JP3980117B2 - 半導体装置の作製方法 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は半導体薄膜を利用した半導体装置の作製方法に関する技術であり、特に珪素を含む結晶性膜を利用した薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:TFT)の作製方法に関する。
【0002】
なお、本明細書において、半導体装置とは半導体を利用して機能する装置全般を指すものであり、TFTやIGFETの如き半導体素子のみならず、電気光学装置(液晶表示装置等)やそれを搭載した応用製品(電子デバイス等)も半導体装置の範疇に含まれるものとする。本明細書中では区別を明確にするため、適宜半導体素子、表示装置等と記載する。
【0003】
【従来の技術】
近年、基板上に形成した薄膜トランジスタ(TFT)で半導体回路を形成する技術の進歩が著しい。特に、薄膜半導体として結晶性珪素膜(ポリシリコン膜等)を用い、同一基板上に周辺回路と画素マトリクス回路とを搭載したアクティブマトリクス型表示装置が実用化レベルに達している。
【0004】
中でもアクティブマトリクス型液晶表示装置(以下、AM−LCDと呼ぶ)はノートパソコン、プロジェクター、携帯機器等のディスプレイ用として活発に開発が進められている。AM−LCDはその動作モードによって透過型LCDと反射型LCDとに大別される。
【0005】
また現在、高精細かつ明るい液晶表示装置の開発が急がれ、XGA(1024×768 画素)やSXGA(1280×1024画素)の様に各画素が30μm角以下の極めて微細なものとなる構造が開発されている。
【0006】
本発明者らは上述の様な半導体装置に適した結晶性珪素膜を得る手段として特開平8-78329 号公報記載の技術を開示している。同公報によれば、まず非晶質珪素膜に対してマスク絶縁膜を形成する。そして、それをマスクとして選択的に結晶化を助長する触媒元素を導入し、横方向、即ち基板と概略平行、且つ、互いに概略平行な方向に成長した針状または柱状結晶を得ている。
【0007】
この様な結晶領域(以下、横成長領域と呼ぶ)は比較的結晶性が揃っているため、半導体装置の特性バラツキを抑えることができる。また、巨視的に見た結晶粒界を所望の位置に制御できるという利点を有している。
【0008】
同公報記載の技術ではスピンコート法を用いて触媒元素を含む溶液を塗布するため、マスク絶縁膜に設ける開口部(触媒元素が添加される窓)の短辺(以下、最小スリット幅と呼ぶ)を少なくとも10μm以上、好ましくは20μm以上としなくてはならない。これはスリット幅がこれ以下となると表面張力により溶液の入り込み不良が発生するからである。
【0009】
従って、横成長領域でなる結晶性珪素膜を得るためには、その近傍には必ず数百μm2 以上に及ぶ触媒元素の添加領域を形成する必要がある。そして、この添加領域は高濃度に触媒元素を含有するため後に除去しなくてはならない。即ち、数百μm2 もの面積が完全に利用不可能な領域となる。
【0010】
そのため、回路設計の段階で触媒元素を添加する領域の占める割合は無視できないものがあり、回路全体のサイズを必要以上に大きくしてしまう原因となる。この事は、上述の様なXGA、SXGAといった回路構成ではより顕著な問題となってしまう。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本願発明は上記問題点を鑑みてなされたものであり、微細化に対応しうる半導体装置の作製方法を提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本明細書で開示する発明の構成は、
珪素を含む非晶質膜上に開口部を有する絶縁層を形成する工程と、
前記絶縁層をマスクとして前記非晶質膜に対して珪素の結晶化を助長する触媒元素をイオン注入法により添加する工程と、
加熱処理により前記非晶質膜の少なくとも一部を結晶化させ、横成長領域を形成する工程と、
を少なくとも含み、
前記触媒元素の導入量によって前記横成長領域の成長距離が制御されることを特徴とする。
【0013】
上記構成では、同一基板上の少なくとも1ヶ所は他の添加領域とは異なる導入量で触媒元素を添加し、その導入量によって横成長領域の成長距離を制御する構成とすることもできる。
【0014】
また、他の発明の構成は、
珪素を含む非晶質膜上に開口部を有する絶縁層を形成する工程と、
前記絶縁層をマスクとして前記非晶質膜に対して珪素の結晶化を助長する触媒元素をイオン注入法により添加する工程と、
加熱処理により前記非晶質膜の少なくとも一部を結晶化させ、横成長領域を形成する工程と、
15族から選ばれた元素を選択的に添加する工程と、
加熱処理により前記15族から選ばれた元素を添加した領域に、該領域に隣接する領域から前記触媒元素をゲッタリングさせる工程と、
を有することを特徴とする。
【0015】
また、他の発明の構成は、
珪素を含む非晶質膜上に開口部を有する絶縁層を形成する工程と、
前記絶縁層をマスクとして前記非晶質膜に対して珪素の結晶化を助長する触媒元素をイオン注入法により添加する工程と、
加熱処理により前記非晶質膜の少なくとも一部を結晶化させ、横成長領域を形成する工程と、
15族から選ばれた元素を選択的に添加する工程と、
加熱処理により前記15族から選ばれた元素を添加した領域に、該領域に隣接する領域から前記触媒元素をゲッタリングさせる工程と、
を有し、
前記触媒元素の導入量によって前記横成長領域の成長距離が制御されることを特徴とする。
【0016】
本発明の主旨は、特開平8-78329 号公報に記載された技術を実施するあたって触媒元素の添加方法としてイオンプランテーション法(以下、イオン注入法と呼ぶ)を用いることにある。
【0017】
イオン注入法ではマスクとなる絶縁層の短辺が10μm以下となっても液相法に見られた様な表面張力による入り込み不良は発生しない。従って、マスクとなる絶縁層に形成する開口部の短辺(最小スリット幅)は0.01〜5 μm(好ましくは0.25〜2 μm)程度であれば良い。
【0018】
