JP7214577B2 - 始動発電機及び始動発電機の製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は、始動発電機及び始動発電機の製造方法に関するものである。
従来、エンジン車等の車両において、スタータモータの回転をエンジンの回転軸に伝達してエンジンを始動させるとともに、エンジンの回転エネルギを電気エネルギに変換してバッテリ等に充電する始動発電機が知られている。これらの始動発電機では、エンジンの回転軸と同軸にクラッチ機構が設けられ、クラッチ機構を介してスタータモータの回転が伝達される技術が開示されている。
例えば特許文献1には、円筒形の側部に永久磁石が固定され、回転軸に連結されるヨークを有する磁石回転子と、固定子と、を有する交流発電機の構成が開示されている。ヨークの底部にはクラッチインロー部が形成され、クラッチインロー部によってクラッチ機構が位置決めして固定されている。特許文献1に記載の技術によれば、ヨークにクラッチインロー部を設けることにより、回転子を小型化できる。
このような発電機にあっては、発電機の回転時にエンジンで発生したスラッジがクラッチ部の内部に残留する場合がある。このスラッジを外部に排出する方法として、例えばクラッチ部が収容されるフライホイール等に軸方向に貫通する孔を形成し、この孔からスラッジを排出することが考えられる。
しかしながら、軸方向に貫通する孔を新たに設ける場合には、孔を形成するための工程が追加されるので、工程数が増加し、製造コストが増加するおそれがある。
しかしながら、軸方向に貫通する孔を新たに設ける場合には、孔を形成するための工程が追加されるので、工程数が増加し、製造コストが増加するおそれがある。
そこで、本発明は、工程数の増加を抑え、簡素な方法によりクラッチ部に入り込んだスラッジを確実に外部へ排出する始動発電機及び始動発電機の製造方法を提供するものである。
上記の課題を解決するために、本発明に係る始動発電機は、筒状の第一側壁及び前記第一側壁と一体に設けられた第一底部を有するヨークと前記第一側壁の内周部に設けられる永久磁石とを有する回転子と、前記第一底部に対して前記第一側壁と反対側に設けられた第二底部及び前記第二底部から前記第一底部と反対側に延びる筒状の第二側壁を有するフライホイールと、前記第二側壁及び前記第二底部の少なくとも一方に固定されるクラッチ部と、を備え、前記フライホイールは、前記第二底部から前記第二側壁と反対側に向けて設けられ、前記第一底部を貫通するボス部と、前記第二底部の、前記第一底部と前記第二底部との間に形成され、前記第二側壁における径方向の外側に開口する開口部を有する凹部と、前記第二底部及び前記第二側壁の少なくとも一方の内側の面から前記凹部に向けて形成された貫通孔と、を有することを特徴としている。
本発明に係る始動発電機において、前記第一底部は、前記第二底部の前記凹部と重なる位置に設けられた通風孔を有することを特徴としている。
本発明に係る始動発電機において、前記凹部は、前記第二側壁の軸方向から見て前記径方向の外側に向かうにしたがい周方向の開口幅が増加する扇形状に形成されていることを特徴としている。
本発明に係る始動発電機において、前記凹部は、前記第二底部に形成された第一段部と、前記第一段部に形成され、前記第一段部よりも凹み深さの深い第二段部と、を有することを特徴としている。
本発明に係る始動発電機において、前記第一段部及び前記第二段部のいずれも前記開口部を有し、前記第二段部に、前記貫通孔が形成されていることを特徴としている。
本発明に係る始動発電機の製造方法は、上述した始動発電機の製造方法であって、鍛造加工及び鋳造加工のいずれかにより、前記第二側壁と前記凹部を有する前記第二底部とを形成する第一工程と、前記第一工程の後、前記第二側壁側から前記第二底部を切削することにより前記貫通孔を形成する第二工程と、を有することを特徴としている。
本発明によれば、工程数の増加を抑え、簡素な方法によりクラッチ機構に入り込んだスラッジを確実に外部へ排出する始動発電機及び始動発電機の製造方法を提供できる。
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
(始動発電機)
図1は、第1実施形態に係る始動発電機1の断面図である。
始動発電機1は、アウタロータ型の発電機であって、エンジンの回転軸11と一体回転する回転子2と、回転子の内側に配置される固定子12と、回転子2と連結されてエンジンの回転軸11と一体回転するフライホイール3と、フライホイール3の内側に配置されるクラッチ部4と、回転子2とフライホイール3とを連結する連結部材5と、を備える。
(始動発電機)
図1は、第1実施形態に係る始動発電機1の断面図である。
始動発電機1は、アウタロータ型の発電機であって、エンジンの回転軸11と一体回転する回転子2と、回転子の内側に配置される固定子12と、回転子2と連結されてエンジンの回転軸11と一体回転するフライホイール3と、フライホイール3の内側に配置されるクラッチ部4と、回転子2とフライホイール3とを連結する連結部材5と、を備える。
(回転子)
回転子2は、エンジンの回転軸11と同軸な軸線Cを中心とする円筒状に形成されている。以下の説明において、回転子2の軸線Cに沿う方向を軸方向といい、軸線Cと直交する方向を径方向といい、軸線C回りの方向を周方向という。
回転子2は、ヨーク20と、ヨーク20の内側に配置される永久磁石21と、を備える。
