JPH1198795A - フライホイール磁石回転子及びその製造方法 - Google Patents

フライホイール磁石回転子及びその製造方法

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JPH1198795A
JPH1198795A JP9259706A JP25970697A JPH1198795A JP H1198795 A JPH1198795 A JP H1198795A JP 9259706 A JP9259706 A JP 9259706A JP 25970697 A JP25970697 A JP 25970697A JP H1198795 A JPH1198795 A JP H1198795A
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flywheel
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Yoshimasa Serizawa
芳正 芹澤
Masamitsu Kimura
政光 木村
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Kokusan Denki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】カップ状のヨークとヨークの底壁部外面に当接
された鍔板部を有するボス部材とを備えたフライホイー
ルのヨークのコーナ部と、ボス部材の鍔板部との間に形
成される間隙内に、鍔板部の仕上げ加工の際に生じる切
削屑が侵入するのを防止することができるフライホイー
ル磁石回転子を提供する。 【解決手段】カップ状のヨーク2にボス部材3を取り付
け、ヨーク2の周壁部の内周に永久磁石6を取り付けた
フライホイール磁石回転子において、ボス部材3の鍔板
部31の外周寄りの部分に、ヨーク2側に突出した環状
の突出壁33を形成する。環状の突出壁33により、ヨ
ーク2のコーナ部23とボス部材3の鍔板部31との間
に形成される間隙51を閉鎖する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関で駆動さ
れる磁石発電機に用いられるフライホイール磁石回転子
とその製造方法とに関するものである。
【0002】
【従来の技術】内燃機関に装着されて該内燃機関により
駆動され、機関の点火電源や点灯、充電等の電源として
用いられるフライホイール磁石発電機は、発電コイルが
設けられていて内燃機関のクランクケースに固定される
固定子と、内燃機関のクランク軸で駆動されるフライホ
イール磁石回転子とを備えることにより構成される。
【0003】図9は、フライホイール磁石発電機に用い
られている従来のフライホイール磁石回転子の一例を示
したものである。同図に示したフライホイール磁石回転
子1は、周壁部21と該周壁部の軸線方向の一端側に形
成された底壁部22とを一体に有して底壁部22の中央
にボス貫通孔221が形成されたカップ状のヨーク2
と、ヨークの底壁部22の外面に当接された円盤状の鍔
板部31と該鍔板部の中央から片側に突出して軸線方向
に伸びるように形成されてヨークのボス貫通孔221を
貫通した状態でヨーク2内に挿入されたボス部32とを
一体に有するボス部材3とからなっていて、ボス部材3
の鍔板部31がヨーク2の底壁部22にリベット4によ
り締結されたフライホイール5と、該フライホイールの
ヨーク2の周壁部21の内周に固定された永久磁石6と
を備えている。ヨークの周壁部21と底壁部22との境
界部にはボス部材3の鍔部31の外周側に向うに従って
該鍔板部から離れるようにアール(R)がつけられたコ
ーナ部23が形成されている。
【0004】この種のフライホイール磁石回転子は、内
燃機関の回転を円滑にするため、該フライホイール磁石
回転子が取り付けられる機関の要求に応じた大きさの慣
性モーメントを有している必要がある。
