JPH1197032A - 二次電池用アルミニウム箔製集電体 - Google Patents
二次電池用アルミニウム箔製集電体Info
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- JPH1197032A JPH1197032A JP9273895A JP27389597A JPH1197032A JP H1197032 A JPH1197032 A JP H1197032A JP 9273895 A JP9273895 A JP 9273895A JP 27389597 A JP27389597 A JP 27389597A JP H1197032 A JPH1197032 A JP H1197032A
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- Y02E60/10—Energy storage using batteries
Abstract
(57)【要約】
【課題】 電解液中に溶解しにくい二次電池用アルミニ
ウム箔製集電体を提供する。 【解決手段】 この集電体は、アルミニウム純度が９
９．７０重量％以上であるアルミニウム箔よりなる。こ
のアルミニウム箔は、表面から０．１μｍ厚さの表層に
おいて、インジウム，錫，アンチモン，タリウム，鉛，
ビスマス，マグネシウム，珪素，銅及びマンガンよりな
る群で構成される特定不純物元素の総含有量が０．１重
量％以下である。また、アルミニウム箔全体において、
これらの特定不純物元素と、鉄，クロム，亜鉛，ニッケ
ル，チタン及びガリウムとを含む不純物の総含有量は、
０．２重量％以下であるのが好ましい。このようなアル
ミニウム箔は、アルミニウム鋳塊に、熱間圧延，一次冷
間圧延，中間焼鈍及び二次冷間圧延を施して得ることが
できる。この集電体は、リチウムイオン電池又はポリマ
ー電池の正極に用いるのが好ましい。
ウム箔製集電体を提供する。 【解決手段】 この集電体は、アルミニウム純度が９
９．７０重量％以上であるアルミニウム箔よりなる。こ
のアルミニウム箔は、表面から０．１μｍ厚さの表層に
おいて、インジウム，錫，アンチモン，タリウム，鉛，
ビスマス，マグネシウム，珪素，銅及びマンガンよりな
る群で構成される特定不純物元素の総含有量が０．１重
量％以下である。また、アルミニウム箔全体において、
これらの特定不純物元素と、鉄，クロム，亜鉛，ニッケ
ル，チタン及びガリウムとを含む不純物の総含有量は、
０．２重量％以下であるのが好ましい。このようなアル
ミニウム箔は、アルミニウム鋳塊に、熱間圧延，一次冷
間圧延，中間焼鈍及び二次冷間圧延を施して得ることが
できる。この集電体は、リチウムイオン電池又はポリマ
ー電池の正極に用いるのが好ましい。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、二次電池、特にリ
チウム系二次電池を作成する際に用いる集電体に関する
ものである。
チウム系二次電池を作成する際に用いる集電体に関する
ものである。
【０００２】
【従来の技術】二次電池は、基本的には、正極，負極，
正極と負極とを絶縁するセパレーター，及び正極と負極
との間でイオンの移動を可能にするための電解液で構成
されている。二次電池の正極は、金属箔からなる集電体
の表面に、各種の活物質が塗布されてなる。この金属箔
としては、導電率の観点より、ステンレス鋼やアルミニ
ウムよりなる箔（厚さ数μｍ〜数十μｍ程度）が、一般
的に採用されている。また、活物質としては、コバルト
酸リチウム等とバインダーとを混合したペースト状物が
用いられている。
正極と負極とを絶縁するセパレーター，及び正極と負極
との間でイオンの移動を可能にするための電解液で構成