なお、イオン注入法の代わりに質量分離をしないプラズマドーピング法、気相蒸着法などを用いることも可能である。
【0019】
また、同一基板上において開口部の位置や必要とする横成長領域の成長距離に応じて添加する触媒元素の導入量を制御し、その導入量に応じて横成長領域の成長距離を制御することも可能である。
【0020】
なお、触媒元素の導入量とは添加された触媒元素の絶対量を指しており、厳密な意味では濃度と異なる概念である。そこで、本実施例における導入量の定義を図7を用いて説明する。
【0021】
イオン注入により触媒元素を添加する場合、導入量を定量的に表すにはドーズ量(atoms/cm2 )或いは濃度(atoms/cm3 )が理解しやすい。しかし、これらは単位面積或いは単位体積中の触媒元素の導入量(絶対量)を示すものであり、添加領域の面積や体積によって導入量が変化する。即ち、例えば同じ濃度で添加しても添加領域の面積が異なれば全体としての導入量が異なってくる。
【0022】
図7に示す図は、典型的な触媒元素の添加領域(701で示される)と活性層(702、703で示される)との配置関係を表している。この時、704が最小スリット幅(d)であり、705は横成長領域、706は横成長領域の成長距離(D)である。
【0023】
本発明者らの知見では、触媒元素を同じ濃度で添加した場合、添加領域701の最小スリット幅(d)が長く(広く)なると、それに応じて横成長領域の成長距離(D)も長くなる。即ち、最小スリット幅(d)と成長距離(D)との間には何らかの相関関係があることが判る。
【0024】
なお、最小スリット幅(d)が長くなると添加領域701に添加される触媒元素の導入量も必然的に増加する。従って、触媒元素の導入量と成長距離(D)との間に相関関係があることは間違いない。
【0025】
また、実際には添加領域701の長手方向の長さも導入量には関係するはずであるが、これまでの実験から長手方向の長さが変化しても成長距離(D)にはあまり大きく影響しないことが判明している。従って、最小スリット幅(d)が触媒元素の導入量を決定する上で最も重要なパラメータの一つであると言える。
【0026】
以上のことから、本明細書中における「導入量」とは、濃度(atoms/cm3 )に最小スリット幅(dcm)、長手方向における単位長さ(1cm)および半導体膜の膜厚(cm)を掛けたものと定義する。
【0027】
本発明では、特に触媒元素の添加濃度を変えて成長距離を制御する手段と開口部の最小スリット幅を変えて成長距離を制御する手段を説明する。しかし、上記定義からも判る様に、半導体膜(例えば非晶質珪素膜)の膜厚を変えることで成長距離を制御することも可能である。
【0028】
【発明の実施の形態】
図1において、101は基板(ガラス基板または石英基板を含む)、102は下地膜、103は珪素を含む非晶質膜、104はマスクとなる絶縁層である。絶縁層104には開口部105が形成されている。
【0029】
この時、図1において開口部105は紙面と垂直な方向に長手方向を有するスリット状に形成されており、その短辺が最小スリット幅である。この最小スリット幅は0.01〜5 μm(好ましくは0.25〜2 μm)程度とすれば良い。
【0030】
また、この様なサブミクロンパターンを形成するにはエキシマレーザー、電子ビーム、収束イオンビーム等を用いた露光法を活用することが好ましい。これらの露光法は極めて微細なパターン形成が可能であり、触媒元素の添加領域106の形状の設計自由度も大幅に広がる。
【0031】
そして、図1の左の図に示す様に、非晶質膜103中にイオンプロファイル107のピーク値がくる様にして触媒元素を添加する。こうすることで非晶質膜103中に添加される触媒元素の導入量を精密に制御することができる。
【0032】
なお、イオンの添加方法は、質量分離を行うイオン注入法以外に質量分離を行わないプラズマドーピング法(イオンドーピング等)によることもできるが、触媒元素のみを添加できる点でイオン注入法の方が有利である。
【0033】
上述の手段によれば、図2に示す様に、同一基板上において異なる成長距離の横成長領域を形成することが可能となる。図2において、201は基板、202は第1のTFT群を構成する領域、203は第2のTFT群を構成する領域であり、第1のTFT群と第2のTFT群とではチャネル形成領域の長さが異なるので必要とする横成長領域の成長距離が異なる。
【0034】
この時、第1のTFT群で必要とされる横成長領域204の成長距離がX1 であれば、触媒元素の添加領域205にはその成長距離X1 を実現する様な導入量(n1 )で触媒元素を添加する。一方、第2のTFT群で必要とされる横成長領域206の成長距離がX2 であれば、触媒元素の添加領域207にはその成長距離X2 を実現する様な導入量(n2 )で触媒元素を添加する。
【0035】
この時、成長距離と導入量の関係は実験的に予め求めておけば良い。本発明者らの知見ではX1 >X2 の場合、触媒元素の導入量はn1 >n2 とする必要がある。即ち、必要とする横成長領域の成長距離が長いほど添加する触媒元素の導入量を高くしなくてはならないことが判っている。
【0036】
なお、図2で説明した例は、同一基板上に形成された膜厚一定の非晶質半導体膜に対して最小スリット幅が同一である開口部から触媒元素を添加した場合の例である。この場合は触媒元素の添加濃度を異ならせることで成長距離を制御することができる。
【0037】
また、触媒元素の添加濃度を同一にする場合、最小スリット幅を異なる長さとすることで導入量を制御することもできる。即ち、同一の濃度で触媒元素を添加するならば、開口部の最小スリット幅が長ければ全体で添加される触媒元素の導入量が多くなるので横成長領域の成長距離は増加する。
【0038】
【実施例】
〔実施例1〕
本発明を利用して反射型液晶表示装置のアクティブマトリクス基板(半導体素子を作製する側の基板)を作製する例について図3を用いて説明する。
【0039】
まず、絶縁表面を有する基板として酸化珪素膜等の下地膜を堆積したガラス基板300を用意する。ガラス基板300の代わりに石英基板、シリコン基板、セラミックス基板等を用いても良い。