【0005】フライホイール磁石回転子の慣性モーメン
トの大きさは、ヨーク2の外径や該ヨークの周壁部21
及び底壁部22の板状部の厚さ選定により所要の大きさ
にすることも可能であるが、この場合には要求される慣
性モーメントの大きさに応じてヨーク2を製作するため
の金型の変更が必要となって製作費用が高額になる。そ
のため、通常は、ボス部材3の鍔板部31の外径を変更
してフライホイール磁石回転子の慣性モーメントの大き
さを所要の値にするようにしている。この場合、要求さ
れる慣性モーメントの値が大きいと、図9に示されてい
るように鍔板部31の外径がヨークの周壁部21の外径
よりも大きくなり、ヨークのコーナ部23とボス部材の
鍔板部31との間に狭間隙51が形成される。
【0006】ボス部材の鍔板部31の外径がヨークの周
壁部21の外径よりも大きく形成されている上記従来の
フライホイール磁石回転子は、次の工程を行うことによ
り製造される。即ち、上記のフライホイール磁石回転子
は、鉄板を絞り加工することにより、カップ状のヨーク
2を製作するヨーク製作工程と、円盤状の鍔板部31の
外径がヨークの周壁部21の外径よりも大きく形成され
たボス部材3を製作するボス部材製作工程と、ボス部材
の鍔板部31をヨークの底壁部22にリベット4でリベ
ット止めすることにより、ヨーク2とボス部材3とから
なるフライホイール5を組み立てるフライホイール組立
工程と、フライホイール5が組み立てられた後に、該フ
ライホイールを位置決め固定した状態でボス部材3のボ
ス部32内にヨークの周壁部21と中心軸線を共有する
テーパ孔321を形成するための加工と鍔板部31の外
周31aを切削して円筒面状に仕上げる加工とを含む機
械加工を行う加工工程と、フライホイールのヨークの周
壁部21の内周21aに磁石6を取り付ける磁石取付け
工程とを行うことにより製造される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ボス部材の鍔板部31
の外径がヨークの周壁部21の外径よりも大きく形成さ
れた従来のフライホイール磁石回転子では、既述のよう
に、ヨークの周壁部21と底壁部22との境界部にアー
ルがつけられて形成されたコーナ部23とボス部材の鍔
板部31との間に狭間隙51が形成されている。そのた
め、フライホイール5が組み立てられた後に、ボス部の
鍔板部31の外周31aを切削して円筒面に仕上げる機
械加工の工程において、鍔板部の外周31aの切削によ
り生ずる切削屑が狭間隙51内に入って該狭間隙内に残
留することがある。この切削屑が、フライホイール磁石
回転子を内燃機関に装着した後にも狭間隙51内に残っ
ていると、内燃機関の運転中に振動や遠心力によりこの
切削屑が狭間隙内から飛び出して、磁石発電機の発電コ
イルを損傷したり、内燃機関のオイルフィルタの目づま
りの原因となったりする恐れがあるので、狭間隙51内
の残留切削屑の有無の確認及びその除去のための作業が
必要となるという問題があった。
【0008】本発明の目的は、ボス部材の鍔板部の外周
を切削して円筒面状に仕上げる機械加工の加工工程で生
ずる切削屑が、ヨークのコーナ部とボス部材の鍔板部と
の間に形成されている狭間隙に入り込むことがないよう
にして、狭間隙内の切削屑の有無の点検や除去作業を不
要にするとともに、内燃機関の運転中に切削屑が飛び出
して発電コイルの損傷やオイルフィルタの目づまりなど
が生ずる恐れがないようにしたフライホイール磁石回転
子とその製造方法とを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明が対象とするフラ
イホイール磁石回転子は、周壁部と該周壁部の軸線方向
の一端側に形成された底壁部とを一体に有して該底壁部
の中央にボス貫通孔が形成されたカップ状のヨークと、
該ヨークの周壁部の外径よりも大きな外径を有するよう
に形成され、ヨークの底壁部の外面に当接された円盤状
の鍔板部と該鍔板部の中央から片側に突出して軸線方向
に伸びるように形成されてヨークのボス貫通孔を貫通し