回転子2は、エンジンの回転軸11と同軸な軸線Cを中心とする円筒状に形成されている。以下の説明において、回転子2の軸線Cに沿う方向を軸方向といい、軸線Cと直交する方向を径方向といい、軸線C回りの方向を周方向という。
回転子2は、ヨーク20と、ヨーク20の内側に配置される永久磁石21と、を備える。
図2は、第1実施形態に係るヨーク20の斜視図である。
図1及び図2に示すように、ヨーク20は、軸線Cを中心とする筒状の第一側壁22と、第一側壁22と一体に設けられるとともに第一側壁22のエンジン側の開口を覆う第一底部23と、を有する有底筒状に形成されている。第一側壁22には、回転子2及び回転軸11の回転位置を検出するための突起22aがプレス加工によって径方向外側に突設されている。ヨーク20の第一底部23は、中央に挿通孔25を有する環状に形成されている。挿通孔25は、軸線Cと同軸に設けられている。第一底部23は、挿通孔25の他に、第一連結孔26と、通風孔27と、をさらに有する。第一連結孔26は、挿通孔25よりも径方向外側に設けられ、第一底部23を軸方向に貫通している。第一連結孔26は、周方向に複数(本実施形態では6個)設けられている。通風孔27は、周方向に複数(本実施形態では6個)設けられている。通風孔27は、第一底部23を軸方向に貫通している。
図1及び図2に示すように、ヨーク20は、軸線Cを中心とする筒状の第一側壁22と、第一側壁22と一体に設けられるとともに第一側壁22のエンジン側の開口を覆う第一底部23と、を有する有底筒状に形成されている。第一側壁22には、回転子2及び回転軸11の回転位置を検出するための突起22aがプレス加工によって径方向外側に突設されている。ヨーク20の第一底部23は、中央に挿通孔25を有する環状に形成されている。挿通孔25は、軸線Cと同軸に設けられている。第一底部23は、挿通孔25の他に、第一連結孔26と、通風孔27と、をさらに有する。第一連結孔26は、挿通孔25よりも径方向外側に設けられ、第一底部23を軸方向に貫通している。第一連結孔26は、周方向に複数(本実施形態では6個)設けられている。通風孔27は、周方向に複数(本実施形態では6個)設けられている。通風孔27は、第一底部23を軸方向に貫通している。
図1に示すように、ヨーク20の第一側壁22の内周部24には、永久磁石21が固定されている。永久磁石21は周方向に複数設けられ、各永久磁石21は周方向に磁極が交互に並ぶように着磁されている。
永久磁石21の径方向内側には、永久磁石21と間隔をあけて固定子12が配置されている。固定子12は、例えばエンジンのケース(不図示)などに固定されている。固定子12には不図示のコイルが巻回されている。コイルの巻線端部は、車体に搭載されるバッテリや電装部品等(いずれも不図示)に電気的に接続されている。固定子12に対して回転子2が回転することにより、コイルに電流が発生し、バッテリへの充電や電装部品への電源の供給を行っている。
永久磁石21の径方向内側には、永久磁石21と間隔をあけて固定子12が配置されている。固定子12は、例えばエンジンのケース(不図示)などに固定されている。固定子12には不図示のコイルが巻回されている。コイルの巻線端部は、車体に搭載されるバッテリや電装部品等(いずれも不図示)に電気的に接続されている。固定子12に対して回転子2が回転することにより、コイルに電流が発生し、バッテリへの充電や電装部品への電源の供給を行っている。
(フライホイール)
回転子2よりも軸方向のエンジン側には、フライホイール3が配置されている。フライホイール3は、軸線Cを中心とする筒状の第二側壁31と、第二側壁31のうち回転子2側の開口を覆う第二底部32と、第二底部32から回転子2側に突出するボス部33と、を有する筒状に形成されている。フライホイール3の第二底部32は、回転子2の第一底部23と対向するとともに、第二底部32と第二底部32の軸方向外側の端面同士が互いに当接している。フライホイール3のボス部33は、第二底部32と一体形成されている。ボス部33は、第二底部32の中央部から回転子2側に突出し、軸線Cと同軸な円筒状に形成されている。ボス部33は、回転子2の挿通孔25に挿入されている。ボス部33は、中央に軸挿入孔33aを有し、軸挿入孔33aの内形は、回転軸11の先端の形状に合わせて回転子2側へ向かうにしたがい縮径するように傾斜させたテーパ孔になっている。ボス部33に対して回転子2側に突出した回転軸11の先端部には雄ねじ33bが形成され、ボス部33及び回転軸11は、軸線C回りに共回りするようにナット13で固定されている。
回転子2よりも軸方向のエンジン側には、フライホイール3が配置されている。フライホイール3は、軸線Cを中心とする筒状の第二側壁31と、第二側壁31のうち回転子2側の開口を覆う第二底部32と、第二底部32から回転子2側に突出するボス部33と、を有する筒状に形成されている。フライホイール3の第二底部32は、回転子2の第一底部23と対向するとともに、第二底部32と第二底部32の軸方向外側の端面同士が互いに当接している。フライホイール3のボス部33は、第二底部32と一体形成されている。ボス部33は、第二底部32の中央部から回転子2側に突出し、軸線Cと同軸な円筒状に形成されている。ボス部33は、回転子2の挿通孔25に挿入されている。ボス部33は、中央に軸挿入孔33aを有し、軸挿入孔33aの内形は、回転軸11の先端の形状に合わせて回転子2側へ向かうにしたがい縮径するように傾斜させたテーパ孔になっている。ボス部33に対して回転子2側に突出した回転軸11の先端部には雄ねじ33bが形成され、ボス部33及び回転軸11は、軸線C回りに共回りするようにナット13で固定されている。
