JPH1194666A - 圧力検出装置 - Google Patents

圧力検出装置

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JPH1194666A
JPH1194666A JP10157915A JP15791598A JPH1194666A JP H1194666 A JPH1194666 A JP H1194666A JP 10157915 A JP10157915 A JP 10157915A JP 15791598 A JP15791598 A JP 15791598A JP H1194666 A JPH1194666 A JP H1194666A
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strain gauge
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center
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幸彦 谷澤
Kazuaki Hamamoto
和明 浜本
Ineo Toyoda
稲男 豊田
Hiroaki Tanaka
宏明 田中
Yasutoshi Suzuki
康利 鈴木
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    • G01MEASURING; TESTING
    • G01LMEASURING FORCE, STRESS, TORQUE, WORK, MECHANICAL POWER, MECHANICAL EFFICIENCY, OR FLUID PRESSURE
    • G01L9/00Measuring steady of quasi-steady pressure of fluid or fluent solid material by electric or magnetic pressure-sensitive elements; Transmitting or indicating the displacement of mechanical pressure-sensitive elements, used to measure the steady or quasi-steady pressure of a fluid or fluent solid material, by electric or magnetic means
    • G01L9/0041Transmitting or indicating the displacement of flexible diaphragms
    • G01L9/0051Transmitting or indicating the displacement of flexible diaphragms using variations in ohmic resistance
    • G01L9/0052Transmitting or indicating the displacement of flexible diaphragms using variations in ohmic resistance of piezoresistive elements
    • G01L9/0055Transmitting or indicating the displacement of flexible diaphragms using variations in ohmic resistance of piezoresistive elements bonded on a diaphragm

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属ダイヤフラムと単結晶半導体より成るセ
ンサチップとを組み合わせることにより高圧力を検出可
能な構成とする場合において、線膨張係数差に起因した
熱応力による悪影響を排除して検出誤差の低減を図るこ
と。 【解決手段】 金属製ダイヤフラム1bの上面には、平
面形状が正八角形のセンサチップ2が接合される。この
センサチップ2は、面方位がほぼ(100)の単結晶シ
リコンより成るもので、その上面には、チップ中心Oと
直交した状態の2本の<110>軸上に、4個の歪みゲ
ージ抵抗3a〜3dがチップ中心Oを挟んで点対称配置
状に形成されている。これら歪みゲージ抵抗3a〜3d
は、信号取出用のホイートストンブリッジを構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高圧流体の圧力を
検出する用途に適した圧力検出装置、特には単結晶半導
体のピエゾ抵抗効果を利用して圧力検出を行うようにし
た圧力検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、高圧流体の圧力を検出するた
めの装置として、例えば特公平7−11461号公報に
記載されたものが知られている。このものは、表面に歪
みゲージ抵抗を有した正方形状のセンサチップ(半導体
チップ)を、センシングボディと一体に形成された金属
ダイヤフラム上にガラス層を介して接合した構成となっ
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のような圧力検出
装置においては、センサチップに作用する熱応力(半導
体チップ及び金属ダイヤフラムの線膨張係数差により発
生する熱応力)が、検出誤差に大きな影響を及ぼすとい
う事情がある。このような熱応力に起因した検出誤差の
低減を図るために、従来では、金属ダイヤフラムの材料
としてセンサチップと線膨張係数が近いものを選択した
り、金属ダイヤフラム及びセンサチップを極力薄くして
感度を上げる(熱応力による検出誤差を相対的に減ら
す)などの対策が行われている。しかしながら、このよ
うな対策だけでは検出誤差の低減効果に限界があるた
め、さらなる効果的対策の出現が望まれていた。
【0004】本発明は上記のような事情に鑑みてなされ
たものであり、その目的は、金属ダイヤフラムと単結晶
半導体より成るセンサチップとを組み合わせることによ
り高圧力を検出可能な構成としたものでありながら、そ
れら金属ダイヤフラム及びセンサチップの線膨張係数差
に起因した熱応力による悪影響を簡単な構造により極力
排除でき、これにより検出誤差の低減を図り得るなどの
効果を奏する圧力検出装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の圧力検出
装置は、上記目的を達成するために、受圧用の金属製ダ
イヤフラム上に、歪みゲージ抵抗を備えた単結晶半導体
製のセンサチップを接合する構成とした上で、そのセン
サチップの平面形状を、凸n角形(n≧6)若しくは円
形に形成する構成としたものである。尚、凸n角形と
は、頂角が180°未満のn角形をいう。
【0006】本件発明者は、金属製ダイヤフラム上に接
合された単結晶半導体製センサチップの表面(つまり歪
みゲージ抵抗の形成面)での熱応力の分布について有限
要素法(FEM)により解析した。その結果、センサチ
ップの平面形状が凸n角形(n≧6)若しくは円形であ
った場合には、センサチップの平面形状が正方形(従来
構成に相当)の場合に比べて熱応力による悪影響を小さ
くできることが判明した。
【0007】従って、センサチップの平面形状を、凸n
角形(n≧6)若しくは円形に形成した請求項1記載の
発明によれば、金属ダイヤフラム及びセンサチップの線
膨張係数差に起因した熱応力による悪影響を、当該セン
サチップの平面形状を変更するだけの簡単な構造によっ
て極力排除できるものであり、これにより検出誤差の低
減を図り得るようになる。
【0008】また、請求項2記載の発明のように、金属
製ダイヤフラム上に接合されたセンサチップの平面形状
を、外接円直径÷内接円直径の値が1.2未満となる多
角形若しくは円形に形成する構成としても良い。
【0009】本件発明者による前述したような有限要素
法による解析の結果、センサチップの平面形状が円形に
近い状態であれば、程度の差はあるものの、熱応力によ
る悪影響の低減を図り得ることが分かった。センサチッ
プの平面形状を多角形状に形成することを想定した場
合、円形にどの程度近い形状であるか否かの判断基準と
して、その多角形の外接円及び内接円の各直径を比較す
ることが考えられる。即ち、外接円直径÷内接円直径の
値をδとした場合、真円に限りなく近い多角形のδはほ
ぼ1であり、また、正八角形であればδは約1.08
2、正方形であればδは約1.414となる。
【0010】この場合、熱応力に関して、どの程度まで
円形に近付いた形状が許容されるかを検討した結果、δ
が1.2未満の多角形(実際には正六角形程度以上のも
の)であれば、熱応力の悪影響を低減できる形状(円形
に近い形状)と考えて良いことが分かった。従って、セ
ンサチップの平面形状を、外接円直径÷内接円直径の値
が1.2未満となる多角形若しくは円形に形成した請求
項2記載の発明によっても、金属ダイヤフラム及びセン
サチップの線膨張係数差に起因した熱応力による悪影響
を、当該センサチップの平面形状を変更するだけの簡単
な構造により極力排除できて、検出誤差の低減を実現で
きることになる。
【0011】また、請求項3記載の発明のように、前記
センサチップを、面方位がほぼ(100)の単結晶半導
体により形成する構成としても良い。
【0012】このようにセンサチップの面方位が(10
0)であった場合には、センサチップ上には、これを構
成する単結晶半導体の<110>軸が直交した状態で存
在することになる。この場合、単結晶半導体における
(100)面でのピエゾ抵抗効果は、互いに直交する2
本の<110>軸方向(以下、これらを便宜上X軸方向
及びY軸方向と呼ぶ)へ作用する各応力成分の双方の影
響を受けるものであり、また、被検出圧力が印加された
状態でのセンサチップ表面の歪みゲージ抵抗の抵抗変化
率は、上記X軸及びY軸方向の各応力成分の差に比例す
ることが分かっている。
【0013】そこで、本件発明者は、被検出圧力の印加
に応じたセンサチップの表面におけるX軸方向及びY軸
方向の応力分布状態、並びに上記各方向の熱応力分布状
