JP7055852B1 - ロータヨーク及び回転電機 - Google Patents
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Abstract
Description
この種の回転電機におけるロータヨークの回転位置は、ロータヨークの径方向でリラクタと対向するパルス発生器(信号発電子)によって検出される。ロータヨークの回転により、リラクタがパルス発生器の前を横切ると、パルス発生器からパルス信号(信号電圧)が発生される。このパルス信号を利用してロータヨークの回転位置が検出される。
しかしながら、打ち出し加工によりリラクタを形成する場合、ロータヨーク材料のファイバー切れ及び打ち出し加工に用いる金型の強度を確保するためには、鍛造加工や切削加工によりリラクタを形成する場合と比較してリラクタの幅を広くかつリラクタの突出高さを低くせざるを得なかった。このため、打ち出し加工によりリラクタを形成する場合には、ロータヨークの回転位置の検出精度が低下するという点で課題が残されていた。
次に、本発明の実施形態に係る回転電機1について、図1から図5を参照して説明をする。
図1は、回転電機1の断面図である。
図1に示すように、回転電機1は、例えば自動二輪車に用いられ、発電機の機能と、スタータモータの機能とが一体化されている。回転電機1は、回転軸2と、回転軸2を挿入されるように環状に形成されたステータ10と、ステータ10の周囲を覆うように設けられるとともに、回転軸2と同期回転する円筒状のロータヨーク3と、を備えている。
以下の説明では、回転軸2の中心軸線を、回転軸線Oと称し、回転軸2の軸方向を「回転軸線方向」と称し、回転軸2の周方向を単に「周方向」と称し、回転軸2の径方向を単に「径方向」と称して説明する場合がある。
図2は、ロータヨーク3の平面図である。
図1及び図2に示すように、ロータヨーク3は、フライホイールである。ロータヨーク3は、略円板状に形成されたベース部30と、ベース部30のステータ10側(図1における左側)に固定されたロータヨーク本体20と、を備えている。
ロータヨーク本体20は、磁性材からなる金属により有底筒状に形成されている。ロータヨーク本体20は、ステータ10に対して回転軸線O回りに回転可能に支持されている。ロータヨーク本体20は、底壁部21と、底壁部21の外周縁からベース部30とは反対側に軸方向に沿って屈曲延出された周壁部24と、を有している。
挿通孔34,23にリベット35を挿入し、リベット35の先端を座屈変形させることにより、ロータヨーク本体20とベース部30とが一体化される。
リラクタ25は、回転軸2(クランクシャフト)と一体となって回転するロータヨーク3の回転位置を検出することにより、エンジンの点火時期などを検出するためのものである。リラクタ25は、後述のパルス発生器5と共に用いられる。リラクタ25は、周壁部24の外側面24bに、周方向に等間隔で複数配置されている。
図3に示すように、リラクタ25は、不図示の金型を用いて周壁部24を内側面24a側から径方向外側に向かって打ち出すことにより形成されている。リラクタ25は、周壁部24の内側面24aから径方向外側に向かって突出形成されている。リラクタ25を形成することにより、内側面24a側にリラクタ凹部26が形成される。このリラクタ凹部26とリラクタ25の外側面との間の厚さがリラクタ25の径方向の厚さとなる。
この場合、回転電機1は、リラクタ25Aが急激に立ち上がることをより確実に抑制できる。これにより、回転電機1は、ロータヨーク本体20を形成する材料のファイバー切れが生じることをより確実に抑制できる。
H2/H1≧0.5 ・・・(1)
を満足している。
H3/H1≧0.5 ・・・(2)
を満足している。
より具体的には、パルス発生器5から発せられたパルス波形における立ち上がりのエッジと立ち下がりのエッジとの中間点をみることにより、上述した各種情報を取得している。検出精度を向上させるためには、リラクタ25の周方向の幅をより狭くする必要がある。
本実施形態のロータヨーク3において、リラクタ25は、回転軸線方向から見て、径方向外側に向かうに従い先細りに形成されている。