図3は、第1実施形態に係るフライホイール3の斜視図である。図4は、図3のIV部における第二底部32の上面図である。図5は、第1実施形態に係るフライホイール3の断面図である。
図3に示すように、フライホイール3の第二底部32は、第二底部32から第二側壁31側へ向かって凹む凹部34と、第二底部32を軸方向に貫通する第二連結孔35及び第三連結孔45と、を有する。
凹部34は、周方向に複数(本実施形態では3個)設けられている。凹部34は、ヨーク20の第一底部23に設けられた通風孔27と周方向において重なる位置に設けられている(図1参照)。凹部34は、第二底部32のうち回転子2の第一底部23との合わせ面に設けられている。図4及び図5に示すように、凹部34は、第二底部32に形成された第一段部36と、第一段部36に形成され、第一段部36よりも凹み深さの深い第二段部37と、を有する。第一段部36の凹み深さh1は、第二底部32の板厚tよりも小さい(h1<t)。第二段部37の凹み深さh2は、第二底部32の板厚tよりも大きい(h2>t)。
図3に示すように、フライホイール3の第二底部32は、第二底部32から第二側壁31側へ向かって凹む凹部34と、第二底部32を軸方向に貫通する第二連結孔35及び第三連結孔45と、を有する。
凹部34は、周方向に複数(本実施形態では3個)設けられている。凹部34は、ヨーク20の第一底部23に設けられた通風孔27と周方向において重なる位置に設けられている(図1参照)。凹部34は、第二底部32のうち回転子2の第一底部23との合わせ面に設けられている。図4及び図5に示すように、凹部34は、第二底部32に形成された第一段部36と、第一段部36に形成され、第一段部36よりも凹み深さの深い第二段部37と、を有する。第一段部36の凹み深さh1は、第二底部32の板厚tよりも小さい(h1<t)。第二段部37の凹み深さh2は、第二底部32の板厚tよりも大きい(h2>t)。
図4に示すように、第一段部36は、軸方向から見て、径方向の外側に向かうにしたがい周方向の開口幅が増加する略扇形状に形成されている。
第一段部36は、径方向外側に向かって開口する第一開口部36aを有する。これにより、フライホイール3の第二底部32と回転子2の第一底部23とが当接して凹部34が軸方向から塞がれた状態において、第一段部36により形成された内部空間は、第一開口部36aを介してフライホイール3の外部と連通している。
第一段部36は、径方向外側に向かって開口する第一開口部36aを有する。これにより、フライホイール3の第二底部32と回転子2の第一底部23とが当接して凹部34が軸方向から塞がれた状態において、第一段部36により形成された内部空間は、第一開口部36aを介してフライホイール3の外部と連通している。
第二段部37は、軸方向から見て、第一段部36の内側に位置している。第二段部37は、軸方向から見て、第一段部36と相似形状に形成されている。具体的に、第二段部37は、径方向の外側に向かうにしたがい周方向の開口幅が増加する扇形状に形成され、径方向外側に位置する扇形状の一辺と、第一段部36の径方向外側に位置する一辺と、が同じ位置となるように形成されている。
第二段部37は、径方向外側に向かって開口する第二開口部37aを有する。第二開口部37aの周方向の長さ寸法は、第一開口部36aの周方向の長さ寸法よりも小さい。フライホイール3の第二底部32と回転子2の第一底部23とが当接して凹部34が軸方向から塞がれた状態において、第二段部37により形成された内部空間は、第二開口部37aを介して始動発電機1の外部と連通している。第二開口部37aと第一開口部36aとは、軸方向に連通している。
第二段部37のうち径方向内側の端部には、貫通孔38が設けられている。貫通孔38は、第二段部37を軸方向に貫通している。貫通孔38は、第二段部37の凹み深さh2が第二底部32の板厚よりも大きいことにより第二底部32を貫通した孔である。すなわち、図1及び図5に示すように、貫通孔38は、第二底部32のボス部33が突出する側の面から第二段部37の底面までの距離h2が、第二底部32の内側(クラッチ部が装着される側)の面から第二底部32のボス部33が突出する側の面までの距離tよりも大きいことにより、第二側壁31又は第二底部32の内側の面から凹部34に向けて開口して形成されている。また、図4に示すように、貫通孔38は、第二段部37のうち第二側壁31の内周面30よりも径方向内側に位置する領域全体に設けられている。本実施形態において、貫通孔38は、第二段部37の端部の形状に合わせて、軸方向から見て半円形状に形成されている。
第二段部37は、径方向外側に向かって開口する第二開口部37aを有する。第二開口部37aの周方向の長さ寸法は、第一開口部36aの周方向の長さ寸法よりも小さい。フライホイール3の第二底部32と回転子2の第一底部23とが当接して凹部34が軸方向から塞がれた状態において、第二段部37により形成された内部空間は、第二開口部37aを介して始動発電機1の外部と連通している。第二開口部37aと第一開口部36aとは、軸方向に連通している。