【0040】
次に、非晶質珪素膜301をプラズマCVD法または減圧CVD法を用いて10〜75nm(好ましくは15〜45nm)の厚さに形成する。なお、非晶質珪素膜以外にも珪素を含む非晶質半導体膜、例えばSiX Ge1-X (0<X<1)を用いることもできる。
【0041】
次に、非晶質珪素膜301を特開平8-78329 号公報記載の技術を適用して結晶化する。同公報の特徴は、非晶質珪素膜に対して触媒元素を選択的に添加し、基板と概略平行に結晶成長した領域(横成長領域と呼ぶ)を得ることにある。
【0042】
なお、同公報ではニッケルの添加方法として溶液塗布を行っているが、本発明の特徴はイオンプランテーション法によりニッケルを添加することにある。
【0043】
まず、非晶質珪素膜301上に酸化珪素膜でなるマスク絶縁膜302を50〜150 nmの厚さに形成する。そして、マスク絶縁膜302をパターニングして周辺回路となる領域に開口部303を設ける。なお、図面上では開口部を一つしか記載しないが実際には複数個の開口部を形成する。
【0044】
次に、イオンプランテーション法(イオン注入法とも呼ばれる)によりニッケルを添加する。この際、ドーズ量は 1×1012〜 1×1015atoms/cm2 (好ましくは 2×1013〜2 ×1014atoms/cm2 )となる様に調節する。(図3(A))
【0045】
なお、本実施例の様にイオン注入法でニッケルを添加する場合、マスク絶縁膜に設ける開口部の幅は0.25〜2 μm程度で良い。即ち、微細なパターンに形成された開口部に対しても十分な量のニッケルを添加することが可能である。
【0046】
なお、本実施例では開口部の最小スリット幅を1.5 μmに固定する。従って、後のイオン注入工程ではドーズ量に比例してニッケルの導入量を変化させることができる。
【0047】
このイオン注入工程によりニッケル添加領域304が形成される。この図3(A)におけるイオン注入工程で導入されたニッケル量をaとする。
【0048】
次に、マスク絶縁膜302を除去した後、マスク絶縁膜305を設け、画素マトリクス回路となる領域に開口部306を形成する。そしてこの状態でニッケルをイオン注入法により添加し、ニッケル添加領域307を形成する。この図3(B)におけるイオン注入工程で導入されたニッケル量をbとする。
【0049】
図3(B)に示す状態が得られたら、窒素、酸素、または水素雰囲気中で500 〜700 ℃(代表的には550 〜650 ℃)の温度で 4〜24時間(代表的には 8〜15時間)の加熱処理を行い、非晶質珪素膜301の結晶化を行う。この加熱処理により横成長領域308、309が得られる。(図3(C))
【0050】
この時、横成長領域308の成長距離をAとする。即ち、図3(A)のイオン注入工程では成長距離Aを実現する様な導入量aでニッケルを添加する。また、横成長領域309は図3(B)のイオン注入工程で成長距離Bを実現する様な導入量bでニッケルを添加する。
【0051】
なお、横成長領域308、309は基板と概略平行に成長した針状または柱状結晶が集合した結晶構造となっている。また、各針状結晶は互いに概略平行に、巨視的には同一の方向に向かって成長している(特定方向への規則性を持って並んでいる)という特徴がある。また、 5×1018〜 1×1019atoms/cm3 程度のニッケルを含むことがSIMS(質量二次イオン分析)により確認されている。
【0052】
なお、ニッケルを添加した領域310、311は高濃度にニッケルを含有した結晶化領域となる。また、これらの結晶化領域308〜311以外の領域は結晶化に至らなかった未結晶領域(非晶質領域)として残存する。
【0053】
次に、マスク絶縁膜305を除去してレジストマスク312を形成する。そして、パターニングにより開口部313〜315を形成する。この時、開口部313、314は素子形成部(本実施例ではTFTの活性層となる領域)と隣接する領域上に設ける。これは、後の工程で開口部313、314の下にリン元素含有層(ニッケルのゲッタリング領域)を形成するためである。
【0054】
また、開口部315は後に補助容量の下部電極となる領域上に形成する。本実施例では補助容量の下部電極としてリンを添加して導電性を持たせた活性層の一部を利用する。
【0055】
なお、レジストマスクを新たに形成せず、マスク絶縁膜305をパターニングして必要な開口部を形成する構成とすることもできる。その場合、ニッケル添加に利用した開口部306をそのまま次のPイオン注入工程に利用することも可能である。
【0056】
次に、その状態でイオンプランテーション法またはプラズマドーピング法によりP(リン)イオンを添加する。本実施例のドーピング工程は加速電圧を 5〜25kVとし、ドーズ量を 1×1013〜 8×1015atoms/cm2 (好ましくは 5×1013〜 1×1015atoms/cm2 )とすれば良い。
【0057】
この様な設定とすることで、Pイオンの添加領域(以下、リン添加領域と呼ぶ)316〜318には 5×1019〜 2×1021atoms/cm3 の濃度でPイオンが添加される。また、この工程によりリン添加領域316〜318は一旦非晶質化する。(図4(A))
【0058】
本実施例の構成では、リン添加領域316、317に添加されたPイオンは触媒元素のゲッタリングを目的として添加される。また、リン添加領域318に添加されたPイオンは、珪素膜にN型導電性を持たせて補助容量の下部電極とすることを目的として添加される。
【0059】
この様に、本実施例によればリン元素によってニッケルをゲッタリングするための領域を形成すると同時に、補助容量の下部電極となるN型導電層を形成することができる点で製造プロセスが簡略化されている。勿論、リン添加領域318にも触媒元素のゲッタリング効果がある。
【0060】
Pイオンの添加工程が終了したら、レジストマスク312を除去し、窒素雰囲気中で 400〜700 ℃(代表的には600 ℃)、 2〜24時間(代表的には 8〜15時間)の加熱処理を行い、横成長領域308、309に残留していたニッケルをリン添加領域319〜321の方へと移動させる。この時、リン添加領域319〜321は再結晶化する。(図4(B))