た状態でヨーク内に挿入されたボス部とを一体に有する
ボス部材とからなっていて、ボス部材の鍔板部がヨーク
の底壁部にリベットにより締結されたフライホイール
と、フライホイールのヨークの周壁部の内周に固定され
た永久磁石とを備えたものである。この種のフライホイ
ール磁石回転子では、ヨークの周壁部と底壁部との境界
部に、ボス部材の鍔板部の外周側に向うに従って該鍔板
部から離れるようにアールがつけられたコーナ部が形成
されている。
【0010】本発明においては、ボス部材の鍔板部の外
周を切削加工する際に生ずる切削屑がヨークのコーナ部
と前記鍔板部との間に形成された狭間隙内に入りこまな
いようにするため、鍔板部の外周寄りの部分に、ヨーク
側に突出した環状の突出壁を形成する。この環状の突出
壁は、ヨークの周壁部の外径よりも小さい内径を有する
ように形成されていて、該突出壁の先端がヨークのコー
ナ部の鍔板部から外れた部分に当接されて、該突出壁に
より前記狭間隙が塞がれている。
【0011】上記のように構成すると、ヨークのコーナ
部と鍔板部との間に形成された狭間隙が、鍔板部に形成
された環状の突出壁により塞がれるため、該狭間隙に切
削屑が入り込むのを防ぐことができる。したがって、該
狭間隙内から切削屑を除去する面倒な作業を省略するこ
とができ、フライホイール磁石回転子の製造を容易にす
ることができる。
【0012】上記の構成のフライホイール磁石回転子
は、鉄板を絞り加工することにより、カップ状のヨーク
を製作するヨーク製作工程と、ヨークの周壁部の外径よ
りも大きな外径を有するように形成された円盤状の鍔板
部と該鍔板部の中央から片側に突出して軸線方向に伸び
るボス部とを一体に有するボス部材を製作するボス部材
製作工程と、該ボス部材のボス部をヨークのボス貫通孔
を通してヨーク内に挿入して該ボス部材の鍔板部をヨー
クの底壁部の外面に対向させた状態で、ボス部材の鍔板
部をヨークの底壁部にリベットとめすることにより、ヨ
ークとボス部材とからなるフライホイールを組み立てる
フライホイール組立工程と、フライホイールが組み立て
られた後に、該フライホイールを位置決め固定した状態
でボス部材のボス部内にヨークの周壁部と中心軸線を共
有するテーパ孔を形成する加工と鍔板部の外周を切削し
て円筒面状に仕上げる加工とを含む機械加工を行う加工
工程と、フライホイールのヨークの周壁部の内周に磁石
を取り付ける磁石取付け工程とを行うことにより製造す
ることができる。
【0013】本発明に係わる製造方法においては、上記
ボス部材製作工程でボス部材を形成する際に、ボス部材
の鍔板部の外周寄りの部分からボス部と同じ側に突出し
た環状の突出壁を、ヨークの周壁部の外径よりも小さい
内径をもたせた状態で形成しておき、ボス部材の鍔板部
をヨークの底壁部にリベットとめする際に、ボス部材の
突出壁をヨークの周壁部と底壁部との間の境界部に形成
されたコーナ部に当接させて、ボス部材の鍔板部をヨー
クの底壁部に締結するリベットをかしめる際の力によ
り、突出壁の先端部を径方向の外側に反らせるように変
形させて、該突出壁の先端部をヨークのコーナ部外面に
押圧し、ボス部材の突出壁により、ヨークのコーナ部と
ボス部材の鍔板部との間に形成された狭間隙を塞いだ後
に、前記の加工工程を行う。
【0014】上記のように、鍔板部の突出壁の先端部を
ヨークのコーナ部外面に押圧した状態でボス部材の鍔板
部をヨークの底壁部にリベット止めするようにすると、
ヨークのコーナ部とボス部材の鍔板部との間の狭間隙を
前記突出壁で完全に閉塞できるので、鍔板部の外周の切
削加工工程で生ずる切削屑が前記狭間隙の内部に入り込
むのを防止することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】次に、添付図面を参照して本発明
の実施の形態を説明する。
【0016】図1(A),(B)は本発明に係わるフラ
イホイール磁石回転子の構成例を示したもので、同図
(A)は正面図、(B)は(A)のY−O−Y´線断面