第二段部37のうち径方向内側の端部には、貫通孔38が設けられている。貫通孔38は、第二段部37を軸方向に貫通している。貫通孔38は、第二段部37の凹み深さh2が第二底部32の板厚よりも大きいことにより第二底部32を貫通した孔である。すなわち、図1及び図5に示すように、貫通孔38は、第二底部32のボス部33が突出する側の面から第二段部37の底面までの距離h2が、第二底部32の内側(クラッチ部が装着される側)の面から第二底部32のボス部33が突出する側の面までの距離tよりも大きいことにより、第二側壁31又は第二底部32の内側の面から凹部34に向けて開口して形成されている。また、図4に示すように、貫通孔38は、第二段部37のうち第二側壁31の内周面30よりも径方向内側に位置する領域全体に設けられている。本実施形態において、貫通孔38は、第二段部37の端部の形状に合わせて、軸方向から見て半円形状に形成されている。
図3に示すように、第二連結孔35は、周方向において隣り合う凹部34の間にそれぞれ2個ずつ(すなわち、合計で6個)設けられている。第三連結孔45は、周方向において、隣り合う凹部34間に設けられた2個の第二連結孔35の間に設けられている。すなわち、第三連結孔45は、合計3個設けられている。
(クラッチ部)
図1に戻って、フライホイール3の第二側壁31の内周部には、クラッチ部4が設けられている。クラッチ部4は、第二底部32にボルト等により固定される環状のアウターリング43と、アウターリング43よりも径方向内側に配置されるワンウェイクラッチ41と、を有する。
図1に戻って、フライホイール3の第二側壁31の内周部には、クラッチ部4が設けられている。クラッチ部4は、第二底部32にボルト等により固定される環状のアウターリング43と、アウターリング43よりも径方向内側に配置されるワンウェイクラッチ41と、を有する。
アウターリング43は、フライホイール3に圧入されるとともに、第二底部32の第三連結孔45に挿入されたボルト等で締結されることにより、フライホイール3に固定されている。
ワンウェイクラッチ41は、複数の円柱状のベアリングから構成され、アウターリング43の内周側に対して、周方向に複数配置されており、また軸方向に回転自在に支持されている。クラッチ部4には、ワンウェイクラッチ41の内周部に支持される円筒部材と、円筒部材と一体に形成され、図示しないスタータモータの出力ギヤと噛み合うギヤ部がその外周に形成された円板部材と、からなるスタータ噛合ギヤ部44が支持されている。
なお、アウターリング43には、エンジンで発生したスラッジをワンウェイクラッチ41から逃がすための径方向内側から外側に連通する溝等が設けられていてもよい。
ワンウェイクラッチ41は、複数の円柱状のベアリングから構成され、アウターリング43の内周側に対して、周方向に複数配置されており、また軸方向に回転自在に支持されている。クラッチ部4には、ワンウェイクラッチ41の内周部に支持される円筒部材と、円筒部材と一体に形成され、図示しないスタータモータの出力ギヤと噛み合うギヤ部がその外周に形成された円板部材と、からなるスタータ噛合ギヤ部44が支持されている。
なお、アウターリング43には、エンジンで発生したスラッジをワンウェイクラッチ41から逃がすための径方向内側から外側に連通する溝等が設けられていてもよい。
(連結部材)
回転子2の第一底部23とフライホイール3の第二底部32とが当接された状態で、連結部材5は、第一底部23と第二底部32とを連結している。具体的に、連結部材5は、例えばリベット等の締結部材である。連結部材5は、第一連結孔26及び第二連結孔35にそれぞれ挿通されて締結(カシメ)されることにより、ヨーク20とフライホイール3とを連結している。これにより、ヨーク20とフライホイール3とが一体回転する。
なお、連結部材5は、例えばボルトとナット等の締結部材でもよく、溶接や熱カシメ等により溶着される部材であってもよい。また、締結部材を用いずに、フライホイール3のボス部33の外周面にセレーションを形成し、回転子2の挿通孔25の内周面とボス部33とを係合によって固定してもよい。
回転子2の第一底部23とフライホイール3の第二底部32とが当接された状態で、連結部材5は、第一底部23と第二底部32とを連結している。具体的に、連結部材5は、例えばリベット等の締結部材である。連結部材5は、第一連結孔26及び第二連結孔35にそれぞれ挿通されて締結(カシメ)されることにより、ヨーク20とフライホイール3とを連結している。これにより、ヨーク20とフライホイール3とが一体回転する。
なお、連結部材5は、例えばボルトとナット等の締結部材でもよく、溶接や熱カシメ等により溶着される部材であってもよい。また、締結部材を用いずに、フライホイール3のボス部33の外周面にセレーションを形成し、回転子2の挿通孔25の内周面とボス部33とを係合によって固定してもよい。
(始動発電機の製造方法)
次に、上述した始動発電機1の製造方法について説明する。
始動発電機の製造方法は、鍛造加工及び鋳造加工のいずれかにより、第二側壁31と、凹部34を有する第二底部32と、を形成する第一工程と、第一工程の後、第二側壁31側から第二底部32を切削することにより貫通孔38を形成する第二工程と、第二工程の後、フライホイール3と回転子2とを連結する第三工程と、を有する。
本実施形態において、第一工程では、まず、鍛造加工によりフライホイール3を形成する。ここで、図5の二点鎖線で示すように、鍛造加工では、フライホイール3の第二側壁31、第二底部32及びボス部33の厚みが設計値よりも大きくなるようにフライホイール3の外形を形成する。具体的に、第二側壁31の径方向の厚み及び軸方向の長さと、第二底部32の軸方向の厚みと、ボス部33の径方向の厚みと、がそれぞれ設計値よりも大きくなるように形成する。また、鍛造加工の金型には、例えば凹部34に対応する位置に凸部が設けられることにより、凹部34を有する第二底部32が形成される。
