JPH1197702A - 半導体装置およびその作製方法 - Google Patents
半導体装置およびその作製方法Info
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- JPH1197702A JPH1197702A JP27344497A JP27344497A JPH1197702A JP H1197702 A JPH1197702 A JP H1197702A JP 27344497 A JP27344497 A JP 27344497A JP 27344497 A JP27344497 A JP 27344497A JP H1197702 A JPH1197702 A JP H1197702A
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Abstract
自由度を向上させるための構成を提供する。 【解決手段】 TFTのチャネル形成領域17にはしき
い値電圧を制御するための不純物元素が添加され、補助
容量の下部電極18には意図的に当該不純物元素が添加
されない。こうすることで補助容量の上部電極13に印
加する電圧を低減することができ、補助容量の耐圧不良
による劣化を防ぐことができる。また、補助容量用の電
源と他の回路の電源との共用が容易となり、回路設計の
自由度を広げることができる。
Description
した半導体装置およびその作製方法に関する技術であ
る。なお、本明細書中において「半導体装置」とは、半
導体特性を利用して機能しうる装置全てを指す。従っ
て、本明細書中に記載されたTFT、AMLCD及び電
子機器は、全て半導体装置の範疇に含むものとする。
タ(TFT)で半導体回路を形成する技術の進歩が著し
い。特に、薄膜半導体として結晶性珪素膜(ポリシリコ
ン膜等)を用い、同一基板上に周辺駆動回路と画素マト
リクス回路とを搭載したアクティブマトリクス型表示装
置が実用化レベルに達している。
置(以下、AMLCDと呼ぶ)はノートパソコン、プロ
ジェクター、携帯機器等の表示ディスプレイ用として活
発に製品化が進められている。
によって液晶層の光学応答特性を変化させ、光のオン/
オフ制御を行う点に特徴がある。また、通常は液晶層に
保持した電荷の漏れを補うため、補助容量(必要に応じ
てCsと略記する)を各画素に設ける構成となる。
を用いて説明する。図3において301は絶縁表面を有
する基板、302はソース領域、303はチャネル形成
領域、304はドレイン領域、305はゲイト絶縁膜、
306はゲイト電極、307は層間絶縁膜、308はソ
ース電極、309はドレイン電極、310は層間絶縁
膜、311は画素電極である。
下、Cs下部電極と呼ぶ)として機能する領域、313
は補助容量の上部電極(以下、Cs上部電極と呼ぶ)で
あり、ゲイト絶縁膜305を誘電体として容量を形成し
ている。この場合、Cs下部電極312はTFTのソー
ス/ドレイン領域と同じ材料で構成され、Cs上部電極
313はTFTのゲイト電極305と同じ材料で構成さ
れる。
Cs下部電極の構成には二つの方式がある。第1はCs
下部電極となる珪素膜中に高濃度の不純物(ソース/ド
レイン領域と同じ導電型を呈する不純物)を添加して導
電性を持たせる方式、第2はCs上部電極を固定電位に
保持してCs下部電極の主表面(ゲイト絶縁膜との界
面)に常にチャネルを形成させて導電性を持たせる方式
である。
となる珪素膜中に不純物を選択的に添加する工程が増え
るため製造マスク数が増加する。一方、第2の方式はC
s上部電極下に不純物を添加する必要がないため工程が
簡略である。そのため、第2の方式を用いる場合が多
い。
いる場合、Cs上部電極を固定電位に保持しておくため
の電源が必要となる。例えばNチャネル型TFTのしき
い値電圧は2V程度なので、Cs上部電極はソース/ド
レイン領域の電位よりも常に2V以上高い電位に保持し
ておかなければならない。
とTFTのしきい値電圧とを考慮して最低でも8〜10
Vの電源が必要となる。この事が以下に説明する様な問
題を生じてしまう。
性を反転させた電圧が交互に印加される。通常は液晶層
の種類にもよるが−5〜5V程度の範囲で印加電圧が変
動する。そのため、例えばCs上部電極が10Vに保持
されている場合には最大で15V近い電圧がCs上部電
極とCs下部電極との間に印加される。これによりゲイ
ト絶縁膜の劣化が起こり、Cs上部電極とCs下部電極
との間でリーク電流の増加や短絡といった問題が起こり
うる。
電圧を低くする要求が高まっている。今後、動作電圧を
低くすることができれば、駆動回路等に必要な電源も3.