この構成によれば、打ち出し加工によってリラクタ25を形成し易くなる。一般的に、打ち出し加工によりリラクタ25を形成する場合、鍛造加工や切削加工によってリラクタ25を形成する場合と比較してリラクタ25のエッジ部にバリ等が生じにくいことが知られている。このため、バリ取り等の追加工を施すことなくリラクタ25を形成できる。追加工の必要がないので、従来用いられている材質でロータヨーク3を製造できる。
リラクタ25は、径方向外側に向かうに従い先細りに形成されているため、リラクタ25の基端部25aの形状が緩やかに立ち上がるようになっている。これにより、ロータヨーク3は、リラクタ25が急激に立ち上がることを抑制できる。したがって、ロータヨーク3は、ロータヨーク本体20を形成する材料のファイバー切れが生じることを抑制できる。
また、打ち出しに用いられる金型を径方向外側に向かうに従い先細りに形成できる。このため、回転軸線方向から見て、金型が長方形状に形成される場合と比較して、打ち出し時に損傷することを抑制できる。
H2/H1≧0.5 ・・・(3)
を満足している。
一般的に、リラクタ25の突出高さH1が高いほど、ロータヨーク3の回転位置の検出精度が向上することが知られている。この構成によれば、ロータヨーク3は、打ち出し加工によりリラクタ25を形成する場合であっても、リラクタ25の突出高さH1を十分に確保できる。したがって、ロータヨーク3の回転位置の検出精度の低下を抑制できる。
この構成によれば、ロータヨーク3は、打ち出し加工によりリラクタ25を形成する場合であっても、リラクタ25の突出高さH1を十分に確保できる。したがって、ロータヨーク3の回転位置の検出精度の低下を抑制できる。
この構成によれば、リラクタ25における一対の側面25cは、湾曲しているので、局所的な応力がかかりにくく、リラクタの剛性を高めることができる。
また、一対の側面25cは、回転電機1は、リラクタ25が急激に立ち上がることを防止しつつ、リラクタ25の先端のエッジを立てることができる。このため、パルス発生器5によるパルス波形を、立ち上がりのエッジと立ち下がりのエッジとがはっきりする矩形にすることができる。この結果、ロータヨーク3の回転位置の検出精度をより高めることができる。また、ロータヨーク本体20を形成する材料のファイバー切れが生じることをより確実に抑制できる。
H3/H1≧0.5 ・・・(4)
を満足している。
この構成によれば、ロータヨーク3は、リラクタ25における最小厚さH3の箇所の強度を向上できる。これにより、ロータヨーク3は、リラクタ25を打ち出し加工する際に、リラクタ25が最小厚さH3の箇所でリラクタ25が損傷することを抑制できる。
場合について説明したが、これに限られない。
リラクタ25における一対の側面25cは、回転軸線方向から見て互いに離間する方向に向かって凸となるように湾曲していてもよい。
この他、リラクタ25の形状は、径方向外側に向かうに従い先細りに形成されていれば種々変更可能である。以下、リラクタ25の変形例について具体的に説明する。
図4は、第1変形例に係るリラクタ25Aを拡大した平面図である。
図4に示すように、リラクタ25Aは、周壁部24の外側面24bに設けられた台形部25A1と、台形部25A1の径方向外側の端部(先端)に設けられた長方形部25A2と、を備えてもよい。台形部25A1は、回転軸線方向から見て、径方向外側に向かうに従い先細る台形状に形成されている。長方形部25A2は、回転軸線方向から見て、台形部25A1の径方向外側の端部から径方向に沿って直線状に延びる長方形状に形成されている。リラクタ凹部26Aは、リラクタ25Aと同様に、径方向内側から台形部26A1と、長方形部26A2と、を備える形状に形成されている。
図5は、参考例に係るリラクタ25Bを拡大した平面図である。
図5に示すように、リラクタ25Bは、回転軸線方向から見て台形状に形成されていてもよい。リラクタ凹部26Bは、リラクタ25Bと同様に、回転軸線方向から見て台形状に形成されている。
この場合、リラクタ25Bを打ち出し形成するために用いる金型を回転軸線方向から見て台形状に形成すればよい。
したがって、上述の参考例によれば、前述の実施形態と同様の効果を奏する。また、金型を容易に形成できるので、リラクタ25Bをより簡単に製造することができる。これにより、作業性を向上できるとともに、ロータヨーク3の製造費を削減することができる。