第一工程が完了した状態において、第二底部32の切削前板厚Tfは、凹部34の最大深さh2よりも大きい(Tf>h2)。
次に、上述した始動発電機1の製造方法について説明する。
始動発電機の製造方法は、鍛造加工及び鋳造加工のいずれかにより、第二側壁31と、凹部34を有する第二底部32と、を形成する第一工程と、第一工程の後、第二側壁31側から第二底部32を切削することにより貫通孔38を形成する第二工程と、第二工程の後、フライホイール3と回転子2とを連結する第三工程と、を有する。
本実施形態において、第一工程では、まず、鍛造加工によりフライホイール3を形成する。ここで、図5の二点鎖線で示すように、鍛造加工では、フライホイール3の第二側壁31、第二底部32及びボス部33の厚みが設計値よりも大きくなるようにフライホイール3の外形を形成する。具体的に、第二側壁31の径方向の厚み及び軸方向の長さと、第二底部32の軸方向の厚みと、ボス部33の径方向の厚みと、がそれぞれ設計値よりも大きくなるように形成する。また、鍛造加工の金型には、例えば凹部34に対応する位置に凸部が設けられることにより、凹部34を有する第二底部32が形成される。
第一工程が完了した状態において、第二底部32の切削前板厚Tfは、凹部34の最大深さh2よりも大きい(Tf>h2)。
次に、第二工程では、フライホイール3の内径寸法を出すためにフライホイール3の第二側壁31側から、軸方向に沿ってエンドミルや旋削バイト等の工具を挿入することにより、フライホイール3の内周部を除去加工する。具体的に、第二側壁31の軸方向端面と、第二側壁31の内周面30と、第二底部32の内側端面と、を切削する。このとき、第二側壁31の内周面30が、第二段部37の径方向内側端部よりも径方向の外側に位置するまで切削する。また、第二底部32の厚みが第二段部37の深さ寸法h2よりも小さくなるまで切削する。このように軸方向の除去加工を行うことにより、第二側壁31の内側の空間と、凹部34と、を連通する貫通孔38が形成される。
また、このとき、第二連結孔35が切削により形成される。
また、例えばエンドミル等による切削の後、フライホイール3のボス部33をチャック等により固定した状態で、フライホイール3を高速回転させ、フライホイール3の内周部に工具をあてて旋削することによって、内周部を仕上げ加工しながら第二側壁31又は第二底部32の内側(クラッチ部4装着側)の面から凹部34に向けて貫通孔38を形成してもよい。
なお、第二連結孔35は、第一工程の鍛造加工により形成されてもよい。
また、このとき、第二連結孔35が切削により形成される。
また、例えばエンドミル等による切削の後、フライホイール3のボス部33をチャック等により固定した状態で、フライホイール3を高速回転させ、フライホイール3の内周部に工具をあてて旋削することによって、内周部を仕上げ加工しながら第二側壁31又は第二底部32の内側(クラッチ部4装着側)の面から凹部34に向けて貫通孔38を形成してもよい。
なお、第二連結孔35は、第一工程の鍛造加工により形成されてもよい。
第三工程では、第一工程及び第二工程により形成されたフライホイール3と、回転子2と、を連結する。具体的に、第一底部23と第二底部32とを当接させ、第一連結孔26及び第二連結孔35に連結部材5を挿入することにより、フライホイール3と回転子2とを締結固定する。
このように、第一工程と、第二工程と、第三工程と、を経ることにより始動発電機1を製造する。
また、第一工程の後、第二工程で第二底部32のボス部33側の面を切削し、第三工程でフライホイール3と回転子2とを固定した後、第二底部32の内側(クラッチ部4装着側)の面を旋削等で加工する工程によって第二側壁31又は第二底部32の内側の面に貫通孔38が成形されたフライホイール3及び回転子2を有する始動発電機1を製造してもよい。
また、第一工程の後、第二工程で第二底部32のボス部33側の面を切削し、第三工程でフライホイール3と回転子2とを固定した後、第二底部32の内側(クラッチ部4装着側)の面を旋削等で加工する工程によって第二側壁31又は第二底部32の内側の面に貫通孔38が成形されたフライホイール3及び回転子2を有する始動発電機1を製造してもよい。
(作用、効果)
次に、上述した始動発電機1及び始動発電機の製造方法の作用、効果について説明する。
本発明の態様に係る始動発電機1によれば、フライホイール3の内周部にはクラッチ部4が設けられているので、例えばスタータ噛合ギヤ部44に接続されたスタータモータ(不図示)が駆動することにより、フライホイール3が所定の方向に回転する。これにより、車両のエンジンを始動できる。また、フライホイール3の第二底部32にはボス部33が形成され、ボス部33が第一底部23を貫通するとともに連結部材5が第一底部23と第二底部32とを連結することにより、ヨーク20とフライホイール3とを連結できる。これにより、フライホイール3とヨーク20とが一体回転する。よって、ヨーク20の内周側に配置された固定子12に対してヨーク20が回転することにより、車両に搭載された充電器等に充電することができる。
