JP2021013278A - モータのロータ構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】収容孔内における永久磁石の位置を好適に保持する。【解決手段】収容孔20の一対の側面のうちロータコアの内周側の側面を内側面20cとするとともにロータコアの外周側の側面を外側面20dとし、永久磁石40の一対の側壁面のうちロータコアの内周側の側壁面を内側壁面40cとするとともにロータコアの外周側の側壁面を外側壁面40dとし、内側面20cと内側壁面40cが当接し、外側面20dと外側壁面40dが当接することにより、永久磁石40をくさび状に保持するようにした。【選択図】図2
Description
本発明は、モータのロータ構造に関する。
特許文献1は、モータのロータ構造について記載している。
図10に示すように、円板状の電磁鋼板60が複数枚積層されてロータコアが構成されている。電磁鋼板60は、永久磁石70が収容される収容孔61を有している。収容孔61は、ロータコアの端面に開口している。電磁鋼板60は、外周縁60aから内周側に窪んだ凹部62を有しており、この凹部62が収容孔61に連通している。
図10に示すように、円板状の電磁鋼板60が複数枚積層されてロータコアが構成されている。電磁鋼板60は、永久磁石70が収容される収容孔61を有している。収容孔61は、ロータコアの端面に開口している。電磁鋼板60は、外周縁60aから内周側に窪んだ凹部62を有しており、この凹部62が収容孔61に連通している。
収容孔61の開口は、ロータコアの径方向に対して傾斜した方向が長手方向となるように延在しており、収容孔61の開口の幅は略一定に構成されている。永久磁石70は、ロータコアの軸方向から見て矩形状に構成されており、収容孔61に嵌合した状態で取り付けられている。
特許文献1のモータのロータ構造では、収容孔61と永久磁石70の寸法誤差等によって、収容孔61と永久磁石70との間の隙間が相対的に大きくなる場合があった。そのため、ロータの回転時と停止時とにおいて、永久磁石70の位置が変化しやすくなる虞があった。本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、収容孔内における永久磁石の位置が好適に保持されたモータのロータ構造を提供することにある。
上記課題を解決するためのモータのロータ構造は、円板状の電磁鋼板が回転軸の軸方向に積層され、端面に開口する収容孔が形成されたロータコアと、前記収容孔に収容される永久磁石とを備えるモータのロータ構造であって、前記端面における前記収容孔の開口は、前記ロータコアの径方向に対して傾斜した方向が長手方向となるように延在しており、前記収容孔は、前記長手方向において前記ロータコアの内周側から外周側に向かうにつれて間隔が小さくなる一対のテーパ状の側面を有するとともに、前記長手方向の両端に底面と上面とを有し、前記底面は前記上面より前記ロータコアの内周側に配置されており、前記永久磁石は、前記長手方向において前記ロータコアの内周側から外周側に向かうにつれて互いに接近する一対のテーパ状の側壁面を有し、前記側壁面同士の両端が底壁面と上壁面とによって接続されており、前記底壁面は前記上壁面より前記ロータコアの内周側に配置されており、前記収容孔の前記一対の側面のうち前記ロータコアの内周側の側面を内側面とするとともに前記ロータコアの外周側の側面を外側面とし、前記永久磁石の前記一対の側壁面のうち前記ロータコアの内周側の側壁面を内側壁面とするとともに前記ロータコアの外周側の側壁面を外側壁面とし、前記内側面と前記内側壁面が当接し、前記外側面と前記外側壁面が当接することにより、前記永久磁石をくさび状に保持するようにしたことを要旨とする。
この構成によれば、収容孔が一対のテーパ状の側面を有するとともに、永久磁石が一対のテーパ状の側壁面を有し、収容孔の内側面と永久磁石の内側壁面が当接し、収容孔の外側面と永久磁石の外側壁面が当接して永久磁石をくさび状に保持するようにしたことにより、収容孔内における永久磁石の位置を好適に保持することができる。さらに、収容孔の開口が、ロータコアの径方向に対して傾斜した方向が長手方向となるように延在していることにより、収容孔の開口が、ロータコアの径方向が長手方向となるように延在している態様に比べて、収容孔の長さを相対的に長くすることが可能になる。収容孔の長さを相対的に長くすることにより、収容孔と永久磁石の接触面積を増大させることができるため、両者の嵌合状態を維持しやすくなる。そのため、収容孔内における永久磁石の位置を好適に保持することができる。