されている。二次電池の正極は、金属箔からなる集電体
の表面に、各種の活物質が塗布されてなる。この金属箔
としては、導電率の観点より、ステンレス鋼やアルミニ
ウムよりなる箔（厚さ数μｍ〜数十μｍ程度）が、一般
的に採用されている。また、活物質としては、コバルト
酸リチウム等とバインダーとを混合したペースト状物が
用いられている。
【０００３】しかしながら、ステンレス鋼箔やアルミニ
ウム箔よりなる集電体は、二次電池に組み込まれて、充
・放電を繰り返すと、徐々に電解液中に溶解してゆき、
電池性能を低下させる（特に、充・放電サイクルを短寿
命化させる）ということがあった。このため、耐溶解性
に優れた高純度アルミニウム箔よりなる集電体を用いる
ことが提案されている（特開平６−２６７５４２号公
報）。即ち、アルミニウム純度が９９．８０重量％以上
のアルミニウム箔を、正極用集電体として使用すること
が提案されている。
ウム箔よりなる集電体は、二次電池に組み込まれて、充
・放電を繰り返すと、徐々に電解液中に溶解してゆき、
電池性能を低下させる（特に、充・放電サイクルを短寿
命化させる）ということがあった。このため、耐溶解性
に優れた高純度アルミニウム箔よりなる集電体を用いる
ことが提案されている（特開平６−２６７５４２号公
報）。即ち、アルミニウム純度が９９．８０重量％以上
のアルミニウム箔を、正極用集電体として使用すること
が提案されている。
【０００４】確かに、高純度アルミニウム箔よりなる集
電体は、耐溶解性に優れており、好ましいものである。
しかし、高純度であれば、常に耐溶解性に優れていると
は限らず、高純度であっても、耐溶解性に劣っているも
のもあった。即ち、アルミニウム箔が高純度であること
と、耐溶解性に優れていることとは、ある程度の因果関
係は認められるものの、絶対的な基準となるものではな
かった。
電体は、耐溶解性に優れており、好ましいものである。
しかし、高純度であれば、常に耐溶解性に優れていると
は限らず、高純度であっても、耐溶解性に劣っているも
のもあった。即ち、アルミニウム箔が高純度であること
と、耐溶解性に優れていることとは、ある程度の因果関
係は認められるものの、絶対的な基準となるものではな
かった。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者等
は、まず高純度アルミニウム箔が耐溶解性に優れている
原因を探求した。その結果、高純度アルミニウム箔が耐
溶解性に優れている理由は、アルミニウム箔が高純度で
あるからという単純な理由ではなく、高純度アルミニウ
ム箔の表面に形成されている酸化皮膜が関係しているこ
とが判明した。即ち、高純度アルミニウム箔は、低純度
アルミニウム箔に比べて、その表面に一定厚さの酸化皮
膜が安定に形成されているので、耐溶解性に優れている
ということが判明した。低純度アルミニウム箔の場合に
は、その表面に不純物元素が露出している場合が多く、
この不純物元素が露出している箇所では、酸化皮膜の厚
さが薄かったり、或いは酸化皮膜が形成されておらず、
この箇所から、不純物と共にアルミニウムが電解液中に
溶解してゆくのである。
は、まず高純度アルミニウム箔が耐溶解性に優れている
原因を探求した。その結果、高純度アルミニウム箔が耐
溶解性に優れている理由は、アルミニウム箔が高純度で
あるからという単純な理由ではなく、高純度アルミニウ
ム箔の表面に形成されている酸化皮膜が関係しているこ
とが判明した。即ち、高純度アルミニウム箔は、低純度
アルミニウム箔に比べて、その表面に一定厚さの酸化皮
膜が安定に形成されているので、耐溶解性に優れている
ということが判明した。低純度アルミニウム箔の場合に
は、その表面に不純物元素が露出している場合が多く、