第二底部32は凹部34を有し、凹部34には第二側壁31又は第二底部32の内側の面を軸方向及び径方向に貫通する貫通孔38が形成されているので、始動発電機1が回転した際にクラッチ部4で発生したスラッジは、図1の矢印Aに示すように、第二底部32の内側(クラッチ部4装着側)の面から貫通孔38を通ってフライホイール3の凹部34へ向かって移動する。さらに、凹部34は径方向外側に開口する第一開口部36a及び第二開口部37aを有するので、凹部34に移動したスラッジは、遠心力により凹部34の径方向外側に移動し、遠心力により始動発電機1の外部へ排出される。よって、クラッチ部4に入り込んだスラッジを確実に外部へ排出し、クラッチ部4にスラッジが滞留することによる始動発電機1の性能低下を抑制できる。
また、凹部34の凹み方向及び貫通孔38の貫通方向がいずれもフライホイール3の軸方向に沿うように形成されているので、軸方向からの加工により凹部34及び貫通孔38を形成できる。特に、例えば第二連結孔35等、貫通孔38以外の孔を切削加工等によりフライホイール3に形成する場合、これらの加工と貫通孔38の加工とを同軸で行うことができる。よって、スラッジを排出するためにフライホイール3を径方向に貫通する孔を形成する従来技術と比較して、加工設備を簡素化し、スラッジ排出用の孔を容易に形成できる。
したがって、工程数の増加を抑え、簡素な方法によりクラッチ部4に入り込んだスラッジを確実に外部へ排出する始動発電機1を提供できる。
次に、上述した始動発電機1及び始動発電機の製造方法の作用、効果について説明する。
本発明の態様に係る始動発電機1によれば、フライホイール3の内周部にはクラッチ部4が設けられているので、例えばスタータ噛合ギヤ部44に接続されたスタータモータ(不図示)が駆動することにより、フライホイール3が所定の方向に回転する。これにより、車両のエンジンを始動できる。また、フライホイール3の第二底部32にはボス部33が形成され、ボス部33が第一底部23を貫通するとともに連結部材5が第一底部23と第二底部32とを連結することにより、ヨーク20とフライホイール3とを連結できる。これにより、フライホイール3とヨーク20とが一体回転する。よって、ヨーク20の内周側に配置された固定子12に対してヨーク20が回転することにより、車両に搭載された充電器等に充電することができる。
第二底部32は凹部34を有し、凹部34には第二側壁31又は第二底部32の内側の面を軸方向及び径方向に貫通する貫通孔38が形成されているので、始動発電機1が回転した際にクラッチ部4で発生したスラッジは、図1の矢印Aに示すように、第二底部32の内側(クラッチ部4装着側)の面から貫通孔38を通ってフライホイール3の凹部34へ向かって移動する。さらに、凹部34は径方向外側に開口する第一開口部36a及び第二開口部37aを有するので、凹部34に移動したスラッジは、遠心力により凹部34の径方向外側に移動し、遠心力により始動発電機1の外部へ排出される。よって、クラッチ部4に入り込んだスラッジを確実に外部へ排出し、クラッチ部4にスラッジが滞留することによる始動発電機1の性能低下を抑制できる。
また、凹部34の凹み方向及び貫通孔38の貫通方向がいずれもフライホイール3の軸方向に沿うように形成されているので、軸方向からの加工により凹部34及び貫通孔38を形成できる。特に、例えば第二連結孔35等、貫通孔38以外の孔を切削加工等によりフライホイール3に形成する場合、これらの加工と貫通孔38の加工とを同軸で行うことができる。よって、スラッジを排出するためにフライホイール3を径方向に貫通する孔を形成する従来技術と比較して、加工設備を簡素化し、スラッジ排出用の孔を容易に形成できる。
したがって、工程数の増加を抑え、簡素な方法によりクラッチ部4に入り込んだスラッジを確実に外部へ排出する始動発電機1を提供できる。
ヨーク20の第一底部23には、凹部34と重なる位置に通風孔27が形成されているので、例えば固定子12等を冷却するために送り込まれた空気が、通風孔27を通って凹部34へ送風され、凹部34を介して始動発電機1の外部へ排出される。よって、固定子12や回転子2で発生した熱を効率的に外部へ排出し、発熱による始動発電機1の性能低下を抑制できる。
軸方向から見て、凹部34は、径方向内側から径方向外側へ向かうにしたがい周方向の開口幅が増加する扇形状に形成されているので、貫通孔38を通って凹部34内に移動したスラッジが遠心力により径方向外側へ移動しやすい。よって、遠心力によりスラッジをより確実に外部へ排出できる。
凹部34は第一段部36と第二段部37とに分割して形成されるので、凹み深さの深い単一の凹部34を形成する場合と比較して、凹部34を形成する際の加工量を低減できる。よって、フライホイール3の剛性を高く維持できる。
第一段部36は第一開口部36aを有し、第二段部37は第二開口部37aを有するので、凹部34内に移動したスラッジを開口部36a,37aから確実に始動発電機1の外部へ排出できる。また、第一段部36よりも凹み深さの深い第二段部37に貫通孔38が形成されているので、フライホイール3の加工量を削減しつつ貫通孔38を容易に形成できる。
本発明の態様に係る始動発電機の製造方法によれば、始動発電機の製造方法は、第一工程と、第二工程と、を有する。
第一工程では、鍛造加工及び鋳造加工のいずれかにより、第二側壁31と、凹部34を有する第二底部32と、を形成する。このように、第一工程では、鍛造加工又は鋳造加工により第二側壁31と第二底部32とを一括形成できる。第一工程が完了した状態で、第二底部32には凹部34が形成されている。よって、凹部34を容易に形成できる。