【0061】
こうして横成長領域308、309に残留していたニッケルはリン添加領域319〜321にゲッタリングされ、ニッケル濃度が低減された横成長領域322、323が得られる。なお、リン元素によるゲッタリング工程については本発明者らが平成9年3月27日に出願した特願平9-94607 号に開示してある。
【0062】
なお、本発明者らがSIMS(質量二次イオン分析)で確認した結果、図4(B)に示す工程の後に横成長領域322、323に含まれるニッケル濃度は、少なくとも 5×1017atoms/cm3 以下(これ以下は検出下限となって測定不能)にまで低減されていることが判明した。
【0063】
そして、この時、リン添加領域319〜321はニッケルがゲッタリングされて集まるため高濃度にニッケルを含有する領域となる。SIMSによる分析では 1×1018〜 1×1020atoms/cm3 の濃度でニッケルの存在が確認されている。
【0064】
ただし、後に補助容量の下部電極として機能するリン添加領域321はニッケルが存在していても電極として機能すれば問題はない。また、リン添加領域319、320は少なくともチャネル形成領域には使用しない(ソース/ドレイン領域としては使用できる)。従って、リン添加領域319、320は基本的には活性層を形成する時点で除去されるのでニッケルの有無は問題ではない。
【0065】
こうして図4(B)の状態が得られたら、珪素膜をパターニングして活性層324〜326を形成する。なお、活性層324、325はそれぞれ主に周辺回路を構成するCMOS回路のN型TFT、P型TFTとなる。また、活性層326は画素マトリクス回路を構成する画素TFT(本実施例ではN型TFTとする)となる。
【0066】
また、このパターニングの際、ニッケルの添加領域となった箇所や横成長領域の端部は除去しておくことが望ましい。なぜならば、この領域は狭い領域に非常に高密度にニッケルを含むため、後のエッチング工程等で優先的にエッチングされ、薬液等を汚染する可能性がある。
【0067】
なお、このパターニングの際、ニッケル添加領域や横成長領域の端部は優先的にエッチングされるため、下地(下地膜や石英基板表面)に段差を生じる。特にニッケル添加領域の段差は大きくなりやすいので注意が必要である。
【0068】
次に、珪素膜表面に形成された酸化物(図示せず)を除去する。この様な表面酸化物は珪素膜中の汚染物等を取り込んでいるため、除去することで清浄な珪素膜表面を得ることができる。
【0069】
そして、ただちにゲイト絶縁膜となる酸化珪素膜327をプラズマCVD法を用いて10〜150 nmの厚さに形成する。勿論、減圧熱CVD法、スパッタ法等を用いることもできる。ECRプラズマCVD法や高密度プラズマCVD法でも効果的である。(図4(C))
【0070】
次に、アルミニウムまたはアルミニウムを主成分とする材料でなる電極パターン328〜331を形成する。電極パターン328〜330はそれぞれCMOS回路または画素TFTを構成するゲイト電極の原型である。また、電極パターン331は補助容量の上部電極の原型である。
【0071】
なお、本実施例では画素TFTとしてトリプルゲイト型TFTを採用するため、電極パターン330を三つに分けて記載するが実際には全て繋がった同一電極である。
【0072】
こうして図5(A)の状態が得られたら、次に2回の陽極酸化工程を行う。なお、以下に記載する陽極酸化工程からイオン注入(リン(P)またはボロン(B))に至るまでの工程は、本発明者らによる特開平7-135318号公報記載の技術によるものである。従って、詳細な条件等は同公報を参考にすると良い。
【0073】
電極パターン328〜331を形成した後、まず、3%シュウ酸水溶液中で陽極酸化を行い、多孔質状の陽極酸化膜332〜335を形成する。次に、3%酒石酸を混合したエチレングリコール溶液中で陽極酸化を行い、無孔質状の陽極酸化膜336〜339を形成する。また、これら2回の陽極酸化工程の後、ゲイト電極340〜342、補助容量の上部電極343が画定する。
【0074】
こうして図5(B)に示す状態が得られたら、ゲイト電極および多孔質状の陽極酸化膜をマスクとしてゲイト絶縁膜327のドライエッチングを行う。この工程より344〜347で示される様なゲイト絶縁膜が形成される。なお、ゲイト絶縁膜347は補助容量のキャパシタ絶縁膜として機能する。(図5(C))
【0075】
次に、図5(D)に示す様に多孔質状の陽極酸化膜332〜335を除去し、高加速Pイオン注入及び低加速Pイオン注入を行う。この工程によってN型TFTのソース領域348、ドレイン領域349、一対の低濃度不純物領域(LDD領域とも呼ばれる)350、チャネル形成領域351が形成される。
【0076】
また、本実施例では画素TFTをN型TFTで構成するため、画素TFTのソース領域352、ドレイン領域353、一対の低濃度不純物領域354〜356、チャネル形成領域357〜359が形成される。
【0077】
なお、この時P型TFTの活性層にもPイオンが添加されて前述のソース/ドレイン領域と同濃度のPイオンを含んだ領域360、361及び前述の低濃度不純物領域と同濃度のPイオンを含んだ領域362が形成される。また、363で示される領域にはPイオンは全く添加されず、予め添加したPイオン濃度が保たれるが、実質的に画素TFTとドレイン領域353と一体化してしまう。
【0078】
次に、P型TFTのみが露出する様にレジストマスク364を設け、高加速Bイオン注入及び低加速Bイオン注入を行う。この工程によって図5(D)におけるPイオンを含んだ領域360〜362は全てP型に反転してP型TFTのソース領域365、ドレイン領域366、一対の低濃度不純物領域367、チャネル形成領域368が形成される。(図6(A))
【0079】
以上の様なイオン注入工程を利用すると、1回のパターニング工程のみでN型TFTとP型TFTのソース/ドレイン領域を形成することができる。
【0080】