Claims (7)
- ステータの周囲を取り囲む周壁部を有し、前記ステータに対して回転軸線回りに回転可能に支持されているロータヨーク本体と、
前記周壁部を内側面から前記周壁部の径方向外側に向かって突出されるとともに、前記周壁部の外側面に周方向に間隔をあけて配置された複数のリラクタと、
前記周壁部の前記内側面に前記複数のリラクタが形成される位置に対応するように形成される複数のリラクタ凹部と、
を備え、
前記リラクタは、前記回転軸線方向から見て、前記径方向外側に向かうに従い先細りに形成されており、
前記周壁部の前記径方向の厚さをH1とし、前記リラクタの前記径方向の突出高さをH2としたとき、厚さH1及び突出高さH2は、
H2/H1≧0.5
を満足するとともに、
前記リラクタは、
前記回転軸線方向から見て、前記径方向外側に向かうに従い先細るように形成された基端部と、
前記回転軸線方向から見て、前記基端部の前記径方向外側の端部から前記径方向に沿って直線状に延びる長方形状に形成された長方形部と、を備え、
前記リラクタ凹部は、
前記回転軸線方向から見て、前記径方向外側に向かうに従い先細るように形成された基端凹部と、
前記回転軸線方向から見て、前記基端凹部の前記径方向外側から前記径方向に沿って直線状に延びる長方形状に形成された長方形凹部と、を備えることを特徴するロータヨーク。 - ステータの周囲を取り囲む周壁部を有し、前記ステータに対して回転軸線回りに回転可能に支持されているロータヨーク本体と、
前記周壁部を内側面から前記周壁部の径方向外側に向かって突出されるとともに、前記周壁部の外側面に周方向に間隔をあけて配置された複数のリラクタと、
前記周壁部の前記内側面に前記複数のリラクタが形成される位置に対応するように形成される複数のリラクタ凹部と、
を備え、
前記リラクタは、前記回転軸線方向から見て、前記径方向外側に向かうに従い先細りに形成されており、
前記周壁部の前記径方向の厚さは、3.2mmであり、
前記リラクタの前記径方向の突出高さは、1.6mm以上であるとともに、
前記リラクタは、
前記回転軸線方向から見て、前記径方向外側に向かうに従い先細るように形成された基端部と、
前記回転軸線方向から見て、前記基端部の前記径方向外側の端部から前記径方向に沿って直線状に延びる長方形状に形成された長方形部と、を備え、
前記リラクタ凹部は、
前記回転軸線方向から見て、前記径方向外側に向かうに従い先細るように形成された基端凹部と、
前記回転軸線方向から見て、前記基端凹部の前記径方向外側から前記径方向に沿って直線状に延びる長方形状に形成された長方形凹部と、を備えることを特徴するロータヨーク。 - 前記リラクタにおける前記周方向に対向する一対の側面は、前記回転軸線方向から見て湾曲していることを特徴する請求項1または請求項2に記載のロータヨーク。
- 前記一対の側面は、前記回転軸線方向から見て互いに接近する方向に向かって凸となるように湾曲していることを特徴とする請求項3に記載のロータヨーク。
- 前記リラクタは、
前記回転軸線方向から見て、前記径方向外側に向かうに従い先細る台形状に形成された台形部と、
前記回転軸線方向から見て、前記台形部の前記径方向外側の端部から前記径方向に沿って直線状に延びる長方形状に形成された長方形部と、
を備えることを特徴する請求項1または請求項2に記載のロータヨーク。 - 前記周壁部の前記径方向の厚さをH1とし、前記リラクタの最小厚さをH3としたとき、厚さH1及び最小厚さH3は、
H3/H1≧0.5
を満足することを特徴する請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のロータヨーク。 - 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のロータヨークと、
前記回転軸線を中心軸線とする回転軸と、
前記回転軸を挿入されるように環状に形成されるとともに、前記ロータヨークを外挿された前記ステータと、
を備えることを特徴とする回転電機。
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