起こりにくい高解像度の感光材料と、該
感光材料に用いられるポリイミド前駆体と、該感光材料
を用いた樹脂パターン形成方法とを開発した(特開平10
-95848号公報)。この材料は、下記一般式(化2)によ
り表される繰返し単位を有し、重量平均分子量は1万〜
20万、望ましくは2万〜6万のポリイミド前駆体であ
る。
【0008】
【化2】
【0009】(ただし、式中、R1は4個以上の炭素を
含む4価の有機基、R2は芳香族環を含む3価または4
価の有機基、R3は1価の有機基、Aは酸性を示す1価
の基、nは1または2である。) このポリイミド前駆体は、ポリマの構造単位中に酸性の
基Aを有するため、硬化前のポリイミド前駆体が塩基性
水溶液に良く溶解するという特徴を備えている。従っ
て、このようなポリイミド前駆体は、塩基性水溶液によ
り容易に現像することができ、有機溶媒を現像液として
用いることに伴う上述のような種々の弊害を克服でき
る。
【0010】また、R3を感光基とすれば、このポリイ
ミド前駆体を、露光により硬化するネガ型の感光性ポリ
イミド前駆体とすることができる。R3が感光基の場
合、この感光基はエステル結合により導入されるため、
厚い膜(10μm以上)でも露光部の硬化性が優れてい
る。従って、上記一般式(化1)のポリイミド前駆体の
うち、R3を感光基としたものは、塩基性水溶液に溶解
し、露光により硬化して該塩基性水溶液に不溶化すると
いう特性を備え、このポリイミド前駆体を用いれば、短
い現像時間でネガ型のパターンを形成できる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このポリイミ
ド前駆体は、シリコンウエハとの密着性が従来のものよ
り劣り、半導体素子の表面コート膜等の保護膜に用いた
場合、塩基性水溶液現像時に、露光部の剥離が生じるこ
とがあった。
【0012】そこで、本発明は、接着性が高く現像時に
硬化部が剥離しにくいポリイミド前駆体組成物と、該組
成物を用いた樹脂パターンの形成方法とを提供すること
を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明では、ポリイミド前駆体と、下記一般式(化
1)で表わされる有機ケイ素化合物とを含むポリイミド
前駆体組成物が提供される。有機ケイ素化合物の配合量
は、ポリイミド前駆体100重量部に対して、0.1〜
50重量部とすることが望ましい。この有機ケイ素化合
物を用いると、ポリイミド前駆体組成物膜とシリコンウ
エハとの密着性が向上し、塩基性水溶液で現像した時に
露光部の剥離が起こり難い。
【0014】
【化1】
【0015】(ただし、式中、R9は2価の有機基を表
わし、R10およびR11はそれぞれ、アルキル基、アルケ
ニル基及び芳香族基から独立して選択された基を表わ
し、mは1〜3の整数である。) ここで、R9は、炭素数2〜4のアルキレン基、フェニ
ル基又は炭素数2〜3のアルケニル基であることが望ま
しく、特に炭素数2〜4のアルキレン基が好適である。
また、R10及びR11は、それぞれ、炭素数1〜3のアル
キレン基、フェニル基又は炭素数2〜3のアルケニル基
であることが望ましく、特に炭素数2〜3のアルキレン
基が好適である。
【0016】なお、ポリイミド前駆体は、感光性ポリイ
ミド前駆体であることが望ましい。本発明では、ポリイ
ミド前駆体として感光性ポリイミド前駆体を含む感光性
ポリイミド前駆体組成物が提供される。
【0017】感光性ポリイミド前駆体としては、特に下
記一般式(化2)で表される第1の繰返し単位を有する
感光性ポリイミド前駆体は、本発明に適している。これ
らポリイミド前駆体の重量平均分子量は、1万〜20万
であることが望ましく、2万〜6万であることがさらに
望ましい。
【0018】
【化2】
【0019】(ただし、式中、R1は4個以上の炭素を
含む4価の有機基、R2は芳香族環を含む3価または4
価の有機基、R3は1価の有機基、Aは酸性を示す1価
の基、nは1または2である。) このポリイミド前駆体は、酸性基Aを有するため、有機
ケイ素化合物のイソシアナート基と結合して、ポリマの
骨格にシロキサン基を導入することができるため、シリ
コンウエハとの密着性が向上し、塩基性水溶液で現像し
た時に露光部の剥離が起こり難い。本発明では、このよ
うに、本発明において用いられる有機珪素化合物のイソ
シアナート基と反応可能な官能基を有するポリイミド前
駆体を用いることが望ましい。
【0020】また、これらの感光性ポリイミド前駆体
は、ポリマの構造単位中に酸性の基Aを有するため、硬
化前の感光性ポリイミド前駆体が塩基性水溶液に良く溶
解する。従って、このような感光性ポリイミド前駆体
は、塩基性水溶液により容易に現像することができる。
さらに、R3にエステル結合で感光基が導入されるた
め、露光部の硬化性が優れている。従って、未露光部は
塩基性水溶液に溶解し、露光により硬化して該塩基性水
溶液に不溶化するという特性を備える。このポリイミド
前駆体を用いれば、短い現像時間でネガ型のパターンを
形成できるため、本発明に適している。
【0021】なお、この感光性ポリイミド前駆体は、す
べての繰返し単位に酸性基Aを備えていなくてもよく、
10モル%以上の繰返し単位に酸性基Aがあればよい。
すなわち、上記一般式(化2)で表される第1の繰返し
単位に加えて、さらに、下記一般式(化3)で表される
第2の繰返し単位を有し、一分子中の、第1の繰返し単
位の数と、第2の繰返し単位の数との合計を100とす
るとき、第1の繰返し単位の数が10以上100以下、
第2の繰返し単位の数が0以上90以下である感光性ポ
リイミド前駆体も、本発明に含まれる感光性ポリイミド
前駆体として用いることができる。
【0022】
【化3】
【0023】(ただし、式中、R1は4個以上の炭素を
