JPH10204176A - 粘度安定性に優れた感光性ポリイミド前駆体組成物の製造方法 - Google Patents

粘度安定性に優れた感光性ポリイミド前駆体組成物の製造方法

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JPH10204176A
JPH10204176A JP1094197A JP1094197A JPH10204176A JP H10204176 A JPH10204176 A JP H10204176A JP 1094197 A JP1094197 A JP 1094197A JP 1094197 A JP1094197 A JP 1094197A JP H10204176 A JPH10204176 A JP H10204176A
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polyimide precursor
organic group
group
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JP1094197A
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English (en)
Inventor
Haruhiko Yoshikawa
治彦 吉川
Kazunari Takemoto
一成 竹元
Jun Tanaka
順 田中
Keiko Isoda
敬子 磯田
Shunichiro Uchimura
俊一郎 内村
Makoto Kaji
誠 鍛治
Osamu Kanao
修 金尾
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Hitachi Ltd
Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
Hitachi Ltd
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Publication date
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  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】保存時粘度安定性が優れた、水溶液により短時
間で高解像度に現像できる高感度のネガ型感光材料の製
造方法を提供する。 【解決手段】塩基性水溶液に可溶であり、露光により硬
化して該塩基性水溶液に不容化する、化31で表される
繰返し単位を10モル%以上含む感光性ポリイミド前駆
体の製造時に、水に難溶解性の重合禁止剤を添加する。
ただし、式中、R1は4個以上の炭素を含む4価の有機
基、R2は芳香族環を含む3価または4価の有機基、R
3は1価の有機基、Aは酸性を示す1価の基、nは1ま
たは2である。 【化31】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体素子の表面
コート膜等の保護膜や薄膜多層配線基板の層間絶縁膜等
に好適な感光材料に係り、特に、耐熱性ポリイミドと、
その前駆体および該前駆体を含む感光性ポリイミド前駆
体組成物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、耐熱性高分子を得るための感光性
耐熱材料は、特公平5−67026号公報に記載されて
いる、芳香族テトラカルボン酸二無水物をオレフィン不
飽和アルコールと反応させてオレフィン芳香族テトラカ
ルボン酸ジエステルを合成し、この化合物とジアミンと
をカルボジイミドを用いた脱水縮合反応により重合さ
せ、共有結合で感光基を導入したもの、および、特公昭
63−31939号公報に記載されている、芳香族テト
ラカルボン酸ニ無水物を芳香族ジアミンと反応させて得
られるポリアミド酸に、感光基を有するアミン化合物を
反応させ、イオン結合で感光基を導入したものが知られ
ている。
【0003】これらの従来技術はいずれも、適当な有機
溶剤に溶解したワニス状態で基板に塗布し、乾燥して被
膜とした後に、適当なフォトマスクを介して紫外線を照
射して露光部を光硬化させ、有機溶媒を用いて現像およ
びリンスすることにより、ネガ型のレリーフ・パターン
を得ている。
【0004】しかし、パターン形成時に現像液として有
機溶媒を使用すると、現像時に露光部の膨潤が起こり易
く、高解像度のパターンを得ることが困難である。ま
た、有機溶媒を用いると、作業者の健康に悪影響がある
ことや、廃液処理に手間がかかるといった問題点があっ
た。
【0005】そこで、上記の問題点を解決するために、
水性の液により現像可能な材料として、例えば、ポリア
ミド酸のカルボキシル基に、ナフトキノンジアジドスル
ホニルアミド基を導入したポジ型のポリマが提案されて
いる(特開平6−258835号公報)。このポリマ
は、光照射によりナフトキノンジアジドスルホニルアミ
ド基がカルボキシル基に変化するため、露光部が塩基性
水溶液に可溶化する特徴を有しており、ポジ型感光材料
として用いられる。
【0006】しかし、上述のポジ型感光材料は、現像に
長時間を必要としたり、膜厚が厚い(10μm以上)場
合感度が充分でないという問題点があった。
【0007】そこで、本発明者は、上記の問題点を無く
し、水溶液による短時間の現像が可能な、現像時に露光
部の膨潤が起こりにくい、高解像度、高感度の感光材料
と、該感光材料に用いられるポリイミド前駆体と、該感
光材料を用いた樹脂パターン形成方法を開発した(特開
平8−155324号公報)。この材料は、化13によ
り表される繰返し単位を有し、重量平均分子量は一万〜
二十万、望ましくは二万〜六万のポリイミド前駆体であ
る。
【0008】
【化13】
【0009】(ただし、式中、R1は4個以上の炭素を
含む4価の有機基、R2は芳香族環を含む3価または4
価の有機基、R3は1価の有機基、Aは酸性を示す1価
の基、nは1または2である。) このポリイミド前駆体は、ポリマの構造単位中に酸性の
基Aを有するため、硬化前のポリイミド前駆体は、塩基
性水溶液に良く溶解する。従って、このようなポリイミ
ド前駆体は、塩基性水溶液により容易に現像することが
でき、有機溶媒を現像液として用いることに伴う上述の
ような種々の弊害を克服できる。
【0010】また、R3を感光基とすれば、このポリイ
ミド前駆体を、露光により硬化するネガ型の感光性ポリ
イミド前駆体とすることができる。R3が感光基の場
合、この感光基はエステル結合により導入されるため、
厚い膜(10μm以上)でも感光部の硬化性が優れ、か
