JPS5810753Y2

JPS5810753Y2 - アンカ−ケ−ブル

Info

Publication number: JPS5810753Y2
Application number: JP12379876U
Authority: JP
Inventors: 忠衛滝野
Original assignee: 岡部株式会社
Priority date: 1976-09-14
Filing date: 1976-09-14
Publication date: 1983-02-28
Also published as: JPS5341802U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は土質地盤や岩盤の締結等を行なうアンカーケー
ブルに関するもので゛ある。

従来、この種アンカー工法においては、穿孔内にアンカ
ーケーブルと一諸に、セメントミルク等のグラウト剤の
注入用パイプを挿入している。

そのため、アンカーを挿入する穿孔径が必要以上に大き
くなり、大量のグラウト剤を要し、その注入も二次注入
が必要で工費が高くなる。

また、アンカーケーブルはその先端寄りの部分をグラウ
ト剤で測定し、基端寄りの部分は非定着部分として、張
力附与のためグラウト剤との耐着抵抗を除くとともに、
防錆効果を得るため、油性物質や合成樹脂剤等を塗布し
ている。

従って多くの手数と熟練を要し、工費がより高くなる原
因をなしており、しかも、油性物質や合成樹脂剤の塗布
だけでは、防錆力が充分でなく、それを見越して必要以
上に太いアンカーケーブルを使用しなければならないと
いう不都合もあった。

本考案は、前述のようなアンカー工法における欠点を改
善、同工法を簡易、確実、経剤的に行なうことができる
ためのアンカーケーブルを提供せんとするものである。

以下、本考案の実施例を図面を参照して説明すると、１
は多数の鋼線を撚り合せ所要の径とした撚線で、この撚
線１を多数本その長さ方向に配ダ１ル、第３図示のよう
に、略管状をなすようにして撚線束２が形成されるよう
にする。

この撚線束２の長さは、施工する岩盤等に設けた穿孔の
長さに適応した長さとする。

そして、撚線束２の基端より所要長さにわたる部分を非
定着部りとし、それより先端までの残余の長さ部分を定
着部ｌとする。

前記非定着部りば、グラウ注入用管孔３を軸線に沿っ
て形成した可撓性合成樹脂製の厚肉とした中空管４の管
壁中に埋設させる。

従って非定着部分りの横断面は、第３図イのように、中
心部のグラウト注入用管孔３の周囲に撚線１，１・・・
・・・が配列されて、撚線１，１・・・・・・の周囲は
、可撓性合成樹脂によって被覆された状態となる。

定着部ｌは、第３図へのよう番〆内径が前記管孔３と略
同−としたグラウト注入用の中空芯管５を中心にして、
その周りに撚線１，１・・・・・・を配列し、これら撚
線１゜１・・・・・・が分離しないように帯金６等によ
り適所を結束して一体化させておく。

そして、中空芯管５と管孔３とは、金属性の接続管７を
介して接続する。

それは、中空芯管５には合成樹脂製の管を使用すること
が好ましいが、これを直接管孔３に押入れて接続するこ
とが困難なので、あらかじめ中空芯管５の基端に接続管
７を固着しておいて、この接続管７を管孔３に圧入して
やれば、接続作業が容易に行なわれるためである。

しかし、接続管７を用いないで、中空芯管５を直接管孔
押当てて接着剤を用いて固着させるようにしてもよい。

本考案ケーブルを実際に製作するには、例えば型枠内に
断面が第３図イに示したように、撚線１゜１・・・・・
・を略管状となるように配列して撚線束２を形成して、
中心部に管孔３が形成されるように、撚線１，１・・・
・・・の周囲全長に可撓性合成樹脂剤が被覆するように
注入して成形させる。

そして、非定着部りにあたる部分はそのままとし、定着
部ｌにあたる残余の長さ部分においては、撚線１，１・
・・・・・を被覆している可撓性合成樹脂剤を取除いて
、撚線１゜１・・・・・・を中空管４中より露出させ、
撚線束２中へ中空芯管５を挿入して、その基端を管孔３
に接続した後、撚線束２の周りに帯金６を巻回して結束
するのである。

このようにして構成した本考案アンカーケーブルは、第
１図に示したように、土質地盤や岩盤８に削設した穿孔
９に定着部ｌを先方にして挿入し、管孔３よりグラウト
剤１０を注入する。