態を有限要素法により解析した。
【0014】この解析の結果、面方位が(100)の単
結晶半導体より成るセンサチップにあっては、そのチッ
プ中心からの距離が大きくなるほど被検出圧力の印加に
応じた上記応力成分差が拡大すること、つまり歪みゲー
ジ抵抗の抵抗変化率が大きくなることが判明した。ま
た、熱応力については、歪みゲージ抵抗を、チップ中心
から所定距離内の位置に配置すれば、その配置ポイント
でのX軸方向及びY軸方向の熱応力差をほぼ零にできる
ことが判明した。
【0015】要するに、歪みゲージ抵抗の抵抗変化率を
大きくして感度を上げるためには、歪みゲージ抵抗の配
置位置をチップ中心から極力離れた位置に設定すること
が望ましく、また、熱応力に起因した検出誤差を縮小す
るためには、歪みゲージ抵抗の配置位置をチップ中心に
極力近い位置に設定することが望ましいことが判明し
た。
【0016】また、上述のような解析の結果、センサチ
ップの平面形状を、凸n角形(n≧6)若しくは円形、
或いは外接円直径÷内接円直径の値が1.2未満となる
多角形に形成した場合には、X軸方向及びY軸方向の熱
応力差をほぼ零にできる範囲(チップ中心からの距離)
が、従来構成の正方形の場合に比べて拡大することが判
明した。
【0017】従って、請求項3記載の発明のように、面
方位がほぼ(100)の単結晶半導体によりセンサチッ
プを形成した場合、歪みゲージ抵抗を、X軸方向及びY
軸方向の熱応力差をほぼ零にできる位置に配置した場合
でも、その位置をチップ中心から比較的離れた状態とす
ることができて、歪みゲージ抵抗の抵抗変化率をある程
度大きくできるようになるから、結果的に、検出誤差を
大幅に低減しながら感度の向上を実現できるという有益
な効果を奏するようになる。
【0018】上記のように、センサチップを面方位がほ
ぼ(100)の単結晶半導体により形成する場合には、
請求項4記載の発明のように、ブリッジ回路を構成する
ように2個以上設けられた歪みゲージ抵抗を、前記セン
サチップの中心部分で直交した状態の2本の<110>
軸上(つまり、X軸及びY軸上)に、当該センサチップ
の中心から所定距離だけ離間した状態で配置する構成と
することができる。このような構成によれば、請求項3
記載の発明と同様の理由により、各歪みゲージ抵抗を、
X軸方向及びY軸方向の熱応力差をほぼ零にできる位置
に配置した場合でも、その抵抗変化率をある程度大きく
できて、ブリッジ回路から熱応力オフセット電圧が小さ
い検出出力を得ることができるから、検出誤差を低減し
ながら感度の向上を実現できるようになる。
【0019】また、上記のように、センサチップを面方
位がほぼ(100)の単結晶半導体により形成する場合
には、請求項5記載の発明のように、ホイートストンブ
リッジの各辺を構成する歪みゲージ抵抗を、前記センサ
チップの中心部分で直交した状態の2本の<110>軸
上(X軸及びY軸上)に、当該センサチップの中心を挟
んでほぼ点対称配置とする構成としても良い。このよう
な構成によっても、請求項3記載の発明と同様の理由に
より、各歪みゲージ抵抗を、X軸方向及びY軸方向の熱
応力差をほぼ零にできる位置に配置した場合でも、その
抵抗変化率をある程度大きくできて、ホイートストンブ
リッジから熱応力オフセット電圧が小さく且つ高レベル
の検出出力を得ることができるから、検出誤差を低減し
ながら感度の大幅な向上を実現できるようになる。
【0020】また、請求項6記載の発明のように、前記
センサチップを、面方位がほぼ(110)の単結晶半導
体により形成する構成としても良い。このようにセンサ
チップの面方位が(110)であった場合には、センサ
チップ上には、これを構成する単結晶半導体の<100
>軸及び<110>軸が直交した状態で存在することに
なる。この場合、単結晶半導体より成るセンサチップに
圧力が印加された場合、そのセンサチップの中心から<
110>軸方向に沿った方向での応力分布は、当該セン
サチップの中央部領域と周辺部領域とで比較的大きな差
が出るものである。従って、この<110>軸に沿った
異なる位置上の中央部及び周辺部にそれぞれ歪みゲージ
抵抗を配置した場合には、圧力印加に応じた各歪みゲー
ジ抵抗の抵抗変化率にも比較的大きな差が出ることにな
る。
【0021】また、本件発明者による有限要素法による
解析によれば、センサチップの中心から<110>軸方
向に沿った方向での熱応力分布は、ある程度の範囲まで
同一の大きさのまま推移することが判明している。この
ため、例えば2個の歪みゲージ抵抗を、<110>軸に
沿った異なる位置上の中央部及び周辺部にそれぞれ配置
する場合であっても、それら歪みゲージ抵抗の<110
>軸方向の熱応力差をほぼ零にできることになる。
【0022】従って、請求項6記載の発明のように、面
方位がほぼ(110)の単結晶半導体によりセンサチッ
プを形成した場合には、歪みゲージ抵抗を、センサチッ
プにおける<110>軸に沿った異なる位置上の中央部
及び周辺部に互いに離間した状態で配置することによ
り、各歪みゲージ抵抗の抵抗変化率の差を、熱応力の影
響を受けることなくある程度大きくできるようになる。
この結果、その抵抗変化率の差に基づいて圧力検出可能
となるものであり、このときには検出誤差を低減しなが
ら感度の向上を実現できるという有益な効果を奏するよ
うになる。
【0023】上記のように、センサチップを面方位がほ
ぼ(110)の単結晶半導体により形成する場合には、
請求項7記載の発明のように、ブリッジ回路を構成する
ように2個以上設けられた歪みゲージ抵抗を、前記セン
サチップの中心部分を通る<110>軸に沿った位置上
に、その中央部及び周辺部に互いに離間した状態で配置
する構成とすることができる。このような構成によれ
ば、請求項6記載の発明と同様の理由により、各歪みゲ
ージ抵抗の抵抗変化率の差を、熱応力の影響を受けるこ
となくある程度大きくできるようになって、ブリッジ回
路から熱応力オフセット電圧が小さい検出出力を得るこ
とができるから、検出誤差を低減しながら感度の向上を
実現できるようになる。
【0024】また、上記のように、センサチップを面方
位がほぼ(110)の単結晶半導体により形成する場合
には、請求項8記載の発明のように、ホイートストンブ
リッジの対辺に位置した一対の歪みゲージ抵抗及び他の
対辺に位置した一対の歪みゲージ抵抗を、それぞれ前記
センサチップの中心部分を通る<110>軸に沿った位
置上の中央部及び周辺部に互いに離間した状態で配置す
る構成としても良い。このような構成によっても、請求
項6記載の発明と同様の理由により、ホイートストンブ
リッジの対辺に位置した一対の歪みゲージ抵抗と、他の
対辺に位置した一対の歪みゲージ抵抗との抵抗変化率の
差を、熱応力の影響を受けることなくある程度大きくで
きるようになって、ホイートストンブリッジから熱応力
オフセット電圧が小さく且つ高レベルの検出出力を得る
ことができるから、検出誤差を低減しながら感度の大幅
な向上を実現できるようになる。
【0025】請求項10記載の発明のように、前記セン
サチップの平面形状をほぼ八角形に形成した場合には、
半導体ウエーハ上でのセンサチップのレイアウトが簡単
化すると共に、無駄が少なくなる。この結果、当該セン
サチップを半導体ウエーハから切り出す工程が簡単化す
ると共に、チップ収率(チップ取れ率)が向上する利点
が出てくる。
【0026】請求項12記載の圧力検出装置は、前記目
的を達成するために、受圧用の金属製ダイヤフラム上
に、歪みゲージ抵抗を備えた単結晶半導体製のセンサチ
ップを接着用材料を介して接合する構成とした上で、そ
のセンサチップを矩形平板状に形成すると共に、前記接
着用材料の平面分布形状を、凸n角形(n≧6)若しく
は円形となるように構成したものである。
【0027】本件発明者は、金属製ダイヤフラム上に、
接着用材料を介して接合された矩形平板状の単結晶半導
体製センサチップの表面(つまり歪みゲージ抵抗の形成
面)での熱応力の分布について、上記接着用材料の平面
分布形状を種々変更しながら有限要素法によって解析し
た。その結果、接着用材料の平面分布形状が凸n角形
(n≧6)若しくは円形であった場合には、金属製ダイ
ヤフラム上にセンサチップの全体を接着用材料を介して
接合した場合(接着用材料の平面分布形状がセンサチッ
プの形状に応じた矩形状となる場合)に比べて熱応力に
よる悪影響を小さくできることが判明した。
【0028】従って、接着用材料の平面分布形状を凸n
角形(n≧6)若しくは円形に形成した請求項12記載
の発明によれば、金属ダイヤフラム及びセンサチップの
線膨張係数差に起因した熱応力による悪影響を、当該接
着用材料の平面分布形状を変更するだけの簡単な構造に
よって極力排除できるものであり、これにより検出誤差
の低減を図り得るようになる。しかも、この場合には、
センサチップの形状が矩形状とされているから、当該セ
ンサチップをウェハのダイシング加工によって容易に得
ることができて製造性が向上すると共に、その加工時の
無駄が少なくなって、チップ収率(チップ取れ率)が大
幅に向上するようになる。
【0029】また、請求項13記載の発明のように、金
属製ダイヤフラム上に接着用材料を介して矩形平板状の
センサチップを接合する場合に、その接着用材料の平面
分布形状を、外接円直径÷内接円直径の値が1.2未満
となる多角形若しくは円形に形成する構成としても良
い。
【0030】本件発明者による前述したような有限要素
法による解析の結果、センサチップが矩形平板状のもの
であっても、これを金属ダイヤフラム上に接着するため
の接着用材料の平面分布形状が円形に近い状態であれ
ば、程度の差はあるものの、熱応力による悪影響の低減
を図り得ることが分かった。接着用材料の平面分布形状
を多角形状に形成することを想定した場合、円形にどの
程度近い形状であるか否かの判断基準として、その多角
形の外接円及び内接円の各直径を比較することが考えら
れる。即ち、外接円直径÷内接円直径の値をδとした場
合、真円に限りなく近い多角形のδはほぼ1であり、ま
た、正八角形であればδは約1.082、正方形であれ
ばδは約1.414となる。
【0031】この場合、熱応力に関して、前記接着用材
料の平面分布形状が、どの程度まで円形に近付いた形状
が許容されるかを検討した結果、δが1.2未満の多角