含む4価の有機基、R3は1価の有機基、R4は芳香族環
またはケイ素を含む2価の有機基である。) 本発明のポリイミド前駆体組成物は、ポリイミド前駆体
として感光性ポリイミド前駆体を含む場合、このポリイ
ミド前駆体100重量部に対して、増感剤0.1〜50
重量部と、光重合助剤0.1〜50重量部とをさらに含
むことができる。
【0024】さらに、本発明では、本発明のポリイミド
前駆体組成物からなる被膜に、所定のパターンのマスク
を介して光を照射した後、塩基性水溶液を用いて上記被
膜を現像する工程を含むことを特徴とする樹脂パターン
の形成方法が提供される。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明に含まれる有機ケイ素化合
物の具体例としては、3−イソシアナートプロピルトリ
エトキシシラン、3−イソシアナートプロピルトリメト
キシシラン、3−イソシアナートプロピルジメトキシメ
チルシラン、3−イソシアナートプロピルジエトキシメ
チルシラン、4−イソシアナートブチルトリエトキシシ
ラン、4−イソシアナートブチルトリメトキシシラン、
4−イソシアナートブチルジメトキシメチルシラン、4
−イソシアナートブチルジエトキシメチルシラン等が挙
げられるが、これらに限定されない。1種類の有機ケイ
素化合物を用いても良いし、数種を混合して用いてもよ
い。本発明に含まれるポリイミド前駆体100重量部に
対し、有機ケイ素化合物は、0.1〜50重量部配合す
ることが好ましく、0.3〜20重量部とすることがさ
らに好ましい。0.1〜50重量部の範囲を逸脱する
と、現像性に好ましくない影響を及ぼすことがある。
【0026】本発明に好適な上記一般式(化2)で表わ
される感光性ポリイミド前駆体は、例えば、下記一般式
(化9)により表される酸クロライドと、下記一般式
(化10)により表されるジアミンとを溶媒中で反応さ
せることにより得られる。
【0027】
【化9】
【0028】
【化10】
【0029】なお、ジアミン成分のうち、上記(化1
0)は10モル%以上であればよく、全ジアミン成分の
90モル%以下の下記一般式(化11)で表されるジア
ミンと、10モル%以上の上記(化10)のジアミンと
の混合物を、上記一般式(化9)の酸クロライドと共重
合させても、本発明に含まれる感光性ポリイミド前駆体
が得られる。
【0030】
【化11】
【0031】上述のように、この感光性ポリイミド前駆
体は、分子中に酸性基Aを備えることにより、塩基性水
溶液に対する溶解性が付与されている。この酸性基A
は、下記置換基群(化12)のうちのいずれかとするこ
とが望ましいが、これら以外の酸性基を用いてもよい。
また、分子中のすべてのAが同じであってもよく、異な
る基Aが分子中に混在していてもよい。なお、この(化
12)に挙げられた酸性基のうち、カルボキシル基およ
び水酸基は、合成が容易なため、特に好ましい。
【0032】
【化12】
【0033】この酸性基Aの結合しているジアミン残基
2は、硬化して得られるポリイミド膜の機械特性、耐
熱性、および接着性の観点から、芳香族環を含む3価ま
たは4価の有機基である。その好ましい例を、下記構造
式群(化5)に挙げる。なお、分子中のすべてのR2
同じであってもよく、異なる基R2が分子中に混在して
いてもよい。
【0034】
【化5】
【0035】また、酸性基Aが存在しない繰返し単位
(化3)のジアミン残基R4は、硬化して得られるポリ
イミド膜の機械特性、耐熱性、および接着性の観点か
ら、芳香族環および/またはケイ素を含む2価の有機基
である。その好ましい例を、下記構造式群(化6)、
(化7)および(化8)に挙げる。なお、分子中のすべ
てのR4が同じであってもよく、異なる基R4が分子中に
混在していてもよい。
【0036】
【化6】
【0037】
【化7】
【0038】
【化8】
【0039】本発明に好適な感光性ポリイミド前駆体の
一般式(化2)および(化3)において、硬化して得ら
れるポリイミド膜の機械特性、耐熱性、および接着性の
観点から、R1は炭素数4以上の4価の有機基である。
その好ましい例を、下記構造式群(化4)に挙げる。な
お、分子中のすべてのR1が同じであってもよく、異な
る基R1が分子中に混在していてもよい。これらの中
で、特にビフェニル骨格のもの、及びジフェニルスルホ
ン骨格のものが、感光性を付与したポリイミド前駆体に
用いてパターンを形成した場合、パターンの形状が良好
であるため望ましい。
【0040】
【化4】
【0041】また、一般式(化2)および(化3)にお
いて、R3は1価の有機基である。分子中のすべてのR3
が同じであってもよく、異なる基R3が分子中に混在し
ていてもよい。なお、R3の10モル%以上を感光基
(例えば、光の照射により脱離する基)にすれば、ポリ
イミド前駆体に感光性を付与することができるため望ま
しい。感光基としては、例えば、下記一般式(化13)
により表される有機基があり、この一般式(化13)で
表される基のうちの2種以上が混在してもよい。
【0042】
【化13】
【0043】(ただし、R5、R6およびR7は、水素、
アルキル基、アルケニル基(ビニル基又はプロペニル基
が好ましい)、及び、芳香族基(フェニル基が好まし
い)からそれぞれ独立に選択された基であり、R8は2
価の有機基を示す。) この一般式(化13)により表される基は、ポリイミド
前駆体に付与する高感度の感光性を付与するため望まし
く、特に、下記化学式(化14)により表される有機基
は、高い感度を実現するのみならず、合成も容易である
ため本発明に好適である。
【0044】
【化14】
【0045】R3の一部(10モル%以上とすることが
望ましい)を一般式(化13)で表される基とする場
合、R3の残り(すなわち、0〜90モル%とすること