5 V電源や5V電源になると予想される。ところが、C
sを形成するためにはそのためだけに10V電源が必要
となり、電源の必要数が増えて非常に効率が悪い。その
様な効率の悪さは回路設計の自由度を損なうことにつな
がる。
s上部電極313が高い固定電位に保持されるという事
は好ましいものではない。
素に具備される補助容量の構成に関する技術を開示し、
補助容量の劣化を抑えるための技術を提供することを課
題としている。また、同時にその様な液晶表示装置の回
路設計の自由度を高めるための構成を提供することを課
題とする。
ば、結晶性珪素膜(ポリシリコン膜)を活性層として利
用したTFTはしきい値電圧(Vth)がマイナス方向に
シフトする傾向にある。そのため、しきい値電圧を制御
するためにチャネル形成領域に対して意図的に不純物を
添加する技術(チャネルドープ技術)が知られている。
値電圧がマイナス側にシフトしていることは好ましい。
なぜならば、Cs上部電極の固定電位を下げることが可
能となるからである。本願発明は、この様なしきい値電
圧のシフトを積極的に利用することを前提とした技術で
ある。
ネル形成領域のみにしきい値電圧を制御するための不純
物元素を添加し、Csの下部電極となる珪素膜中には前
記不純物元素を添加しない点に特徴がある。意図的にこ
の様な状態とすることで、Cs上部電極に印加する固定
電位を低くすることが可能である。
は、画素マトリクス回路を構成する複数の画素のそれぞ
れに、少なくとも一つのTFTと、一対の電極間に誘電
体を挟持してなる補助容量と、を有する半導体装置であ
って、前記TFTのソース領域、チャネル形成領域及び
ドレイン領域と、前記補助容量を構成する一方の電極と
は、共通の半導体膜から構成され、前記TFTのゲイト
電極と前記補助容量を構成する他方の電極とは、共通の
導電性膜から構成され、前記ソース領域、チャネル形成
領域及びドレイン領域のみにしきい値電圧を制御するた
めの不純物元素が添加されていることを特徴とする。
る基板上に結晶性半導体膜を形成する工程と、前記結晶
性半導体膜において、後に補助容量を形成する領域上に
選択的にマスクを形成する工程と、前記結晶性半導体膜
に対してしきい値電圧を制御するための不純物元素を添
加する工程と、を有し、前記不純物元素の添加工程にお
いて当該不純物元素が添加された領域をソース領域、チ
ャネル形成領域及びドレイン領域として利用し、当該不
純物元素が添加されなかった領域を補助容量を形成する
ための電極として利用することを特徴とする。
説明する。図1(A)は画素マトリクス回路を構成する
画素TFTの上面図である。下層から順に、活性層(珪
素を主成分とする半導体膜)11、ゲイト電極(アルミ
ニウムを主成分とする金属膜)12、補助容量の上部電
極13、ソース電極14、ドレイン電極15、画素電極
(点線で示される)16である。
15と接続している領域)から延在して補助容量の下部
電極として機能する。活性層11のうち、補助容量の上
部電極13と重畳する領域が下部電極として機能する領
域である。
断面図が図1(B)である。なお、便宜上、縮尺は図1
(A)と対応していないが、図1(A)と同じ部分には
同一の符号を付してある。
る領域はチャネル形成領域であり、本願発明ではしきい
値電圧を制御するための不純物が添加されている(dope
d regionと記す)。また、18で示される領域は補助容
量の下部電極として機能する領域であり、しきい値電圧
制御用の不純物は意図的に添加されていない(undoped
rejionと記す)。
定電位に保持することで、下部電極18の主表面にチャ
ネルが常に形成された状態として補助容量を形成する。
この時、図1(B)の構成とすることで、チャネルを形
成するに必要なしきい値電圧を引き下げることが可能と
なり、上部電極13の電位を下げることができる。
の場合にチャネルを低電圧で形成しやすい(ノーマリオ
ンになりやすい)という背景がある。これはゲイト電極
と活性層との仕事関数差やゲイト絶縁膜中の固定電荷等
の影響による。
い値電圧制御用の不純物(13族から選ばれた元素)を
添加してしきい値電圧をプラス側に移動させる。逆に、
下部電極18は上述の様な活性層の性質を逆手にとっ
て、意図的にしきい値電圧制御用の不純物を添加しない
構成とするのである。
助容量の上部電極に印加する電圧(接地電位に対する電
位)を下げることが可能となる。その結果、補助容量に
かかる電圧を引き下げることができ、ゲイト絶縁膜(補
助容量の誘電体)の劣化による補助容量の劣化を防ぐこ
とができる。
圧電源を用意する必要がなく、他の回路と電源ラインを
共有することが容易である。そのため、回路設計の自由