つ、感度が高い。従って、化13のポリイミド前駆体の
うち、R3を感光基としたものは、塩基性水溶液に溶解
し、露光により硬化して該塩基性水溶液に不容化すると
いう特性を備え、このポリイミド前駆体を用いれば、短
い現像時間でネガ型のパターンを形成できる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このポリイミ
ド前駆体は、基板に塗布するために適当な有機溶媒に溶
かしたワニス状態にすると、保存安定性が劣り、粘度が
増大したり、ゲル化して使用することが出来なくなる問
題点があった。
【0012】本発明の目的は、ワニスの保存安定性が優
れ、水溶液による短時間の現像が可能な、現像時に露光
部の膨潤が起こりにくい、高解像度、高感度のポリイミ
ド前駆体の製造方法を提供するとにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者がこの問題につ
いて、鋭意検討した結果、化14で表される繰返し単位
を有し、重量平均分子量が一万〜二十万であるポリイミ
ド前駆体の合成時に、難水溶性の重合禁止剤を添加する
ことによって、解決できることが判明した。
【0014】
【化14】
【0015】(ただし、式中、R1は4個以上の炭素を
含む4価の有機基、R2は芳香族環を含む3価または4
価の有機基、R3は1価の有機基、Aは酸性を示す1価
の基、nは1または2である。) ポリイミド前駆体の合成時に添加する、3,5−ジ−t
−ブチルカテコール、2,5−ジフェニル−p−ベンゾ
キノン、1,1−ジフェニル−2−ピクリルヒドラジ
ル、N−ニトロソジフェニルアミン等の難水溶性の重合
禁止剤は、合成後水に投入しポリマを精製する際に失わ
れにくく、ポリマが常に重合禁止剤に接触しているた
め、その後ポリマを再度溶媒に溶かしワニス化しても、
ポリマが重合せず、ゲル化することがなく、保存時の粘
度変化が少ない。
【0016】また、合成時に添加する難水溶性の重合禁
止剤の添加量は、ポリマの固形分量に対して重量比で
0.01%から1%の範囲が好ましい。さらに、上記に
記した例以外でも水溶性でない重合禁止剤であれば同様
の効果が得られ、異なった複数種類の禁止剤を混合して
用いることもできる。
【0017】なお、このポリイミド前駆体は、すべての
繰返し単位に酸性基Aを備えていなくてもよく、10モ
ル%以上の繰返し単位に酸性基Aがあればよい。すなわ
ち、化14で表される繰返し単位に加えて、さらに、化
15で表される繰返し単位を有し、一分子中の、化14
で表される繰返し単位の数と、化15で表される繰返し
単位の数との合計を100とするとき、化14で表され
る繰返し単位の数が10以上100以下、化15で表さ
れる繰返し単位の数が0以上90以下であるポリイミド
前駆体も、本発明のポリイミド前駆体の製造方法として
用いることができる。
【0018】
【化15】
【0019】(ただし、式中、R1は4個以上の炭素を
含む4価の有機基、R3は1価の有機基、R4は芳香族
環またはケイ素を含む2価の有機基である。) 本発明のポリイミド前駆体の製造方法は、例えば、化1
6により表される酸クロライドのようなカルボン酸ハロ
ゲン化物と、化17により表されるジアミンとを難水溶
性の重合禁止剤を添加した溶媒中で反応させることによ
り得られる。
【0020】
【化16】
【0021】
【化17】
【0022】なお、ジアミン成分のうち、化17は10
モル%以上であればよく、全ジアミン成分の90モル%
以下の化18で表されるジアミンと、10モル%以上の
化17のジアミンとの混合物を、化16の酸クロライド
と共重合させてもよい。
【0023】
【化18】
【0024】また、本発明では、本発明に含まれるポリ
イミド前駆体による感光材料の製造方法が提供される。
すなわち、本発明によって製造したポリイミド前駆体1
00重量部と、増感剤0.1〜50重量部と、光重合助
剤0.1〜50重量部とを含む感光性ポリイミド前駆体
組成物によって提供される。
【0025】
【発明の実施の形態】上述のように、本発明のポリイミ
ド前駆体の製造方法に含まれる、ポリイミド前駆体は、
分子中に酸性基Aを備えることにより、塩基性水溶液に
対する溶解性が付与されている。この酸性基Aは、置換
基群である化19のうちのいずれかとすることが望まし
いが、これら以外の酸性基を用いてもよい。また、分子
中のすべてのAが同じであってもよく、異なる基Aが分
子中に混在していてもよい。なお、化19に挙げられた
酸性基のうち、カルボキシル基および水酸基は、合成が
容易なため、特に好ましい。
【0026】
【化19】
【0027】この酸性基Aの結合しているジアミン残基
R2は、硬化して得られるポリイミド膜の機械特性、耐
熱性、および接着性の観点から、芳香族環を含む3価ま
たは4価の有機基である。その好ましい例を、構造式群
化20に挙げる。なお、分子中のすべてのR2が同じで
あってもよく、異なる基R2が分子中に混在していても
よい。
【0028】
【化20】
【0029】また、酸性基Aが存在しない繰返し単位化
20のジアミン残基R4は、硬化して得られるポリイミ
ド膜の機械特性、耐熱性、および接着性の観点から、芳
香族環および/またはケイ素を含む2価の有機基であ
る。その好ましい例を、下記構造式群化21、化22、
および化23に挙げる。なお、分子中のすべてのR4が
同じであってもよく、異なる基R4が分子中に混在して
いてもよい。
【0030】
【化21】
【0031】
【化22】
【0032】
【化23】
【0033】本発明のポリイミド前駆体の製造方法に含
まれる、ポリイミド前駆体は、一般式化14および化1
5において、硬化して得られるポリイミド膜の機械特
性、耐熱性、および接着性の観点から、R1は炭素数4
以上の4価の有機基である。その好ましい例を、構造式
群化24に挙げる。なお、分子中のすべてのR1が同じ
であってもよく、異なる基R1が分子中に混在していて
もよい。
【0034】
【化24】
【0035】本発明のポリイミド前駆体の製造方法に含
まれる、ポリイミド前駆体の一般式化14および化15
において、R3は1価の有機基である。分子中のすべて
のR3が同じであってもよく、異なる基R3が分子中に
混在していてもよい。なお、R3の10モル%以上を感
光基(例えば、光の照射により脱離する基)にすれば、
ポリイミド前駆体に感光性を付与することができるため
望ましい。感光基は、例えば、下記一般式化25により
表される有機基があり、この化25で表される基のうち
の2種以上が混在してもよい。
【0036】
【化25】
【0037】(ただし、R5、R6およびR7は、水
素、アルキル基、フェニル基、ビニル基、およびプロペ