図である。また図2は図1(B)のM部を拡大して示し
たものである。
【0017】これらの図において、フライホイール磁石
回転子1は、カップ状のヨーク2とボス部材3とが複数
個(本実施例では6個)のリベット4により締結された
フライホイール5と、ヨーク2の内周に固定された複数
個(本実施例では4個)の永久磁石6とを備えている。
【0018】ヨーク2は、鉄板を絞り加工することによ
り周壁部21と該周壁部の軸線方向の一端側に形成され
た底壁部22とを一体に有してカップ状に形成され、底
壁部22の中央には、ボス貫通孔221が形成されてい
る。ヨークの周壁部21と底壁部22との境界部には、
ボス部材3の鍔板部31の外周側に向うに従って該鍔板
部から離れるようにアール(R)がつけられたコーナ部
23が形成されている。ヨークの周壁部21の外周の径
方向の対称位置には、図示しない信号発電子に内燃機関
の点火位置で点火信号を発生させるための一対のリラク
タ211,211が径方向の外側に突出した状態で形成
されている。
【0019】ボス部材3は、ヨークの底壁部22の外面
に当接される円盤状の鍔板部31と、該鍔板部の中央か
ら片側に突出して軸線方向に伸びるように形成されてヨ
ークのボス貫通孔221を貫通した状態でヨーク2内に
挿入されたボス部32とを鋼材により一体に形成したも
のからなっている。図示の例では、鍔板部31のボス部
32が突出する側と反対の側に、図示しないスタータク
ラッチが取付けられるクラッチ取付凹部311が形成さ
れている。凹部311の内周はインロー部311aとな
っていて、該インロー部311aに図示しないスタータ
クラッチが嵌合される。該スタータクラッチは、凹部3
11の底面311bに当接されて、鍔板部31に形成さ
れたねじ挿通孔312に挿通される図示しない取付ねじ
により鍔板部31に固定される。ボス部材3のボス部3
2内には、フライホイール磁石回転子1を内燃機関のク
ランク軸を嵌合させるためのテーパ孔321と、該回転
子とクランク軸との間の回り止めを図るキーを挿入する
ためのキー溝322とが形成されている。
【0020】ボス部材3は、該ボス部材の鍔板部31に
形成されたリベット孔313とヨークの底壁部22に形
成されたリベット孔222とに挿通された複数個(本実
施例では6個)のリベット4によりヨーク2に締結され
ている。
【0021】ヨークの周壁部21の内周には磁石位置決
め突起212が形成されていて、該磁石位置決め突起に
より軸線方向の位置決めがなされた複数個(本実施例で
は4個)のフェライト磁石からなる永久磁石6が周方向
に等角度間隔を開けた状態で配置されてヨークの周壁部
21の内周に接着により固定されている。該複数個の永
久磁石6は、フライホイールの周方向に交互に異極の磁
極が並ぶように着磁されている(径方向着磁)。
【0022】本発明のフライホイール磁石回転子1で
は、図2に示すように、ボス部材の鍔板部31の外周寄
りの部分に、ヨーク2側に突出した環状の突出壁33が
形成されている。環状の突出壁33の内径は、最初のヨ
ークの周壁部21の外径よりも小さく設定され、ボス部
材の鍔板部31がリベット4によりヨークの底壁部22
に締結された状態にされたときに、環状の突出壁33の
先端がヨークのコーナ部23の鍔板部31から外れた部
分に当接して、該突出壁33により、ヨークのコーナ部
23とボス部材の鍔板部31との間に形成されている狭
間隙51が塞がれた状態になるようになっている。
【0023】上記のように、環状の突出壁33を形成し
て、該突出壁により狭間隙51を塞ぐようにすると、ボ
ス部材3をヨーク2に締結してフライホイール5を組み
立てた後、鍔板部31の外周を切削加工した際に生ずる
切削屑などが狭間隙51内に入るのを防ぐことができ
る。
【0024】上記のフライホイール磁石回転子1は、カ
ップ状のヨーク2を製作するヨーク製作工程と、ボス部
材3を製作するボス部材製作工程と、ボス部材3の鍔板
部31をリベット4によりヨーク2の底壁部22に締結