上記モータのロータ構造について、前記永久磁石の前記上壁面は、前記収容孔の前記上面に当接することにより前記ロータコアの外周側への移動が規制されることが好ましい。この構成によれば、ロータコアの回転時におけるロータコアの外側への永久磁石の脱離をより確実に抑制することができる。
上記モータのロータ構造について、前記電磁鋼板の外周縁は、前記電磁鋼板の内周側に窪んだ凹部を有し、前記凹部は前記収容孔に連通するとともに、前記凹部内において前記電磁鋼板の径方向外側に突出した凸部が設けられており、前記凸部の前記収容孔側の端部によって前記収容孔の上面が構成されていることが好ましい。この構成によれば、電磁鋼板が外周縁から収容孔に連通する構成においても、永久磁石の位置を好適に保持することができる。
上記モータのロータ構造について、前記電磁鋼板における前記凹部を除いた外周縁の仮想円を想定した際、前記凸部は、前記仮想円の内側に位置することが好ましい。この構成によれば、電磁鋼板の外周側と収容孔とが連通した領域を相対的に大きくすることができるため、ロータにおける磁束の漏洩をより好適に抑制することができる。
上記モータのロータ構造について、前記収容孔の前記内側面と前記外側面の間のテーパ角度は、前記永久磁石の前記内側壁面と前記外側壁面の間のテーパ角度に等しいことが好ましい。この構成によれば、収容孔と永久磁石の嵌合状態をより好適に維持することができる。
本発明のモータのロータ構造によれば、収容孔内における永久磁石の位置を好適に保持することができる。
本発明のモータのロータ構造を具体化した実施形態について説明する。
図1に示すように、モータ10は、磁石埋め込み式モータであって、回転子(以下、「ロータ」ともいう。)11と、固定子(以下、「ステータ」ともいう。)12とを備える。ロータ11及びステータ12は、何れも円筒状である。ロータ11は、ステータ12の内周に配置されている。ロータ11の外周面とステータ12の内周面は、ギャップを介して対向している。図1では、ロータ11及びロータ11を回転可能に支持するシャフト13を実線で示し、ステータ12を二点鎖線で模式的に図示している。ステータ12は複数のスロットとそのスロット間にコイルが捲回されるティースを備えているが、図1において、スロット、ティース及びコイルは図示を省略している。この実施形態のモータ10は、極数が「12」である。
図1に示すように、モータ10は、磁石埋め込み式モータであって、回転子(以下、「ロータ」ともいう。)11と、固定子(以下、「ステータ」ともいう。)12とを備える。ロータ11及びステータ12は、何れも円筒状である。ロータ11は、ステータ12の内周に配置されている。ロータ11の外周面とステータ12の内周面は、ギャップを介して対向している。図1では、ロータ11及びロータ11を回転可能に支持するシャフト13を実線で示し、ステータ12を二点鎖線で模式的に図示している。ステータ12は複数のスロットとそのスロット間にコイルが捲回されるティースを備えているが、図1において、スロット、ティース及びコイルは図示を省略している。この実施形態のモータ10は、極数が「12」である。
ロータ11は、ほぼ円板状の積層鋼板(以下、「電磁鋼板」ともいう。)14を複数枚、例えば数十枚程度、シャフト13の軸方向に積層した円筒状のロータコア15と、ロータコア15の収容孔に収容された永久磁石40とを備える。
ロータコア15を構成する複数枚の電磁鋼板14は全て同一形状である。ロータコア15の中心には、シャフト13が貫挿されている。この実施形態において、シャフト13とロータコア15は焼嵌めによって固定されている。ロータ11は、ロータコア15の外周面がステータ12のティースと所定の間隔を置いた状態で、図示しないハウジングの軸受けにシャフト13を介して回転可能に支持されている。
図1に示すように、永久磁石40は、ロータコア15に対して回転軸の軸方向に収容されている。詳しくは、ロータコア15を構成する電磁鋼板14には、電磁鋼板14の外周縁14aから内周側に窪んだ凹部30が形成されており、この凹部30は、永久磁石40が収容される収容孔20に連通している。言い換えれば、収容孔20は、ロータコア15の外周側の凹部30を通じてロータコア15の外側に連通している。この凹部30と収容孔20とは、電磁鋼板14を厚さ方向に貫通して形成されている。