形(実際には正六角形程度以上のもの)であれば、熱応
力の悪影響を低減できる形状(円形に近い形状)と考え
て良いことが分かった。従って、接着用材料の平面分布
形状を、外接円直径÷内接円直径の値が1.2未満とな
る多角形若しくは円形に形成した請求項13記載の発明
によっても、金属ダイヤフラム及びセンサチップの線膨
張係数差に起因した熱応力による悪影響を、当該接着用
材料の平面形状を変更するだけの簡単な構造により極力
排除できて、検出誤差の低減を実現できることになる。
【0032】また、請求項14記載の発明のように、前
記矩形平板状のセンサチップを、面方位がほぼ(10
0)の単結晶半導体により形成する構成としても良い。
このような構成によれば、前述した請求項3記載の発明
の場合と同様に、歪みゲージ抵抗を、X軸方向及びY軸
方向(互いに直交する2本の<110>軸方向)の熱応
力差をほぼ零にできる位置に配置した場合でも、その位
置をチップ中心から比較的離れた状態とすることができ
て、歪みゲージ抵抗の抵抗変化率をある程度大きくでき
るようになるから、結果的に、検出誤差を大幅に低減し
ながら感度の向上を実現できるという有益な効果を奏す
るようになる。
【0033】また、上記のように、矩形平板状のセンサ
チップを面方位がほぼ(100)の単結晶半導体により
形成する場合には、請求項15記載の発明のように、ブ
リッジ回路を構成するように2個以上設けられた歪みゲ
ージ抵抗を、前記センサチップの中心部分で直交した状
態の2本の<110>軸上(つまり、X軸及びY軸上)
に、当該センサチップの中心から所定距離だけ離間した
状態で配置する構成とすることができる。このような構
成によれば、請求項14記載の発明と同様の理由によ
り、各歪みゲージ抵抗を、X軸方向及びY軸方向の熱応
力差をほぼ零にできる位置に配置した場合でも、その抵
抗変化率をある程度大きくできて、ブリッジ回路から熱
誤差オフセット電圧が小さい検出出力を得ることができ
るから、検出誤差を低減しながら感度の向上を実現でき
るようになる。
【0034】さらに、上記のように、矩形平板状のセン
サチップを面方位がほぼ(100)の単結晶半導体によ
り形成する場合には、請求項16記載の発明のように、
ホイートストンブリッジの各辺を構成する歪みゲージ抵
抗を、前記センサチップの中心部分で直交した状態の2
本の<110>軸(X軸及びY軸上)上に、当該センサ
チップの中心を挟んでほぼ点対称配置とする構成として
も良い。このような構成によっても、請求項14記載の
発明と同様の理由により、各歪みゲージ抵抗を、X軸方
向及びY軸方向の熱応力差をほぼ零にできる位置に配置
した場合でも、その抵抗変化率をある程度大きくでき
て、ホイートストンブリッジから熱応力オフセット電圧
が小さく且つ高レベルの検出出力を得ることができるか
ら、検出誤差を低減しながら感度の大幅な向上を実現で
きるようになる。
【0035】また、請求項17記載の発明のように、前
記矩形平板状のセンサチップを、面方位がほぼ(11
0)の単結晶半導体により形成する構成としても良い。
このような構成によれば、前述した請求項6記載の発明
の場合と同様に、歪みゲージ抵抗を、センサチップにお
ける<110>軸に沿った異なる位置上の中央部及び周
辺部に互いに離間した状態で配置することにより、各歪
みゲージ抵抗の抵抗変化率の差を、熱応力の影響を受け
ることなくある程度大きくできるようになる。従って、
その抵抗率の差に基づいて圧力検出可能となるものであ
り、このときには検出誤差を低減しながら感度の向上を
実現できるという有益な効果を奏するようになる。
【0036】上記のように、矩形平板状のセンサチップ
を面方位がほぼ(110)の単結晶半導体により形成す
る場合には、請求項18記載の発明のように、ブリッジ
回路を構成するように2個以上設けられた歪みゲージ抵
抗を、前記センサチップの中心部分を通る<110>軸
に沿った位置上に、その中央部及び周辺部に互いに離間
した状態で配置する構成とすることができる。このよう
な構成によれば、請求項6記載の発明と同様の理由によ
り、各歪みゲージ抵抗の抵抗変化率の差を、熱応力の影
響を受けることなくある程度大きくできるようになっ
て、ブリッジ回路から熱応力オフセット電圧が小さい検
出出力を得ることができるから、検出誤差を低減しなが
ら感度の向上を実現できるようになる。
【0037】また、上記のように、矩形平板状のセンサ
チップを面方位がほぼ(110)の単結晶半導体により
形成する場合には、請求項19記載の発明のように、ホ
イートストンブリッジの対辺に位置した一対の歪みゲー
ジ抵抗及び他の対辺に位置した一対の歪みゲージ抵抗
を、それぞれ前記センサチップの中心部分を通る<11
0>軸に沿った位置上の中央部及び周辺部に互いに離間
した状態で配置する構成としても良い。このような構成
によっても、請求項6記載の発明と同様の理由により、
ホイートストンブリッジの対辺に位置した一対の歪みゲ
ージ抵抗と、他の対辺に位置した一対の歪みゲージ抵抗
との抵抗変化率の差を、熱応力の影響を受けることなく
ある程度大きくできるようになって、ホイートストンブ
リッジから熱応力オフセット電圧が小さく且つ高レベル
の検出出力を得ることができるから、検出誤差を低減し
ながら感度の大幅な向上を実現できるようになる。
【0038】請求項24記載の圧力検出装置は、前記目
的を達成するために、受圧用の金属製ダイヤフラム上
に、歪みゲージ抵抗を備えた単結晶半導体製のセンサチ
ップを接合する構成とした上で、そのセンサチップを、
表面に互いに直交した状態の結晶軸を有した矩形平板状
に形成すると共に、上記各結晶軸の方向をセンサチップ
の辺部と平行する直線に対して15°〜37°の角度だ
け回転させた範囲となるように設定する構成としたもの
である。
【0039】本件発明者は、金属製ダイヤフラム上に接
合された矩形平板状の単結晶半導体製センサチップにつ
いて、その表面に互いに直交した状態で存する各結晶軸
の方向を当該センサチップの辺部と平行した直線に対し
て所定角度ずつ回転させた複数のモデルを想定し、各モ
デルにおけるセンサチップ表面(つまり歪みゲージ抵抗
の形成面)での熱応力の分布について、有限要素法(F
EM)により解析した。その結果、上記回転角度が15
°〜37°の範囲にあれば、センサチップの中心から比
較的広い範囲の領域まで上記熱応力による誤差要因が減
少することが判明した。
【0040】従って、矩形平板状のセンサチップ表面に
互いに直交した状態で存する各結晶軸の方向を、当該セ
ンサチップの辺部と平行する直線に対して15°〜37
°の角度だけ回転させた範囲となるように設定した請求
項24記載の発明によれば、金属ダイヤフラム及びセン
サチップの線膨張係数差に起因した熱応力による悪影響
を、当該センサチップの結晶軸方向を変更するだけの簡
単な構造によって極力排除できるものであり、これによ
り検出誤差の低減を図り得るようになる。しかも、この
場合には、センサチップの矩形平板状のものであるか
ら、当該センサチップをウェハのダイシング加工によっ
て容易に得ることができて製造性が向上すると共に、そ
の加工時の無駄が少なくなって、チップ収率(チップ取
れ率)が大幅に向上するようになる。
【0041】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)以下、本発明の第1実施例につい
て図1ないし図7を参照しながら説明する。図1には圧
力検出装置の要部が一部断面にした状態で示され、図2
には同要部の平面構造が示されている。これら図1及び
図2において、金属製のセンシングボディ1は、下面が
受圧口1aとされた有底円筒状に形成されており、その
上端部(底面相当部)は、検出圧力に応じた厚さ寸法の
受圧用の金属製ダイヤフラム1bとなるように構成され
ている。
【0042】ダイヤフラム1bの上面には、面方位がほ
ぼ(100)の単結晶シリコン(単結晶半導体)より成
る平板状のセンサチップ2が、低融点ガラスや接着剤な
ど(図示せず)を利用して接合されている。尚、面方位
がほぼ(100)であるということは、(100)面か
ら数°程度傾斜しているものも含む概念である。また、
上記センサチップ2は、その裏面全体がダイヤフラム1
bと接合されるものである。
【0043】上記センサチップ2は、平面形状が正八角
形となるように形成されたもので、例えば、厚さ寸法が
約0.2mm、対辺間の寸法が約3.5mmに設定されてい
る。このセンサチップ2の表面には、周知の拡散プロセ
スによって4個の歪みゲージ抵抗3a、3b、3c、3
dが形成されており、これらの歪みゲージ抵抗3a〜3
dは、図3に示すように信号取出用のホイートストンブ
リッジを構成するように接続されている。尚、各歪みゲ
ージ抵抗3a〜3dは、説明の便宜上、長辺方向の抵抗
値変化をセンサ出力として取り出す矩形状のものとして
表現したが、実際には、このような形状に限定されるも
のではない。
【0044】この場合、センサチップ2上には、当該セ
ンサチップ2を構成する単結晶シリコンの<110>軸
が直交した状態で存在するものであり、図2に示すよう
に、4個設けられた歪みゲージ抵抗3a〜3dは、セン
サチップ2上の中心Oから互いに直交した方向へ延びる
2本の<110>軸上に、当該チップ中心Oを挟んで点
対称配置される。
【0045】具体的には、歪みゲージ抵抗3a、3d
は、チップ中心Oを通る一方の<110>軸(以下、こ
れをx軸と呼ぶ)上に、当該x軸と平行し且つチップ中
心Oから等距離ずつ離間した形態で配置される。また、
歪みゲージ抵抗3b、3cは、チップ中心Oを通る他方
の<110>軸(以下、これをy軸と呼ぶ)上に、当該
y軸と直交し且つチップ中心Oから等距離ずつ離間した
形態で配置される。さらに、センサチップ2にあって
は、上記x軸及びy軸(<110>軸)と交差する4辺
が、それらx軸及びy軸とほぼ直交するように構成され
ている。
【0046】尚、センシングボディ1の材料としては、
熱膨張率がセンサチップ2を構成する単結晶シリコンに
極力近い金属が望ましく、例えばコバール(30%Ni
−20%Co−Fe)などを利用することになる。ま
た、受圧口1aの直径は約2.5mm、ダイヤフラム1b
の厚さ寸法は約0.65mmに設定されるものであり、こ
れにより10MPa程度以上20MPa程度までの圧力