が望ましい)は、炭素数6以下のアルキル基とすること
が好ましく、特に、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、イソプロピル基、n−ブチル基が、このポリイミド
前駆体を硬化させて得られるポリイミドの膜特性の点か
ら、適している。
【0046】上述したように、本発明の感光性ポリイミ
ド前駆体組成物は、露光部分が硬化するネガ型感光性材
料として用いられる。本発明の感光性ポリイミド前駆体
組成物の感光性ポリイミド前駆体、および有機ケイ素化
合物以外の成分について、つぎに説明する。
【0047】本発明の感光性ポリイミド前駆体組成物
は、露光感度をさらに向上させるため、増感剤を含むこ
とが望ましい。増感剤の好ましい例としては、ミヒラケ
トン、ビス−4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノ
ン、ベンゾフェノン、3,5−ビス(ジエチルアミノベ
ンジリデン)−N−メチル−4−ピペリドン、3,5−
ビス(ジメチルアミノベンジリデン)−N−メチル−4
−ピペリドン、3,5−ビス(ジエチルアミノベンジリ
デン)−N−エチル−4−ピペリドン、3,3’−カル
ボニルビス(7−ジエチルアミノ)クマリン、リボフラ
ビンテトラブチレート、2−メチル−1−[4−(メチ
ルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−
オン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエ
チルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサ
ントン、3,5−ジメチルチオキサントン、3,5−ジ
イソプロピルチオキサントン、1−フェニル−2−(エ
トキシカルボニル)オキシイミノプロパン−1−オン、
ベンゾインエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテ
ル、ベンズアントロン、5−ニトロアセナフテン、2−
ニトロフルオレン、アントロン、1,2−ベンズアント
ラキノン、1−フェニル−5−メルカプト−1H−テト
ラゾール、チオキサンテン−9−オン、10−チオキサ
ンテノン、3−アセチルインドール、2,6−ジ(p−
ジメチルアミノベンザル)−4−カルボキシシクロヘキ
サノン、2,6−ジ(p−ジメチルアミノベンザル)−
4−ヒドロキシシクロヘキサノン、2,6−ジ(p−ジ
エチルアミノベンザル)−4−カルボキシシクロヘキサ
ノン、2,6−ジ(p−ジエチルアミノベンザル)−4
−ヒドロキシシクロヘキサノン、4,6−ジメチル−7
−エチルアミノクマリン、7−ジエチルアミノ−4−メ
チルクマリン、7−ジエチルアミノ−3−(1−メチル
ベンゾイミダゾリル)クマリン、3−(2−ベンゾイミ
ダゾリル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(2−
ベンゾチアゾリル)−7−ジエチルアミノクマリン、2
−(p−ジメチルアミノスチリル)ベンゾオキサゾー
ル、2−(p−ジメチルアミノスチリル)キノリン、4
−(p−ジメチルアミノスチリル)キノリン、2−(p
−ジメチルアミノスチリル)ベンゾチアゾール、2−
(p−ジメチルアミノスチリル)−3,3−ジメチル−
3H−インドール等が挙げられるが、これらに限定され
ない。
【0048】増感剤は、感光性ポリイミド前駆体100
重量部に対し、0.1〜50重量部配合すること好まし
く、0.3〜20重量部とすることが、さらに好まし
い。0.1〜50重量部の範囲を逸脱すると、増感効果
が得られなかったり、現像性に好ましくない影響を及ぼ
すことがある。なお、増感剤として、1種類の化合物を
用いても良いし、数種を混合して用いてもよい。
【0049】また、本発明の感光性ポリイミド前駆体組
成物は、さらに露光感度を向上させるために、光重合助
剤を含んでもよい。光重合助剤としては、例えば、4−
ジエチルアミノエチルベンゾエート、4−ジメチルアミ
ノエチルベンゾエート、4−ジエチルアミノプロピルベ
ンゾエート、4−ジメチルアミノプロピルベンゾエー
ト、4−ジメチルアミノイソアミルベンゾエート、N−
フェニルグリシン、N−メチル−N−フェニルグリシ
ン、N−(4−シアノフェニル)グリシン、4−ジメチ
ルアミノベンゾニトリル、エチレングリコールジチオグ
リコレート、エチレングリコールジ(3−メルカプトプ
ロピオネート)、トリメチロールプロパンチオグリコレ
ート、トリメチロールプロパントリ(3−メルカプトプ
ロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラチオグリ
コレート、ペンタエリスリトールテトラ(3−メルカプ
トプロピオネート)、トリメチロールエタントリチオグ
リコレート、トリメチロールプロパントリチオグリコレ
ート、トリメチロールエタントリ(3−メルカプトプロ
ピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサ(3−メ
ルカプトプロピオネート)、チオグリコール酸、α−メ
ルカプトプロピオン酸、t−ブチルペルオキシベンゾエ
ート、t−ブチルペルオキシメトキシベンゾエート、t
−ブチルペルオキシニトロベンゾエート、t−ブチルペ
ルオキシエチルベンゾエート、フェニルイソプロピルペ
ルオキシベンゾエート、ジt−ブチルジペルオキシイソ
フタレート、トリt−ブチルトリペルオキシトリメリテ
ート、トリt−ブチルトリペルオキシトリメシテート、
テトラt−ブチルテトラペルオキシピロメリテート、
2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルペルオキ
シ)ヘキサン、3,3',4,4'−テトラ(t−ブチル
ペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3',
4,4'−テトラ(t−アミルペルオキシカルボニル)
ベンゾフェノン、3,3',4,4'−テトラ(t−ヘキ
シルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,6−
ジ(p−アジドベンザル)−4−ヒドロキシシクロヘキ
サノン、2,6−ジ(p−アジドベンザル)−4−カル
ボキシシクロヘキサノン、2,6−ジ(p−アジドベン
ザル)−4−メトキシシクロヘキサノン、2,6−ジ
(p−アジドベンザル)−4−ヒドロキシメチルシクロ
ヘキサノン、3,5−ジ(p−アジドベンザル)−1−
メチル−4−ピペリドン、3,5−ジ(p−アジドベン
ザル)−4−ピペリドン、3,5−ジ(p−アジドベン
ザル)−N−アセチル−4−ピペリドン、3,5−ジ
(p−アジドベンザル)−N−メトキシカルボニル−4
−ピペリドン、2,6−ジ(p−アジドベンザル)−4
−ヒドロキシシクロヘキサノン、2,6−ジ(m−アジ
ドベンザル)−4−カルボキシシクロヘキサノン、2,
6−ジ(m−アジドベンザル)−4−メトキシシクロヘ
キサノン、2,6−ジ(m−アジドベンザル)−4−ヒ
ドロキシメチルシクロヘキサノン、3,5−ジ(m−ア
ジドベンザル)−N−メチル−4−ピペリドン、3,5
−ジ(m−アジドベンザル)−4−ピペリドン、3,5
−ジ(m−アジドベンザル)−N−アセチル−4−ピペ
リドン、3,5−ジ(m−アジドベンザル)−N−メト
キシカルボニル−4−ピペリドン、2,6−ジ(p−ア
ジドシンナミリデン)−4−ヒドロキシシクロヘキサノ
ン、2,6−ジ(p−アジドシンナミリデン)−4−カ
ルボキシシクロヘキサノン、2,6−ジ(p−アジドシ
ンナミリデン)−4−ヒドロキシメチルシクロヘキサノ
ン、3,5−ジ(p−アジドシンナミリデン)−N−メ
チル−4−ピペリドン、4,4’−ジアジドカルコン、
3,3’−ジアジドカルコン、3,4’−ジアジドカル
コン、4,3’−ジアジドカルコン、1,3−ジフェニ
ル−1,2,3−プロパントリオン−2−(O−アセチ
ル)オキシム、1,3−ジフェニル−1,2,3−プロ
パントリオン−2−(O−n−プロピルカルボニル)オ
キシム、1,3−ジフェニル−1,2,3−プロパント
リオン−2−(O−メトキシカルボニル)オキシム、
1,3−ジフェニル−1,2,3−プロパントリオン−
2−(O−エトキシカルボニル)オキシム、1,3−ジ
フェニル−1,2,3−プロパントリオン−2−(O−
ベンゾイル)オキシム、1,3−ジフェニル−1,2,
3−プロパントリオン−2−(O−フェニルオキシカル
ボニル)オキシム、1,3−ビス(p−メチルフェニ
ル)−1,2,3−プロパントリオン−2−(O−ベン
ゾイル)オキシム、1,3−ビス(p−メトキシフェニ
ル)−1,2,3−プロパントリオン−2−(O−エト
キシカルボニル)オキシム、1−(p−メトキシフェニ
ル)−3−(p−ニトロフェニル)−1,2,3−プロ
パントリオン−2−(O−フェニルオキシカルボニル)
オキシム等を用いることができるが、これらに限定され
ない。
【0050】光重合助剤は、感光性ポリイミド前駆体1
00重量部に対し、0.1〜50重量部配合されること
が好ましく、0.3〜20重量部の範囲がさらに好まし
い。0.1〜50重量部の範囲を逸脱すると、目的とす
る増感効果が得られなかったり、現像性に好ましくない
影響をおよぼすことがある。なお、光重合助剤として、
1種類の化合物を用いても良いし、数種を混合して用い
てもよい。
【0051】また、本発明の感光性ポリイミド前駆体組
成物は、さらに露光感度を向上させるために、上述の増
感剤および光重合助剤に加えて、共重合モノマーを含ん
でもよい。共重合モノマーは、炭素−炭素二重結合を有
する化合物であり光重合反応を容易にする。共重合モノ
マーとしては、1,6−ヘキサンジオールジアクリレー
ト、ネオペンチルグリコールジアクリレート、エチレン
グリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジア
クリレート、トリメチロールプロパントリアクリレー
ト、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタ
エリスリトールヘキサアクリレート、テトラメチロール
プロパンテトラアクリレート、テトラエチレングリコー
ルジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタク
リレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、
エチレングリコールジメタクリレート、ペンタエリスリ
トールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリ
メタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレ
ート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、
テトラメチロールプロパンテトラメタクリレート、テト
ラエチレングリコールジメタクリレート等が好ましい
が、これらに限定されない。
【0052】この共重合モノマーは、感光性ポリイミド
前駆体100重量部に対し、1〜100重量部配合する
ことが好ましく、3〜50重量部の範囲がさらに好まし
い。1〜100重量部の範囲を逸脱すると、目的とする
効果が得られなかったり、現像性に好ましくない影響を
およぼすことがある。なお、共重合モノマーとして、1
種類の化合物を用いても良いし、数種を混合して用いて
もよい。