度が広がり、液晶表示装置の小型化、高性能化に寄与す
る。
に記載する実施例でもって詳細な説明を行うこととす
る。
トリクス回路を構成するTFT(画素TFT)を作製す
る工程例について説明する。なお、ここではNチャネル
型TFT(NTFTと略記する)を例にとって説明す
る。
ず)を形成したガラス基板100を用意し、その上に非
晶質半導体膜(本実施例では非晶質珪素膜)101を形
成する。非晶質珪素膜101の膜厚は10〜100 nm(代表
的には10〜75nm、好ましくは15〜45nm)とする。また、
非晶質珪素膜の代わりにSix Ge1-x (0<X<1 )で示され
る非晶質半導体膜を用いても良い。
たは実施例2に記載された技術を利用する。この技術は
珪素の結晶化を助長する触媒元素を利用して非晶質珪素
膜の結晶化を行うための技術である。本実施例では同公
報の実施例1に記載された技術を例にとり、触媒元素と
してニッケルを用いる。
した酢酸ニッケル水溶液をスピンコート法により塗布
し、ニッケル含有層102を形成する。こうして非晶質
珪素膜101上にニッケルが保持された状態を得る。
(図1(A))
〜500 ℃2時間程の加熱処理(水素出し工程)の後、 5
00〜700 ℃(代表的には 550〜600 ℃)の温度で 2〜12
時間(代表的には 4〜8 時間)の加熱処理を行い、結晶
性珪素膜(ポリシリコン膜)103を得る。(図1
(B))
103の結晶性の改善工程を行うことは有効である。レ
ーザー光を照射することにより粒内欠陥の低減、不整合
粒界の低減及び非晶質成分の結晶化が行われる。必要が
なければ省略することも可能である。
膜または窒化珪素膜でなるマスク104を形成する。そ
の後、15族から選ばれた元素(本実施例ではリン)を
イオン注入法またはイオンドーピング法により添加す
る。ここでは結晶性珪素膜中でのリン濃度が 1×1019〜
1×1021atoms/cm3 (代表的には 1×1020atoms/cm3 )
となる様に調節する。
(以下、ゲッタリング領域と呼ぶ)105、106が形
成される。また、マスク直下にはリンが添加されない領
域(以下、被ゲッタリング領域と呼ぶ)107が形成さ
れる。(図1(C))
0 ℃)の温度で 4〜16時間(代表的には 8〜12時間)の
加熱処理を行い、被ゲッタリング領域107中に残存す
るニッケルをゲッタリング領域105、106へと移動
させる。これは、リンによる金属元素のゲッタリング効
果を応用した技術である。(図1(D))
を作製するのでガラスの耐熱性でプロセス最高温度が決
定されてしまう。しかしながら、基板として石英基板な
ど耐熱性の高い基板を用いれば、ゲッタリングのための
加熱処理の最高温度を 1000℃(好ましくは 800℃)に
まで上げることができる。ただし、温度が 800℃を超え
るとゲッタリング領域から被ゲッタリング領域へのリン
の逆拡散が起こり始めるので1000℃以下とするのが好ま
しい。
ングを行い、後に補助容量(Cs)を形成する領域(C
s形成部と呼ぶ)上にマスク108を残す。そして、そ
の状態で13族から選ばれた元素(代表的にはボロン、
インジウムまたはガリウム、本実施例ではボロン)の添
加工程を行う。このボロンはTFT形成部のみに添加さ
れ、TFTのしきい値電圧を制御するための不純物元素
として利用する。(図1(E))
形成部と呼ぶ)109とボロンが添加されなかった領域
(Cs形成部)110が形成される。なお、TFT形成
部109には 1×1017〜 5×1019atoms/cm3 (代表的に
は 5×1017〜 5×1018atoms/cm3 )の濃度でボロンを添
加すれば良い。本実施例では、予めノンドープの場合の
しきい値電圧を求め、それを踏まえてしきい値電圧が2
Vとなる様に設定値を決定している。
加工程も含めて意図的に不純物元素が添加されておら
ず、undope(アンドープ)な領域となっている。そのた
め、Cs形成部110は真性または実質的に真性な領域
である。なお、実質的に真性であるとは、スピン密度よ
りも不純物濃度が低い領域、しきい値電圧の制御が可能
な範囲(代表的には不純物濃度が 1×1014atoms/cm3 〜
1×1017atoms/cm3 )において一導電型を有する領域を
指す。
珪素膜をパターニングして活性層111を形成する。な
お、この時ゲッタリング領域105、106は完全に除
去し、被ゲッタリング領域107のみで構成する。
の結晶性の改善工程を行う。レーザー光としてはKr
F、XeClを利用したパルス発振型エキシマレーザー
を用い、線状に加工して照射する。エネルギー強度は 2
00〜250mJ/cm2 、発振周波数は30Hz、処理温度は室温〜