ロータコア15について説明する。
図2に示すように、収容孔20は、ロータコア15を構成する電磁鋼板14を厚さ方向に貫通した状態で形成されている。収容孔20は、ロータコア15の端面に開口している。収容孔20の開口は、電磁鋼板14の径方向であるロータコア15の径方向に対して傾斜した方向が長手方向となるように延在している。ロータコア15の軸方向から見て、収容孔20は、開口と同一形状で構成されている。
図2に示すように、収容孔20は、ロータコア15を構成する電磁鋼板14を厚さ方向に貫通した状態で形成されている。収容孔20は、ロータコア15の端面に開口している。収容孔20の開口は、電磁鋼板14の径方向であるロータコア15の径方向に対して傾斜した方向が長手方向となるように延在している。ロータコア15の軸方向から見て、収容孔20は、開口と同一形状で構成されている。
収容孔20は、開口の長手方向(以下、「収容孔20の長手方向」ともいう。)において、ロータコア15の内周側から外周側にむかうにつれて間隔が小さくなる一対のテーパ状の側面を有する。一対のテーパ状の側面のうち、ロータコア15の内周側の側面を内側面20cとし、ロータコア15の外周側の側面を外側面20dとする。
収容孔20は、収容孔20の長手方向における両端に底面20aと上面20bとを有している。底面20aは、上面20bよりロータコア15の内周側に配置されている。
収容孔20の長手方向が、ロータコア15の径方向に対して傾斜していることにより、収容孔20の長手方向が、ロータコア15の径方向に沿う態様に比べて、収容孔20の底面20aの位置がロータコア15の径方向の同じ位置にある状態において収容孔20の長手方向における収容孔20の長さ(以下、「収容孔20の長さ」ともいう。)を相対的に長くすることが可能になる。
収容孔20の長手方向が、ロータコア15の径方向に対して傾斜していることにより、収容孔20の長手方向が、ロータコア15の径方向に沿う態様に比べて、収容孔20の底面20aの位置がロータコア15の径方向の同じ位置にある状態において収容孔20の長手方向における収容孔20の長さ(以下、「収容孔20の長さ」ともいう。)を相対的に長くすることが可能になる。
図1に示すように、収容孔20の長手方向の角度、言い換えれば、収容孔20の延在角度θ1は、特に限定されないが、ロータコア15の径方向に対して30°以上傾斜していることが好ましく、45°以上傾斜していることがより好ましい。
収容孔20の底面20a、内側面20c、及び、外側面20dは、それぞれ直線状に延びている。内側面20cと外側面20dは、底面20aから上面20bに向かって互いの間隔が狭くなるように構成されている。言い換えれば、収容孔20は、底面20aから上面20bに向かって幅が狭くなるテーパ状に構成されている。
図2に示すように、収容孔20の底面20aから上面20bまでの長さである収容孔20の長さをL1とし、収容孔20の内側面20cと外側面20dの間の長さをL2とすると、L2は位置によって異なるが、L2が最大値となる底面20aの位置であっても、L1の方がL2よりも大きく構成されている。すなわち、収容孔20は、底面20aから上面20bに向かって形成されたテーパに沿って細長い形状となっている。
図1、2に示すように、収容孔20は、隣り合う一対の収容孔20の上面20b同士が近接するとともに、隣り合う一対の収容孔20の底面20a同士が互いに離間する方向に延在しており、所謂八の字状に形成されている。言い換えれば、隣り合う一対の収容孔20は、逆V字状に形成されている。
図2に示すように、隣り合う一対の収容孔20は、1つの凹部30に面している。凹部30が形成されていることにより、電磁鋼板14の収容孔20における内側面20c側と外側面20d側との間の磁束の漏洩が抑制されている。
凹部30には、凹部30内において電磁鋼板14の径方向外側に突出した凸部30aが設けられている。凸部30aは、隣り合う一対の収容孔20の上面20bを構成する位置にそれぞれ設けられており、一方の凸部30aと他方の凸部30aとが一体となって設けられている。