【0053】本発明の感光性ポリイミド前駆体組成物
は、適当な有機溶媒を含んでいてもよい。適当な有機溶
媒に溶解した状態であれば、溶液(ワニス)状態で使用
に供することができ、成膜する際便利である。この場合
に用いる溶媒としては、溶解性の観点から非プロトン性
極性溶媒が望ましく、具体的には、N−メチル−2−ピ
ロリドン、N−アセチル−2−ピロリドン、N−ベンジ
ル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、
N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシ
ド、ヘキサメチルホスホルトリアミド、N−アセチル−
ε−カプロラクタム、ジメチルイミダゾリジノン、ジエ
チレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリ
コールジメチルエーテル、γ−ブチロラクトンなどが好
適な例としてあげられる。これらは単独で用いても良い
し、混合系として用いることも可能である。また、塗布
性を改善するために、トルエン、キシレン、ジエチルケ
トン、メトキシベンゼン、シクロペンタノン等の溶媒を
ポリマーの溶解性に悪影響を及ぼさない範囲で混合して
も差し支えない。
【0054】本発明の樹脂パターン形成方法は、支持基
板表面に本発明の感光性ポリイミド前駆体組成物からな
る被膜が形成され、フォトリソグラフィ技術により該組
成物の硬化物からなるポリイミド膜を形成するものであ
る。
【0055】感光性ポリイミド前駆体組成物からなる被
膜は、例えば、感光性ポリイミド前駆体組成物のワニス
の膜を形成した後、これを乾燥させることにより形成さ
れる。ワニスの膜の形成は、ワニスの粘度などに応じ
て、スピンナーを用いた回転塗布、浸漬、噴霧印刷、ス
クリーン印刷などの手段から適宜選択された手段により
行う。なお、被膜の膜厚は、塗布条件、本組成物の固形
分濃度等によって調節できる。また、あらかじめ支持体
上に形成した被膜を支持体から剥離して感光性ポリイミ
ド前駆体組成物からなるシートを形成しておき、このシ
ートを上記支持基板の表面に貼り付けることにより、上
述の被膜を形成してもよい。
【0056】つぎに、この被膜に、所定のパターンのフ
ォトマスクを介して光(通常は紫外線を用いる)を照射
した後、塩基性水溶液により未露光部を溶解除去して、
所望のレリーフ・パターンを得る。この現像工程は、通
常のポジ型フォトレジスト現像装置を用いて行ってもよ
い。
【0057】本発明の樹脂パターン形成方法では、現像
液として、塩基性水溶液を用いる。なお、現像液は、塩
基性を呈する水溶液であれば、一つの化合物の水溶液で
もよく、2つ以上の化合物の水溶液でもよい。塩基性水
溶液は、通常、塩基性化合物を水に溶解した溶液であ
る。塩基性化合物の濃度は、通常0.1〜50重量/重
量%とするが、支持基板等への影響などから、0.1〜
30重量/重量%とすることが好ましい。現像液は、感
光性ポリイミド前駆体の溶解性を改善するため、メタノ
−ル、エタノ−ル、プロパノ−ル、イソプロピルアルコ
−ル、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチル
ホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等の水溶
性有機溶媒を、さらに含有していてもよい。
【0058】上記塩基性化合物としては、例えば、アル
カリ金属、アルカリ土類金属またはアンモニウムイオン
の、水酸化物または炭酸塩や、アミン化合物などが挙げ
られ、具体的には、2−ジメチルアミノエタノール、3
−ジメチルアミノ−1−プロパノール、4−ジメチルア
ミノ−1−ブタノ−ル、5−ジメチルアミノ−1−ペン
タノ−ル、6−ジメチルアミノ−1−ヘキサノ−ル、2
−ジメチルアミノ−2−メチル−1−プロパノ−ル、3
−ジメチルアミノ−2,2−ジメチル−1−プロパノ−
ル、2−ジエチルアミノエタノ−ル、3−ジエチルアミ
ノ−1−プロパノ−ル、2−ジイソプロピルアミノエタ
ノ−ル、2−ジ−n−ブチルアミノエタノ−ル、N,N
−ジベンジル−2−アミノエタノ−ル、2−(2−ジメ
チルアミノエトキシ)エタノ−ル、2−(2−ジエチル
アミノエトキシ)エタノ−ル、1−ジメチルアミノ−2
−プロパノ−ル、1−ジエチルアミノ−2−プロパノ−
ル、N−メチルジエタノ−ルアミン、N−エチルジエタ
ノ−ルアミン、N−n−ブチルジエタノールアミン、N
−t−ブチルジエタノールアミン、N−ラウリルジエタ
ノールアミン、3−ジエチルアミノ−1,2−プロパン
ジオール、トリエタノールアミン、トリイソプロパノー
ルアミン、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエ
タノールアミン、N−n−ブチルエタノールアミン、N
−t−ブチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、
ジイソプロパノールアミン、2−アミノエタノール、3
−アミノ−1−プロパノール、4−アミノ−1−ブタノ
ール、6−アミノ−1−ヘキサノール、1−アミノ−2
−プロパノール、2−アミノ−2,2−ジメチル−1−
プロパノール、1−アミノブタノール、2−アミノ−1
−ブタノール、N−(2−アミノエチル)エタノールア
ミン、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオ
ール、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオ
ール、3−アミノ−1,2−プロパンジオール、2−ア
ミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオー
ル、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモ
ニウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニ
ウム、、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸
水素アンモニウム、テトラメチルアンモニムウヒドロキ
シド、テトラエチルアンモニムウヒドロキシド、テトラ
プロピルアンモニムウヒドロキシド、テトライソプロピ
ルアンモニムウヒドロキシド、アミノメタノ−ル、2−
アミノエタノ−ル、3−アミノプロパノ−ル、2−アミ
ノプロパノ−ル、メチルアミン、エチルアミン、プロピ
ルアミン、イソプロピルアミン、ジメチルアミン、ジエ
チルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミ
ン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピ
ルアミン、トリイソプロピルアミンなどを用いることが
好ましいが、水に可溶であり、水溶液が塩基性を呈する
ものであれば、これら以外の化合物を用いても構わな
い。
【0059】次に、現像によって形成したレリーフ・パ
ターンを、リンス液により洗浄して、現像溶剤を除去す
る。リンス液には、現像液との混和性の良いメタノー
ル、エタノール、イソプロピルアルコール、水などが好
適な例としてあげられる。
【0060】このようにして得られたレリーフ・パター
ンを、150℃から450℃までの範囲から選ばれた温
度で加熱処理することにより、本発明の感光性ポリイミ
ド前駆体組成物の硬化物からなる樹脂パターンが高解像
度で得られる。この樹脂パターンは、耐熱性が高く、機
械特性に優れている。
【0061】
【実施例】<実施例1> A.感光性ポリイミド前駆体の合成 (1)酸クロライドの合成 200mlの四つ口フラスコに、3,3’,4,4’−
ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDAと略
す)9.42g(0.032モル)、2−ヒドロキシエ
チルメタクリレート8.32g(0.064モル)、ピ
リジン5.06g(0.064モル)、t−ブチルカテ
コール0.03g、N−メチル−2−ピロリドン(NM
Pと略す)70mlを入れ60℃で撹拌すると、2時間
で透明な溶液になった。この溶液を室温でその後7時間
撹拌した後、フラスコを氷で冷却し、塩化チオニル9.
88g(0.083モル)を10分で滴下した。その後
室温で1時間撹拌し、酸クロライドを含む溶液を得た。
【0062】(2)感光性ポリイミド前駆体の合成 別の200mlの四つ口フラスコに、3,5−ジアミノ
安息香酸4.72g(0.031モル)、ピリジン5.
06g(0.064モル)、t−ブチルカテコール0.
03g、NMP50ml入れフラスコを氷で冷却し撹拌
しながら(10℃以下を保って)、上記(1)で得た酸
クロライド溶液を1時間でゆっくりと滴下した。その後
室温で1時間撹拌し、1リットルの水へ投入して、析出
したポリマを濾取して水で2度洗い、真空乾燥して26
gのポリマを得た。このポリマの重量平均分子量をGP
C(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)で
測定したところ、ポリスチレン換算で44000であっ
た。
【0063】B.感光性ポリイミド前駆体組成物の調製 得られたポリマ10gをγ−ブチロラクトン15.0g
に溶解し、110mgの3−イソシアナートプロピルト
リエトキシシランと4−ジエチルアミノエチルベンゾエ
ート200mgを加えて溶解後、5μm孔のフィルタを
用いて加圧濾過して、溶液状の感光性ポリイミド前駆体
組成物を得た。
【0064】C.ポリイミド膜の評価 得られた溶液をスピンナでシリコンウエハ上に回転塗布
し、次いでホットプレートにより90℃で3分間乾燥し
て、15μm厚の塗膜を得た。この塗膜を500Wの高
圧水銀灯を用いて100mJ/cm2(365nmの紫
外線強度)の強度で露光させた後、20℃の2.38重
量%テトラメチルアンモニムウヒドロキシド水溶液(現
像液)に1分間浸漬して現像し、ついで水でリンスし
て、半硬化状態のポリイミド前駆体膜を得た。
【0065】この膜を200℃で30分間、続いて40
0℃で60分間加熱して加熱硬化させ、厚さ10μmの
膜を得た。このポリイミド膜をシリコンウエハから剥離
し、膜の伸び特性を測定したところ、伸びは8%と良好
であった。また、現像後膜厚の露光量依存性を測定し、
現像後膜厚が塗布膜厚の半分になる露光量を感度とし
て、感度50mJ/cm2を得た。
【0066】また、2〜3μmの厚さのポリイミド膜を
形成し、赤外線吸収スペクトルを測定したところ、17
80cm-1にイミド基の吸収があり、2800〜360
0cm-1にカルボキシル基の吸収が見られた。
【0067】D.樹脂パターンの形成 さらに、工程Bで調製した感光性ポリイミド前駆体組成
物を用い、上述のポリイミド膜の形成と同様にして、塗
膜、露光、現像、リンスした。ただし、露光の際に、塗
膜を10μm幅の縞模様のパターンを有するフォトマス
クで密着被覆した。これにより、半硬化状態のポリイミ
ド前駆体からなる、シリコンウエハ上に剥離のないシャ
ープな端面を持つ10μm幅のレリーフパターンが得ら
れた。このパターンを、上述のポリイミド膜の形成と同
様に加熱処理したところ、ポリイミドからなる高精度の
樹脂パターンが得られた。
【0068】<実施例2> A.感光性ポリイミド前駆体の合成 (1)酸クロライドの合成 200mlの四つ口フラスコに、4,4’−オキシジフ
タル酸二無水物(ODPAと略す)10.00g(0.