この不純物元素が露出している箇所では、酸化皮膜の厚
さが薄かったり、或いは酸化皮膜が形成されておらず、
この箇所から、不純物と共にアルミニウムが電解液中に
溶解してゆくのである。
【０００６】アルミニウム箔は、アルミニウム鋳塊に熱
間圧延を施した後に、一次冷間圧延，中間焼鈍，二次冷
間圧延という工程を順に経て得られることが多い。中間
焼鈍は、箔を軟化させて、高圧延率で冷間圧延を可能な
らしめるために施されるもので、冷間圧延途中の任意の
時期に１回又は２回以上施される。しかし、中間焼鈍の
時期やその条件等によっては、アルミニウム中で不純物
元素の熱拡散が生じ、アルミニウム箔表面に不純物元素
が濃化するということがあった。従って、高純度アルミ
ニウムを用いて、冷間圧延法で中間焼鈍を施しながら、
所定厚さのアルミニウム箔を得る場合、その表面に不純
物元素が濃化することがあり、表面に安定に酸化皮膜が
形成されないこともあった。依って、高純度アルミニウ
ム箔であっても、耐溶解性が不十分となることがあった
のである。
間圧延を施した後に、一次冷間圧延，中間焼鈍，二次冷
間圧延という工程を順に経て得られることが多い。中間
焼鈍は、箔を軟化させて、高圧延率で冷間圧延を可能な
らしめるために施されるもので、冷間圧延途中の任意の
時期に１回又は２回以上施される。しかし、中間焼鈍の
時期やその条件等によっては、アルミニウム中で不純物
元素の熱拡散が生じ、アルミニウム箔表面に不純物元素
が濃化するということがあった。従って、高純度アルミ
ニウムを用いて、冷間圧延法で中間焼鈍を施しながら、
所定厚さのアルミニウム箔を得る場合、その表面に不純
物元素が濃化することがあり、表面に安定に酸化皮膜が
形成されないこともあった。依って、高純度アルミニウ
ム箔であっても、耐溶解性が不十分となることがあった
のである。
【０００７】このような原因探求の結果、本発明者等
は、アルミニウム箔表面から、酸化皮膜を形成させにく
い特定の不純物元素を排除すれば、全体としては比較的
低純度のアルミニウム箔であっても、耐溶解性に優れた
アルミニウム箔よりなる集電体が得られるとの発想に基
づき、本発明を完成した。
は、アルミニウム箔表面から、酸化皮膜を形成させにく
い特定の不純物元素を排除すれば、全体としては比較的
低純度のアルミニウム箔であっても、耐溶解性に優れた
アルミニウム箔よりなる集電体が得られるとの発想に基
づき、本発明を完成した。
【０００８】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、アルミ
ニウム純度が９９．７０重量％以上であって、表面から
０．１μｍ厚さの表層において、インジウム，錫，アン
チモン，タリウム，鉛，ビスマス，マグネシウム，珪
素，銅及びマンガンよりなる群で構成される特定不純物
元素の総含有量が０．１重量％以下であるアルミニウム
箔よりなることを特徴とする二次電池用アルミニウム箔
製集電体に関するものである。
ニウム純度が９９．７０重量％以上であって、表面から
０．１μｍ厚さの表層において、インジウム，錫，アン
チモン，タリウム，鉛，ビスマス，マグネシウム，珪
素，銅及びマンガンよりなる群で構成される特定不純物
元素の総含有量が０．１重量％以下であるアルミニウム
箔よりなることを特徴とする二次電池用アルミニウム箔
製集電体に関するものである。
【０００９】本発明に係る二次電池用アルミニウム箔製
集電体は、アルミニウム（Ａｌ）を９９．７０重量％以
上、好ましくは９９．８０重量％以上含有するアルミニ
ウム箔よりなるものである。アルミニウムの含有量が９
９．７０重量％未満であると、相対的にその他の元素含
有量が増え、アルミニウム箔（即ち、集電体）の導電率
が低下するので、好ましくない。
集電体は、アルミニウム（Ａｌ）を９９．７０重量％以