次に、レジストマスク364を除去した状態でファーネスアニール、レーザーアニール、ランプアニールのいずれかの手段またはそれらを併用した手段によって注入したPイオンおよびBイオンの活性化を行う。また、これと同時にイオン注入により崩れた活性層の結晶性を修復する。
【0081】
次に、第1の層間絶縁膜369として酸化珪素膜及び窒化珪素膜でなる積層膜を形成する。そして、コンタクトホールを形成した後、ソース電極370〜372及びドレイン電極373、374を形成する。(図6(B))
【0082】
次に、第2の層間絶縁膜375として有機性樹脂膜(ポリイミド、ポリアミド、ポリイミドアミド、アクリル等)を 0.5〜3 μm(好ましくは 1.5〜2.5 μm)の厚さに形成する。有機性樹脂膜の最も大きな特徴は比誘電率が低い(2.0 〜3.4 程度)ことであり、これにより配線間の寄生容量を大幅に低減することができる。即ち、ロジック回路など高周波駆動を必要とする回路を構成する際に動作速度の低下を効果的に抑制することができる。
【0083】
次に、第2の層間絶縁膜375にコンタクトホールを形成して、画素電極376を形成する。なお、本実施例では画素電極376をアルミニウムまたはアルミニウムを主成分とする材料で構成する。
【0084】
最後に、得られたTFT全体を水素雰囲気において加熱処理して水素化を行い、活性層中のダングリングボンドの低減を図る。こうして、図6(C)に示す様な、CMOS回路および画素TFTが同一基板上に一体形成されたアクティブマトリクス基板が完成する。
【0085】
この後は、公知のセル組み工程によって上記アクティブマトリクス基板と対向基板との間に液晶層を挟持すれば反射型液晶表示装置が完成する。
【0086】
液晶材料の種類、セルギャップ等の設計事項は実施者が適宜決定すれば良い。また、本実施例ではブラックマスクを対向側に設ける構成としているが、アクティブマトリクス基板側の必要箇所に設ける構成としても良い。
【0087】
本発明の様に、横成長領域の成長距離を異なるものとすることには大きな意義がある。
【0088】
例えば、横成長領域は同一の領域内であってもその位置によって微妙に結晶性が異なる場合がある。その様な場合、1つの横成長領域内に複数のTFTを形成すると、離れた2つのTFTの間で電気特性が異なる場合もありうる。
【0089】
ところが、アナログ信号を取り扱う回路や高周波駆動を行う回路にはその様な微妙な特性差が問題となってしまう。従って、必要な箇所に必要な距離の横成長領域を形成することで特性差の極めて小さいTFT群を形成する必要がある。
【0090】
本願発明はその様な要求に対して非常に有効な技術である。また、イオン注入法を用いることで触媒元素の添加領域の占有面積を非常に小さくすることができるので回路設計の自由度が飛躍的に向上する。
【0091】
従って、今後の半導体回路の流れを鑑みれば、超微細加工により形成され、動作速度が非常に高くなった高周波回路等に対して、本願発明の効果は極めて有効なものであると思われる。
【0092】
〔実施例2〕
実施例1ではゲイト電極としてアルミニウムまたはアルミニウムを主成分とする材料を用いたが、本発明はゲイト電極として一導電性を有する結晶性珪素膜を用いることも可能である。
【0093】
また、チタン、タンタル、タングステン、モリブデン等の金属材料やそれら金属材料と珪素との化合物でなる金属シリサイド等をゲイト電極として用いることもできる。
【0094】
〔実施例3〕
本実施例では、実施例1とは異なる手段で触媒元素(ニッケル)の導入量を制御することで横成長領域の成長距離を制御する例を示す。
【0095】
図8(A)において、800は下地膜を設けたガラス基板、801は非晶質珪素膜である。そして、マスク絶縁膜802を形成し、次に開口部803、804を形成する。
【0096】
この時、開口部の最小スリット幅を異なる長さとすることでニッケルの導入量を制御する。本実施例では周辺回路の最小スリット幅をa’とし、画素マトリクス回路の最小スリット幅をb’とする。
【0097】
そして、この状態でニッケルをイオン注入法により注入する。注入条件は実施例1と同様で良い。本実施例では10kVの加速電圧で 2×1014atoms/cm2 のドーズ量でニッケルのイオン注入を行う。(図8(A))
【0098】
この時、イオン注入工程は一度に行われるため、開口部803、804に添加されるニッケルの濃度は同じである。しかし、このイオン注入工程で形成されるニッケル添加領域805、806は、開口部803、804の最小スリット幅に応じてニッケル導入量が異なる。
【0099】
図8(A)の状態が得られたら、実施例1と同様の条件で加熱処理を行い、非晶質珪素膜802の結晶化を行う。本実施例では570 ℃14時間の加熱処理により結晶化工程を行う。(図8(B))
【0100】
この結晶化工程により横成長領域807、808が形成される。この時、横成長領域807の成長距離をA’とし、横成長領域808の成長距離をB’とする。本実施例ではB’>A’の関係となる様に設計する。
【0101】
本実施例では、結晶化後に横成長領域807の成長距離がA’となる様に最小スリット幅a’を決定し、横成長領域808の成長距離がB’となる様に最小スリット幅b’を決定している。これは、本実施例のイオン注入条件(10kV、 2×1014atoms/cm2 )の場合について、最小スリット幅と成長距離との関係を予め実験的に求めておく必要がある。
【0102】
本実施例の様にイオン注入工程を一度で行ってしまう場合、ニッケルの添加濃度は基板全面で等しいので、最小スリット幅の制御がニッケル導入量の制御、延いては横成長領域の成長距離の制御につながる。これ以降の工程は実施例1に従えば良い。
【0103】
また、本実施例の様な構成とすれば、後に図4(A)に示す様なPイオン注入工程を行う際にマスク絶縁膜802をそのままマスクとしてリンを添加することができる。これによりレジストマスクを設ける必要がなくなり、パターニング工程が1つ減ることで製造プロセスが簡略化される。
【0104】
〔実施例4〕
本発明は図1を用いて説明した様なイオン注入法だけでなく、他の実施形態としてレジストマスクを使用しないで触媒元素を直接的に非晶質シリコン膜中へと添加することもできる。
【0105】