032モル)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート
8.32g(0.064モル)、ピリジン5.06g
(0.064モル)、t−ブチルカテコール0.03
g、NMP70mlを入れ60℃で撹拌すると、30分
で透明な溶液になった。この溶液を室温でその後6時間
撹拌した後、フラスコを氷で冷却し、塩化チオニル9.
88g(0.083モル:1.3等量)を10分で滴下
した。その後室温で1時間撹拌し、酸クロライド溶液を
得た。
【0069】(2)感光性ポリイミド前駆体の合成 別の200mlの四つ口フラスコに、3,5−ジアミノ
安息香酸4.72g(0.031モル)、ピリジン5.
06g(0.064モル)、t−ブチルカテコール0.
03g、NMP50ml入れフラスコを氷で冷却し撹拌
しながら(10℃以下を保って)、上記(1)により得
た酸クロライド溶液を1時間でゆっくりと滴下した。そ
の後室温で1時間撹拌し、1リットルの水へ投入し、析
出したポリマを濾取して水で2度洗い、真空乾燥して2
7gのポリマを得た。このポリマの重量平均分子量をG
PC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)
で測定したところ、ポリスチレン換算で39000であ
った。
【0070】B.感光性ポリイミド前駆体組成物の調製 得られたポリマ10gを、γ−ブチロラクトン15.0
gに溶解し、110mgの3−イソシアナートプロピル
トリエトキシシランとミヒラケトン100mgを加えて
溶解後、5μm孔のフィルタを用いて加圧濾過して、溶
液状の感光性ポリイミド前駆体組成物を得た。
【0071】C.ポリイミド膜の評価 得られた溶液をスピンナでシリコンウエハ上に回転塗布
し、次いで90℃のホットプレートで3分間乾燥して1
5μm厚の塗膜を得た。この塗膜を、500Wの高圧水
銀灯を用いて100mJ/cm2(365nmの紫外線
強度)の強さで露光させた。露光後、20℃の2.38
重量%テトラメチルアンモニムウヒドロキシド水溶液
(現像液)に1分間浸漬して現像し、ついで水でリンス
して、半硬化状態の感光性ポリイミド前駆体膜を得た。
【0072】この膜を200℃で30分間、続いて40
0℃で60分間加熱して加熱硬化させ、厚さ10μmの
膜を得た。このポリイミド膜をシリコンウエハから剥離
し、膜の伸び特性を測定したところ、伸びは10%と良
好であった。また、現像後膜厚の露光量依存性を測定
し、現像後膜厚が塗布膜厚の半分になる露光量を感度と
して、感度50mJ/cm2を得た。
【0073】また、2〜3μmの厚さのポリイミド膜を
形成し、赤外線吸収スペクトルを測定したところ、17
85cm-1にイミド基の吸収があり、2800〜360
0cm-1にカルボキシル基の吸収が見られた。
【0074】D.樹脂パターンの形成 さらに、工程Bで調製した感光性ポリイミド前駆体組成
物を用い、本実施例における工程Cのポリイミド膜の形
成と同様にして、塗膜、露光、現像、リンスした。ただ
し、露光の際に、塗膜を10μm幅の縞模様のパターン
を有するフォトマスクで密着被覆した。これにより、半
硬化状態の感光性ポリイミド前駆体からなる、シリコン
ウエハ上に剥離のないシャープな端面を持つ10μm幅
のレリーフパターンが得られた。このパターンを、上述
のポリイミド膜の形成と同様に加熱処理したところ、ポ
リイミドからなる高精度の樹脂パターンが得られた。
【0075】<実施例3〜12>表1および表2に示し
た酸二無水物およびアルコールを用い、実施例1と同様
にしてテトラカルボン酸ジエステルの酸クロライドを合
成し、さらに表1および2に示すジアミンを実施例1と
同様の反応条件で反応させて感光性ポリイミド前駆体を
合成した。得られた感光性ポリイミド前駆体の重量平均
分子量は、1万〜4万であった。
【0076】
【表1】
【0077】
【表2】
【0078】得られた感光性ポリイミド前駆体を実施例
1と同様にして溶媒に溶解し、有機ケイ素化合物、増感
剤、光重合助剤および、共重合モノマを添加して感光性
ポリイミド前駆体組成物を調製した。得られた組成物を
用い、実施例1と同様にして成膜し、現像時の露光部の
剥離の有無、解像度、現像時間、膜の伸びを検討した結
果を、表3および表4に示す。なお、表3および表4で
は、感光性ポリイミド前駆体100重量部当たりの各添
加物の添加量を( )内に示した。
【0079】
【表3】
【0080】
【表4】
【0081】ただし、成膜、評価条件は実施例1と同様
とし、膜厚は10〜20μmに設定した。感度は、現像
後膜厚が塗布膜厚の半分になる露光量として、50mJ
/cm2以下を良好とし、現像における露光部の剥離の
有無は、10μm幅の縞模様のレリーフパターンがシリ
コンウエハ上で剥離せずに得られた場合を無とした。ま
た、現像時間は、テトラメチルアンモニムウヒドロキシ