500 ℃位で良い。
111aに含まれる不純物元素(ボロン)が活性化され
る。また、上述の様なレーザー照射条件では結晶性珪素
膜が溶融することはないので、Cs形成部111bへの
ボロンの拡散も問題とはならない。こうして形成される
Cs形成部111bが後にCsの下部電極として機能す
る。(図2(A))
絶縁膜でなるゲイト絶縁膜112を形成する。次に、図
示しないアルミニウムを主成分とする金属膜を成膜し、
パターニングによって後のゲイト電極及び補助容量の上
部電極(Cs上部電極と呼ぶ)の原型113、114を
形成する。(図2(B))
したアルミニウム膜を用いる。他にもN型導電性を持た
せた珪素膜、タンタル膜、チタン膜なども良い。
公報記載の技術を利用する。同公報には、陽極酸化によ
り形成した酸化膜を利用して自己整合的にソース/ドレ
イン領域と低濃度不純物領域とを形成する技術が開示さ
れている。以下にその技術について簡単に説明する。
用したレジストマスク(図示せず)を残したまま3%シ
ュウ酸水溶液中で陽極酸化処理を行い、多孔性の陽極酸
化膜115を形成する。この膜厚が後に低濃度不純物領
域の長さになるのでそれに合わせて膜厚を制御する。
た後、エチレングリコール溶液に3%の酒石酸を混合し
た電解溶液中で陽極酸化処理を行う。この処理では緻密
な無孔性の陽極酸化膜117が形成される。膜厚は70〜
120 nmで良い。
アルミニウム膜がゲイト電極119、Cs上部電極12
0となる。こうして図2(C)の状態を得る。
マスクとしてゲイト絶縁膜112をドライエッチング法
によりエッチングする。そして、多孔性の陽極酸化膜1
15、116を除去する。こうして端部のみが露出した
状態のゲイト絶縁膜が形成され、図2(D)の構造が得
られる。
物元素の添加工程を行う。本実施例ではNチャネル型T
FTを作製するため、不純物元素として15族から選ば
れた元素(ここではリン)を添加する。
高加速電圧で行い、n- 領域を形成する。この時、加速
電圧が80keV 程度と高いので不純物元素は露出した活性
層表面だけでなく露出したゲイト絶縁膜の端部の下にも
添加される。また、露出したゲイト絶縁膜の直下に 1×
1017〜 5×1018atoms/cm3 程度の濃度でリンが添加され
る様に調節する。
で行い、n+ 領域を形成する。この時は加速電圧を10ke
V 程度と低くしてゲイト絶縁膜をマスクとして利用す
る。また、露出した活性層に含まれるリン濃度が 1×10
19〜 5×1020atoms/cm3 程度となる様に調節する。
+ 領域がソース領域121、ドレイン領域(本明細書中
では後に画素電極と接続する方を便宜上ドレイン領域と
呼ぶ)122となり、n- 領域が一対の低濃度不純物領
域(LDD領域とも呼ばれる)123となる。また、ゲ
イト電極直下の領域は不純物元素が添加されず、真性ま
たは実質的に真性なチャネル形成領域124となる。
(図2(D))
リンが添加されず、真性または実質的に真性な領域(C
sの下部電極を形成する領域)125が形成される。な
お、Cs形成部にも一対のLDD126が形成される。
ドレイン領域122に接する方はキャリアの充放電の経
路となる。従って、TFT側のLDD領域123と同様
に、Csの性能劣化を防ぐために機能する。
たら、ファーネスアニール、レーザーアニール、ランプ
アニール等の組み合わせによって不純物元素の活性化を
行う。それと同時に添加工程で受けた活性層の損傷も修
復される。
厚さに形成する。第1の層間絶縁膜126としては酸化
珪素膜、窒化珪素膜、酸化窒化珪素膜、有機性樹脂膜
(ポリイミド、ポリアミド、ポリイミドアミド、アクリ
ル)、或いはそれらの積層膜を用いることができる。
ース電極128、ドレイン電極129を形成する。そし
て、その上に第2の層間絶縁膜130を形成する。第2
の層間絶縁膜130は平坦化膜としての機能を持たせる
ため、ポリイミドやアクリル等の有機性樹脂膜を用いる
ことが好ましい。
0上に画素電極131を形成する。この場合、反射型L
CDを作製するならば画素電極131として透明導電膜
(代表的にはITO)を用いる。また、透過型LCDを
作製するならば高い反射率を有する金属膜(代表的には
アルミニウムを主成分とする膜)を用いる。
1〜2時間加熱し、素子全体の水素化を行うことで膜中
(特に活性層中)のダングリングボンド(不対結合手)
を終端する。以上の工程によって、図2(E)に示す様
な構造のTFTを作製することができる。
ャネル型TFTは、しきい値電圧が2V位の良好な電気
特性を示す一方、Cs下部電極111bの主表面では2
Vよりも低い電圧でチャネルが形成される。
ャネルを形成しうるしきい値電圧を−1V(接続するド
