JPS581090Y2 - 農用トラクタ等の車両に於ける安全フレ−ムの構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、農用トラクタ等の車両に立設される安全フ
レームの構造に関する。

周知のように例えば農用トラクタでは、門型をなすフレ
ームと該フレームの上端から前向きに張出したフレーム
とでなる安全フレームを立設し、この安全フレームによ
って車両転倒時の危険からオペレーターを防護するもの
である。

この場合安全フレームは、剛強フレームのみで形成され
るのが一般的であり、従って車両が後方に転倒した際に
はその衝撃をフレーム自体が直接受けることとなり、こ
れがため高い衝撃値を想定してフレームを可成り太目に
製作しておかねばならず、この結果安全フレームは重く
なって車両に取付けると安定度は低下し、且つフレーム
は大きくなって高くついたり組付は等に手数を要する不
都合が生じていたものであり、ここにその対策が望まれ
ている処である。

この考案は上記問題を解決するために工夫されたもので
、その目的とする処は、屋根受フレームを枠状体に形成
してその後部を前部よりも広幅にすると共に門型フレー
ムよりも後方へ突出させ、且つその後部に複数本の取付
片を連結することにより、車輌転倒時の衝撃を全体で分
散緩衝可能にした安全フレームの構造を提供するにある
。

従ってその特徴とする処は、左右一対の縦杆部と、両縦
杆部間に連結された横杆部とを備えた門型フレームを機
体に立設し、この門型フレームの上部両脇にその後部が
前記門型フレームよりも後方へ張出された屋根受フレー
ムを固定し、且つこの両屋根受フレームを連結部材で連
結したものにおいて、前記各屋根受フレームは杆状部材
を曲成してその後部が前部よりも広幅形状の枠状体に形
成され、前記後部にはその両端が杆状部材に連結された
複数本の取付片が上下方向に間隔をおいて設けられ、こ
の複数本の取付片が縦杆部に取付けられている点にある
。

以下、図示する具体例について説明する。

第１図から第５図に示すものは、農用ｌ・ラクタにて柱
式安全フレームＦを立設した一例であり、トラクタの機
体１には、□ツションケース２を構成し、同ケース２の
後部には、リフトアーム３つき油圧装置４を垂設し同装
置４上に座席５を設置してあり、又ミッションケース２
の両脇には、後車軸６を囲繞する後車軸ケース７を突設
し、フェンダ８つき後輪９を対向して装備させである。

前記後車軸ケース７．７からは、取付基枠１０を介して
安全フレームＦを立設し座席５を囲むべく構成しである
。

この安全フレームＦは、やや後傾状をなす左右一対の縦
杆部１１，１１と、吊綱杆部ｉｔ、ｉｉの上端間におい
て第１連結ブラケツ）１２．１２を介して着脱自在に横
設された横杆部１３とで背面門型のフレームを形成しで
ある。

前記吊綱杆部１１．１１の各外側上部には、下駄型の第
２連結ブラケツト１４の一対宛を外向きに突設し、該座
盤に対してパイプ枠状をなす屋根受フレーム１５を取着
しである。

この屋根受フレーム１５は、前部と後部とでなり、前部
はＵ字を横置きとした形状であり、又後部は三角形状で
あって全体がパイプ又はロットヲ曲成させてできたもの
である。

屋根受フレーム１５．１５の夫々は、第２連結ブラケツ
Ｎ４．１４に対接する取付片１６．１６を介して左右対
向状に且つ前方張出姿勢にて取着されており、対向間に
は、前端及び後端を介して連結バー１７．１７にて連結
一体化されていると共に、同フレーム１５の後背部は、
後向きに張出状とされ該張出個所に緩衝部ａを形成しで
ある。

前記屋根受フレーム１５．１５の後部は前部よりも上下
方向の幅が広幅となっており、門型フレームに取付げら
れる取付片１６は上下方向に間隔をおいて２本（又はそ
れ以上でも良い）配置され、各取付片１６は略水平であ
って両端が屋根受フレーム１５に連結されており、緩衝
部ａに加わる衝撃を屋根受フレーム１５の後端だけでな
く全体に伝達して、全体で分散緩衝するように構成され
ており、また、この構造によって屋根受フレーム１５は
軽量で且つ強固となっている。

尚、同フレーム１５の頂面には、突片１８・・・・・・
を介して日除はシート１９を張設しである。

従って上記構成のもとでは、第５図示の如くトラクタが
後向きに倒れた場合を想定すれば転倒衝撃が前記緩衝部
ａに作用し、該緩衝機能によって安全フレームＦの縦杆
部１１等には衝撃が弱められた状態で作用する。

これによってオペレーターは後方に振り落されるおそれ
も少なくなり、しかも低い衝撃値を想定して安全フレー
ムＦの全体を設計すればよいから一段と細いフレーム部
材によって製作でき、これによって安全フレームＦ自体
の重心モーメントが小さくなるからフレームつき車両の
安定度は向上する。

又、緩衝部ａが張出すのでオペレーターへの安全域は拡
がり、しかもここにシート１９を張りつげておけば日除
は範囲が一段と広くなる。

更に屋根受フレーム１５は可成り軽量で前記安定性の向
上のほか組付けを至便となし、又横転に対しての緩衝効
果が期待できる。

この考案は以上の如くであり、各屋根受フレームは杆状
部材を開底してその後部が前部よりも広幅形成の枠状体
に形成され、前記後部にはその両端が杆状部材に連結さ
れた複数本の取付片が上下方向に間隔をおいて設げられ
、この複数本の取付片が縦杆部に取付けられているので
、車輌が転倒すると屋根受フレームの後部が接地し、そ
の衝撃は屋根受フレームが枠状体であること、及び取付
片が連結されていること等により、屋根受フレーム及び
取付片の全体で分散緩衝することができ、しかも屋根受
フレームの後部は広幅形状で取付片が複数本連結されて
いるので軽量且つ強固に構成でき、よって縦杆部を有す
るフレームの破損が防止され、簡単且つ安価な構成で、
オペレーターの安全を確保できる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一例を示す安全フレームつきトラク
タの側面図、第２図はその背側面図、第３図は屋根受フ
レームの取付要領を示す分解斜視図、第４図は屋根受フ
レーム上にシートを張設した例を示す要部側面図、第５
図はトラクタ転倒状態を示す説明図である。 １・・・・・・機体、２・・・・・・ミッションケース
、１１・・・・・・縦杆部、１３・・・・・・横杆部、
１５・・・・・・屋根受フレーム、Ｆ・・・・・・安全
フレーム、ａ・・・・・・緩衝部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 左右一対の縦杆部と、両縦杆部間に連結された横杆部と
   を備えた門型フレームを機体に立設し、この門型フレー
   ムの上部両脇にその後部が前記門型フレームよりも後方
   へ張出された屋根受フレームを固定し、且つこの両屋根
   フレームを連続部材で連結したものにおいて、前記各屋
   根受フレームは杆状部材を曲成してその後部が前部より
   も広幅形状の枠状体に形成され、前記後部にはその両端
   が杆状部材に連結された複数本の取付片が上下方向に間
   隔をおいて設けられ、この複数本の取付片が縦杆部に取
   付けられていることを特徴とする農用トラクタ等の車輌
   に於ける安全フレームの構造。