ニル基からそれぞれ独立に選択された基であり、R8は
2価の有機基を示す。) 化25により表される基は、ポリイミド前駆体に付与す
る高感度の感光性を付与するため望ましく、特に、化学
式化26により表される有機基は、高い感度を実現する
のみならず、合成も容易であるため本発明に好適であ
る。
【0038】
【化26】
【0039】R3の一部(10モル%以上とすることが
望ましい)を化25で表される基とする場合、R3の残
り(すなわち、0〜90モル%とすることが望ましい)
は、炭素数4以下のアルキル基とすることが好ましく、
特に、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロ
ピル基、n−ブチル基が、このポリイミド前駆体を硬化
させて得られるポリイミドの膜特性の点から、適してい
る。
【0040】上述したように、本発明に含まれるポリイ
ミド前駆体は、露光部分が硬化するネガ型感光材料の原
料として用いられる。本発明に含まれる感光性ポリイミ
ド前駆体組成物の、ポリイミド前駆体以外の成分につい
て、つぎに説明する。
【0041】本発明に含まれる感光性ポリイミド前駆体
組成物は、実用に供しうる感光感度を達成するため、増
感剤を含むことが望ましい。増感剤の好ましい例は、ミ
ヒラケトン、ビス−4,4’−ジエチルアミノベンゾフ
ェノン、ベンゾフェノン、3,5−ビス(ジエチルアミ
ノベンジリデン)−N−メチル−4−ピペリドン、3,
5−ビス(ジメチルアミノベンジリデン)−N−メチル
−4−ピペリドン、3,5−ビス(ジエチルアミノベン
ジリデン)−N−エチル−4−ピペリドン、3,3’−
カルボニルビス(7−ジエチルアミノ)クマリン、リボ
フラビンテトラブチレート、2−メチル−1−[4−
(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン
−1−オン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4
−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチ
オキサントン、3,5−ジメチルチオキサントン、3,
5−ジイソプロピルチオキサントン、1−フェニル−2
−(エトキシカルボニル)オキシイミノプロパン−1−
オン、ベンゾインエーテル、ベンゾインイソプロピルエ
ーテル、ベンズアントロン、5−ニトロアセナフテン、
2−ニトロフルオレン、アントロン、1,2−ベンズア
ントラキノン、1−フェニル−5−メルカプト−1H−
テトラゾール、チオキサンテン−9−オン、10−チオ
キサンテノン、3−アセチルインドール、2,6−ジ
(p−ジメチルアミノベンザル)−4−カルボキシシク
ロヘキサノン、2,6−ジ(p−ジメチルアミノベンザ
ル)−4−ヒドロキシシクロヘキサノン、2,6−ジ
(pジエチルアミノベンザル)−4−カルボキシシクロ
ヘキサノン、2,6−ジ(p−ジエチルアミノベンザ
ル)−4−ヒドロキシシクロヘキサノン、4,6−ジメ
チル−7−エチルアミノクマリン、7−ジエチルアミノ
−4−メチルクマリン、7−ジエチルアミノ−3−(1
−メチルベンゾイミダゾリル)クマリン、3−(2−ベ
ンゾイミダゾリル)−7−ジエチルアミノクマリン、3
−(2−ベンゾチアゾリル)−7−ジエチルアミノクマ
リン、2−(p−ジメチルアミノスチリル)ベンゾオキ
サゾール、2−(p−ジメチルアミノスチリル)キノリ
ン、4−(p−ジメチルアミノスチリル)キノリン、2
−(p−ジメチルアミノスチリル)ベンゾチアゾール、
2−(p−ジメチルアミノスチリル)−3,3−ジメチ
ル−3H−インドール等が挙げられるが、これらに限定
されない。
【0042】増感剤は、本発明に含まれるポリイミド前
駆体100重量部に対し、0.1〜50重量部配合する
こと好ましく、0.3〜20重量部とすることが、さら
に好ましい。0.1〜50重量部の範囲を逸脱すると、
増感効果が得られなかったり、現像性に好ましくない影
響を及ぼすことがある。なお、増感剤として、1種類の
化合物を用いても良いし、数種を混合して用いてもよ
い。
【0043】また、本発明に含まれる感光性ポリイミド
前駆体組成物は、実用に供しうる感光感度を達成するた
め、光重合助剤を含むことが望ましい。光重合助剤は、
例えば、4−ジエチルアミノエチルベンゾエート、4−
ジメチルアミノエチルベンゾエート、4−ジエチルアミ
ノプロピルベンゾエート、4−ジメチルアミノプロピル
ベンゾエート、4−ジメチルアミノイソアミルベンゾエ
ート、N−フェニルグリシン、N−メチル−N−フェニ
ルグリシン、N−(4−シアノフェニル)グリシン、4
−ジメチルアミノベンゾニトリル、エチレングリコール
ジチオグリコレート、エチレングリコールジ(3−メル
カプトプロピオネート)、トリメチロールプロパンチオ
グリコレート、トリメチロールプロパントリ(3−メル
カプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラ
チオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラ(3−
メルカプトプロピオネート)、トリメチロールエタント
リチオグリコレート、トリメチロールプロパントリチオ
グリコレート、トリメチロールエタントリ(3−メルカ
プトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサ
(3−メルカプトプロピオネート)、チオグリコール
酸、α−メルカプトプロピオン酸、t−ブチルペルオキ
シベンゾエート、t−ブチルペルオキシメトキシベンゾ
エート、t−ブチルペルオキシニトロベンゾエート、t
−ブチルペルオキシエチルベンゾエート、フェニルイソ
プロピルペルオキシベンゾエート、ジt−ブチルジペル
オキシイソフタレート、トリt−ブチルトリペルオキシ
トリメリテート、トリt−ブチルトリペルオキシトリメ
シテート、テリラt−ブチルテトラペルオキシピロメリ
テート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルペ
ルオキシ)ヘキサン、3,3’,4,4’−テトラ(t
−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,
3’,4,4’−テトラ(t−アミルペルオキシカルボ
ニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ
(t−ヘキシルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノ
ン、2,6−ジ(p−アジドベンザル)−4−ヒドロキ
シシクロヘキサノン、2,6−ジ(p−アジドベンザ
ル)−4−カルボキシシクロヘキサノン、2,6−ジ
(p−アジドベンザル)−4−メトキシシクロヘキサノ
ン、2,6−ジ(p−アジドベンザル)−4−ヒドロキ
シメチルシクロヘキサノン、3,5−ジ(p−アジドベ
ンザル)−1−メチル−4−ピペリドン、3,5−ジ
(p−アジドベンザル)−4−ピペリドン、3,5−ジ
(p−アジドベンザル)−N−アセチル−4−ピペリド
ン、3,5−ジ(p−アジドベンザル)−N−メトキシ
カルボニル−4−ピペリドン、2,6−ジ(p−アジド
ベンザル)−4−ヒドロキシシクロヘキサノン、2,6
−ジ(m−アジドベンザル)−4−カルボキシシクロヘ
キサノン、2,6−ジ(m−アジドベンザル)−4−メ
トキシシクロヘキサノン、2,6−ジ(m−アジドベン
ザル)−4−ヒドロキシメチルシクロヘキサノン、3,
5−ジ(m−アジドベンザル)−N−メチル−4−ピペ
リドン、3,5−ジ(m−アジドベンザル)−4−ピペ
リドン、3,5−ジ(m−アジドベンザル)−N−アセ
チル−4−ピペリドン、3,5−ジ(m−アジドベンザ
ル)−N−メトキシカルボニル−4−ピペリドン、2,
6−ジ(p−アジドシンナミリデン)−4−ヒドロキシ
シクロヘキサノン、2,6−ジ(p−アジドシンナミリ
デン)−4−カルボキシシクロヘキサノン、2,6−ジ
(p−アジドシンナミリデン)−4−ヒドロキシメチル
シクロヘキサノン、3,5−ジ(p−アジドシンナミリ
デン)−N−メチル−4−ピペリドン、4,4’−ジア
ジドカルコン、3,3’−ジアジドカルコン、3,4’
−ジアジドカルコン、4,3’−ジアジドカルコン、
1,3−ジフェニル−1,2,3−プロパントリオン−
2−(o−アセチル)オキシム、1,3−ジフェニル−
1,2,3−プロパントリオン−2−(o−n−プロピ
ルカルボニル)オキシム、1,3−ジフェニル−1,
2,3−プロパントリオン−2−(o−メトキシカルボ
ニル)オキシム、1,3−ジフェニル−1,2,3−プ
ロパントリオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキ
シム、1,3−ジフェニル−1,2,3−プロパントリ
オン−2−(o−ベンゾイル)オキシム、1,3−ジフ
ェニル−1,2,3−プロパントリオン−2−(o−フ
ェニルオキシカルボニル)オキシム、1,3−ビス(p
−メチルフェニル)−1,2,3−プロパントリオン−
2−(o−ベンゾイル)オキシム、1,3−ビス(p−
メトキシフェニル)−1,2,3−プロパントリオン−
2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1−(p−
メトキシフェニル)−3−(p−ニトロフェニル)−
1,2,3−プロパントリオン−2−(o−フェニルオ
キシカルボニル)オキシム等を用いることができるが、
これらに限定されない。
【0044】光重合助剤は、本発明に含まれるポリイミ
ド前駆体100重量部に対し、0.1〜50重量部配合
されることが好ましく、0.3〜20重量部の範囲がさ
らに好ましい。0.1〜50重量部の範囲を逸脱する
と、目的とする増感効果が得られなかったり、現像性に
好ましくない影響をおよぼすことがある。なお、光重合
助剤として、1種類の化合物を用いても良いし、数種を
混合して用いてもよい。
【0045】また、本発明に含まれる感光性ポリイミド
前駆体組成物は、実用に供しうる感光感度を達成するた
め、上述の増感剤および光重合助剤に加えて、さらに、
共重合モノマを含んでもよい。共重合モノマは、炭素−
炭素二重結合を有する化合物であり光重合反応を容易に
する。共重合モノマは、1,6−ヘキサンジオールジア
クリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、
エチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリト
ールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアク
リレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジ
ペンタエリスリトールヘキサアクリレート、テトラメチ
ロールプロパンテトラアクリレート、テトラエチレング
リコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ
メタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレ
ート、エチレングリコールジメタクリレート、ペンタエ
リスリトールジメタクリレート、トリメチロールプロパ
ントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタ
クリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレ
ート、テトラメチロールプロパンテトラメタクリレー
ト、テトラエチレングリコールジメタクリレート等が好
ましいが、これらに限定されない。
【0046】この共重合モノマは、本発明に含まれるポ
リイミド前駆体100重量部に対し、1〜100重量部
配合することが好ましく、3〜50重量部の範囲がさら
に好ましい。1〜100重量部の範囲を逸脱すると、目
的とする効果が得られなかったり、現像性に好ましくな
い影響をおよぼすことがある。なお、共重合モノマとし
て、1種類の化合物を用いても良いし、数種を混合して
用いてもよい。
【0047】本発明に含まれる感光性ポリイミド前駆体
組成物は、適当な有機溶媒を含んでいてもよい。適当な
有機溶媒を溶解した状態であれば、溶液(ワニス)状態
で使用に供することができ、成膜する際便利である。こ
の場合に用いる溶媒は、溶解性の観点から非プロトン性
極性溶媒が望ましく、具体的には、N−メチル−2−ピ
ロリドン、N−アセチル−2−ピロリドン、N−ベンジ
ル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、
N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシ
ド、ヘキサメチルホスホルトリアミド、N−アセチル−
ε−カプロラクタム、ジメチルイミダゾリジノン、ジエ
チレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリ
コールジメチルエーテル、γ−ブチロラクトンなどが好
適な例としてあげられる。これらは単独で用いても良い
し、混合系として用いることも可能である。また、塗布