図3に示すように、電磁鋼板14における凹部30を除いた外周縁14aの仮想円Cを想定した際、凸部30aは、仮想円Cの内側に位置する。言い換えれば、凸部30aにおける電磁鋼板14の径方向外側の端部30bは、電磁鋼板14における凹部30を除いた外周縁14aよりも径方向内側に位置する。この凸部30aの収容孔20側の端部に、永久磁石40の上壁面40bが当接するように構成されている。そのため、凸部30aにおける収容孔20側の端部によって、収容孔20の上面20bが構成されている。
収容孔20と凹部30は、電磁鋼板14に打ち抜き加工を行うことによって形成することができる。すなわち、電磁鋼板14に打ち抜き加工を行うことによって、電磁鋼板14の外周縁14aから切欠きが形成され、この切欠きによって、収容孔20と凹部30とが形成される。
永久磁石40について説明する。
図2に示すように、永久磁石40は、電磁鋼板14の収容孔20に収容された状態において、収容孔20の長手方向においてロータコア15の内周側に位置する底壁面40aと、収容孔20の長手方向においてロータコア15の外周側に位置する上壁面40bとを有している。永久磁石40は、底壁面40aと上壁面40bの間において、ロータコア15の内周側に位置する側壁面である内側壁面40cと、ロータコア15の外周側に位置する側壁面である外側壁面40dとを有している。内側壁面40cと外側壁面40dは直線状に延び、底壁面40a側から上壁面40b側に向かうにつれて互いに接近するようにテーパ状に構成されている。言い換えれば、永久磁石40は、底壁面40a側から上壁面40b側に向かって、内側壁面40cと外側壁面40dの間の長さである永久磁石40の厚さが薄くなるテーパ状に構成されている。また、永久磁石40は、ロータコア15の回転軸の軸方向である図2の紙面奥側に延びる板状に構成されている。
図2に示すように、永久磁石40は、電磁鋼板14の収容孔20に収容された状態において、収容孔20の長手方向においてロータコア15の内周側に位置する底壁面40aと、収容孔20の長手方向においてロータコア15の外周側に位置する上壁面40bとを有している。永久磁石40は、底壁面40aと上壁面40bの間において、ロータコア15の内周側に位置する側壁面である内側壁面40cと、ロータコア15の外周側に位置する側壁面である外側壁面40dとを有している。内側壁面40cと外側壁面40dは直線状に延び、底壁面40a側から上壁面40b側に向かうにつれて互いに接近するようにテーパ状に構成されている。言い換えれば、永久磁石40は、底壁面40a側から上壁面40b側に向かって、内側壁面40cと外側壁面40dの間の長さである永久磁石40の厚さが薄くなるテーパ状に構成されている。また、永久磁石40は、ロータコア15の回転軸の軸方向である図2の紙面奥側に延びる板状に構成されている。
図2に示すように、永久磁石40における底壁面40aから上壁面40bまでの長さ(以下、「永久磁石40の長さ」ともいう。)をL3とし、永久磁石40の厚さである内側壁面40cと外側壁面40dの間の長さをL4とすると、L4は位置によって異なるが、L4が最大値となる底壁面40aの位置であっても、L3の方がL4よりも大きく構成されている。すなわち、永久磁石40は、底壁面40aから上壁面40bに向かって形成されたテーパに沿って細長い形状となっている。また、永久磁石40の長さL3は、収容孔20の長さL1よりも短く構成されている。
収容孔20におけるテーパ状に構成された部分である内側面20cと外側面20dの間のテーパ角度θ2、及び、永久磁石40におけるテーパ状に構成された部分である内側壁面40cと外側壁面40dの間のテーパ角度θ3は、特に限定されないが、1°以上、5°以下であることが好ましい。収容孔20のテーパ角度θ2及び永久磁石40のテーパ角度θ3が、1°以上、5°以下であることにより、収容孔20と永久磁石40の接触面積を相対的に増大させることが可能になるため、後述のように、永久磁石40をくさび状に保持しやすくなる。
また、上記収容孔20のテーパ角度θ2と永久磁石40のテーパ角度θ3は等しいことが好ましい。収容孔20のテーパ角度θ2と永久磁石40のテーパ角度θ3が等しいことにより、収容孔20に永久磁石40を嵌合させてくさび状に保持した際に両者の接触面積をより大きくすることが可能になるため、両者の嵌合状態をより好適に維持しやすくなる。なお、本実施形態では、収容孔20及び永久磁石40のテーパ角度が等しい態様を示している。