レイン領域の電位に対してCs上部電極の電位が1V低
い状態)とした場合、ドレイン領域122の電圧変動が
−5〜5VであればCs上部電極には最低でも4V(好
ましくは5V)程度の電位が必要である。この電位に保
持しておけば常にチャネルが形成され、Cs下部電極と
して機能させることができる。
〜5Vと低くなっているので、AMLCDの駆動回路も
同じ電源電圧で動作させた方が、電圧変換の煩わしさが
なくて良い。本実施例の場合、Cs上部電極の電位を5
Vに保持すれば良いので、他の回路の電源と共有すれば
わざわざCs用の電源ラインを設ける必要がない。この
事は回路設計の自由度を高める上で非常に有効である。
2とCs上部電極120との間にかかる最大電圧は10
V以下であるのでゲイト絶縁膜にかかる負担も小さいも
ので済む。その結果、ゲイト絶縁膜の劣化に伴うCs特
性の劣化が抑制される。
FTを例にとって説明したが、本願発明の構成はPチャ
ネル型TFTに対しても適用することが可能である。た
だし、Pチャネル型TFTではしきい値電圧がプラス側
にシフトする様な場合に本願発明を適用することができ
る。
ス側にシフトする場合には、しきい値電圧制御用の不純
物として15族から選ばれた元素を用いれば良い。代表
的にはリン、砒素またはアンチモンを用いることができ
る。
うるしきい値電圧が1V(接続するドレイン領域の電位
に対してCs上部電極の電位が1V高い状態)である場
合、ドレイン領域の電圧変動が−5〜5VであればCs
上部電極に必要な電位は−4V(好ましくは−5V)程
度で十分である。
共有すれば余計な電源ラインを設ける必要がなくなる。
また、Csを形成するゲイト絶縁膜にも必要以上に高い
電圧が印加されないのでCs特性の劣化も抑制すること
ができる。
作製工程については、基本的には実施例1で説明したN
チャネル型TFTにおいて、図1(E)の工程ではリン
を添加し、図2(D)の工程ではボロンを添加すれば良
い。
画素マトリクス回路をPチャネル型TFTで構成するこ
とが可能である。
異なる手段で作製されるTFTに対して本願発明を適用
する場合の例を示す。なお、本願発明をNチャネル型T
FT適用した場合を例にとって説明を行う。
珪素膜402を形成する。次に、特開平7-130652号公報
の実施例2に記載の技術に従って酸化珪素膜でなるマス
ク絶縁膜403を設け、重量換算で100ppmのニッケルを
含んだニッケル含有層404を形成する。(図5
(A))
実施例では500 ℃2時間の水素出し工程の後、570 ℃14
時間の加熱処理を行う。この加熱処理により、まずニッ
ケルが添加された領域405から結晶核が発生し、その
まま基板と概略平行に成長した結晶領域406が形成さ
れる。本発明者らはこの結晶領域406を横成長領域と
呼んでいる。(図5(B))
晶が複数集合して構成され、互いの結晶粒が互いに概略
平行に、巨視的に特定の方向性をもって並んでいる。そ
のため、非常に結晶性が良いという特徴を持つ。
媒元素(ニッケル)を除去するための加熱処理(触媒元
素のゲッタリングプロセス)を行う。この加熱処理は処
理雰囲気中にハロゲン元素を含ませ、ハロゲン元素によ
る金属元素のゲッタリング効果を利用するものである。
(図5(C))
果を十分に得るためには、上記加熱処理を700 ℃を超え
る温度で行なうことが好ましい。この温度以下では処理
雰囲気中のハロゲン化合物の分解が困難となり、ゲッタ
リング効果が得られなくなる恐れがある。そのため加熱
処理温度を好ましくは800 〜1100℃(代表的には900〜1
000℃)とし、処理時間は 0.1〜 4hr、代表的には 0.3
〜 2hrとする。
して塩化水素(HCl)を0.5 〜10体積%(本実施例で
は3体積%)の濃度で含有させた雰囲気中において、95
0 ℃、30分の加熱処理を行えば良い。HCl濃度を上記
濃度以上とすると、処理後の横成長領域407の表面に
膜厚程度の凹凸が生じてしまうため好ましくない。
Clガス以外にもHF、NF3 、HBr、Cl2 、Cl
F3 、BCl3 、F2 、Br2 等のハロゲン元素を含む
化合物から選ばれた一種または複数種のものを用いるこ
とが出来る。
ニッケルが塩素の作用によりゲッタリングされ、揮発性
の塩化ニッケルとなって大気中へ離脱して除去される。
そして、この工程後に得られる横成長領域407中のニ
ッケルの濃度は 5×1017atoms/cm3 以下(代表的には 2
×1017atoms/cm3 以下)にまで低減される。なお、本発
明者らの経験によれば、ニッケル濃度が 5×1017atoms/
cm3 以下であればTFT特性に悪影響はでない。