を検出できるようになっている。
【0047】上記構成によれば、ダイヤフラム1bに対
しては、受圧口1a側の面から被検出圧力が印加される
と共に、これと反対側の面から一定の基準圧力(例えば
大気圧)が印加されるものであり、それら印加圧力の差
によってダイヤフラム1b及びセンサチップ2が同時に
撓むようになる。このようにセンサチップ2が撓み変形
した場合には、これに伴うセンサチップ2表面の歪み変
形が歪みゲージ抵抗3a〜3dの抵抗値変化として現れ
るようになる。従って、図3に示すホイートストンブリ
ッジの入力端子Ia・Ib間に直流定電圧Vを与えた状
態では、受圧口1aを通じて被検出圧力が作用するのに
応じて、出力端子Pa・Pb間から当該被検出圧力に応
じた電圧レベルVout の信号が出力されることになる。
【0048】さて、以下においては、上記出力電圧レベ
ルVout と歪みゲージ抵抗3a〜3dの位置との関係、
並びにセンシングボディ1とセンサチップ2との線膨張
係数差に基づいて発生する熱応力について考察するに、
まず、出力電圧レベルVoutと歪みゲージ抵抗3a〜3
dの位置との関係について考察する。
【0049】図4には、圧力印加に応じたセンサチップ
2の表面における応力分布状態を有限要素法(FEM)
により解析した結果を示す。具体的には、この図4は、
図2中のx軸(<110>軸)に沿った複数のポイント
(チップ中心Oからの距離が異なるポイント)での応力
分布を解析した結果を、各ポイントでのx軸方向成分の
応力σxxとy軸方向成分の応力σyyとに分解した状態で
示すものである。
【0050】単結晶シリコンにおける(100)面での
ピエゾ抵抗効果は、上記応力σxx及びσyy双方の影響を
受けるものであり、x軸上に配置された歪みゲージ抵抗
3a、3dの抵抗値変化率ΔR/Rは、次式(1)で表
すことができる。但し、Rはゲージ初期抵抗値、ΔRは
増加分抵抗値、π44はピエゾ抵抗係数であり、また、σ
xx及びσyyはそれぞれ平均応力を示す。
【0051】 ΔR/R=(π44/2)(σxx−σyy) ……(1) また、y軸上に配置された歪みゲージ抵抗3b、3cの
抵抗値変化率ΔR′/Rは、結晶軸の対称性から、次式
(2)で表すことができる。但し、ΔR′は増加分抵抗
値、σxx′及びσyy′は、図2中のy軸(<110>
軸)に沿ったポイントでのx軸方向の平均応力及びy軸
方向の平均応力を示す。 ΔR′/R=(π44/2)(σxx′−σyy′) ……(2)
【0052】また、各歪みゲージ抵抗3a〜3dは、セ
ンサチップ2上の中心Oを挟んで点対称配置されている
から、次式(3)の関係が成立するようになる。 σxx=σyy′、σyy=σxx′ ……(3)
【0053】ここで、被検出圧力が下面から作用した状
態では、歪みゲージ抵抗3a、3dの抵抗値が減少する
と共に、歪みゲージ抵抗3b、3cの抵抗値が増加する
ことになるが、歪みゲージ抵抗3a〜3dの配置位置の
対称性により上記(3)式が成立することになるため、
被検出圧力が作用した状態における歪みゲージ抵抗3
b、3cの抵抗値増加率((2)式により得られる)
と、歪みゲージ抵抗3a、3dの抵抗値減少率((1)
式により得られる)とが等しくなる。
【0054】歪みゲージ抵抗3a〜3dにより図3に示
すようなホイートストンブリッジを構成した場合、出力
端子Pa・Pb間からの出力電圧レベルVout は、次式
(4)で得られることになる。但し、Ra、Rb、Rc
及びRdは、歪みゲージ抵抗3a、3b、3c及び3d
の各抵抗値であり、 Ra=Rd=R+ΔR Rb=Rc=R+ΔR′ の関係にある。 Vout =[(RbRc−RaRd)/{(Ra+Rb)(Rc+Rd)}]V ………(4)
【0055】この(4)式は、R>>ΔR、R>>ΔR′で
あること、並びに(1)〜(3)式に基づいて、次式
(5)のように変形することができる。
【0056】
【数1】
【0057】この(5)式からは、被検出圧力を示す電
圧レベルVout が、各歪みゲージ抵抗3a〜3dに作用
するx軸方向及びy軸方向の応力の差に比例することが
分かる。つまり、検出出力の電圧レベルVout を大きく
して感度を高めるためには、図4及び上記(5)式から
理解できるように、チップ中心Oから極力離れた位置に
歪みゲージ抵抗3a〜3dを形成すれば良いことにな
る。
【0058】次に、センシングボディ1とセンサチップ
2との線膨張係数差に基づく熱応力について考察する。
この熱応力は、検出出力の誤差に大きく影響するもので
あり、零に近付けることが望ましい。
【0059】図5には、本実施例のように正八角形状の
センサチップ2を備えた圧力検出装置に対し、所定の温
度差(例えば95℃)を与えた状態(印加圧力は零)で
のセンサチップ2の表面における熱応力分布状態を有限
要素法により解析した結果を示す。この図5には、図2
中のx軸(<110>軸)に沿った複数のポイント(チ
ップ中心Oからの距離が異なるポイント)での熱応力分
布を、各ポイントでのx軸方向の応力σxxとy軸方向の
応力σyyとに分解した状態で示してある。尚、図6に
は、上記のような解析結果を、センサチップ2と対応付
けた状態で摸式的に示した。
【0060】これらの図5及び図6からは、歪みゲージ
抵抗3a〜3dを、チップ中心Oから1mm程度以下の距
離、好ましくは0.8mm程度以下の距離内に配置すれ
ば、その配置ポイントでのx軸方向及びy軸方向の熱応
力差をほぼ零にできて、検出出力の誤差を大幅に縮小で
きることが分かる。
【0061】因みに、ダイヤフラム1b上に、センサチ
ップ2に代えて単結晶シリコンより成る正方形状のセン
サチップ(センサチップ2と同様の歪みゲージ抵抗を有
するもの)の裏面全体を接合したモデルについて、その
表面における熱応力分布状態の解析を上述同様に行った
結果を図7に示す。この図7からは、歪みゲージ抵抗
を、チップ中心から0.5mm程度以下の距離、好ましく
は0.25mm程度以下の距離内の位置、つまりチップ中
心に比較的近い位置に配置しなければ、熱応力をほぼ零
にできないことが分かる。
【0062】ところが、正方形状のセンサチップを使用
したモデルにおいても、歪みゲージ抵抗3a〜3dをチ
ップ中心に近い位置に配置した場合には、被検出圧力印
加時の各歪みゲージ抵抗3a〜3dに作用するx軸方向
及びy軸方向の応力の差が小さくなるため、検出出力が
十分に大きくならないという事情がある。このため、正
方形状のセンサチップを用いる場合には、検出出力の誤
差の拡大をある程度許容して感度の向上を図るか、或い
は感度の低下を甘受するか、の二者択一を迫られるとい
う問題点が出てくる。
【0063】これに対して、本実施例のように平面形状
が正八角形のセンサチップ2を用いる構成によれば、歪
みゲージ抵抗3a〜3dを、x軸方向及びy軸方向の熱
応力差をほぼ零にできる位置、具体的には、チップ中心
Oからの距離が0.8mm程度以下の位置に配置した場合
でも、図4から理解できるように、各歪みゲージ抵抗3
a〜3dに作用するx軸方向及びy軸方向の応力σxx及
びσyyの差が大きくなるから、検出出力の電圧レベルV
out を十分に大きくできる。つまり、本実施例によれ
ば、センサチップ2の平面形状を正八角形に設定したこ
とによるチップ形状効果によって、検出誤差を大幅に低
減しながら感度の向上を実現できるという有益な効果を
奏するものである。
【0064】また、本実施例のように、面方位が(10
0)の単結晶シリコンによってセンサチップ2を構成し
た場合には、ホイートストンブリッジを構成するための
歪みゲージ抵抗3a〜3dを、センサチップ2のチップ
中心Oを挟んで点対称配置することになる。このような
配置とした場合には、前述したように、被検出圧力が作
用した状態における歪みゲージ抵抗3b、3cの抵抗値
増加分と、歪みゲージ抵抗3a、3dの抵抗値減少分と
が等しくなるから、被検出圧力に対する出力電圧の直線
性が良好になるものである。
【0065】さらに、本実施例のように、センサチップ
2の平面形状を正八角形とした場合には、半導体ウエー
ハ上でのセンサチップ2のレイアウトが簡単化すると共
に、無駄が少なくなるから、当該センサチップ2を半導
体ウエーハから切り出す工程が簡単化すると共に、チッ
プ収率(チップ取れ率)が向上するようになる。
【0066】(第2の実施の形態)図8ないし図10に
は本発明の第2実施例が示されており、以下これについ
て前記第1実施例と異なる部分について説明する。即
ち、この第2実施例は、図8及び図9に示すように、セ
ンシングボディ1が有するダイヤフラム1bの上面に、
平面形状が円形のセンサチップ4を図示しない低融点ガ
ラスや接着剤などを利用して接合した点に特徴を有す
る。上記センサチップ4は、面方位がほぼ(100)の
単結晶シリコンより成るもので、例えば、厚さ寸法が約
0.2mm、直径が約3.5mmに設定されており、このセ
ンサチップ4の表面に4個の歪みゲージ抵抗3a、3
b、3c、3dが形成されている。
【0067】この第2実施例においても、センサチップ
4上には、当該センサチップ4を構成する単結晶シリコ
ンの<110>軸が直交した状態で存在するものであ
り、図9に示すように、4個設けられた歪みゲージ抵抗
3a〜3dは、前記第1実施例と同様に、センサチップ
2上の中心Oから互いに直交した方向へ延びるx軸及び
y軸上に、当該チップ中心Oを挟んで点対称配置され
る。
【0068】この実施例のように円形状のセンサチップ
4を備えた圧力検出装置に対し、所定の温度差(例えば
95℃)を与えた状態(印加圧力は零)でのセンサチッ
プ4の表面における熱応力分布状態を有限要素法により
解析した結果は図10に示す通りである。
【0069】この図10を、前記第1実施例における図
5と比較した場合、両者が互いに極めて近似しているこ
とが分かる。従って、円形状のセンサチップ4を利用す
る構成とした場合でも、前記第1実施例と同様に、検出
誤差を低減しながら感度の向上を実現できると共に、被
検出圧力に対する出力電圧の直線性を良好にできること
になる。
【0070】(第3の実施の形態)図11ないし図13
には本発明の第3実施例が示されており、以下これにつ
いて前記第1実施例と異なる部分について説明する。即
ち、この第3実施例は、図11に示すように、センシン
グボディ1が有するダイヤフラム1bの上面に、平面形