電磁鋼板14の収容孔20と永久磁石40の嵌合機構について説明する。
図4に示すように、電磁鋼板14の収容孔20に永久磁石40を挿入する。具体的には、収容孔20のテーパの向きと、永久磁石40のテーパの向きとが同じ向きとなるように、収容孔20に永久磁石40を挿入する。永久磁石40の長さL3が収容孔20の長さL1よりも短く構成されていることにより、収容孔20との干渉を抑制しながら永久磁石40を挿入することができる。
図4に示すように、電磁鋼板14の収容孔20に永久磁石40を挿入する。具体的には、収容孔20のテーパの向きと、永久磁石40のテーパの向きとが同じ向きとなるように、収容孔20に永久磁石40を挿入する。永久磁石40の長さL3が収容孔20の長さL1よりも短く構成されていることにより、収容孔20との干渉を抑制しながら永久磁石40を挿入することができる。
すなわち、図4に示すように、収容孔20の底面20aに永久磁石40の底壁面40aを当接させ、収容孔20の内側面20cと永久磁石40の内側壁面40cとを当接させた状態において、収容孔20の外側面20dと永久磁石40の外側壁面40dとの間に隙間S1が形成される。同様に、収容孔20の上面20bと永久磁石40の上壁面40bとの間に隙間S2が形成される。これらの隙間S1、S2が形成されることにより、収容孔20との干渉を抑制しながら永久磁石40を挿入することが可能になる。
ここで、図4に示すように、収容孔20の外側面20dと永久磁石40の外側壁面40dとの間に形成される隙間S1の間隔は、特に限定されないが、0.05〜0.2mmであることが好ましく、0.05〜0.1mmであることがより好ましい。
また、収容孔20の上面20bと永久磁石40の上壁面40bとの間に形成される隙間S2の間隔は、特に限定されないが、0.1〜0.5mmであることが好ましい。隙間S2は、永久磁石40の長さL3と、収容孔20の長さL1との差であると言い換えることができる。隙間S1の間隔が0.05〜0.2mmであり、隙間S2の間隔が0.1〜0.5mmであることにより、永久磁石40と収容孔20との干渉をより好適に抑制することができる。
永久磁石40を収容孔20に挿入した後、ロータ11一体で着磁を行う。着磁を行うことにより、永久磁石40は、収容孔20内において電磁鋼板14に磁力で吸着した状態となる。着磁後にロータ11を回転させると、永久磁石40に遠心力が作用する。
図5に示すように、遠心力が所定の値よりも大きくなると、永久磁石40は収容孔20内を移動し、永久磁石40の上壁面40bが、収容孔20の上面20bを構成する凸部30aに当接した状態となる。この状態で、永久磁石40のテーパ状に構成された部分と収容孔20のテーパ状に構成された部分とが嵌合して、収容孔20に永久磁石40がくさび状に保持された状態となる。具体的には、永久磁石40の内側壁面40cと収容孔20の内側面20cとが当接するとともに、永久磁石40の外側壁面40dと収容孔20の外側面20dとが当接した状態となる。
収容孔20に永久磁石40がくさび状に保持された状態となることにより、ロータ11の回転が止まった状態においても、両者の嵌合状態が維持されやすくなる。
ここで、「くさび状に保持する」とは、永久磁石40のテーパ部分が収容孔20のテーパ部分を押し広げるように打ち込まれた状態のみを意味するのではなく、永久磁石40のテーパ部分と収容孔20のテーパ部分とが互いに当接しており、外観上、くさびが打ち込まれたような状態で永久磁石40が保持された態様を含むものとする。
ここで、「くさび状に保持する」とは、永久磁石40のテーパ部分が収容孔20のテーパ部分を押し広げるように打ち込まれた状態のみを意味するのではなく、永久磁石40のテーパ部分と収容孔20のテーパ部分とが互いに当接しており、外観上、くさびが打ち込まれたような状態で永久磁石40が保持された態様を含むものとする。
本実施形態のロータ構造を有するモータ10の用途は特に限定されず、エアコン用や、自動車用等のモータに適宜用いることができる。その中でも、燃料電池自動車用のモータは、アクセルに従って回転力が増減し、ロータ11の回転数が大きく変動するため、永久磁石40に作用する遠心力が大きく変動し、永久磁石40が移動しやすいため、燃料電池自動車用のモータに用いることが好ましい。
本実施形態の作用及び効果について説明する。