性を改善するために、トルエン、キシレン、ジエチルケ
トン、メトキシベンゼン等の溶媒をポリマの溶解性に悪
影響を及ぼさない範囲で混合しても差し支えない。
【0048】本発明に含まれる感光性ポリイミド前駆体
組成物からなる被膜は、例えば、感光性ポリイミド前駆
体組成物のワニスの膜を形成した後、これを乾燥させる
ことにより形成される。被膜または加熱硬化後のポリイ
ミド被膜と支持基板との接着性を向上させるため、あら
かじめ支持基板表面を接着助剤で処理しておいてもよ
い。ワニスの膜の形成は、ワニスの粘度などに応じて、
スピンナを用いた回転塗布、浸漬、噴霧印刷、スクリー
ン印刷などの手段から適宜選択された手段により行う。
なお、被膜の膜厚は、塗布条件、本組成物の固形分濃度
等によって調節できる。また、あらかじめ支持体上に形
成した被膜を支持体から剥離してポリイミド前駆体組成
物からなるシートを形成しておき、このシートを上記支
持基板の表面に貼り付けることにより、上述の被膜を形
成してもよい。
【0049】つぎに、この被膜に、所定のパターンのフ
ォトマスクを介して光(通常は紫外線を用いる)を照射
した後、塩基性水溶液により未露光部を溶解除去して、
所望のレリーフ・パターンを得る。この現像工程は、通
常のポジ型フォトレジスト現像装置を用いて行ってもよ
い。
【0050】本発明に含まれる感光性ポリイミド前駆体
組成物のパターン形成方法では、現像液として、塩基性
水溶液を用いる。なお、現像液は、塩基性を呈する水溶
液であれば、一つの化合物の水溶液でもよく、2以上の
化合物の水溶液でもよい。塩基性水溶液は、通常、塩基
性化合物を水に溶解した溶液である。塩基性化合物の濃
度は、通常0.1〜50重量/重量%とするが、支持基
板等への影響などから、0.1〜30重量/重量%とす
ることが好ましい。なお、現像液は、ポリイミド前駆体
の溶解性を改善するため、メタノール、エタノール、プ
ロパノール、イソプロピルアルコール、N−メチル−2
−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N
−ジメチルアセトアミド等の水溶性有機溶媒を、さらに
含有していてもよい。
【0051】上記塩基性化合物は、例えば、アルカリ金
属、アルカリ土類金属またはアンモニウムイオンの、水
酸化合物または炭酸塩や、アミン化合物などが挙げら
れ、具体的には、2−ジメチルアミノエタノール、3−
ジメチルアミノ−1−プロパノール、4−ジメチルアミ
ノ−1−ブタノール、5−ジメチルアミノ−1−ペンタ
ノール、6−ジメチルアミノ−1−ヘキサノール、2−
ジメチルアミノ−2−メチル−1−プロパノール、3−
ジメチルアミノ−2,2−ジメチル−1−プロパノー
ル、2−ジエチルアミノエタノール、3−ジエチルアミ
ノ−1−プロパノール、2−ジイソプロピルアミノエタ
ノール、2−ジ−n−ブチルアミノエタノール、N,N
−ジベンジル−2−アミノエタノール、2−(2−ジメ
チルアミノエトキシ)エタノール、2−(2−ジエチル
アミノエトキシ)エタノール、1−ジメチルアミノ−2
−プロパノール、1−ジエチルアミノ−2−プロパノー
ル、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタ
ノールアミン、N−n−ブチルジエタノールアミン、N
−t−ブチルジエタノールアミン、N−ラウリルジエタ
ノールアミン、3−ジエチルアミノ−1,2−プロパン
ジオール、トリエタノールアミン、トリイソプロパノー
ルアミン、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエ
タノールアミン、N−n−ブチルエタノールアミン、N
−t−ブチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、
ジイソプロパノールアミン、2−アミノエタノール、3
−アミノ−1−プロパノール、4−アミノ−1−ブタノ
ール、6−アミノ−1−ヘキサノール、1−アミノ−2
−プロパノール、2−アミノ−2,2−ジメチル−1−
プロパノール、1−アミノブタノール、2−アミノ−1
−ブタノール、N−(2−アミノエチル)エタノールア
ミン、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオ
ール、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオ
ール、3−アミノ−1,2−プロパンジオール、2−ア
ミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオー
ル、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモ
ニウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニ
ウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水
素アンモニウム、テトラメチルアンモニムウヒドロキシ
ド、テトラエチルアンモニムウヒドロキシド、テトラプ
ロピルアンモニムウヒドロキシド、テトライソプロピル
アンモニムウヒドロキシド、アミノメタノール、2−ア
ミノエタノール、3−アミノプロパノール、2−アミノ
プロパノール、メチルアミン、エチルアミン、プロピル
アミン、イソプロピルアミン、ジメチルアミン、ジエチ
ルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、
トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルア
ミン、トリイソプロピルアミンなどを用いることが好ま
しいが、水に可溶であり、水溶液が塩基性を呈するもの
であれば、これら以外の化合物を用いても構わない。
【0052】現像によって形成したレリーフ・パターン
は、次いでリンス液により洗浄して、現像溶剤を除去す
る。リンス液には、現像液との混和性の良いメタノー
ル、エタノール、イソプロピルアルコール、水などが好
適な例としてあげられる。
【0053】上述の処理によって得られたレリーフ・パ
ターンを150℃から450℃までの範囲から選ばれた
温度で加熱処理することにより、イミド化した高解像
度、高耐熱性、機械特性に優れたレリーフ・パターンを
得る。
【0054】〈実施例1〉 A.ポリイミド前駆体の合成 (1)酸クロライドの合成 200mlの四つ口フラスコに、3,3’,4,4’−
ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)9.