上、好ましくは９９．８０重量％以上含有するアルミニ
ウム箔よりなるものである。アルミニウムの含有量が９
９．７０重量％未満であると、相対的にその他の元素含
有量が増え、アルミニウム箔（即ち、集電体）の導電率
が低下するので、好ましくない。
【００１０】本発明に係る二次電池用アルミニウム箔製
集電体は、アルミニウム箔の表面から０．１μｍ厚さの
表層において、インジウム（Ｉｎ），錫（Ｓｎ），アン
チモン（Ｓｂ），タリウム（Ｔｌ），鉛（Ｐｂ），ビス
マス（Ｂｉ），マグネシウム（Ｍｇ），珪素（Ｓｉ），
銅（Ｃｕ）及びマンガン（Ｍｎ）よりなる群で構成され
る特定不純物元素の総含有量が０．１重量％以下となる
ように設定されている。従って、アルミニウム箔の表面
から０．１μｍ厚さの表層以外の内部層には、これらの
特定不純物元素が０．１重量％を超えて存在していても
よい。何故なら、表層に存在していなければ、アルミニ
ウム箔表面に酸化皮膜が形成されるのを、あまり妨害し
ないからである。また、この表層において、これらの特
定不純物元素以外の不純物元素は、０．１重量％を超え
て存在していてもよい。例えば、鉄（Ｆｅ），クロム
（Ｃｒ），亜鉛（Ｚｎ），ニッケル（Ｎｉ），チタン
（Ｔｉ），ガリウム（Ｇａ）等の不純物元素は、ある程
度存在していてもよい。何故なら、これらの不純物元素
は、アルミニウム箔表面に濃化されにくく、この結果、
酸化皮膜が形成されるのを、あまり妨害しないからであ
る。
集電体は、アルミニウム箔の表面から０．１μｍ厚さの
表層において、インジウム（Ｉｎ），錫（Ｓｎ），アン
チモン（Ｓｂ），タリウム（Ｔｌ），鉛（Ｐｂ），ビス
マス（Ｂｉ），マグネシウム（Ｍｇ），珪素（Ｓｉ），
銅（Ｃｕ）及びマンガン（Ｍｎ）よりなる群で構成され
る特定不純物元素の総含有量が０．１重量％以下となる
ように設定されている。従って、アルミニウム箔の表面
から０．１μｍ厚さの表層以外の内部層には、これらの
特定不純物元素が０．１重量％を超えて存在していても
よい。何故なら、表層に存在していなければ、アルミニ
ウム箔表面に酸化皮膜が形成されるのを、あまり妨害し
ないからである。また、この表層において、これらの特
定不純物元素以外の不純物元素は、０．１重量％を超え
て存在していてもよい。例えば、鉄（Ｆｅ），クロム
（Ｃｒ），亜鉛（Ｚｎ），ニッケル（Ｎｉ），チタン
（Ｔｉ），ガリウム（Ｇａ）等の不純物元素は、ある程
度存在していてもよい。何故なら、これらの不純物元素
は、アルミニウム箔表面に濃化されにくく、この結果、
酸化皮膜が形成されるのを、あまり妨害しないからであ
る。
【００１１】アルミニウム箔の表面から０．１μｍ厚さ
の表層において、上記した特定不純物元素の総含有量が
０．１重量％を超えると、アルミニウム箔表面に安定に
酸化皮膜が形成されにくくなり、耐溶解性が低下するの
で、好ましくない。なお、表層における特定不純物元素
の総含有量を測定するには、以下の如き方法で行なう。
即ち、濃度０．５重量％の水酸化ナトリウム水溶液（液
温６０℃）を用いて、アルミニウム箔の表面から０．１
μｍの厚さまでの表層を溶解させる。そして、溶解液か
ら、各元素を溶媒で抽出した後、原子吸光法によって、
各元素の量を測定して行なうのである。
の表層において、上記した特定不純物元素の総含有量が
０．１重量％を超えると、アルミニウム箔表面に安定に
酸化皮膜が形成されにくくなり、耐溶解性が低下するの
で、好ましくない。なお、表層における特定不純物元素
の総含有量を測定するには、以下の如き方法で行なう。
即ち、濃度０．５重量％の水酸化ナトリウム水溶液（液
温６０℃）を用いて、アルミニウム箔の表面から０．１
μｍの厚さまでの表層を溶解させる。そして、溶解液か