が形成されるため、結晶性珪素膜の膜厚は減少する。上
記処理条件(950 ℃30分)では約15nmだけ膜厚が減少す
るが、この工程は結晶性珪素膜の薄膜化も兼ねている。
が終了したら、レジストマスク409を形成して、しき
い値電圧を制御するための不純物元素をイオン注入法に
より添加する。本実施例ではボロンを添加する。
れた領域(後のソース領域、チャネル形成領域、ドレイ
ン領域を形成する部分)410が形成され、Cs形成部
にはボロンが添加されなかった領域(後のCs下部電極
を形成する部分)411が形成される。(図5(D))
後、レーザー照射工程を行い、添加した不純物元素の活
性化を行う。この時、412a、412bで示される両
領域は結晶性も改善される。(図5(E))
みからなる活性層413を形成し、その上に酸化窒化珪
素膜(SiOx Ny で示される)からなるゲイト絶縁膜
414を120 nmの厚さに形成する。この膜厚は後の熱酸
化工程による増加分も考慮して20〜250nm の範囲で調節
すれば良い。
の加熱処理を行う。条件は前述の条件に従えば良い。こ
の加熱処理により再び触媒元素がゲッタリングされ、活
性層413中に残存する触媒元素の濃度はさらに低減さ
れる。(図6(A))
ゲイト絶縁膜414の界面では熱酸化反応が進行し、熱
酸化膜の分だけゲイト絶縁膜414の膜厚は増加する。
この様にして熱酸化膜を形成すると、非常に界面準位の
少ない半導体/絶縁膜界面を得ることができる。また、
活性層端部における熱酸化膜の形成不良(エッジシニン
グ)を防ぐ効果もある。
処理を施した後に、窒素雰囲気中で950 ℃ 1時間程度の
加熱処理を行なうことで、ゲイト絶縁膜414の膜質の
向上を図ることも有効である。
N型導電性を持たせた結晶性珪素膜からなるゲイト電極
415及びCs上部電極416を形成する。そして、そ
の状態で15族から選ばれた元素(本実施例では砒素)
を添加し、不純物領域417、418を形成する。この
不純物領域の一部は後にLDD領域として残るので、L
DD領域に必要な濃度となる添加量を設定する。(図6
(B))
縁膜414をエッチングする。エッチングガスにはCH
F3 を用いれば良い。こうしてゲイト電極下のみにゲイ
ト絶縁膜419、420が形成される。さらに、酸化珪
素膜を堆積した後にエッチバック技術を用いてサイドウ
ォール421、422を形成する。(図6(C))
ンイオンの添加工程を行う。この添加工程ではソース/
ドレイン領域を形成する様に 1×1020atoms/cm3 程度の
濃度でリンを添加する。
ン領域424、LDD領域425、チャネル形成領域4
26、Cs下部電極427、補助容量のLDD領域42
8が形成される。(図6(D))
ニールとを併用して添加したリンの活性化を行う。
膜し、熱アニールを行うことでチタンシリサイド427
〜432を形成する。この工程には公知のサリサイド技
術を利用すれば良い。
の窒化珪素膜と900 nm厚の酸化珪素膜との積層膜で構成
し、その上にソース電極434、ドレイン電極435を
形成する。これら電極は1wt% のシリコンを含有させた
アルミニウム膜とチタン膜との積層膜で形成する。
厚のアクリルで形成する。そしてその上に透明導電膜
(本実施例ではITO)からなる画素電極437を形成
する。最後に、350 ℃2時間の水素化工程を行って図6
(E)に示す様な構造の画素TFTが完成する。
場合について説明しているが、実施例2にも示した様に
Pチャネル型TFTに適用することは容易である。
ムゲイト型TFT(代表的には逆スタガ型TFT)に適
用した場合の例について説明する。
基板、702はゲイト電極、703は補助容量の下部電
極である。これらの電極はタンタル膜、クロム膜、タン
グステン膜、モリブデン膜、導電性を有する珪素膜等で
構成される。
ース領域、706はドレイン領域、707はLDD領
域、708はチャネル形成領域である。本実施例ではチ
ャネル形成領域708にはしきい値電圧を制御するため
の不純物元素が添加されている(doped regionと記
す)。
710は補助容量の上部電極であり、上部電極710中
には意図的に不純物が添加されていない(undoped regi
onと記す)。
らなるチャネル保護膜である。また、ソース/ドレイン
電極等は図3(E)や図6(E)と同じ構成であるので
ここでの説明は省略する。
公知の手段で作製することが可能であるが、実施例1に
ならってしきい値電圧制御用の不純物元素をTFT形成
部とCs形成部とで打ち分ける必要がある。
い値電圧制御用の不純物元素とソース/ドレイン形成用
の不純物元素とを適切に選択することで、Nチャネル型
TFTにもPチャネル型TFTにも適用しうる。