42g(0.032モル)、2−ヒドロキシエチルメタ
クリレート(HEMA)8.32g(0.064モ
ル)、ピリジン5.06g(0.064モル)、3、5
−ジ−t−ブチルカテコール0.03g、N−メチル−
2−ピロリドン(NMP)70mlを入れ60℃で撹拌
すると、2時間で透明な溶液になった。この溶液を温室
でその後7時間撹拌した後、フラスコを氷で冷却し、塩
化チオニル9.88g(0.083モル)を10分で滴
下した。その後室温で1時間撹拌し、酸クロライドを含
む溶液を得た。
【0055】(2)ポリイミド前駆体(ポリアミド酸エ
ステル)の合成 別の200mlの四つ口フラスコに、3,5−ジアミノ
安息香酸4.72g(0.031モル)、ピリジン5.
06g(0.064モル)、3、5−ジ−t−ブチルカ
テコール0.03g、N−メチル−2−ピロリドン(N
MP)50ml入れフラスコを氷で冷却し撹拌しながら
(10℃以下を保って)、(1)で得た酸クロライド溶
液を1時間でゆっくりと滴下した。その後室温で1時間
撹拌し、1リットルの水へ投入して、析出したポリマを
濾取して水で2度洗い、真空乾燥したところ、下記化学
式化27に示す繰返し単位を有するポリアミド酸エステ
ルが22g得られた。このポリアミド酸エステルの重量
平均分子量をGPC(ゲル・パーミエーション・クロマ
トグラフィー)で測定したところ、ポリスチレン換算で
44000であった。
【0056】
【化27】
【0057】B.ポリイミド前駆体組成物の調製 得られたポリマ10gをN−メチル−2−ピロリドン
(NMP)7.5g、N、N−ジメチルアセトアミド
7.5gに溶解し、3,5−ビス(4−ジエチルアミノ
ベンジリデン)−1−メチル−4−アザシクロヘキサノ
ン100mgと4−ジエチルアミノエチルベンゾエート
200mgを加えて溶解後、5μm孔のフィルタを用い
て加圧濾過して、溶液状の感光性ポリイミド前駆体組成
物を得た。
【0058】C.ワニスの粘度安定性の評価 得られた感光性ポリイミド前駆体組成物溶液(ワニス)
を褐色瓶に入れ、25℃で粘度を測定したところ4.5
0mPasであった。その後このワニスを室温で1週間保存
したところ、ワニスはゲル化することなく、また25℃
での粘度は4.60mpasであり、粘度の変化も少なく安
定していた。
【0059】D.ポリイミド膜の評価 得られたワニスをスピンナでシリコンウエハ上に回転塗
布し、次いで90℃で3分間ホットプレートで乾燥して
15μm厚の塗膜を得た。この塗膜を500Wの高圧水
銀灯を用いて200mJ/cm2(365nmの紫外線
強度)の強度で露光させた後、20℃の2.38重量%
テトラメチルアンモニムウヒドロキシド水溶液(現像
液)に1分間浸漬して現像し、次いで水でリンスして、
半硬化状態のポリイミド前駆体膜を得た。
【0060】この膜を200℃で30分間、続いて40
0℃で60分間加熱して加熱硬化させ、下記化学式化2
8により表される繰返し単位を有するポリイミドからな
る厚さ10μmの膜を得た。
【0061】
【化28】
【0062】このポリイミド膜をシリコンウエハから剥
離し、膜の伸び特性を測定したところ、伸びは9%と良
好であった。また、現像後膜厚の露光量依存性を測定
し、現像後膜厚が塗布膜厚の半分になる露光量を感度と
して、感度80mJ/cm2を得た。
【0063】また、2〜3μmの厚さのポリイミド膜を
形成し、赤外線吸収スペクトルを測定したところ、17
80cm~1にイミド基の吸収があり、2800〜360
0cm~1にカルボキシル基の吸収が見られた。
【0064】E.樹脂パターンの形成 さらに、工程Bで調製したポリイミド前駆体組成物を用
い、上述のポリイミド膜の形成と同様にして、塗膜、露
光、現像、リンスした。ただし、露光の際に、塗膜を1
0μm幅の縞模様のパターンを有するフォトマスクで密
着被覆した。これにより、半硬化状態のポリイミド前駆
体からなる、シャープな端面を持つ10μm幅のレリー
フパターンが得られた。このパターンを、上述のポリイ
ミド膜の形成と同様に加熱処理し、ポリイミドからなる
樹脂パターンを得た。
【0065】〈実施例2〉 A.ポリイミド前駆体の合成 (1)酸クロライドの合成 200mlの四つ口フラスコに、4,4’−オキシジフ
タル酸二無水物(ODPA)10.00g(0.032
モル)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEM
A)8.32g(0.064モル)、ピリジン5.06
g(0.064モル)、3,5−ジ−t−ブチルカテコ
ール0.03g、N−メチル−2−ピロリドン(NM
P)70mlを入れ60℃で撹拌すると、30分で透明
な溶液になった。この溶液を室温でその後6時間撹拌し
た後、フラスコを水で冷却し、塩化チオニル9.88g
(0.83モル:1.3等量)を10分で滴下した。そ
の後室温で1時間撹拌し、酸クロライド溶液を得た。
【0066】(2)ポリイミド前駆体(ポリアミド酸エ
ステル)の合成 別の200mlの四つ口フラスコに、3,5−ジアミノ
安息香酸4.72g(0.031モル)、ピリジン5.