してフライホイール5を組み立てるフライホイール組立
工程と、フライホイール5が組み立てられた後にテーパ
孔321及びキー溝322を形成する加工と鍔板部31
の外周を切削して円筒状に仕上げる加工とを含む機械加
工を行う加工工程と、ヨーク2の周壁部21の内周に永
久磁石6を取り付ける磁石取付工程とを行うことにより
製造される。
【0025】ヨーク製作工程では、鉄板を絞り加工する
ことにより、図3(A),(B)に示すように、周壁部
21と該周壁部の軸線方向の一端側に形成された底壁部
22とを一体に有し、周壁部21と底壁部22との境界
部のコーナ部23にアール(R)がつけられたカップ状
のヨーク2を製作する。ヨークの周壁部21には、該周
壁部の一部を打出すことにより、外方に突出した一対の
リラクタ211,211が形成されている。また該ヨー
クの周壁部21には、内方に突出した複数個の磁石位置
決め突起212,212,…が形成されている。ヨーク
2の底壁部22の中央には、打抜きにより形成されたボ
ス貫通孔221が形成され、該ボス貫通孔の周囲には、
周方向に等角度間隔を開けた状態で穿設された複数個
(本実施例では6個)のリベット孔222,222,…
と、隣り合うリベット孔の中間位置に穿設された複数個
(本実施例では6個)のねじ頭逃し孔223,223,
…とがそれぞれ形成される。
【0026】なおネジ頭逃し孔223,223,…は、
前述の図示しないスタータクラッチ取付け用の取付ねじ
の頭部を逃す(収容する)ためのものである。
【0027】ボス部材製作工程では、鋼材の冷間鍛造あ
るいは熱間鍛造と必要部分の切削加工とにより、ボス部
材3を形成する。このボス部材は、図4に示すように、
ヨークの周壁部21の外径よりも大きな外径を有する円
盤状の鍔板部31と、該鍔板部の中央から片側に突出し
て軸線方向に伸びるボス部32とを一体に有するもの
で、その鍔板部31の外周寄りの部分には、ボス部32
と同じ側に突出した環状の突出壁33を、ヨークの周壁
部21の外径よりも小さい内径を持たせた状態で形成す
る。
【0028】本実施形態では更に、ボス部32内を貫通
した状態でテーパ孔321を形成するとともに、鍔板部
31のボス部32と反対側の部分にクラッチ取付凹部3
11を形成し、鍔板部31を貫通した複数個(本実施例
では6個)のリベット孔313と、複数個(本実施例で
は6個)のねじ挿通孔312(図1参照)とを、クラッ
チ取付凹部311の底面に開口させた状態で形成する。
【0029】なおボス部材3は、その鍔板部31の外周
31aと、テーパ孔321の内周と、クラッチ取付凹部
311の内周面311a及び底面331bとにそれぞ
れ、図4,図5、図6等に鎖線で示した仕上げ切削代を
残した状態で形成する。
【0030】フライホイール組立工程では、ボス部材製
作工程で製作したボス部材3(図4参照)のボス部32
を、ヨーク製作工程で製作したヨーク2(図3参照)の
ボス貫通孔221を通してヨーク2内に挿入する。そし
て、ボス部材の鍔板部31をヨークの底壁部22に対向
させた状態で、図5に示すようにヨークの底壁部22の
リベット孔222とボス部材の鍔板部31のリベット孔
313とを通してリベット4を挿通し、該リベットによ
り図6に示すようにボス部材の鍔板部31をヨークの底
壁部22に締結する。このリベット止めを行う際に、ボ
ス部材に形成された環状の突出壁33をヨークの周壁部
21と底壁部22との間の境界部に形成されたコーナ部
23に当接させて、リベット4をかしめる際の力により
突出壁33の先端部を径方向の外側に反らせるように変
形させて、該突出壁の先端部をヨークのコーナ部23の
外面に押圧し、図7に示すように突出壁33によりヨー
クのコーナ部23とボス部材の鍔板部31との間に形成
された狭間隙51を閉鎖する。
【0031】フライホイール5の機械加工を行う加工工
程では、フライホイール組立工程により組み立てられた
フライホイール5(図6参照)のヨークの底壁部22の
内側面22aと周壁部21の内周面21aとにフライホ
イール取付治具を当接させてフライホイール5を位置決