なNチャネル型TFTを作製する場合において、ゲイト
電極として適切な材料を用いることで、本願発明の効果
をさらに顕著なものにすることができる。
事関数、φsは半導体膜(ここでは真性半導体膜を例に
とる)の仕事関数、Ev、Ef、Ecはそれぞれ半導体
膜の価電子帯、フェルミレベル、伝導帯を表している。
なお、金属膜には電圧を印加していない。
膜Aとの仕事関数差によりΔEだけ上がり、その結果バ
ンド曲がりが発生する。そのため、絶縁体(ゲイト絶縁
膜の相当する)との界面には電子が誘起され、場合によ
っては反転層(チャネル)が形成される。これがいわゆ
るノーマリオンとなった状態である。
属膜B(仕事関数はφm’で表す)を考える。この場
合、図10(A)の場合と同様にバンド曲がりを発生す
るが、フェルミレベルのシフト量に相当するΔE’はΔ
Eよりも大きくなる。従って、バンド曲がりも図10
(A)の場合より大きくなり、図10(A)よりも多く
の電子が半導体界面に誘起される。
仕事関数が小さくなると半導体界面には電子が誘起され
やすくなり、Nチャネル型TFTの特性はノーマリオン
になりやすくなる傾向にあることが判る。逆に金属膜の
仕事関数が大きくなれば半導体界面には正孔が誘起され
やすくなり、結果的にPチャネル型TFTの特性がノー
マリオンになることは容易に理解できる。
のゲイト電極には仕事関数の小さい金属膜を用い、Pチ
ャネル型TFTのゲイト電極には仕事関数の大きい金属
膜を用いることが有効である。
意図的に不純物を添加しない限り真性または実質的に真
性である。そして、その時ゲイト電極としてアルミニウ
ムを主成分とする金属膜を用いればノーマリオンのNチ
ャネル型TFTを作製できることが実験的に確かめられ
ている。
仕事関数(φAl= 4.1eV)よりも小さい仕事関数を持
つ金属膜であればノーマリオン特性のNチャネル型TF
Tを作製しうるのでゲイト電極材料として好適である。
の固定電荷等の影響をも受けるので、仕事関数の許容範
囲も広がり、φm= 4.5eV以下であれば十分にノーマ
リオンのNチャネル型TFTを作製することができると
考えられる。また、φm= 4.5eV以上(好ましくは
5.0eV以上)であればノーマリオンのPチャネル型T
FTが作製できると考えられる。
外に、チタン膜、モリブデン膜、タングステン膜、タン
タル膜、N型導電性を持たせた珪素膜、クロム膜などが
本願発明のNチャネル型TFTのゲイト電極として好適
である。
イト電極としては、P型導電性を持たせた珪素膜が好適
であると考えられる。勿論、この構成は実施例2に示し
た構成に対して有効である。
示した構成の画素TFTを画素マトリクス回路として有
するAMLCDの外観を図8に示す。図8(A)におい
て、801はアクティブマトリクス基板であり、その上
には本願発明のTFTによって画素マトリクス回路80
2が構成され、ソース側駆動回路803、ゲイト側駆動
回路804が構成されている。また、805は対向基板
である。
クス基板801と対向基板805とが端面を揃えて貼り
合わされている。ただし、ある一部だけは対向基板80
5を取り除き、露出したアクティブマトリクス基板に対
してFPC(フレキシブル・プリント・サーキット)8
06を接続してある。このFPC806によって外部信
号を回路内部へと伝達する。
してICチップ807、808が取り付けられている。
これらのICチップはビデオ信号の処理回路、タイミン
グパルス発生回路、γ補正回路、メモリ回路、演算回路
など、様々な回路をシリコン基板上に形成して構成され
る。図8では2個取り付けられているが、1個でも良い
し、さらに複数個であっても良い。
図8(B)において図8(A)と同一の部分は同じ符号
を付してある。ここでは図8(A)でICチップが行っ
ていた信号処理を、同一基板上にTFTでもって形成さ
れたロジック回路809によって行う例を示している。
は、様々な電子機器のディスプレイとして利用される。
なお、本実施例に挙げる電子機器とは、AMLCDを表
示ディスプレイとして搭載した製品を指す。
ラ、スチルカメラ、プロジェクター、プロジェクション
TV、ヘッドマウントディスプレイ、カーナビゲーショ
ン、パーソナルコンピュータ(ノート型を含む)、携帯
情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話等)などが
挙げられる。それらの一例を図9に示す。
1、音声出力部2002、音声入力部2003、表示装
置2004、操作スイッチ2005、アンテナ2006
で構成される。本願発明は表示装置2004等に適用す
ることができる。
101、表示装置2102、音声入力部2103、操作