06g(0.064モル)、3,5−ジ−t−ブチルカ
テコール0.03g、N−メチル−2−ピロリドン(N
MP)50ml入れフラスコを氷で冷却し撹拌しながら
(10℃以下を保って)、上記(1)により得た酸クロ
ライド溶液を1時間でゆっくりと滴下した。その後室温
で1時間撹拌し、1リットルの水へ投入し、析出したポ
リマを濾取して水で2度洗い、真空乾燥したところ下記
化学式化29に示す繰返し単位を有するポリアミド酸エ
ステルが20g得られた。このポリマの重量平均分子量
をGPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィ
ー)で測定したところ、ポリスチレン換算で39000
であった。
【0067】
【化29】
【0068】B.感光性ポリイミド前駆体組成物の調製 得られたポリマ10gを、N−メチル−2−ピロリドン
(NMP)7.5gおよびN,N−ジメチルアセトアミ
ド7.5gの混合溶液に溶解し、ミヒラケトン100m
gと1,3−ジフェニル−1,2,3−プロパントリオ
ン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム200m
gを加えて溶解後、5μm孔のフィルタを用いて加圧濾
過して、溶液状の感光性ポリイミド前駆体組成物を得
た。
【0069】C.ワニスの粘度安定性の評価 得られた感光性ポリイミド前駆体組成物溶液(ワニス)
を褐色瓶に入れ、25℃で粘度を測定したところ4.1
0mpasであった。その後このワニスを室温で1週間保存
したところ、ワニスはゲル化することなく、また25℃
での粘度は4.20mpasであり、粘度の変化も少なく安
定していた。
【0070】D.ポリイミド膜の評価 得られた溶液をスピンナでシリコンウエハ上に回転塗布
し、次いで90℃のホットプレートで3分間乾燥して1
5μm厚の塗膜を得た。この塗膜を、500Wの高圧水
銀灯を用いて200mJ/cm2(365nmの紫外線
強度)の強さで露光させた。露光後、20℃の2.38
重量%テトラメチルアンモニムウヒドロキシド水溶液
(現像液)に1分間浸漬して現像し、ついで水でリンス
して、半硬化状態のポリイミド前駆体膜を得た。
【0071】この膜を200℃で30分間、続いて40
0℃で60分間加熱して、加熱硬化させ、下記化学式化
19により表される繰返し単位を有するポリイミドから
なる厚さ10μmの膜を得た。
【0072】
【化30】
【0073】このポリイミド膜をシリコンウエハから剥
離し、膜の伸び特性を測定したところ、伸びは10%と
良好であった。また、現像後膜厚の露光量依存性を測定
し、現像後膜厚が塗布膜厚の半分になる露光量を感度と
して、感度90mJ/cm2を得た。
【0074】また、2〜3μmの厚さのポリイミド膜を
形成し、赤外線吸収スペクトルを測定したところ、17
85cm~1にイミド基の吸収があり、2800〜360
0cm~1にカルボキシル基の吸収が見られた。
【0075】E.樹脂パターンの形成 さらに工程Bで調製したポリイミド前駆体組成物を用
い、本実施例における工程Dのポリイミド膜の形成と同
様にして、塗膜、露光、現像、リンスした。ただし、露
光の際に、塗膜を10μm幅の縞模様のパターンを有す
るフォトマスクで密着被覆した。これにより、半硬化状
態のポリイミド前駆体からなる、シャープな端面を持つ
10μm幅のレリーフパターンが得られた。このパター
ンを、上述のポリイミド膜の形成と同様に加熱処理し、
ポリイミドからなる樹脂パターンを得た。
【0076】〈実施例3〜12〉表1および表2に示し
た酸二無水物、アルコール、重合禁止剤を用いて、実施
例1と同様にしてテトラカルボン酸ジエステルの酸クロ
ライドを合成し、さらに表1および表2に示すジアミン
を実施例1と同様の反応条件で反応させてポリイミド前
駆体を合成した。得られたポリイミド前駆体の重量平均
分子量は、二万〜四万であった。
【0077】
【表1】
【0078】
【表2】
【0079】得られたポリイミド前駆体を実施例1と同
様にして溶媒に溶解し、増感剤および光重合助剤を添加
して(実施例6、7、11、12ではさらに共重合モノ
マを添加して)感光性ポリイミド前駆体組成物を調製
し、実施例1と同様にしてワニスの粘度安定性を検討し
た、また成膜後、解像度、感度、現像時間、膜の伸びを
検討した結果を、表3および表4に示す。なお、表3お
よび表4では、感光性ポリイミド前駆体100重量部当
たりの各添加物の添加量を( )内に示した。
【0080】
【表3】
【0081】
【表4】
【0082】なお、粘度安定性、成膜、評価条件は実施
例1と同様とした。粘度は室温保存で一週間後の変化が
10%以内の場合を良好とした。膜厚は10〜20μm
に設定した。解像度は、10μmのスルーホールを解像
したものを良好とし、感度は、現像後膜厚が塗布膜厚の
半分になる露光量として、100mJ/cm2以下を良
好とした。また、現像時間は、テトラメチルアンモニム
ウヒドロキシド2.38重量%水溶液から成る現像液で
1分以下で現像可能なものを良好とした。さらに、最終
ポリイミド膜の伸びは8%以上を良好とした。
【0083】〈比較例〉特願平8−155324明細書
の実施例1と同様にして感光性ポリイミド前駆体を合成
し、この前駆体を用いて、本願の実施例1と同様にし
て、感光性ポリイミド前駆体組成物を調製した。このワ
ニスを室温で保存し、粘度安定性を検討したところ、1
日後ワニスはゲル化してしまった。この原因は、合成時
に、水溶性の重合禁止剤であるt−ブチルカテコールを
用いたため合成後水に投入しポリマを精製する際に、重
合禁止剤が失われてしまったためと考えられる。
【0084】
【発明の効果】本発明のポリイミド前駆体の製造方法に
よれば、塩基性水溶液で現像可能な、粘度安定性に優れ
た、感光性ポリイミド前駆体を得ることが出来る。従っ
て、本発明に含まれるポリイミド前駆体組成物を用いて
樹脂パターンを形成すれば、作業者の健康への悪影響な
どの、有機溶媒の使用に伴う種々の問題を回避すること
ができ、さらに、半導体素子の表面コート膜等の保護膜
や薄膜多層配線基板の層間絶縁膜等に用いた場合の、現
像時の露光部の膨潤や、廃液処理の手間などを軽減する
ことができる。また、本発明に含まれるポリイミド前駆
体は、保存時粘度安定性が優れているため、実際の生産