(1)収容孔20が一対のテーパ状の側面を有するとともに、永久磁石40が一対のテーパ状の側壁面を有し、収容孔20の内側面20cと永久磁石40の内側壁面40cが当接し、収容孔20の外側面20dと永久磁石40の外側壁面40dが当接することによって永久磁石40をくさび状に保持するようにした。くさび効果によって、ロータ11の停止時や回転数変動時に永久磁石40が内周側へ戻ることが抑制されるため、収容孔20内における永久磁石40の位置を好適に保持することができる。これにより、ロータ11の回転毎に永久磁石40の位置が移動して、電磁鋼板14と干渉して摩耗したり、損傷したりすることを抑制することができる。また、収容孔20内における永久磁石40の位置を好適に保持することができるため、ロータ11の回転を安定させることができる。
(1)収容孔20が一対のテーパ状の側面を有するとともに、永久磁石40が一対のテーパ状の側壁面を有し、収容孔20の内側面20cと永久磁石40の内側壁面40cが当接し、収容孔20の外側面20dと永久磁石40の外側壁面40dが当接することによって永久磁石40をくさび状に保持するようにした。くさび効果によって、ロータ11の停止時や回転数変動時に永久磁石40が内周側へ戻ることが抑制されるため、収容孔20内における永久磁石40の位置を好適に保持することができる。これにより、ロータ11の回転毎に永久磁石40の位置が移動して、電磁鋼板14と干渉して摩耗したり、損傷したりすることを抑制することができる。また、収容孔20内における永久磁石40の位置を好適に保持することができるため、ロータ11の回転を安定させることができる。
(2)収容孔20の長手方向が、ロータコア15の径方向に対して傾斜していることにより、収容孔20の長手方向が、ロータコア15の径方向に沿う態様に比べて、収容孔20の長さL1を相対的に長くすることが可能になる。収容孔20の長さL1を相対的に長くすることにより、収容孔20と永久磁石40の接触面積を増大させることができるため、両者の嵌合状態を維持しやすくなる。したがって、収容孔20内における永久磁石40の位置を好適に保持することができる。
(3)ロータ11の回転時の遠心力を利用して、永久磁石40と収容孔20外周側に押し付けることができるため、より簡易な方法で永久磁石40の位置を好適に保持することができる。
(4)永久磁石40の上壁面40bは、収容孔20の上面20bに当接することによりロータコア15の外周側への移動が規制されている。したがって、ロータコア15の回転時におけるロータコア15の外側への永久磁石40の脱離をより確実に抑制することができる。
(5)収容孔20及び永久磁石40の形状が、テーパに沿って細長い形状となるため、両者の接触面積をより大きくすることができる。接触面積がより大きいことにより、両者の嵌合状態を維持しやすくなるため、収容孔20内における永久磁石40の位置をより好適に保持することができる。
(6)電磁鋼板14の外周縁14aは、電磁鋼板14の内周側に窪んだ凹部30を有し、凹部30は収容孔20に連通するとともに、凹部30内において電磁鋼板14の径方向外側に突出した凸部30aが設けられており、凸部30aの収容孔20側の端部によって収容孔20の上面20bが構成されている。したがって、電磁鋼板14が外周縁14aから収容孔20に連通する構成においても、永久磁石40の位置を好適に保持することができる。
(7)電磁鋼板14における凹部30を除いた外周縁14aの仮想円Cを想定した際、凸部30aは、仮想円Cの内側に位置する。したがって、電磁鋼板14の外周側と収容孔20とが連通した領域を相対的に大きくすることができるため、ロータ11における磁束の漏洩をより好適に抑制することができる。
(8)隣り合う一対の収容孔20は、1つの凹部30に面している。隣り合う一対の収容孔20が、別々の凹部30に面している態様に比べて、電磁鋼板14を効率的に利用することができる。したがって、ロータ11における磁束の漏洩をより効率良く抑制することができる。
(9)収容孔20の内側面20cと外側面20dの間のテーパ角度θ2は、永久磁石40の内側壁面40cと外側壁面40dの間のテーパ角度θ3に等しい。したがって、収容孔20と永久磁石40の嵌合状態をより好適に維持することができる。
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