第二工程では、第一工程の後、第二側壁31側から第二底部32を切削することにより貫通孔38を形成する。ここで、例えば第二側壁31の内周部にクラッチ部4を配置する場合、第二側壁31の内周部を切削により仕上げ加工する必要がある。この仕上げ加工において、フライホイール3の第二底部32の厚みを減少させるように第二側壁31側から切削することで、第二側壁31側の径方向内側の空間と、第二底部32に設けられた凹部34と、が連通する。このようにして形成された孔を貫通孔38とし、この貫通孔38を介してクラッチ部4に入り込んだスラッジ等を外部へ排出できる。よって、別加工により貫通孔38を形成する必要がなく、製造工程を簡素化できる。
このように、第一工程及び第二工程を経ることにより、工程数の増加を抑え、簡素な方法によりクラッチ部4に入り込んだスラッジを確実に外部へ排出する始動発電機の製造方法を提供できる。
第一工程では、鍛造加工及び鋳造加工のいずれかにより、第二側壁31と、凹部34を有する第二底部32と、を形成する。このように、第一工程では、鍛造加工又は鋳造加工により第二側壁31と第二底部32とを一括形成できる。第一工程が完了した状態で、第二底部32には凹部34が形成されている。よって、凹部34を容易に形成できる。
第二工程では、第一工程の後、第二側壁31側から第二底部32を切削することにより貫通孔38を形成する。ここで、例えば第二側壁31の内周部にクラッチ部4を配置する場合、第二側壁31の内周部を切削により仕上げ加工する必要がある。この仕上げ加工において、フライホイール3の第二底部32の厚みを減少させるように第二側壁31側から切削することで、第二側壁31側の径方向内側の空間と、第二底部32に設けられた凹部34と、が連通する。このようにして形成された孔を貫通孔38とし、この貫通孔38を介してクラッチ部4に入り込んだスラッジ等を外部へ排出できる。よって、別加工により貫通孔38を形成する必要がなく、製造工程を簡素化できる。
このように、第一工程及び第二工程を経ることにより、工程数の増加を抑え、簡素な方法によりクラッチ部4に入り込んだスラッジを確実に外部へ排出する始動発電機の製造方法を提供できる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態の始動発電機1を図6に基づいて説明する。なお、第2実施形態の始動発電機1において、第1実施形態の始動発電機1と同一、類似部材の構成については同じ符号を付して詳しい説明を省略する。
図6は、第2実施形態に係るフライホイール3の断面図である。
第2実施形態では、凹部34が第二段部37を有さない点で上述した第1実施形態と相違している。
次に、第2実施形態の始動発電機1を図6に基づいて説明する。なお、第2実施形態の始動発電機1において、第1実施形態の始動発電機1と同一、類似部材の構成については同じ符号を付して詳しい説明を省略する。
図6は、第2実施形態に係るフライホイール3の断面図である。
第2実施形態では、凹部34が第二段部37を有さない点で上述した第1実施形態と相違している。
第2実施形態において、第二底部32には凹部234が形成されている。凹部234は、第二底部32の板厚tよりも凹み深さh3の大きい単一の段部により形成されている(t<h3)。凹部234の径方向内側端部は、第二側壁31の内周面30よりも径方向内側に位置している。凹部234は、貫通孔238を有する。貫通孔238は、第二底部32を軸方向に貫通している。
第2実施形態の始動発電機1によれば、凹部234は単一の段部を有するので、凹部234が複数の段部を有する場合と比較して、鍛造加工の際に用いる金型の構成を簡素化できる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態の始動発電機1を図7に基づいて説明する。なお、第3実施形態の始動発電機1において、第1実施形態及び第2実施形態の始動発電機1と同一、類似部材の構成については同じ符号を付して詳しい説明を省略する。
図7は、第3実施形態に係るフライホイール3の断面図である。
第3実施形態では、凹部34がテーパ面を有する点で上述した第1実施形態と相違している。
次に、第3実施形態の始動発電機1を図7に基づいて説明する。なお、第3実施形態の始動発電機1において、第1実施形態及び第2実施形態の始動発電機1と同一、類似部材の構成については同じ符号を付して詳しい説明を省略する。
図7は、第3実施形態に係るフライホイール3の断面図である。
第3実施形態では、凹部34がテーパ面を有する点で上述した第1実施形態と相違している。
第3実施形態において、第二底部32には凹部334が形成されている。凹部334は、第二底部32の軸方向外側端面から凹部334の底面334aに向かって徐々に凹み深さが増加するテーパ面339を有する。凹部334の底面334aとテーパ面339との境界部分には、貫通孔338が形成されている。貫通孔338は、第二底部32を軸方向に貫通している。
第3実施形態の始動発電機1によれば、凹部334はテーパ面339を有するので、鍛造加工の際に金型の抜け性を向上できる。よって、製造性に優れた始動発電機1とすることができる。
以上、本発明の好ましい実施例を説明したが、本発明はこれら実施例に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。本発明は前述した説明によって限定されることはなく、添付のクレームの範囲によってのみ限定される。