ら、各元素を溶媒で抽出した後、原子吸光法によって、
各元素の量を測定して行なうのである。
【００１２】本発明は、上記したように、アルミニウム
箔の表層に存在する特定不純物元素の量を、０．１重量
％以下となるようにすれば良いのであるが、アルミニウ
ム箔全体における不純物元素の量は、０．２重量％以下
であるのが好ましい。ここで言う不純物元素は、前記し
た特定不純物元素を含み、更に、鉄，クロム，亜鉛，ニ
ッケル，チタン及びガリウムを含めたものを意味してい
る。この不純物元素が０．２重量％を超えると、アルミ
ニウム箔の導電率が低下する傾向が生じる。
箔の表層に存在する特定不純物元素の量を、０．１重量
％以下となるようにすれば良いのであるが、アルミニウ
ム箔全体における不純物元素の量は、０．２重量％以下
であるのが好ましい。ここで言う不純物元素は、前記し
た特定不純物元素を含み、更に、鉄，クロム，亜鉛，ニ
ッケル，チタン及びガリウムを含めたものを意味してい
る。この不純物元素が０．２重量％を超えると、アルミ
ニウム箔の導電率が低下する傾向が生じる。
【００１３】本発明におけるアルミニウム箔の厚さは、
３〜３０μｍ程度が好ましく、特に４〜２０μｍ程度で
あるのが最も好ましい。アルミニウム箔の厚さは、使用
する電池の種類によって適宜変更することもでき、例え
ば、ポリマー電池の集電体に使用する場合には、リチウ
ムイオン電池の集電体に使用する場合よりも、アルミニ
ウム箔の厚さは薄いのが一般的である。アルミニウム箔
の厚さが３μｍ未満になると、集電体の機械的特性（特
に引張強さ）が不十分となり、集電体に活物質等を塗布
する際、又は集電体を巻き上げて二次電池に組み込む際
に、集電体が破断する恐れがある。また、アルミニウム
箔の厚さが３０μｍを超えると、二次電池の重量や容積
が大きくなる。
３〜３０μｍ程度が好ましく、特に４〜２０μｍ程度で
あるのが最も好ましい。アルミニウム箔の厚さは、使用
する電池の種類によって適宜変更することもでき、例え
ば、ポリマー電池の集電体に使用する場合には、リチウ
ムイオン電池の集電体に使用する場合よりも、アルミニ
ウム箔の厚さは薄いのが一般的である。アルミニウム箔
の厚さが３μｍ未満になると、集電体の機械的特性（特
に引張強さ）が不十分となり、集電体に活物質等を塗布
する際、又は集電体を巻き上げて二次電池に組み込む際
に、集電体が破断する恐れがある。また、アルミニウム
箔の厚さが３０μｍを超えると、二次電池の重量や容積
が大きくなる。
【００１４】本発明におけるアルミニウム箔は、従来公
知の方法で得ることができる。即ち、アルミニウム鋳塊
に、熱間圧延，一次冷間圧延，中間焼鈍，二次冷間圧延
等を施すことによって得ることができる。本発明におい
ては、アルミニウム鋳塊中の不純物元素の組成や中間焼
鈍の条件等を適宜調整することによって、アルミニウム
箔の表層における特定不純物元素の総含有量を、０．１
重量％以下にすることができる。
知の方法で得ることができる。即ち、アルミニウム鋳塊
に、熱間圧延，一次冷間圧延，中間焼鈍，二次冷間圧延
等を施すことによって得ることができる。本発明におい
ては、アルミニウム鋳塊中の不純物元素の組成や中間焼
鈍の条件等を適宜調整することによって、アルミニウム
箔の表層における特定不純物元素の総含有量を、０．１
重量％以下にすることができる。
【００１５】以上説明した本発明におけるアルミニウム
箔は、各種二次電池用の集電体として好適に用いられ
る。即ち、アルミニウム箔に、活物質を塗布して、二次
電池の正極が得られるのである。具体的には、例えば、
コバルト酸リチウム等とバインダーとを混合したペース
ト状物を、アルミニウム箔よりなる集電体に塗布し、リ
チウムイオン電池，金属リチウム電池，ポリマー電池等
のリチウム系二次電池の正極が得られるのである。