○本実施形態では、電磁鋼板14には凹部30が形成されていたが、凹部30は省略されていてもよい。
○本実施形態では、電磁鋼板14には凹部30が形成されていたが、凹部30は省略されていてもよい。
図6、7に示すように、例えば、電磁鋼板14は凹部30を有してなく、収容孔20が電磁鋼板14の外周縁14aと連通しない状態で形成されていてもよい。この態様では、収容孔20の上面20bは、収容孔20の内側面20cと外側面20dに繋がった状態となっている。図7に示すように、この態様においても、永久磁石40を収容孔20に嵌合させて、永久磁石40の位置を好適に保持することができる。
○本実施形態では、収容孔20の内側面20cと外側面20dは直線状に延びるとともに、永久磁石40の内側壁面40cと外側壁面40dは直線状に延びていたが、この態様に限定されない。収容孔20の内側面20cと外側面20dは曲線状に延びていてもよいし、直線と曲線の両方を含んでいてもよい。すなわち、収容孔20におけるテーパ状に構成された部分は、直線状に構成された態様に限定されず、内側面20cと外側面20dとが、全体として上面20bに向かって先細形状となるように構成された態様を含むものとする。永久磁石40も同様である。
図8、9に示すように、例えば、収容孔20の外側面20dに、内側面20c側に突出した湾曲状の突起21が形成されていてもよい。図8では、収容孔20の長手方向に沿って突起21が2個並設されている。収容孔内側面図9に示すように、この態様においても、永久磁石40を収容孔20に嵌合させて、永久磁石40の位置を好適に保持することができる。
○本実施形態では、収容孔20の底面20aは直線状に構成されていたが、この態様に限定されない。収容孔20の底面20aは、曲線状に構成されていてもよく、例えば、収容孔20の上面20bから離間する方向に凸となるように湾曲していてもよい。すなわち、収容孔20の底面20aと永久磁石40の底壁面40aとの間には、空間が形成されていてもよい。
○本実施形態では、電磁鋼板14の凹部30には、永久磁石40の上壁面40bが当接する凸部30aが収容孔20の内側面20c側に設けられていたが、この態様に限定されない。凸部30aは、収容孔20の外側面20d側に設けられていてもよい。凸部30aは、収容孔20の内側面20c側と外側面20d側の両方から突出した状態で設けられていてもよい。
○本実施形態では、収容孔20及び永久磁石40のテーパ角度が等しく構成されていたが、この態様に限定されない。収容孔20及び永久磁石40のテーパ角度は、ロータ11の回転が止まった状態においても永久磁石40と収容孔20の嵌合状態が維持され、収容孔20内における永久磁石40の位置を好適に保持することができる範囲において、互いに異なるテーパ角度であってもよい。
○本実施形態では、収容孔20に永久磁石40がくさび状に保持された状態において、永久磁石40の上壁面40bが、収容孔20の上面20bを構成する凸部30aに当接していたが、この態様に限定されない。収容孔20に永久磁石40がくさび状に保持された状態において、永久磁石40の上壁面40bが、収容孔20の上面20bを構成する凸部30aに当接せず、両者の間に隙間が形成されていてもよい。
○本実施形態では、電磁鋼板14における凹部30を除いた外周縁の仮想円Cを想定した際、凸部30aは、仮想円Cの内側に位置していたが、この態様に限定されない。凸部30aは、仮想円Cと重なる位置に設けられていてもよく、仮想円Cよりも外側に突出していてもよい。
○本実施形態では、永久磁石40の長さL3は、収容孔20の長さL1より短く構成されていたが、この態様に限定されない。永久磁石40の長さL3は、収容孔20の長さL1と同じ長さであってもよい。
10…モータ、14…電磁鋼板、15…ロータコア、20…収容孔、20a…底面、20b…上面、20c…内側面、20d…外側面、40…永久磁石、40a…底壁面、40b…上壁面、40c…内側壁面、40d…外側壁面。
Claims (5)
- 円板状の電磁鋼板が回転軸の軸方向に積層され、端面に開口する収容孔が形成されたロータコアと、前記収容孔に収容される永久磁石とを備えるモータのロータ構造であって、
前記端面における前記収容孔の開口は、前記ロータコアの径方向に対して傾斜した方向が長手方向となるように延在しており、