そのための手段としては、FIB(Focussed Ion Beam )法等の様に微細スポットのみにイオンを照射できる様な技術がある。この様な技術によれば触媒元素を含む集束イオンビームによって直接的にパターンが描画され、所望の位置に所望の形状で触媒元素の添加領域を形成できる。
【0106】
本実施例によればレジストマスクを形成する工程やパターニング工程を簡略化することができるので、製造コストの低減および製造歩留りの向上を図ることが可能である。
【0107】
〔実施例5〕
実施例1および2では代表的なTFT構造の一例としてプレーナ型TFTの例を示しているが、他にも逆スタガ型TFTなどのボトムゲイト型TFTを本発明に適用することも可能である。
【0108】
この様に、本願発明は半導体素子(半導体装置)の構造によらず適用することが可能であり、特定構造の半導体素子に限定されるものではない。
【0109】
〔実施例6〕
本実施例では画素マトリクス回路を構成する画素構成の一例を図9に示す。ただし、構造を簡略化するため画素電極は省略してある。
【0110】
図9において11は活性層であり、図4(C)の活性層326に対応する。本実施例では活性層11のドレイン側を、画素内いっぱいに広がる様に形成してあり、補助容量の下部電極12を兼ねる点に特徴がある。
【0111】
その上方にはゲイト絶縁膜を介してゲイト線13が配置されている。ゲイト線13は図5(B)のゲイト電極342に対応する。また、ゲイト線13とは別に補助容量の上部電極14が形成される。この上部電極14は図5(B)の上部電極343に対応する。
【0112】
この場合、上部電極14は下部電極となる活性層とほぼ一致する様な形状に設けられており、ほぼ画素の占有面積の相当する補助容量を形成する。また、隣接する画素間で上部電極14は電気的に接続されている(ゲイト線とクロスしない様にゲイト線と平行に接続する)。即ち、全ての画素において補助容量の上部電極は同電位に保たれる。
【0113】
次に、ゲイト線13及び補助容量の上部電極14の上には第1の層間絶縁膜を介してソース電極(ソース線)15及びドレイン電極16が形成される。これらの電極はそれぞれは図6(B)のソース電極372とドレイン電極374に対応する。
【0114】
そして、図示していないが、後は図6(C)に示す様に層間絶縁膜375と画素電極376を形成して、公知のセル組み工程を行えば反射型液晶表示装置が完成する。本実施例の様な構造とすると、画素面積が小さくなってもその面積を最大限に生かして補助容量を確保することが可能である。
【0115】
また、本実施例の様な構成をXGAに対応させた場合、画素マトリクス回路に配置されるTFTの活性層を横成長領域で形成することは非常に困難である。なぜならば、XGAでは画素サイズが30μm角程度と小さいため、従来の方法で大きなニッケル添加領域を形成すると、それを除去することで補助容量を形成する下部電極を形成することができなくなってしまうからである。
【0116】
しかしながら、本願発明ではニッケル添加領域を、例えばソース電極15の下に設けるなどの工夫が行えるため、上述の様な問題を生じない。
【0117】
〔実施例7〕
本実施例では、本発明を実施例6とは別の構造の反射型液晶表示装置に適用した場合の例について示す。図10(A)はその上面図(ただし対向基板、液晶層、画素電極を除く)であり、図10(B)はその断面図である。
【0118】
図10(A)、(B)において、20は活性層、21はゲイト電極(ゲイト線)、22はソース電極(ソース線)、23はドレイン電極である。この時、ドレイン電極23は画素領域全面に広がる様に大きめに形成する(点線で示される領域)。このドレイン電極23は補助容量の下部電極として機能する。
【0119】
また、その上には窒化珪素膜24(図10(B)参照)が成膜され、さらにその上にはチタン膜25が配置される。このチタン膜25は補助容量の上部電極として機能し、ドレイン電極23とチタン膜25とで窒化珪素膜24を挟んで補助容量を形成する。
【0120】
また、実際には図10(B)に示す様に、画素電極26が画素全域を隠す様に形成される。そして、その上には配向膜(図示せず)が形成される。ここではこれらをまとめてアクティブマトリクス基板と呼ぶ。
【0121】
また、図10(B)に示す様に透光性基板27の上に透明導電膜28、配向膜(図示せず)を形成したものを対向基板として用意する。この対向基板には必要に応じてカラーフィルター、ブラックマスク等を設けることができる。
【0122】
対向基板とアクティブマトリクス基板との間では封止材29に封入された状態で液晶層30が挟持される。液晶材料はECBモード、ゲストホストモード等の液晶の駆動モードによって適宜変更することができる。
【0123】
なお、本実施例では周辺回路の上方には液晶層を配置しない構成とし、周辺回路と対向基板側の透明導電膜28との間に寄生容量が形成されるのを防いでいる。勿論、基板全面に液晶層が配置される様な構成でも構わない。
【0124】
〔実施例8〕
実施例6、7では反射型液晶表示装置を構成する例について説明したが、本願発明が透過型液晶表示装置にも適用できることが言うまでもない。
【0125】
本願発明では回路設計の自由度が広がるという効果が得られるので、透過型表示装置の開口率を向上させる上で非常に有効である。
【0126】
〔実施例9〕
本実施例では実施例1とは異なる構成で触媒元素(ニッケル)のイオン注入工程を行う場合の例を示す。
【0127】
図11において、40はガラス基板、41は下地膜、42は非晶質珪素膜、43は酸化珪素膜等でなるバッファ層、44は開口部を有するレジストマスクである。バッファ層43はプラズマCVD法などの気相法により形成しても良いし、場合によっては熱酸化、UV酸化等の簡易な酸化手段で形成しても良い。
【0128】
本実施例の特徴は、触媒元素を非晶質珪素膜42に対して直接注入するのではなく、バッファ層43を介して注入する点にある。この時、イオン注入時のイオンプロファイルは非晶質珪素膜42中にピーク値がくる様に調節することは言うまでもない。
【0129】