ド2.38重量%水溶液からなる現像液を用いて1分以
下で現像可能なものを良好とした。さらに、最終ポリイ
ミド膜の伸びは8%以上を良好とした。
【0082】<比較例>特開平10-95848号公報の実施例
1と同様にして感光性ポリイミド前駆体を合成し、この
前駆体を用いて、本願の実施例1と同様にして、感光性
ポリイミド前駆体組成物を調製し、塗膜を成膜し、フォ
トマスクを介して実施例1と同じ露光量で露光させた
後、現像を行ったところ、10μm幅の縞模様のレリー
フパターンは剥離した。
【0083】
【発明の効果】以上に詳述したように、本発明によれ
ば、ポリイミド前駆体組成物のシリコンウエハとの密着
性が高いため現像時に硬化部が剥離しにくく、高精度の
ポリイミド樹脂パターンを容易かつ安全に形成すること
ができる。したがって、本発明によれば、半導体素子の
表面コート膜等の保護膜や薄膜多層配線基板の層間絶縁
膜等の接着信頼性を向上させることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 片岡 文雄 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所生産技術研究所内 (72)発明者 鍜治 誠 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社茨城研究所内 (72)発明者 杉浦 実 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社茨城研究所内 Fターム(参考) 2H025 AA01 AA14 AB16 AD01 BC69 BC84 BC85 BC86 BC92 CA00 CC20 FA07 FA17 4J002 ES018 GP03

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリイミド前駆体と、 下記一般式(化1)で表わされる有機ケイ素化合物とを
    含むことを特徴とするポリイミド前駆体組成物。 【化1】 (ただし、式中、R9は2価の有機基を表わし、R10
    よびR11はそれぞれ、アルキル基、アルケニル基及び芳
    香族基から独立して選択された基を表わし、mは1〜3
    の整数である。)
  2. 【請求項2】上記R9は、炭素数2〜4のアルキレン
    基、フェニル基又は炭素数2〜3のアルケニル基である
    ことを特徴とする請求項1記載のポリイミド前駆体組成
    物。
  3. 【請求項3】上記R10及びR11は、それぞれ、炭素数1
    〜3のアルキレン基、フェニル基又は炭素数2〜3のア
    ルケニル基であることを特徴とする請求項1記載のポリ
    イミド前駆体組成物。
  4. 【請求項4】上記有機ケイ素化合物の配合量は、 上記ポリイミド前駆体100重量部に対して、0.1〜
    50重量部であることを特徴とする請求項1記載のポリ
    イミド前駆体組成物。
  5. 【請求項5】上記ポリイミド前駆体は、 下記一般式(化2)で表される第1の繰返し単位を有す
    る感光性ポリイミド前駆体であることを特徴とする請求
    項1記載のポリイミド前駆体組成物。 【化2】 (ただし、式中、R1は4個以上の炭素を含む4価の有
    機基、R2は芳香族環を含む3価または4価の有機基、
    3は1価の有機基、Aは酸性を示す1価の基、nは1
    または2である。)
  6. 【請求項6】上記ポリイミド前駆体は、 下記一般式(化3)で表される第2の繰返し単位をさら
    に有する共重合体であり、 一分子中の、上記第1の繰返し単位の数と、上記第2の
    繰返し単位の数との合計を100とするとき、第1の繰
    返し単位の数は10〜100、第2の繰返し単位の数は
    0〜90であることを特徴とする請求項5記載のポリイ
    ミド前駆体組成物。 【化3】 (ただし、式中、R1は4個以上の炭素を含む4価の有
    機基、R2は芳香族環を含む3価または4価の有機基、
    3は1価の有機基、R4は芳香族環またはケイ素を含む
    2価の有機基である。)
  7. 【請求項7】上記ポリイミド前駆体は感光性ポリイミド
    前駆体であり、 上記ポリイミド前駆体100重量部に対して、増感剤
    0.1〜50重量部と、光重合助剤0.1〜50重量部
    とをさらに含むことを特徴とする請求項1記載のポリイ
    ミド前駆体組成物。
  8. 【請求項8】請求項1記載のポリイミド前駆体組成物か
    らなる被膜に、所定のパターンのマスクを介して光を照
    射した後、塩基性水溶液を用いて上記被膜を現像する工
    程を含むことを特徴とする樹脂パターンの形成方法。
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