注入されたグラウト剤１０は、管孔３、中空芯管５を通
ってその先端から穿孔９内に入って充満し、その一部は
地盤や岩盤８内にも侵入する。

この際、アンカーケーブルの基端部には、座金１１と締
付ナツト１２とを装着しておく。

グラウト剤１０の注入により穿孔９内の空気は、座金１
１に取付けた排気パイプ１３を通って穿孔外に排出され
る。

そして、注入したグラウト剤１０の固結をまってから、
アンカーケーブルの基端を緊張装置（図示を略す）に連
結して引張力を附与し、所要の引張りが与えられたとこ
ろでナツト１２を締め込んで、これを岩盤面に固着させ
るので゛ある。

アンカーケーブルに引張力を附与するにあたっては、定
着部ｌは、撚線１，１・・・・・・が露出しているため
、これがグラウト剤１０を介して岩盤８に強固に固定さ
れるが、非定着部りは、表面が合成樹脂であるため、グ
ラウト剤１０によって固定されることなく、滑り易くな
っているので、容易に伸張して、引張力の附与が行なえ
るのである。

本考案は以上のように、多数本の撚線１，１・・・・・
・を配列した撚線束２を用い、これを非定着部りと定着
部ｌとに区分し、非定着部りは柔軟性の合成樹脂中空管
４中に埋設し、定着部ｌは合成樹脂剤を被覆することな
く、撚線１，１・・・・・・をそのまま露出させ、撚線
束２の軸線にはグラウト注入用の孔３、及び中心芯管５
を設けたので、このアンカーケーブルはそのままグラウ
ト注入管の役目を果すことができ、従来のようにアンカ
ーケーブル以外にグラウト注入管を挿入必要がなく、従
って、穿孔９の径もアンカーケーブルを挿入できる程度
の小径ですみ、穿孔作業が容易となり、しかも、グラウ
ト剤１０の注入量も小量ですみ、工費の節減が図れる。

また、撚線１，１・・・・・・は、合成樹脂中空管４と
、中空芯管５及び、帯金６によって一体に結束しである
ので、従来のように現場において撚線を束ねてアンカー
ケーブルを製作するというような現場作業の煩雑性や、
工事の複雑性が改善される。

しかも、定着部ｌでは、撚線１，１・・・・・・が露出
しているとともに、適所を帯金６によって結束している
ので、グラウト剤１０との結合力が大で、強固な固定が
行なえ、それに反して非定着部りは合成樹脂部分がグラ
ウト剤１０と接するため、この部分に油性物質等をその
都度塗布するが如き手数を要せず、アンカーケーブルに
引張力を附与した場合に、グラウト剤１０の耐着抵抗を
著しく軽減し、強力な引張力の附与ができ、岩盤等の締
結を頑強に行なうことができるとともに、非定着部が腐
蝕するおそれもない等、優れた効果のあるアンカーケー
ブルを提供できるものである。

【図面の簡単な説明】

図面は、本考案の実施例を示したもので、第１図は本考
案アンカーケーブルの施工図、第２図は本考案アンカー
ケーブルの縦断側面図、第３図は第２図における各断面
を示すもので、イはＡ−Ａ断面図、口はＢ−Ｂ断面図、
ハはＣ−Ｃ断面図である。１・・・・・・撚線、２・・・・・・撚線束、３・・・
・・・グラウト注入用管孔、４・・・・・・合成樹脂製
中空管、５・・・・・・中空芯管、６・・・・・・帯金
、７・・・・・・接続管、８・・・・・・岩盤、９・・
・・・・穿孔、１０・・・・・・グラウト剤、１１・・
・・・・座金、１２・・・・・・ナツト、１３・・・・
・・排気管、Ｌ・・・・・・非定着部、ｌ・・・・・・
定着部。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

撚線の多数本をその長さ方向に配列し、略管状をなすよ
うな撚線束を形成し、該撚線束の基端より所要の長さに
わたる部分を、可撓性合成樹脂中空管の管壁中に埋設さ
せて非定着部を構成するとともに、残余の部分は、前記
合成樹脂中空管の管孔に連結した中空管の外周に結束し
て定着部を構成したことを特徴とする、アンカーケーブ
ル。