本実施例の構成でも、イオン注入条件を最適化することで非晶質珪素膜42中にニッケル添加領域45、46を形成することができる。
【0130】
本実施例の構成とすると、イオン注入時のダメージが非晶質珪素膜42に直接届かないので、ダメージによる悪影響を避けることができる。また、イオン注入時に触媒元素以外の他の不純物元素(雰囲気中に含有される元素など)を一緒に注入してしまう様なことを防ぐことができる。
【0131】
また、非晶質珪素膜42とバッファ層43とをプラズマCVD法により連続的に成膜する構成は有効である。この様な構成では、非晶質珪素膜42の表面に不純物が付着してイオン注入時に一緒に注入されることがない。
【0132】
本実施例の構成と実施例1の構成とを組み合わせたイオン注入工程を行うことも可能である。
【0133】
〔実施例10〕
実施例1ではPイオンを添加するための手段としてイオン注入法を用いる例を示したが、本実施例では気相法を利用する例を示す。
【0134】
本実施例では、非晶質珪素膜上の必要箇所に絶縁層を設けた状態で、プラズマCVD法によりリンを含む薄膜を成膜する。この薄膜は成膜ガスにフォスフィン(PH3 )等のガスを添加すれば良い。
【0135】
こうすることで、リン元素によるゲッタリング工程(加熱処理)の時点で薄膜の形成された領域がゲッタリング領域として機能する。
【0136】
〔実施例11〕
本実施例では、Pイオンの添加方法として液相法を用いる場合の例について説明する。具体的には、溶液塗布によりPSG(リンシリケイトガラス)に代表される薄膜を形成する。
【0137】
この場合も、非晶質珪素膜上の必要箇所に絶縁層を設けた状態で、PSGの原料となる溶液を塗布し、スピンコートすることによりリンを含む薄膜を成膜する。この様な方法でもゲッタリング領域を形成することができる。
【0138】
〔実施例12〕
本実施例では、実施例1においてリン元素によるゲッタリング工程を行う代わりにハロゲン元素によるゲッタリング工程を行う例について説明する。なお、必要に応じて実施例1と同様の符号を用いる。
【0139】
まず、実施例1の工程に従って図12(A)に示す状態を得る。この状態は実施例1の図3(C)の状態に相当する。
【0140】
次に、図12(C)の状態が得られたら、ハロゲン元素を含む雰囲気において加熱処理を行う。本実施例では酸素(O2 )雰囲気中に対して塩化水素(HCl)を 0.5〜10体積%(代表的には3%)で含ませる。(図12(B))
【0141】
なお、HCl以外にHF、NF3 、HBr、Cl2 、ClF3 、BCl3 、F2 、Br2 等のハロゲンを含む化合物から選ばれた一種または複数種を用いることができる。また、ハロゲン水素化物を用いることもできる。
【0142】
また、この加熱処理は塩素によるニッケルのゲッタリングを効果的に行うために700 ℃を超える温度で行うことが好ましい。代表的には 800〜1000℃(本実施例では 950℃)が良い。この処理により結晶性珪素膜全体からニッケルが徹底的に除去または低減される。
【0143】
また、本発明者らがSIMS(質量二次イオン分析)で確認した結果、図12(B)に示す工程の後に横成長領域51、52に含まれるニッケル濃度は、少なくとも 5×1017atoms/cm3 以下(これ以下は検出下限となって測定不能)にまで低減されていることが判明した。
【0144】
さらに、この加熱処理により横成長領域の内部にはハロゲン元素が取り込まれる。そのため、最終的な活性層(横成長領域)には 1×1015〜 1×1020atoms/cm3 の濃度でハロゲン元素が存在する。
【0145】
また、本発明者らがTEM(透過型電子顕微鏡)により横成長領域51、52を分析した結果、特定方向に規則性をもって並んだ複数の棒状または偏平棒状結晶が集合した結晶構造が確認された。
【0146】
この結晶構造の特徴はほぼ前述の横成長領域の特徴と等しい。しかしながら、本発明者らの様々な解析により各棒状結晶(針状結晶と言っても差し支えない)間の境界(結晶粒界)は格子が連続して極めて整合性が良く、電気的に不活性であると推測されている。
【0147】
その証拠として、この様な結晶構造を有する結晶性珪素膜を活性層としたTFTは、単結晶シリコン上に形成したMOSFETを凌駕する電気特性を達成している。この結晶構造に関する詳細は、本発明者らが平成8年11月29日に出願した特願平8-335152号に記載されている。
【0148】
こうして図12(B)の状態が得られたら、珪素膜をパターニングして活性層53〜55を形成する。なお、活性層53、54はそれぞれ主に周辺回路を構成するCMOS回路のN型TFT、P型TFTとなる。また、活性層55は画素マトリクス回路を構成する画素TFTとなる。
【0149】
次に、ゲイト絶縁膜となる酸化珪素膜56をプラズマCVD法を用いて10〜150 nmの厚さに形成し、再び 700℃を超える温度での加熱処理を行う。この時、処理雰囲気は前述の様なハロゲン元素を含む雰囲気とすることが好ましい。その場合、条件は前述の条件と同一で良い。(図12(C))
【0150】
また、加熱処理の最後に不活性雰囲気中での加熱処理を入れてゲイト絶縁膜56の膜質を改善することも有効である。
【0151】
この加熱処理により活性層中に残留するニッケルのさらなる除去が期待できる。また、活性層53〜55とゲイト絶縁膜56との界面には熱酸化膜が形成され、界面準位等の少ない良好な活性層/ゲイト絶縁膜界面が得られる。この後は実施例1と同様の工程に従って半導体装置を作製すれば良い。
【0152】
〔実施例13〕
本発明は液晶表示装置以外の電気光学装置に対して適用することもできる。その様な電気光学装置としては、EL(エレクトロルミネッセンス)表示装置、EC(エレクトロクロミクス)表示装置等が挙げられる。
【0153】
〔実施例14〕
本実施例では、本発明を利用した電気光学装置を利用する応用製品(電子デバイス)の一例を図12に示す。本発明を利用した応用製品としてはビデオカメラ、スチルカメラ、プロジェクター、ヘッドマウントディスプレイ、カーナビゲーション、パーソナルコンピュータ、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話等)などが挙げられる。