箔は、各種二次電池用の集電体として好適に用いられ
る。即ち、アルミニウム箔に、活物質を塗布して、二次
電池の正極が得られるのである。具体的には、例えば、
コバルト酸リチウム等とバインダーとを混合したペース
ト状物を、アルミニウム箔よりなる集電体に塗布し、リ
チウムイオン電池，金属リチウム電池，ポリマー電池等
のリチウム系二次電池の正極が得られるのである。
【００１６】
【実施例】以下、実施例によって本発明を説明するが、
本発明は実施例に限定されるものではない。本発明は、
表層に特定不純物元素が０．１重量％以下であるアルミ
ニウム箔は、二次電池の集電体として用いた場合、耐溶
解性に優れているという特性の発見に基づくものである
として認識されるべきである。
本発明は実施例に限定されるものではない。本発明は、
表層に特定不純物元素が０．１重量％以下であるアルミ
ニウム箔は、二次電池の集電体として用いた場合、耐溶
解性に優れているという特性の発見に基づくものである
として認識されるべきである。
【００１７】実施例１ アルミニウム９９．８５重量％，珪素０．０４重量％，
鉄０．０６重量％，銅０．０１重量％，マンガン０．０
１重量％，亜鉛０．０３重量％の元素組成を持つアルミ
ニウム鋳塊に、熱間圧延，一次冷間圧延，中間焼鈍，二
次冷間圧延を施して、厚さ約２０μｍのアルミニウム箔
を得た。このアルミニウム箔の表面から０．１μｍ厚さ
の表層における特定不純物元素（珪素、銅及びマンガ
ン）の総含有量は、０．０７重量％であった。また、こ
のアルミニウム箔の導電率は、２０℃で約６３％ＩＡＣ
Ｓであった。
鉄０．０６重量％，銅０．０１重量％，マンガン０．０
１重量％，亜鉛０．０３重量％の元素組成を持つアルミ
ニウム鋳塊に、熱間圧延，一次冷間圧延，中間焼鈍，二
次冷間圧延を施して、厚さ約２０μｍのアルミニウム箔
を得た。このアルミニウム箔の表面から０．１μｍ厚さ
の表層における特定不純物元素（珪素、銅及びマンガ
ン）の総含有量は、０．０７重量％であった。また、こ
のアルミニウム箔の導電率は、２０℃で約６３％ＩＡＣ
Ｓであった。
【００１８】比較例１ アルミニウム９９．８５重量％，珪素０．０４重量％，
鉄０．０６重量％，銅０．０１重量％，マンガン０．０
１重量％，亜鉛０．０２５重量％，鉛０．００５重量％
の元素組成を持つアルミニウム鋳塊に、実施例１と同様
の方法を適用して、厚さ約２０μｍのアルミニウム箔を
得た。このアルミニウム箔の表面から０．１μｍ厚さの
表層における特定不純物元素（珪素、銅，マンガン及び
鉛）の総含有量は、０．３７重量％であった。また、こ
のアルミニウム箔の導電率は、２０℃で約６３％ＩＡＣ
Ｓであった。
鉄０．０６重量％，銅０．０１重量％，マンガン０．０
１重量％，亜鉛０．０２５重量％，鉛０．００５重量％
の元素組成を持つアルミニウム鋳塊に、実施例１と同様
の方法を適用して、厚さ約２０μｍのアルミニウム箔を
得た。このアルミニウム箔の表面から０．１μｍ厚さの
表層における特定不純物元素（珪素、銅，マンガン及び
鉛）の総含有量は、０．３７重量％であった。また、こ
のアルミニウム箔の導電率は、２０℃で約６３％ＩＡＣ
Ｓであった。
【００１９】実施例１及び比較例１で得られたアルミニ
ウム箔を、リチウムイオン電池の正極用集電体として用
い、活物質を塗布して、リチウムイオン電池に組み込ん
だ。この結果、実施例１で得られたアルミニウム箔を用
いたリチウムイオン電池は、比較例１で得られたアルミ
ニウム箔を用いたリチウムイオン電池に比べて、充・放
電のサイクル寿命が短くなりにくいものであった。従っ
て、実施例１で得られたアルミニウム箔よりなる集電体
は、比較例１のものに比べて、リチウムイオン電池中に
おいて耐溶解性に優れていることが分かる。