状が正六角形のセンサチップ5を図示しない低融点ガラ
スや接着剤などを利用して接合した点に特徴を有する。
上記センサチップ5は、面方位がほぼ(100)の単結
晶シリコンより成るもので、その厚さ寸法が約0.2m
m、対辺間の寸法が約3.5mm(対角線間寸法は4mm程
度になる)に設定されており、このセンサチップ5の表
面に4個の歪みゲージ抵抗3a、3b、3c、3dが形
成されている。
【0071】この場合、上記センサチップ5にあって
は、当該センサチップ5を構成する単結晶シリコンの一
方の<110>軸(x軸)が、図11に示すように、所
定の対角線と平行した方向となるように設定されてお
り、これに伴い他方の<110>軸(y軸)は正六角形
における所定の対辺と直交した状態となるように構成さ
れている。そして、歪みゲージ抵抗3a、3dはx軸上
に配置され、歪みゲージ抵抗3b、3cはy軸上に配置
される。
【0072】この実施例のように正六角形状のセンサチ
ップ5を備えた圧力検出装置に対し、所定の温度差(例
えば95℃)を与えた状態(印加圧力は零)でのセンサ
チップ4の表面における熱応力分布状態を有限要素法に
より解析した結果は図12及び図13に示す通りであ
る。尚、図12は、図11中のx軸に沿った複数のポイ
ント(チップ中心Oからの距離が異なるポイント)での
熱応力分布を、各ポイントでのx軸方向の応力σxxとy
軸方向の応力σyyとに分解した状態で示し、図13は、
図11中のy軸に沿った複数のポイント(チップ中心O
からの距離が異なるポイント)での熱応力分布を、各ポ
イントでのx軸方向の応力σxx′とy軸方向の応力σy
y′とに分解した状態で示す。
【0073】これらの図12及び図13からは、歪みゲ
ージ抵抗3a〜3dを、チップ中心Oから0.9mm程度
以下の距離、好ましくは0.7mm程度以下の距離内に配
置すれば、その配置ポイントでのx軸方向及びy軸方向
の熱応力差をほぼ零にできて、検出出力の誤差を大幅に
縮小できることが分かる。
【0074】従って、本実施例においても前記第1実施
例と同様の作用効果を奏するものである。
【0075】尚、上記した各実施例で述べたような有限
要素法による解析の結果、センサチップの平面形状が円
形に近い状態であれば、程度の差はあるものの、熱応力
の低減を図り得ることが分かる。ここで、センサチップ
の平面形状を多角形状に形成することを想定した場合、
円形にどの程度近い形状であるか否かの判断基準とし
て、その多角形の外接円及び内接円の各直径を比較する
ことが考えられる。即ち、外接円直径÷内接円直径の値
をδとした場合、真円に限りなく近い多角形のδはほぼ
1であり、また、正八角形であればδは約1.082、
正方形であればδは約1.414となる。
【0076】この場合、熱応力に関して、どの程度まで
円形に近付いた形状が許容されるかを検討した結果、δ
が1.2未満の多角形(実際には第3実施例で説明した
正六角形程度以上のもの)であれば、熱応力を低減でき
る形状(円形に近い形状)と考えて良いことが分かっ
た。従って、センサチップの平面形状を、外接円直径÷
内接円直径の値が1.2未満となる多角形に形成する構
成とすれば、金属ダイヤフラム及びセンサチップの線膨
張係数差に起因した熱応力による悪影響を、当該センサ
チップの平面形状を変更するだけの簡単な構造により極
力排除できて、検出誤差の低減を実現できることにな
る。
【0077】(第4の実施の形態)上記した各実施例で
は、面方位が(100)の単結晶シリコンによりセンサ
チップ2を形成する構成としたが、センサチップのチッ
プ形状効果によって検出誤差の低減を図るだけの目的で
あれば、面方位が(110)の単結晶シリコンによりセ
ンサチップを形成する構成としても良い。
【0078】図14及び図15には、このような構成を
採用した本発明の第4実施例が示されている。即ち、上
記のように面方位が(110)の単結晶シリコンにより
センサチップを形成する場合には、歪みゲージ抵抗3a
〜3dの配置状態を、図1及び図2に示す状態から図1
4及び図15に示す状態に変更したセンサチップ2′を
設ける必要がある。尚、上記歪みゲージ抵抗3a〜3d
は、第1実施例で述べたように、ホイートストンブリッ
ジ(図3参照)を構成するものである。
【0079】このようにセンサチップ2′の面方位が
(110)であった場合、図15に示すように、センサ
チップ2′上には、これを構成する単結晶シリコンの<
100>軸及び<110>軸が直交した状態で存在する
ことになる。この場合、上記ホイートストンブリッジの
対辺に位置した一対の歪みゲージ抵抗3b、3cは、セ
ンサチップ2′の中心部分を通る<110>軸、つまり
x軸に沿った位置上の中央部に配置され、当該ホイート
ストンブリッジの他の対辺に位置した一対の歪みゲージ
抵抗3a、3dは、上記x軸に沿った位置上の周縁部に
配置される。
【0080】この場合には、x軸方向成分の応力σxxの
みがピエゾ抵抗効果にかかわるため、前記(5)式は次
式(6)のように変更される。但し、σxxc は歪みゲー
ジ抵抗3b、3cにおけるx軸方向成分の応力、σxxs
は歪みゲージ抵抗3a、3dにおけるx軸方向成分の応
力を示すものであり、これらの値は前述した特性図(図
4)からほぼ知ることができる。
【0081】
【数2】
【0082】ここで、本件発明者による有限要素法によ
る解析によれば、センサチップ2′に圧力が印加された
場合、そのセンサチップ2′の中心Oからx軸方向に沿
った方向での応力分布は、前記図4とほぼ同じ傾向とな
るものである。つまり、x軸方向成分の応力σxxは、セ
ンサチップ2′の中央部(歪みゲージ抵抗3b、3cが
配置された領域)と周辺部(歪みゲージ抵抗3a、3d
が配置された領域)とで比較的大きな差が出るものであ
る。従って、歪みゲージ抵抗3b、3cの抵抗変化率と
歪みゲージ抵抗3a、3dの抵抗変化率の差が大きくな
り、(6)式からも明らかなようにホイートストンブリ
ッジの出力電圧Vout が大きくなる。
【0083】また、本件発明者による有限要素法による
解析によれば、上記センサチップ2′において、チップ
中心Oからx軸方向に沿った方向での熱応力分布は、前
記図5とほぼ同じ傾向となるものである。つまり、X軸
方向成分の熱応力σxxは、チップ中心Oから0.8mm程
度の距離範囲までほぼ同一の大きさのまま推移し、1mm
程度の距離範囲まで見た場合には若干量だけ変化してい
る。このため、歪みゲージ抵抗3b、3cをセンサチッ
プ2′の中央部に配置し、歪みゲージ抵抗3a、3d
を、チップ中心Oから1mm程度以下の距離、好ましくは
0.8mm程度以下の距離内に配置すれば、歪みゲージ抵
抗3b、3cに作用する熱応力と歪みゲージ抵抗3a、
3dに作用する熱応力の差をほぼ零にできることが分か
る。従って、ホイートストンブリッジから熱応力オフセ
ット電圧が小さい状態の出力電圧Vout を得ることがで
きることになり、以て検出誤差を低減しながら感度の向
上を実現できるようになる。
【0084】(第5の実施の形態)図16ないし図19
には本発明の第5実施例が示されており、以下これにつ
いて前記第1実施例と異なる部分のみ説明する。図16
には圧力検出装置の要部が一部断面にした状態で示さ
れ、図17には同要部の平面構造が示されている。これ
ら図16及び図17において、金属製のセンシングボデ
ィ1の上端部に構成された金属製ダイヤフラム1bの上
面には、面方位がほぼ(100)の単結晶シリコン(単
結晶半導体)より成る矩形平板状のセンサチップ6が、
接着用材料としての低融点ガラス7(図17参照)を利
用して接合されている。尚、上記センシングボディ1の
各部の寸法は第1実施例と同じである(受圧口1aの直
径は約2.5mm、ダイヤフラム1bの厚さ寸法は約0.
65mm)。
【0085】この場合、上記センサチップ6は、平面形
状が正方形(例えば約3.5mm□、厚さ寸法は約0.2
mm)となるように形成されたもので、その表面には、図
17に示すように、当該センサチップ6を構成する単結
晶シリコンの<110>軸が、互いに直交し且つセンサ
チップ6の辺部とも直交(及び平行)した状態で存在す
るものである。また、このセンサチップ6の表面には、
第1実施例と同様に、信号取出用のホイートストンブリ
ッジ(図3参照)を構成する4個の歪みゲージ抵抗3
a、3b、3c、3dが形成されている。つまり、各歪
みゲージ抵抗3a〜3dは、センサチップ6上の中心O
から互いに直交した方向へ延びる2本の<110>軸上
に、当該チップ中心Oを挟んで点対称配置されている。
尚、本実施例においても、チップ中心Oを通る一方の<
110>軸をx軸と呼び、チップ中心Oを通る他方の<
110>軸をy軸と呼ぶ。
【0086】上記低融点ガラス7は、図17に示すよう
に、その平面分布形状が正八角形となるように設定され
たもので、合計4個の辺部がセンサチップ6の四辺部に
それぞれ沿った状態(重なった状態)で設けられてい
る。従って、この低融点ガラス7は、前記x軸及びy軸
と直交する辺を備えた状態となるものであり、また、低
融点ガラス7の対向辺部間の距離は、センサチップ6の
対向辺部間の寸法に応じた約3.5mmとなる。
【0087】上記のような構成においても、ダイヤフラ
ム1bに対しては、受圧口1a側の面から被検出圧力が
印加されると共に、これと反対側の面から一定の基準圧
力(例えば大気圧)が印加されるものであり、それら印
加圧力の差によってダイヤフラム1b及びセンサチップ
6が同時に撓むようになる。このようにセンサチップ6
が撓み変形した場合には、これに伴うセンサチップ6表
面の歪み変形が歪みゲージ抵抗3a〜3dの抵抗値変化
として現れるようになるから、図3に示すホイートスト
ンブリッジを通じて被検出圧力に応じた電圧レベルVou
t の信号を得ることができる。
【0088】図18には、圧力印加に応じたセンサチッ
プ6の表面における応力分布状態を有限要素法により解
析した結果を示す。この図18は、図17中のx軸に沿
った複数のポイントでの応力分布を示すもので、x軸方
向成分の応力をσxx、y軸方向成分の応力をσyyで表し
ている。この図18と、前記第1実施例における同様の
解析結果を示す前記図4とを比較した場合、両者は極め
て類似したプロファイルになっていることが分かる。