スイッチ2104、バッテリー2105、受像部210
6で構成される。本願発明は表示装置2102に適用す
ることができる。
ビルコンピュータ)であり、本体2201、カメラ部2
202、受像部2203、操作スイッチ2204、表示
装置2205で構成される。本願発明は表示装置220
5等に適用できる。
であり、本体2301、表示装置2302、バンド部2
303で構成される。本発明は表示装置2302に適用
することができる。
り、本体2401、光源2402、表示装置2403、
偏光ビームスプリッタ2404、リフレクター240
5、2406、スクリーン2407で構成される。本発
明は表示装置2403に適用することができる。
あり、本体2501、光源2502、表示装置250
3、光学系2504、スクリーン2505で構成され
る。本発明は表示装置2503に適用することができ
る。
広く、あらゆる分野の電子機器に適用することが可能で
ある。また、他にも電光掲示盤、宣伝公告用ディスプレ
イなどにも活用することができる。
上部電極に印加する電圧が下げられるので補助容量にか
かる電圧が低減され、絶縁破壊による補助容量の劣化を
防ぐことができる。
圧電源を用意する必要がなく、他の回路と電源ラインを
共有することが容易であるため、回路設計の自由度が広
がり、小型で高性能なAMLCDを実現することができ
る。
Claims (14)
- 【請求項1】画素マトリクス回路を構成する複数の画素
のそれぞれに、少なくとも一つのTFTと、一対の電極
間に誘電体を挟持してなる補助容量と、を有する半導体
装置であって、 前記TFTのソース領域、チャネル形成領域及びドレイ
ン領域と、前記補助容量を構成する一方の電極とは、共
通の半導体膜から構成され、 前記TFTのゲイト電極と前記補助容量を構成する他方
の電極とは、共通の導電性膜から構成され、 前記ソース領域、チャネル形成領域及びドレイン領域の
みにしきい値電圧を制御するための不純物元素が添加さ
れていることを特徴とする半導体装置。 - 【請求項2】請求項1において、前記半導体膜とは珪素
を主成分とする半導体からなることを特徴とする半導体
装置。 - 【請求項3】請求項1において、前記導電性膜の仕事関
数(φm)は 4.5eV以下であることを特徴とする半導
体装置。 - 【請求項4】請求項1において、前記導電性膜とはアル
ミニウムを主成分とする材料またはN型導電性を有する
珪素膜であることを特徴とする半導体装置。 - 【請求項5】請求項1において、前記しきい値電圧を制
御するための不純物元素とは13族から選ばれた元素で
あることを特徴とする半導体装置。 - 【請求項6】請求項5において、前記13族から選ばれ
た元素とはボロン、インジウムまたはガリウムであるこ
とを特徴とする半導体装置。 - 【請求項7】請求項1において、前記しきい値電圧を制
御するための不純物元素とは15族から選ばれた元素で
あることを特徴とする半導体装置。 - 【請求項8】請求項7において、前記15族から選ばれ
た元素とはリン、砒素またはアンチモンであることを特
徴とする半導体装置。 - 【請求項9】絶縁表面を有する基板上に結晶性半導体膜
を形成する工程と、 前記結晶性半導体膜において、後に補助容量を形成する
領域上に選択的にマスクを形成する工程と、 前記結晶性半導体膜に対してしきい値電圧を制御するた
めの不純物元素を添加する工程と、 を有し、 前記不純物元素の添加工程において当該不純物元素が添
加された領域をソース領域、チャネル形成領域及びドレ
イン領域として利用し、当該不純物元素が添加されなか
った領域を補助容量を形成するための電極として利用す
ることを特徴とする半導体装置の作製方法。 - 【請求項10】請求項9において、前記不純物元素の添
加工程はイオン注入法またはイオンドーピング法により
行われることを特徴とする半導体装置の作製方法。 - 【請求項11】請求項9において、前記しきい値電圧を
制御するための不純物元素とは13族から選ばれた元素
であることを特徴とする半導体装置の作製方法。 - 【請求項12】請求項11において、前記13族から選
ばれた元素とはボロン、インジウムまたはガリウムであ
ることを特徴とする半導体装置の作製方法。 - 【請求項13】請求項9において、前記しきい値電圧を
制御するための不純物元素とは15族から選ばれた元素
であることを特徴とする半導体装置の作製方法。 - 【請求項14】請求項13において、前記15族から選
ばれた元素とはリン、砒素またはアンチモンであること
を特徴とする半導体装置の作製方法。
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