前記収容孔は、前記長手方向において前記ロータコアの内周側から外周側に向かうにつれて間隔が小さくなる一対のテーパ状の側面を有するとともに、前記長手方向の両端に底面と上面とを有し、前記底面は前記上面より前記ロータコアの内周側に配置されており、
前記永久磁石は、前記長手方向において前記ロータコアの内周側から外周側に向かうにつれて互いに接近する一対のテーパ状の側壁面を有し、前記側壁面同士の両端が底壁面と上壁面とによって接続されており、前記底壁面は前記上壁面より前記ロータコアの内周側に配置されており、
前記収容孔の前記一対の側面のうち前記ロータコアの内周側の側面を内側面とするとともに前記ロータコアの外周側の側面を外側面とし、
前記永久磁石の前記一対の側壁面のうち前記ロータコアの内周側の側壁面を内側壁面とするとともに前記ロータコアの外周側の側壁面を外側壁面とし、
前記内側面と前記内側壁面が当接し、前記外側面と前記外側壁面が当接することにより、前記永久磁石をくさび状に保持するようにしたことを特徴とするモータのロータ構造。 - 前記永久磁石の前記上壁面は、前記収容孔の前記上面に当接することにより前記ロータコアの外周側への移動が規制される請求項1に記載のモータのロータ構造。
- 前記電磁鋼板の外周縁は、前記電磁鋼板の内周側に窪んだ凹部を有し、
前記凹部は前記収容孔に連通するとともに、前記凹部内において前記電磁鋼板の径方向外側に突出した凸部が設けられており、
前記凸部の前記収容孔側の端部によって前記収容孔の上面が構成されている請求項1又は2に記載のモータのロータ構造。 - 前記電磁鋼板における前記凹部を除いた外周縁の仮想円を想定した際、
前記凸部は、前記仮想円の内側に位置する請求項3に記載のモータのロータ構造。 - 前記収容孔の前記一対の側面の間のテーパ角度は、前記永久磁石の前記一対の側壁面の間のテーパ角度に等しい請求項1〜4のいずれか一項に記載のモータのロータ構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019127532A JP2021013278A (ja) | 2019-07-09 | 2019-07-09 | モータのロータ構造 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2019127532A JP2021013278A (ja) | 2019-07-09 | 2019-07-09 | モータのロータ構造 |
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JP2021013278A true JP2021013278A (ja) | 2021-02-04 |
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ID=74226648
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JP2019127532A Pending JP2021013278A (ja) | 2019-07-09 | 2019-07-09 | モータのロータ構造 |
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JP (1) | JP2021013278A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023021984A1 (ja) * | 2021-08-18 | 2023-02-23 | 株式会社デンソー | 回転電機の回転子、及び回転子の製造方法 |
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2019
- 2019-07-09 JP JP2019127532A patent/JP2021013278A/ja active Pending
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WO2023021984A1 (ja) * | 2021-08-18 | 2023-02-23 | 株式会社デンソー | 回転電機の回転子、及び回転子の製造方法 |
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