【0089】この場合、前にも述べたように、単結晶シ
リコンにおける(100)面でのピエゾ抵抗効果は、上
記応力σxx及びσyy双方の影響を受けるものであり、x
軸上に配置された歪みゲージ抵抗3a、3dの抵抗値変
化率ΔR/Rは、次式(1)で表すことができ、また、
y軸上に配置された歪みゲージ抵抗3b、3cの抵抗値
変化率ΔR′/Rは、結晶軸の対称性から、次式(2)
で表すことができる。但し、Rはゲージ初期抵抗値、Δ
Rは抵抗3a,3dの増加分抵抗値、π44はピエゾ抵抗
係数、ΔR′は抵抗3b,3cの増加分抵抗値を示し、
σxx及びσyyは図17中のX軸に沿ったポイントでのX
軸方向の平均応力及びy軸方向の平均応力、σxx′及び
σyy′は、図17中のy軸に沿ったポイントでのx軸方
向の平均応力及びy軸方向の平均応力を示す。
【0090】 ΔR/R=(π44/2)(σxx−σyy) ……(1) ΔR′/R=(π44/2)(σxx′−σyy′) ……(2)
【0091】また、各歪みゲージ抵抗3a〜3dの位置
の対称性から次式(3)の関係が成立する。 σxx=σyy′、σyy=σxx′ ……(3)
【0092】従って、前記第1実施例で説明した内容と
同じ理由により、歪みゲージ抵抗3a〜3dにより構成
されたホイートストンブリッジ(図3参照)を通じて得
られる出力電圧のレベルVout は次式(5)のようにな
る。
【0093】
【数3】
【0094】この(5)式からは、被検出圧力を示す電
圧レベルVout が、各歪みゲージ抵抗3a〜3dに作用
するx軸方向及びy軸方向の応力の差に比例することが
分かる。つまり、検出出力の電圧レベルVout を大きく
して感度を高めるためには、図18及び上記(5)式か
ら理解できるように、チップ中心Oから極力離れた位置
に歪みゲージ抵抗3a〜3dを形成すれば良いことにな
る。
【0095】図19には、本実施例のように正方形状の
センサチップ6をダイヤフラム1b上に平面分布形状が
正八角形の低融点ガラス7を利用して接合した圧力検出
装置に対し、所定の温度差(例えば95℃)を与えた状
態(印加圧力は零)でのセンサチップ6の表面における
熱応力分布状態を有限要素法により解析した結果を示
す。この図19は、図17中のx軸に沿った複数のポイ
ントでの熱応力分布を、各ポイントでのx軸方向の応力
σxxとy軸方向の応力σyyとに分解した状態で示してい
る。この図19と、前記第1実施例における同様の解析
結果を示す前記図5とを比較した場合、両者は極めて類
似したプロファイルになっていることが分かる。
【0096】従って、上記図17及び図18からは、歪
みゲージ抵抗3a〜3dを、チップ中心Oから1mm程度
以下の距離、好ましくは0.8mm程度以下の距離内に配
置すれば、その配置ポイントでのx軸方向及びy軸方向
の熱応力差をほぼ零にできて、検出出力の誤差を大幅に
縮小できることが分かる。
【0097】要するに、本実施例のように平面形状が正
方形のセンサチップ6を用いる場合であっても、そのセ
ンサチップ6をダイヤフラム1b上に接合するための低
融点ガラス7の平面分布形状を八角形とするなどの構成
とした場合には、歪みゲージ抵抗3a〜3dを、x軸方
向及びy軸方向の熱応力差をほぼ零にできる位置、具体
的には、チップ中心Oからの距離が0.8mm程度以下の
位置に配置した場合でも、図19から理解できるよう
に、各歪みゲージ抵抗3a〜3dに作用するx軸方向及
びy軸方向の応力σxx及びσyyの差が大きくなるから、
検出出力の電圧レベルVout を十分に大きくできる。つ
まり、本実施例のように、正方形状のセンサチップ6を
固定する部分となる低融点ガラス7の平面分布形状を正
八角形に設定した場合には、当該センサチップ6が正方
形状のものであっても、前記第1実施例で述べたチップ
形状効果と同等の効果が得られるものであり、これによ
って、検出誤差を大幅に低減しながら感度の向上を実現
できるという有益な効果を奏するものである。
【0098】また、本実施例のように、面方位が(10
0)の単結晶シリコンによってセンサチップ6を構成し
た場合には、ホイートストンブリッジを構成するための
歪みゲージ抵抗3a〜3dを、センサチップ6のチップ
中心Oを挟んで点対称配置することになる。このような
配置とした場合には、前述したように、被検出圧力が作
用した状態における歪みゲージ抵抗3b、3cの抵抗値
増加分と、歪みゲージ抵抗3a、3dの抵抗値減少分と
が等しくなるから、被検出圧力に対する出力電圧の直線
性が良好になるものである。
【0099】さらに、本実施例のように、センサチップ
6の平面形状を正方形とした場合には、半導体ウエーハ
上でのセンサチップ6のレイアウトが簡単化するばかり
か、センサチップ6をウェハのダイシング加工によって
容易に得ることができて製造性が向上すると共に、その
加工時の無駄が少なくなって、チップ収率(チップ取れ
率)が大幅に向上するようになる。
【0100】一方、図20には、上記第5実施例におけ
る低融点ガラス7の平面分布形状を円形(直径は約3.
5mm)とした状態において、センサチップ6の表面にお
ける応力分布状態を有限要素法により解析した結果が示
され、図21には、同状態において、センサチップ6の
表面における熱応力分布状態を有限要素法により解析し
た結果が示されている。これらの図20及び図21と、
低融点ガラス7の平面分布形状が正八角形(対辺間の距
離は約3.5mm)の状態での同様の解析結果を示す前記
図18及び図19とを比較した場合、両者は極めて類似
したプロファイルになっていることが分かる。従って、
低融点ガラス7の平面分布形状を円形とした場合でも、
第5実施例と同様の効果を奏するものである。
【0101】また、図22には、上記第5実施例におけ
る低融点ガラス7の平面分布形状を正六角形(対辺間の
距離は約3.5mm:一対の対向辺部がセンサチップ6の
一対の対向辺部に沿った配置とされる)とした状態にお
いて、センサチップ6の表面における応力分布状態を有
限要素法により解析した結果が示され、図23には、同
状態において、センサチップ6の表面における熱応力分
布状態を有限要素法により解析した結果が示されてい
る。これらの図22及び図23と、上記のような図18
及び図19とを比較した場合にも、両者は極めて類似し
たプロファイルになっていることが分かる。従って、低
融点ガラス7の平面分布形状を正六角形とした場合で
も、第5実施例と同様の効果を奏するものである。
【0102】つまり、センサチップ6を接合するための
低融点ガラス7の平面分布形状が円形若しくは円形に近
い多角形状であれば、程度の差はあるものの、熱応力の
低減を図り得ることが分かる。ここで、低融点ガラス7
の平面分布形状を多角形状に形成することを想定した場
合、円形にどの程度近い形状であるか否かの判断基準と
して、その多角形の外接円及び内接円の各直径を比較す
ることが考えられる。即ち、外接円直径÷内接円直径の
値をδとした場合、真円に限りなく近い多角形のδはほ
ぼ1であり、また、正八角形であればδは約1.08
2、正方形であればδは約1.414となる。
【0103】この場合、熱応力に関して、低融点ガラス
7の平面分布形状をどの程度まで円形に近付いた形状が
許容されるかを検討した結果、δが1.2未満の多角形
(実際には正六角形程度以上のもの)であれば、熱応力
を低減できる形状(円形に近い形状)と考えて良いこと
が分かった。従って、低融点ガラス7の平面分布形状
を、外接円直径÷内接円直径の値が1.2未満となる多
角形に形成する構成とすれば、金属ダイヤフラム1b及
び正方形状のセンサチップ6の線膨張係数差に起因した
熱応力による悪影響を、当該低融点ガラス7の平面形状
を変更するだけの簡単な構造により極力排除できて、検
出誤差の低減を実現できると共に、チップ取れ率の向上
を図り得ることになる。
【0104】(第6の実施の形態)上記第5実施例で
は、面方位が(100)の単結晶シリコンによりセンサ
チップ6を形成する構成としたが、面方位が(110)
の単結晶シリコンによりセンサチップを形成する構成と
しても良い。図24には、このような構成を採用した本
発明の第6実施例が示されている。即ち、上記のように
面方位が(110)の単結晶シリコンによってセンサチ
ップ6′を形成する場合には、そのセンサチップ6′上
の歪みゲージ抵抗3a〜3dを、図17に示す配置状態
から図24に示す配置状態に変更する必要がある。尚、
上記歪みゲージ抵抗3a〜3dは、第5実施例と同様に
ホイートストンブリッジ(図3参照)を構成するもので
ある。
【0105】このようにセンサチップ6′の面方位が
(110)であった場合、図24に示すように、センサ
チップ6′上には、これを構成する単結晶シリコンの<
100>軸及び<110>軸が直交した状態で存在する
ことになる。この場合、上記ホイートストンブリッジの
対辺に位置した一対の歪みゲージ抵抗3b、3cは、セ
ンサチップ6′の中心部分を通る<110>軸、つまり
x軸に沿った位置上の中央部に配置され、当該ホイート
ストンブリッジの他の対辺に位置した一対の歪みゲージ
抵抗3a、3dは、上記x軸に沿った位置上の周縁部に
配置される。
【0106】この場合には、前記第4実施例の説明から
明らかなように、次式(6)が成立する(σxxc は歪み
ゲージ抵抗3b、3cにおけるx軸方向成分の応力、σ
xxsは歪みゲージ抵抗3a、3dにおけるx軸方向成分
の応力)。
【0107】
【数4】
【0108】ここで、本件発明者による有限要素法によ
る解析によれば、ダイヤフラム1b上に平面分布形状が
正八角形の低融点ガラス7を介して接合された正方形状
のセンサチップ6′に圧力が印加された場合、そのセン
サチップ6′の中心Oからx軸方向に沿った方向での応
力分布は、前記図4とほぼ同じ傾向となるものである。
つまり、x軸方向成分の応力σxxは、センサチップ6′
の中央部(歪みゲージ抵抗3b、3cが配置された領
域)と周辺部(歪みゲージ抵抗3a、3dが配置された
領域)とで比較的大きな差が出るものである。従って、
歪みゲージ抵抗3b、3cの抵抗変化率と歪みゲージ抵
抗3a、3dとの抵抗変化率の差が大きくなり、(6)
式からも明らかなように、ホイートストンブリッジの出
力電圧Vout が大きくなる。
【0109】また、本件発明者による有限要素法による