プロセス適合性が良好である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 順 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地株式 会社日立製作所生産技術研究所内 (72)発明者 磯田 敬子 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地株式 会社日立製作所生産技術研究所内 (72)発明者 内村 俊一郎 茨城県日立市東町四丁目13番1号日立化成 工業株式会社半導体・液晶材料事業部内 (72)発明者 鍛治 誠 茨城県日立市東町四丁目13番1号日立化成 工業株式会社茨城研究所内 (72)発明者 金尾 修 茨城県日立市東町四丁目13番1号山崎産業 株式会社内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式化1で表される繰返し単位を有
    し、重量平均分子量が一万〜二十万であるポリイミド前
    駆体の合成時に、難水溶性の重合禁止剤を添加すること
    を特徴とするポリイミド前駆体の製造方法。 【化1】 (ただし、式中、R1は4個以上の炭素を含む4価の有
    機基、R2は芳香族環を含む3価または4価の有機基、
    R3は1価の有機基、Aは酸性を示す1価の基、nは1
    または2である。)
  2. 【請求項2】請求項1において、下記一般式化2で表さ
    れる繰返し単位を、さらに有し、 【化2】 (ただし、式中、R1は4個以上の炭素を含む4価の有
    機基、R2は芳香族環を含む3価または4価の有機基、
    R3は1価の有機基、R4は芳香族環またはケイ素を含
    む2価の有機基である。) 一分子中の、上記一般式化1で表される繰返し単位の数
    と、上記一般式化2で表される繰返し単位の数との合計
    を100とするとき、上記一般式化1で表される繰返し
    単位の数は10〜100、上記一般式化2で表される繰
    返し単位の数は0〜90であるポリイミド前駆体の合成
    時に、難水溶性の重合禁止剤を添加するポリイミド前駆
    体の製造方法。
  3. 【請求項3】請求項1または2において、添加する難水
    溶性の重合禁止剤が、3,5−ジ−t−ブチルカテコー
    ル、2,5−ジフェニル−p−ベンゾキノン、1,1−
    ジフェニル−2−ピクリルヒドラジル、N−ニトロソジ
    フェニルアミンのいずれかの化合物であるポリイミド前
    駆体の製造方法。
  4. 【請求項4】請求項1または2において、上記Aは、ス
    ルホン酸基、スルフィン酸基、カルボキシル基、および
    水酸基のうちから選ばれるいずれかの基であるポリイミ
    ド前駆体の製造方法。
  5. 【請求項5】請求項1または2において、上記R1は、
    下記製造式群化3に示されるいずれかの構造式により表
    される有機基であるポリイミド前駆体の製造方法。 【化3】
  6. 【請求項6】請求項1または2において、上記R2は、
    下記構造式群化4に示されるいずれかの構造式により表
    される有機基であるポリイミド前駆体の製造方法。 【化4】
  7. 【請求項7】請求項1または2において、上記R3は、
    下記一般式化5により表される有機基のうちのいずれか
    であるポリイミド前駆体の製造方法。 【化5】 (ただし、R5、R6およびR7は、水素、アルキル
    基、フェニル基、ビニル基、およびプロペニル基からそ
    れぞれ独立に選択された基であり、R8は2価の有機基
    を示す。)
  8. 【請求項8】請求項7において、上記R3は、下記化学
    式化6により表される有機基であるポリイミド前駆体の
    製造方法。 【化6】
  9. 【請求項9】請求項1または2において、一分子中の上
    記R3のうち10〜100モル%は、下記一般式化7に
    示されるいずれかの構造式により表される有機基であ
    り、残りは、炭素数4以下のアルキル基であるポリイミ
    ド前駆体の製造方法。 【化7】 (ただし、R5、R6およびR7は、水素、アルキル
    基、フェニル基、ビニル基、およびプロペニル基からそ
    れぞれ独立に選択された基であり、R8は2価の有機基
    を示す。)
  10. 【請求項10】請求項2において、上記R4は、下記構
    造式群化8、化9、および化10に示されるいずれかの
    構造式により表される有機基であるポリイミド前駆体の
    製造方法。 【化8】 【化9】 【化10】
  11. 【請求項11】ポリイミド前駆体100重量部と、増感
    剤0.1〜50重量部と、光重合助剤0.1〜50重量
    部とを含む感光性ポリイミド前駆体組成物の製造方法に
    おいて、上記ポリイミド前駆体は、下記一般式化11で
    表される繰返し単位を有し、その合成時に難水溶性の重
    合禁止剤を添加することを特徴とするポリイミド前駆体
    組成物の製造方法。 【化11】 (ただし、式中、R1は4個以上の炭素を含む4価の有
    機基、R2は芳香族環を含む3価または4価の有機基、
    R3は1価の有機基、Aは酸性を示す1価の基、nは1
    または2である。)
  12. 【請求項12】請求項11において、上記ポリイミド前
    駆体は、下記一般式化12で表される繰返し単位を、さ
    らに有し、 【化12】 (ただし、式中、R1は4個以上の炭素を含む4価の有
    機基、R2は芳香族環を含む3価または4価の有機基、
    R3は1価の有機基、R4は芳香族環またはケイ素を含
    む2価の有機基である。) 一分子中の、上記一般式化11で表される繰返し単位の
    数と、上記一般式化12で表される繰返し単位の数との
    合計を100とするとき、上記一般式化11で表される
    繰返し単位の数は10〜100、上記一般式化12で表
    される繰返し単位の数は0〜90である感光性ポリイミ
    ド前駆体の合成時に、難水溶性の重合禁止剤を添加する
    ポリイミド前駆体の製造方法。
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