例えば、上述した実施形態では、軸方向から見て凹部34が扇形状に形成される構成としたが、これに限らない。すなわち、凹部34は、軸方向から見て三角形状や矩形状、半円形状等、扇形状以外の形状に形成されてもよい。但し、扇形状に形成した場合は、矩形状等に形成する場合と比較して、周方向における開口部36a,37aの幅を大きく確保できる点で優位性がある。
例えば、上述した実施形態では、軸方向から見て凹部34が扇形状に形成される構成としたが、これに限らない。すなわち、凹部34は、軸方向から見て三角形状や矩形状、半円形状等、扇形状以外の形状に形成されてもよい。但し、扇形状に形成した場合は、矩形状等に形成する場合と比較して、周方向における開口部36a,37aの幅を大きく確保できる点で優位性がある。
ボス部33と第二底部32とは別体形成されてもよい。すなわち、ボス部33とフライホイール3とを別々に形成した後に、フライホイール3の第二底部32にボス部33を締結固定や圧入固定により一体化してもよい。
上述した実施形態では、第一段部36及び第二段部37の両方に開口部36a,37aが設けられた構成としたが、いずれか一方は開口部を有しなくてもよい。すなわち、第一段部36に第一開口部36aが設けられた場合、第二開口部37aはなくてもよい。第二段部37に第二開口部37aが設けられた場合、第一開口部36aはなくてもよい。
凹部34に設けられる段部の個数は、上述の実施形態に限られない。
上述した実施形態では、第一段部36及び第二段部37の両方に開口部36a,37aが設けられた構成としたが、いずれか一方は開口部を有しなくてもよい。すなわち、第一段部36に第一開口部36aが設けられた場合、第二開口部37aはなくてもよい。第二段部37に第二開口部37aが設けられた場合、第一開口部36aはなくてもよい。
凹部34に設けられる段部の個数は、上述の実施形態に限られない。
第一工程で貫通孔38を形成してもよい。すなわち、凹部34の最大板厚h2が、切削前板厚Tfよりも大きく(h2>Tf)なるように鍛造加工を行い、その後、第二工程で切削加工により貫通孔38の孔径を拡径してもよい。
第一工程では鋳造加工によりフライホイール3を形成してもよい。
第一工程では鋳造加工によりフライホイール3を形成してもよい。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した実施形態を適宜組み合わせてもよい。
1…始動発電機
2…回転子
3…フライホイール
4…クラッチ部
20…ヨーク
21…永久磁石
22…第一側壁
23…第一底部
27…通風孔
31…第二側壁
32…第二底部
33…ボス部
34…凹部
36…第一段部
36a…第一開口部(開口部)
37…第二段部
37a…第二開口部(開口部)
38…貫通孔
2…回転子
3…フライホイール
4…クラッチ部
20…ヨーク
21…永久磁石
22…第一側壁
23…第一底部
27…通風孔
31…第二側壁
32…第二底部
33…ボス部
34…凹部
36…第一段部
36a…第一開口部(開口部)
37…第二段部
37a…第二開口部(開口部)
38…貫通孔
Claims (6)
- 筒状の第一側壁及び前記第一側壁と一体に設けられた第一底部を有するヨークと前記第一側壁の内周部に設けられる永久磁石とを有する回転子と、
前記第一底部に対して前記第一側壁と反対側に設けられた第二底部及び前記第二底部から前記第一底部と反対側に延びる筒状の第二側壁を有するフライホイールと、
前記第二側壁及び前記第二底部の少なくとも一方に固定されるクラッチ部と、
を備え、
前記フライホイールは、前記第二底部から前記第二側壁と反対側に向けて設けられ、前記第一底部を貫通するボス部と、前記第二底部の、前記第一底部と前記第二底部との間に形成され、前記第二側壁における径方向の外側に開口する開口部を有する凹部と、前記第二底部及び前記第二側壁の少なくとも一方の内側の面から前記凹部に向けて形成された貫通孔と、を有することを特徴とする始動発電機。 - 前記第一底部は、前記第二底部の前記凹部と重なる位置に設けられた通風孔を有することを特徴とする請求項1に記載の始動発電機。
- 前記凹部は、前記第二側壁の軸方向から見て前記径方向の外側に向かうにしたがい周方向の開口幅が増加する扇形状に形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の始動発電機。
- 前記凹部は、
前記第二底部に形成された第一段部と、
前記第一段部に形成され、前記第一段部よりも凹み深さの深い第二段部と、
を有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の始動発電機。 - 前記第一段部及び前記第二段部のいずれも前記開口部を有し、
前記第二段部に、前記貫通孔が形成されていることを特徴とする請求項4に記載の始動発電機。 - 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の始動発電機の製造方法であって、
鍛造加工及び鋳造加工のいずれかにより、前記第二側壁と前記凹部を有する前記第二底部とを形成する第一工程と、
前記第一工程の後、前記第二側壁側から前記第二底部を切削することにより前記貫通孔を形成する第二工程と、
を有することを特徴とする始動発電機の製造方法。
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