解析によれば、上記のようなセンサチップ6′におい
て、チップ中心Oからx軸方向に沿った方向での熱応力
分布は、前記図5とほぼ同じ傾向となるものである。つ
まり、X軸方向成分の熱応力σxxは、チップ中心Oから
0.8mm程度の距離範囲まで同一の大きさのまま推移
し、1mm程度の距離範囲まで見た場合には若干量だけ変
化している。このため、歪みゲージ抵抗3b、3cをセ
ンサチップ6′の中央部に配置し、歪みゲージ抵抗3
a、3dを、チップ中心Oから1mm程度以下の距離、好
ましくは0.8mm程度以下の距離内に配置すれば、歪み
ゲージ抵抗3b、3cに作用する熱応力と歪みゲージ抵
抗3a、3dに作用する熱応力の差をほぼ零にできるこ
とが分かる。従って、ホイートストンブリッジから熱応
力オフセット電圧が小さい状態の出力電圧Vout を得る
ことができることになり、以て検出誤差を低減しながら
感度の向上を実現できるようになる。勿論、この第6実
施例においても、低融点ガラス7の平面分布形状を円形
や正六角形などに形成しても良いものである。
【0110】(第7の実施の形態)図25ないし図33
には本発明の第7実施例が示されており、以下これにつ
いて前記第1実施例と異なる部分のみ説明する。図25
には圧力検出装置の要部が一部断面にした状態で示さ
れ、図26には同要部の平面構造が示されている。これ
ら図25及び図26において、金属製のセンシングボデ
ィ1の上端部に構成された金属製ダイヤフラム1bの上
面には、面方位がほぼ(100)の単結晶シリコン(単
結晶半導体)より成る矩形平板状のセンサチップ8が、
低融点ガラスや接着剤(図示せず)を利用して接合され
ている。尚、上記センシングボディ1の各部の寸法は第
1実施例と同じである(受圧口1aの直径は約2.5m
m、ダイヤフラム1bの厚さ寸法は約0.65mm)。ま
た、上記センサチップ8は、その裏面全体がダイヤフラ
ム1bと接合されるものである。
【0111】この場合、上記センサチップ8は、平面形
状が正方形(例えば約3.5mm□、厚さ寸法は約0.2
mm)となるように形成されたもので、その表面には、当
該センサチップ8を構成する単結晶シリコンの<110
>軸が、互いに直交した状態で存在するものである。但
し、本実施例では、各結晶軸の方向を、センサチップ8
の辺部と平行した直線に対してそれぞれ所定の角度θ例
えば22.5°だけ回転させた状態としている。つま
り、チップ中心Oを通る一方の<110>軸をx軸、チ
ップ中心Oを通る他方の<110>軸をy軸とした場
合、上記回転角度θは、図26中に示すように、x軸と
センサチップ8の辺部8aに平行した中心線Aとの間の
角度、または、y軸とセンサチップ8の上記辺部8aと
直交した辺部8bに平行した中心線Bとの間の角度に相
当することになる。
【0112】そして、上記センサチップ8の表面には、
第1実施例と同様に、信号取出用のホイートストンブリ
ッジ(図3参照)を構成する4個の歪みゲージ抵抗3
a、3b、3c、3dが形成されている。つまり、各歪
みゲージ抵抗3a〜3dは、センサチップ8上の中心O
から互いに直交した方向へ延びる2本の<110>軸
(x軸及びy軸)上に、当該チップ中心Oを挟んで点対
称配置されている。
【0113】上記のような構成においても、ダイヤフラ
ム1bに対しては、受圧口1a側の面から被検出圧力が
印加されると共に、これと反対側の面から一定の基準圧
力(例えば大気圧)が印加されるものであり、それら印
加圧力の差によってダイヤフラム1b及びセンサチップ
8が同時に撓むようになる。このようにセンサチップ8
が撓み変形した場合には、これに伴うセンサチップ8表
面の歪み変形が歪みゲージ抵抗3a〜3dの抵抗値変化
として現れるようになるから、図3に示すホイートスト
ンブリッジを通じて被検出圧力に応じた電圧レベルVou
t の信号を得ることができる。
【0114】このような構成においても、歪みゲージ抵
抗3a〜3dにより構成されたホイートストンブリッジ
(図3参照)を通じて得られる出力電圧のレベルVout
については、次式(5)が成立するものである。
【0115】
【数5】
【0116】また、圧力印加に応じたセンサチップ8の
表面におけるx軸方向及びy軸方向の応力差は、チップ
中心Oから遠ざかるに連れて大きくなるという事情があ
るから、本実施例においても、検出出力の電圧レベルV
out を大きくして感度を高めるためには、チップ中心O
から極力離れた位置に歪みゲージ抵抗3a〜3dを形成
すれば良いことになる。
【0117】この場合、上記検出出力の誤差要因となる
x軸方向及びy軸方向の熱応力差は、歪みゲージ抵抗3
a〜3dの位置がチップ中心Oから遠ざかるに連れて拡
大するという特性があるが、本実施例のように、センサ
チップ8上の結晶軸(<110>軸)の方向をセンサチ
ップ8の辺部に対してθ=22.5°だけ回転させた状
態とした場合には、上記熱応力差が零若しくは零に近い
状態となる領域がチップ中心Oから比較的離れた位置ま
で拡大するものである。
【0118】つまり、図27ないし図29には、本実施
例のように正方形状のセンサチップ8の裏面全体をダイ
ヤフラム1b上に接合した圧力検出装置において、前記
回転角度θをそれぞれ0°、22.5°、45°に変更
したモデルを想定し、各モデルに対し、所定の温度差
(例えば95℃)を与えた状態(印加圧力は零)でのセ
ンサチップ8の表面における熱応力分布状態を有限要素
法により解析した結果を示す。尚、これらの図27ない
し図29は、図26中のx軸に沿った複数のポイントで
の熱応力分布を、各ポイントでのx軸方向の応力σxxと
y軸方向の応力σyyとに分解した状態で示している。
【0119】上記のような解析結果からは、回転角度θ
が0°及び45°の各モデル(図27、図29)におい
ては、チップ中心Oからの距離が0.4〜0.5mm程度
を越えた領域からx軸方向及びy軸方向の熱応力差(σ
yy−σxx)が拡大し始めているのに対して、回転角度θ
が22.5°のモデル(図28)においては、チップ中
心Oからの0.9mm程度の領域まで上記のような熱応力
差が零になっていることが分かる。
【0120】従って、本実施例の構成によっても、歪み
ゲージ抵抗3a〜3dを、チップ中心Oからほぼ1mm程
度以下の距離(好ましくは0.9mm程度以下の距離)内
に配置すれば、その配置ポイントでのx軸方向及びy軸
方向の熱応力差をほぼ零にできて、検出出力の誤差を大
幅に縮小できると共に、検出出力の電圧レベルVoutを
十分に大きくできて感度の向上を実現できるようにな
る。また、このような効果を得るために、センサチップ
8上の結晶軸の方向を変更するだけの簡単な構造を採用
するだけで済む利点がある。しかも、センサチップ8の
形状が正方形であるから、半導体ウエーハ上でのセンサ
チップ8のレイアウトが簡単化するばかりか、センサチ
ップ8をウェハのダイシング加工によって容易に得るこ
とができて製造性が向上すると共に、その加工時の無駄
が少なくなって、チップ収率(チップ取れ率)が大幅に
向上するようになる。
【0121】上記第7実施例では、センサチップ8上の
<110>軸の当該センサチップ8の辺部に対する回転
角度θを22.5°としたが、これに限られるものでは
なく、歪みゲージ抵抗3a〜3dの配置ポイントでのx
軸方向及びy軸方向の熱応力差をほぼ零にできる範囲を
ある程度確保できる角度であれば、上記回転角度θを変
更しても良いものである。
【0122】そこで、以下においては、このような回転
角度θの許容範囲について考察する。即ち、半導体圧力
検出装置においては、センサチップ上においてx軸方向
及びy軸方向の熱応力差が存在すると、検出出力の零点
が温度特性を持つようになるため、その非直線性が問題
となる。このような非直線性の補正を外部回路によって
行おうとする場合には、その回路構成が複雑になると共
に面倒な調整作業が必要になるという問題点が出てく
る。本実施例においても、このような零点温度非直線性
TNO(Temperature Nonlinearity of Offset Voltag
e)が問題となるものであり、これは次式(7)で表す
ことができる。
【0123】
【数6】
【0124】ここで、Voffset(T)は温度Tにおける
零点出力電圧、RTは常温、HTは温度変動幅の最高温
度、LTは温度変動幅の最低温度、FSはフルスケール
出力電圧幅(スパン)である。
【0125】このように得られるTNOの前記回転角度
θに対する依存性を上記第7実施例のような基本構造を
有したモデルについてシミュレーションした結果が図3
0に示されている。但し、このシミュレーションでは、
歪みゲージ抵抗のチップ中心からの距離は0.8mm、そ
の歪みゲージ抵抗の形成領域を0.2mm□の正方形と仮
定した。
【0126】図30における回転角度θ=0°の状態
は、従来行われてきた一般的なゲージ配置であるが、こ
の状態でのTNOの絶対値は4%FS強以上となってい
る。仮に、このようなTNOの絶対値を半減すれば非直
線性の補正に効果があるとすれば、回転角度θ=15°
〜33°の範囲に設定すれば良いことになる。尚、この
図30では、TNOが零になる回転角度θは約25°と
なっているが、これは歪みゲージ抵抗の形成領域を正方
形に仮定したことに起因すると考えられる。
【0127】一方、上記回転角度θが33°より大きく
設定された場合でも、検出出力の誤差要因となるx軸方
向及びy軸方向の熱応力差を零にできることがある。つ
まり、図31ないし図33には、第7実施例のように正
方形状のセンサチップ8の裏面全体をダイヤフラム1b
上に接合した圧力検出装置において、前記回転角度θを
それぞれ33.75°、37°、40°に変更したモデ
ルを想定し、各モデルに対し、所定の温度差(例えば9
5℃)を与えた状態(印加圧力は零)でのセンサチップ
8の表面における熱応力分布状態を有限要素法により解
析した結果を示す。尚、これらの図31ないし図33
は、図26中のx軸に沿った複数のポイントでの熱応力
分布を、各ポイントでのx軸方向の応力σxxとy軸方向
の応力σyyとに分解した状態で示している。
【0128】上記のような解析結果からは以下のような
ことが分かる、つまり、回転角度θが例えば33.75
°のモデル(図31)においては、x軸方向及びy軸方
向の熱応力差(σyy−σxx)は、チップ中心Oから0.