ウム箔を、リチウムイオン電池の正極用集電体として用
い、活物質を塗布して、リチウムイオン電池に組み込ん
だ。この結果、実施例１で得られたアルミニウム箔を用
いたリチウムイオン電池は、比較例１で得られたアルミ
ニウム箔を用いたリチウムイオン電池に比べて、充・放
電のサイクル寿命が短くなりにくいものであった。従っ
て、実施例１で得られたアルミニウム箔よりなる集電体
は、比較例１のものに比べて、リチウムイオン電池中に
おいて耐溶解性に優れていることが分かる。
【００２０】
【作用及び発明の効果】以上述べたように、本発明に係
るアルミニウム箔製集電体は、その表層において特定不
純物元素の総含有量が少ないため、酸化皮膜が安定に形
成され、二次電池の正極用集電体として用いた場合、電
解液中に、アルミニウムが溶解しにくく、耐溶解性に優
れている。従って、二次電池に充・放電を繰り返して
も、電池低能の低下が少なく、特に充・放電のサイクル
寿命が短くなるのを防止しうるという効果を奏する。
るアルミニウム箔製集電体は、その表層において特定不
純物元素の総含有量が少ないため、酸化皮膜が安定に形
成され、二次電池の正極用集電体として用いた場合、電
解液中に、アルミニウムが溶解しにくく、耐溶解性に優
れている。従って、二次電池に充・放電を繰り返して
も、電池低能の低下が少なく、特に充・放電のサイクル
寿命が短くなるのを防止しうるという効果を奏する。
Claims (4)
- 【請求項１】 アルミニウム純度が９９．７０重量％以
上であって、表面から０．１μｍ厚さの表層において、
インジウム，錫，アンチモン，タリウム，鉛，ビスマ
ス，マグネシウム，珪素，銅及びマンガンよりなる群で
構成される特定不純物元素の総含有量が０．１重量％以
下であるアルミニウム箔よりなることを特徴とする二次
電池用アルミニウム箔製集電体。 - 【請求項２】 アルミニウム純度が９９．７０重量％以
上であって、全体において、インジウム，錫，アンチモ
ン，タリウム，鉛，ビスマス，マグネシウム，珪素，
銅，マンガン，鉄，クロム，亜鉛，ニッケル，チタン及
びガリウムよりなる群で構成される不純物元素の総含有
量が０．２重量％以下であるアルミニウム箔よりなるこ
とを特徴とする請求項１記載の二次電池用アルミニウム
箔製集電体。 - 【請求項３】 アルミニウム箔が、冷間圧延工程を経て
得られたものである請求項１又は２記載の二次電池用ア
ルミニウム箔製集電体。 - 【請求項４】 二次電池がリチウムイオン電池又はポリ
マー電池である請求項１乃至３のいずれか一項に記載の
二次電池用アルミニウム箔製集電体。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9273895A JPH1197032A (ja) | 1997-09-18 | 1997-09-18 | 二次電池用アルミニウム箔製集電体 |
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| JPH1197032A true JPH1197032A (ja) | 1999-04-09 |
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Family Applications (1)
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| JP9273895A Pending JPH1197032A (ja) | 1997-09-18 | 1997-09-18 | 二次電池用アルミニウム箔製集電体 |
Country Status (1)
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