め固定した状態で、図8に切削仕上精度記号(逆三角
形)を付して示す面の仕上げ切削加工を行う。この切削
加工では、ボス部内のテーパ孔321,リラクタ211
の外周面、鍔板部の外周面31a及びクラッチ取付凹部
311の内周面311aの中心軸心をヨークの周壁部2
1の内周面21aの中心軸線と一致させ、またクラッチ
取付凹部311の底面311bとヨークの底壁部22の
内側面22aとの間の距離を所定値とするように、各部
の仕上加工を行う。キー溝322は所定の周方向角度位
置に形成するるように加工する。
【0032】磁石取付け工程では、図1に示したよう
に、ヨークの周壁部21の内周に複数個(本実施例では
4個)の永久磁石4を磁石位置決め突起212に当接さ
せてそれぞれの軸線方向位置を定めるとともに、周方向
に等角度間隔をあけた状態で所定の角度位置に配置して
接着により周壁部21に固定する。該永久磁石は、フラ
イホイールの周方向に交互に異極性の磁極が並ぶように
径方向に着磁する。
【0033】上記本発明によるフライホイール磁石回転
子1の製造方法では、ボス部材の鍔板部31の外周寄り
の部分に形成した環状の突出壁33の先端部が、鍔板部
31をヨークの底壁部22にリベット止める際にヨーク
のコーナ部23の外面を押圧した状態にすることによ
り、突出壁33によって狭間隙51を完全に塞ぐように
したので、鍔板部31の外周31aを切削加工する際に
生ずる切削屑が狭間隙51内に入ることがない。
【0034】
【発明の効果】以上のように、本発明では、ボス部材の
鍔板部の外径がカップ状のヨークの周壁部の外径よりも
大きく形成されているフライホイール磁石回転子におい
て、ボス部材の鍔板部の外周寄りの部分にヨーク側に突
出した環状の突出壁を形成して、該突出壁により、ヨー
クのコーナ部とボス部材の鍔板部との間に形成された狭
間隙を塞ぐようにしたので、ボス部材の鍔板部の外周を
切削して円筒状に仕上げる際に生じる切削屑が狭間隙内
に侵入するのを防ぐことができる。そのため、従来は必
要であった狭間隙内の切削屑の有無の点検や、切削屑の
除去作業を省略してフライホイール磁石回転子の製造を
容易にすることができ、また除去できなかった切削屑が
フライホイール磁石発電機の運転中に飛び出して発電コ
イルの損傷などの事故を引き起すおそれを無くすことが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるフライホイール磁石回転子の構
成例を示したもので、(A)は正面図、(B)は(A)
のY−O−Y´線断面図である。
【図2】図1(B)のM部の拡大図である。
【図3】図1のフライホイール磁石回転子のヨーク製造
工程で製作されるヨークを示したもので、(A)は正面
図、(B)は(A)のY−O−Y´線断面図である。
【図4】図1のフライホイール磁石回転子のボス部材製
作工程で製作されるボス部材の半部の縦断面図である。
【図5】図1の本発明に係る製造方法のフライホイール
組立工程中におけるフライホイールの半部の縦断面図で
ある。
【図6】図1のフライホイール磁石回転子のフライホイ
ール組立工程で組み立てられたフライホイールの半部を
示した縦断面図である。
【図7】図6の要部の拡大断面図である。
【図8】図1のフライホイール磁石回転子のフライホイ
ールの機械加工工程で加工される箇所を示したフライホ
イールの半部縦断面図である。
【図9】従来のフライホイール磁石回転子の一例を示し
た縦断面図である。
【符号の説明】
1 フライホイール磁石回転子 2 ヨーク 21 周壁部 22 底壁部 221 ボス貫通孔 23 コーナ部 3 ボス部材 31 鍔板部 32 ボス部 321 テーパ孔 33 突出壁 4 リベット 5 フライホイール 51 狭間隙 6 永久磁石

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周壁部と該周壁部の軸線方向の一端側に
    形成された底壁部とを一体に有して前記底壁部の中央に