【0154】
図12(A)は携帯電話であり、本体2001、音声出力部2002、音声入力部2003、表示装置2004、操作スイッチ2005、アンテナ2006で構成される。本発明は表示装置2004に適用することができる。
【0155】
図12(B)はビデオカメラであり、本体2101、表示装置2102、音声入力部2103、操作スイッチ2104、バッテリー2105、受像部2106で構成される。本発明は表示装置2102に適用することができる。
【0156】
図12(C)はモバイルコンピュータ(モービルコンピュータ)であり、本体2201、カメラ部2202、受像部2203、操作スイッチ2204、表示装置2205で構成される。本発明は表示装置2205に適用できる。
【0157】
図12(D)はヘッドマウントディスプレイであり、本体2301、表示装置2302、バンド部2303で構成される。本発明は表示装置2302に適用することができる。
【0158】
図12(E)はリア型プロジェクターであり、本体2401、光源2402、表示装置2403、偏光ビームスプリッタ2404、リフレクター2405、2406、スクリーン2407で構成される。本発明は表示装置2403に適用することができる。
【0159】
図12(F)はフロント型プロジェクターであり、本体2501、光源2502、表示装置2503、光学系2504、スクリーン2505で構成される。本発明は表示装置2503に適用することができる。
【0160】
以上の様に、本発明の応用範囲は極めて広く、あらゆる分野の表示媒体に適用することが可能である。特に、液晶表示装置をプロジェクターの様な投射型表示装置に用いる場合には、非常に高い解像度が要求される。その様な場合において、本発明は非常に有効な技術である。
【0161】
【発明の効果】
本願発明を実施することで、触媒元素の添加領域を大幅に小さくすることが可能となる。そして、従来デッドスペースとなっていた触媒元素の添加領域を小さくすることで回路設計の自由度が飛躍的に向上する。
【0162】
この様に、本願発明により図9に示す様な構造の画素領域も容易に構成することが可能となる。図9に示す画素構造はXGA、SXGA以降にまで画素密度が高まった場合に非常に有効な構成であり、本願発明はその様な半導体装置の微細化に対応しうる極めて有効な技術である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 イオン注入工程の構成を示す図。
【図2】 触媒元素の導入量と横成長距離を説明する図。
【図3】 半導体装置の作製工程を示す図。
【図4】 半導体装置の作製工程を示す図。
【図5】 半導体装置の作製工程を示す図。
【図6】 半導体装置の作製工程を示す図。
【図7】 触媒元素の導入量の定義を説明するための図。
【図8】 半導体装置の作製工程を示す図。
【図9】 画素領域の構成を示す図。
【図10】 画素領域の構成を示す図。
【図11】 イオン注入工程を示す図。
【図12】 半導体装置の作製工程を示す図。
【図13】 本発明を適用しうる応用製品を示す図。
【符号の説明】
101 基板
102 下地膜
103 非晶質膜
104 絶縁層
105 開口部
106 触媒元素の添加領域
107 イオンプロファイル
Claims (9)
- 珪素を含む非晶質膜上に第1の開口部及び第2の開口部を有する絶縁膜を形成し、
前記第1の開口部の最小スリット幅は前記第2の開口部の最小スリット幅よりも大きく、
前記絶縁膜をマスクとして前記非晶質膜に珪素の結晶化を助長する触媒元素をイオン注入法またはプラズマドーピング法により添加することで、前記第1の開口部より前記触媒元素が添加された第1の添加領域と前記第2の開口部より前記触媒元素が添加された第2の添加領域とを、前記非晶質膜中に形成し、
前記非晶質膜を加熱処理することにより前記非晶質膜の一部を結晶化させ、前記第1の添加領域から結晶化した第1の横成長領域と、前記第2の添加領域から結晶化した第2の横成長領域とを形成し、
前記絶縁膜をマスクとして前記第1の添加領域及び前記第2の添加領域に15族元素を選択的に添加し、
加熱処理により、前記15族元素が添加された領域に前記触媒元素をゲッタリングさせることを特徴とする半導体装置の作製方法。 - 請求項1において、前記15族元素としてリンが用いられることを特徴とする半導体装置の作製方法。
- 請求項1または請求項2において、前記15族元素は1×1013〜8×1015atoms/cm2のドーズ量で添加されることを特徴とする半導体装置の作製方法。
- 請求項1乃至3のいずれか一において、前記第1の横成長領域の成長距離は、前記第2の横成長領域の成長距離よりも長いことを特徴とする半導体装置の作製方法。
- 請求項1乃至4のいずれか一において、前記第1の横成長領域は、画素マトリクス回路のTFTの活性層に用いられ、前記第2の横成長領域は、周辺回路のTFTの活性層に用いられることを特徴とする半導体装置の作製方法。
- 請求項1乃至5のいずれか一において、前記第1及び第2の開口部の前記最小スリット幅は0.25〜2μmであることを特徴とする半導体装置の作製方法。
- 請求項1乃至6のいずれか一において、前記触媒元素は、1×1012〜1×1015atoms/cm2のドーズ量で添加されることを特徴とする半導体装置の作製方法。
- 請求項1乃至7のいずれか一において、前記触媒元素としてNi、Fe、Co、Pd、Pb、PtまたはCuが用いられることを特徴とする半導体装置の作製方法。
- 請求項1乃至8のいずれか一において、前記非晶質膜は基板上に形成され、前記第1の横成長領域と前記第2の横成長領域は、針状または柱状結晶が前記基板と概略平行、且つ、互いに概略平行な方向に揃った結晶構造を有することを特徴とする半導体装置の作製方法。
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JPH10303129A (ja) | 1998-11-13 |
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