    ボス貫通孔が形成されたカップ状のヨークと、前記ヨー
    クの周壁部の外径よりも大きな外径を有するように形成
    されて前記ヨークの底壁部の外面に当接された円盤状の
    鍔板部と該鍔板部の中央から片側に突出して軸線方向に
    伸びるように形成されて前記ヨークのボス貫通孔を貫通
    した状態で前記ヨーク内に挿入されたボス部とを一体に
    有するボス部材とからなっていて、前記ボス部材の鍔板
    部が前記ヨークの底壁部にリベットにより締結されたフ
    ライホイールと、 前記フライホイールのヨークの周壁部の内周に固定され
    た永久磁石とを備え、 前記ヨークの周壁部と底壁部との境界部には前記ボス部
    材の鍔板部の外周側に向うに従って該鍔板部から離れる
    ようにアールがつけられたコーナ部が形成されているフ
    ライホイール磁石回転子において、 前記ボス部材の鍔板部の外周寄りの部分に前記ヨーク側
    に突出した環状の突出壁が形成され、 前記環状の突出壁は、前記ヨークの周壁部の外径よりも
    小さい内径を有するように形成されて、該突出壁の先端
    が前記ヨークのコーナ部の前記鍔板部から外れた部分に
    当接され、 前記突出壁により前記ヨークのコーナ部と前記鍔板部と
    の間に形成された狭間隙が塞がれていることを特徴とす
    るフライホイール磁石回転子。
  2. 【請求項2】 鉄板を絞り加工することにより、周壁部
    と該周壁部の軸線方向の一端側に形成された底壁部とを
    一体に有して前記底壁部の中央にボス貫通孔が形成さ
    れ、前記周壁部と底壁部との境界部にアールがつけられ
    たコーナ部が形成されたカップ状のヨークを製作するヨ
    ーク製作工程と、 前記ヨークの周壁部の外径よりも大きな外径を有するよ
    うに形成された円盤状の鍔板部と該鍔板部の中央から片
    側に突出して軸線方向に伸びるボス部とを一体に有する
    ボス部材を製作するボス部材製作工程と、 前記ボス部材のボス部を前記ヨークのボス貫通孔を通し
    て前記ヨーク内に挿入して該ボス部材の鍔板部を前記ヨ
    ークの底壁部の外面に対向させた状態で、前記ボス部材
    の鍔板部を前記ヨークの底壁部にリベット止めすること
    により、前記ヨークとボス部材とからなるフライホイー
    ルを組立てるフライホイール組立工程と、 前記フライホイールが組立てられた後に、該フライホイ
    ールを位置決め固定した状態で、前記ボス部材のボス部
    内に前記ヨークの周壁部と中心軸線を共有するテーパ孔
    を形成する加工と前記鍔板部の外周を切削して円筒面状
    に仕上げる加工とを含む機械加工を行う加工工程と、 前記フライホイールのヨークの周壁部の内周に磁石を取
    り付ける磁石取付け工程とを行ってフライホイール磁石
    回転子を製造する方法において、前記ボス部材製作工程
    でボス部材を形成する際に、前記ボス部材の鍔板部の外
    周寄りの部分からボス部と同じ側に突出した環状の突出
    壁を、前記ヨークの周壁部の外径よりも小さい内径を持
    たせた状態で形成しておき、 前記ボス部材の鍔板部を前記ヨークの底壁部にリベット
    止めする際に、前記ボス部材の突出壁を前記ヨークの周
    壁部と底壁部との間の境界部に形成されたコーナ部に当
    接させて、前記ボス部材の鍔板部をヨークの底壁部に締
    結するリベットをかしめる際の力により、前記突出壁の
    先端部を径方向の外側に反らせるように変形させて、該
    突出壁の先端部をヨークのコーナ部外面に押圧し、、 前記ボス部材の突出壁により、前記ヨークのコーナ部と
    前記ボス部材の鍔板部との間に形成された狭間隙を塞い
    だ後に、前記加工工程を行うことを特徴とするフライホ
    イール磁石回転子の製造方法。
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