3mm程度の領域を越えると拡大傾向を示すが、チップ中
心Oから1.6mm程度の位置でもほぼ零になる。従っ
て、歪みゲージ抵抗を、その中心が上記チップ中心Oか
ら1.6mm程度の位置となるように配置すれば、大きな
検出出力が得られると共に、上記熱応力差を最小にでき
て当該検出出力の誤差を縮小できることになる。さら
に、回転角度θが37°のモデル(図32)において
も、x軸方向及びy軸方向の熱応力差が零になる位置
(チップ中心Oから約1.9mm強の位置)が存在するか
ら、同様に熱応力差を最小にできて検出出力の誤差を縮
小できることになる。また、回転角度が40°のモデル
(図33)においては、x軸方向及びy軸方向の熱応力
差が零になる領域がチップ中心Oから0.2mm程度の範
囲内のごく狭い領域に限られることになり、上記のよう
な誤差縮小効果は望めないことになる。以上のことを総
合すると、回転角度θの許容範囲は15°〜37°にな
るものであり、この範囲で回転角度θを変更することが
できる。
【0129】(第8の実施の形態)図34ないし図38
には、上記第7実施例に変更を加えた本発明の第8実施
例が示されており、以下これについて第7実施例と異な
る部分のみ説明する。図34には圧力検出装置の要部が
断面構造が示され、図35には同要部の平面構造が示さ
れている。これら図34及び図35において、下面に受
圧口9aを備えた金属製のセンシングボディ9の上端部
に構成された金属製ダイヤフラム9bの上面には、第7
実施例と同じ構成のセンサチップ8の裏面全体が、低融
点ガラスや接着剤(図示せず)を利用して接合されてい
る。この場合、本実施例では、200MPa用の圧力検
出装置を対象としており、上記センシングボディ9は、
これに応じた形状とされている。つまり、センシングボ
ディ9は、例えばコバール(30%Ni−20%Co−
Fe)によって形成されたもので、受圧口9aの直径は
約2.5mm、ダイヤフラム9bの厚さ寸法は約2mmと比
較的大きな値に設定される。
【0130】このように、ダイヤフラム厚が大きく変更
されると、センサチップ8の表面での熱応力分布も多少
変わってくるものであり、このような熱応力分布の変化
に対応するために、本実施例では、センサチップ8上の
結晶軸(<110>軸)の当該センサチップ8の辺部に
対する回転角度θを約30°に設定している。このよう
な設定の根拠は以下に述べる通りである。
【0131】即ち、図36ないし図38には、本実施例
のように正方形状のセンサチップ8の裏面全体を厚さ寸
法2mmのダイヤフラム9b上に接合した圧力検出装置に
おいて、前記回転角度θをそれぞれ26°、30°、3
4°に変更したモデルを想定し、各モデルに対し、所定
の温度差(例えば95℃)を与えた状態(印加圧力は
零)でのセンサチップ8の表面における熱応力分布状態
を有限要素法により解析した結果を示す。尚、これらの
図36ないし図38は、図35中のx軸に沿った複数の
ポイントでの熱応力分布を、各ポイントでのx軸方向の
応力σxxとy軸方向の応力σyyとに分解した状態で示し
ている。
【0132】上記のような解析結果からは、検出出力の
誤差要因となるx軸方向及びy軸方向の熱応力差がほぼ
零となる領域は、回転角度θ=30°のモデル(図3
7)がチップ中心Oから約1mmの領域となるものであ
り、これが一番広がっていることが分かる。従って、本
実施例の構成によっても、歪みゲージ抵抗3a〜3d
を、チップ中心Oからほぼ1mm程度以下の距離内に配置
すれば、その配置ポイントでのx軸方向及びy軸方向の
熱応力差をほぼ零にできて、検出出力の誤差を大幅に縮
小できると共に、検出出力の電圧レベルVout を十分に
大きくできて感度の向上を実現できるようになる。
【0133】尚、上記回転角度θは、この実施例で挙げ
た30°に限られるものではなく、歪みゲージ抵抗3a
〜3dの配置ポイントでのx軸方向及びy軸方向の熱応
力差をほぼ零にできる範囲をある程度確保できる角度で
あれば、前記第7実施例と同様に変更可能である。
【0134】(第9の実施の形態)上記第7実施例及び
第8実施例では、面方位が(100)の単結晶シリコン
により正方形状のセンサチップ8を形成する構成とした
が、面方位が(110)の単結晶シリコンによりセンサ
チップを形成する構成としても良い。図39には、この
ような構成を採用した本発明の第9実施例が示されてい
る。即ち、この第9実施例は第7実施例に変更を加えた
例を示すものであり、上記のように面方位が(110)
の単結晶シリコンによってセンサチップ8′を形成する
場合には、そのセンサチップ8′上の歪みゲージ抵抗3
a〜3dを、図26に示す配置状態から図39に示す配
置状態に変更する必要がある。尚、上記歪みゲージ抵抗
3a〜3dは、ホイートストンブリッジ(図3参照)を
構成するものである。
【0135】このようにセンサチップ8′の面方位が
(110)であった場合、図39に示すように、センサ
チップ8′上には、これを構成する単結晶シリコンの<
100>軸及び<110>軸が直交した状態で存在する
ことになる。この場合、上記ホイートストンブリッジの
対辺に位置した一対の歪みゲージ抵抗3b、3cは、セ
ンサチップ8′の中心部分を通る<110>軸、つまり
x軸に沿った位置上の中央部に配置され、当該ホイート
ストンブリッジの他の対辺に位置した一対の歪みゲージ
抵抗3a、3dは、上記x軸に沿った位置上の周縁部に
配置される。
【0136】このような構成の本実施例においても、前
記第6実施例中で説明したと同等の理由によって、歪み
ゲージ抵抗3b、3cに作用する熱応力と歪みゲージ抵
抗3a、3dに作用する熱応力の差をほぼ零にできるか
ら、ホイートストンブリッジから熱応力オフセット電圧
が小さい状態の出力電圧Vout を得ることができること
になり、以て検出誤差を低減しながら感度の向上を実現
できるようになる。
【0137】(その他の実施の形態)尚、本発明は上記
した各実施例に限定されるものではなく、以下に述べる
ような変形或いは拡大が可能である。各実施例では、ホ
イートストンブリッジを構成するために4個の歪みゲー
ジ抵抗を形成したが、例えば2個の歪み抵抗ゲージによ
りハーフブリッジ回路を形成する構成としても良い。セ
ンサチップの材料としては単結晶シリコンに限られるも
のではなく、ピエゾ抵抗効果を奏するものであれば、他
の単結晶半導体を利用することができる。
【0138】ダイヤフラムの直径よりセンサチップの対
辺寸法或いは直径が大きい状態の例で説明したが、その
寸法関係は逆であっても良い。また、センシングボディ
の材質はコバールに限定されるものではない。さらに、
歪みゲージ抵抗を拡散抵抗により構成したが、これをポ
リシリコン抵抗により形成することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す要部の部分断面斜視
【図2】同要部の平面図
【図3】歪みゲージ抵抗の配線状態を示す結線図
【図4】圧力印加に応じたセンサチップ表面における応
力分布状態を解析した結果を示す特性図
【図5】センサチップ表面における熱応力分布状態を解
析した結果を示す特性図
【図6】図5の解析結果をセンサチップと対応付けた状
態で摸式的に示す図
【図7】正方形状のセンサチップモデルについて、その
表面における熱応力分布状態を解析した結果を示す特性
【図8】本発明の第2実施例を示す図1相当図
【図9】図2相当図
【図10】図5相当図
【図11】本発明の第3実施例を示す図2相当図
【図12】センサチップ表面におけるx軸方向の熱応力
分布状態を解析した結果を示す特性図
【図13】センサチップ表面におけるy軸方向の熱応力
分布状態を解析した結果を示す特性図
【図14】本発明の第4実施例を示す図1相当図
【図15】図2相当図
【図16】本発明の第5実施例を示す図1相当図
【図17】図2相当図
【図18】圧力印加に応じたセンサチップ表面における
応力分布状態を解析した結果を示す特性図
【図19】センサチップ表面における熱応力分布状態を
解析した結果を示す特性図
【図20】第5実施例に一部変更を加えた変形例におけ
る図18相当図
【図21】同変形例における図19相当図
【図22】第5実施例に一部変更を加えた他の変形例に
おける図18相当図
【図23】同変形例における図19相当図
【図24】本発明の第6実施例を示す図2相当図
【図25】本発明の第7実施例を示す図1相当図
【図26】図2相当図
【図27】圧力印加に応じたセンサチップ表面における
応力分布状態を解析した結果を示す特性図その1
【図28】圧力印加に応じたセンサチップ表面における
応力分布状態を解析した結果を示す特性図その2
【図29】圧力印加に応じたセンサチップ表面における
応力分布状態を解析した結果を示す特性図その3
【図30】零点温度非直線性をシミュレーションした特
性図
【図31】圧力印加に応じたセンサチップ表面における
応力分布状態を解析した結果を示す特性図その4
【図32】圧力印加に応じたセンサチップ表面における
応力分布状態を解析した結果を示す特性図その5
【図33】圧力印加に応じたセンサチップ表面における
応力分布状態を解析した結果を示す特性図その6
【図34】本発明の第8実施例を示す要部の断面図
【図35】図2相当図
【図36】圧力印加に応じたセンサチップ表面における
応力分布状態を解析した結果を示す特性図その1
【図37】圧力印加に応じたセンサチップ表面における
応力分布状態を解析した結果を示す特性図その2
【図38】圧力印加に応じたセンサチップ表面における
応力分布状態を解析した結果を示す特性図その3
【図39】本発明の第9実施例を示す図2相当図
【符号の説明】
1はセンシングボディ、1bはダイヤフラム、2、2′
はセンサチップ、3a〜3dは歪みゲージ抵抗、4、
5、6、6′はセンサチップ、7は低融点ガラス(接着
用材料)、8、8′はセンサチップ、9はセンシングボ
ディ、9bはダイヤフラムを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 宏明 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 鈴木 康利 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 受圧用の金属製ダイヤフラム上に、歪み
    ゲージ抵抗を備えた単結晶半導体製のセンサチップを接
    合して成る圧力検出装置において、 前記センサチップの平面形状を、凸n角形(n≧6)若
    しくは円形に形成したことを特徴とする圧力検出装置。
  2. 【請求項2】 受圧用の金属製ダイヤフラム上に、歪み
    ゲージ抵抗を備えた単結晶半導体製のセンサチップを接
    合して成る圧力検出装置において、 前記センサチップの平面形状を、外接円直径÷内接円直
    径の値が1.2未満となる多角形若しくは円形に形成し
    たことを特徴とする圧力検出装置。
  3. 【請求項3】 前記センサチップは、面方位がほぼ(1
    00)の単結晶半導体により形成されることを特徴とす
    る請求項1または2記載の圧力検出装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の圧力検出装置において、 前記歪みゲージ抵抗はブリッジ回路を構成するように2
    個以上設けられ、 各歪みゲージ抵抗は、前記センサチップの中心部分で直
    交した状態の2本の<110>軸上に、当該センサチッ
    プの中心から所定距離だけ離間した状態で配置されるこ
    とを特徴とする圧力検出装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の圧力検出装置において、 前記歪みゲージ抵抗は、ホイートストンブリッジを構成
    するように複数個設けられ、 そのホイートストンブリッジの各辺を構成する歪みゲー
    ジ抵抗は、前記センサチップの中心部分で直交した状態
    の2本の<110>軸上に、当該センサチップの中心を
    挟んでほぼ点対称配置されることを特徴とする圧力検出
    装置。
  6. 【請求項6】 前記センサチップは、面方位がほぼ(1
    10)の単結晶半導体により形成されることを特徴とす
    る請求項1または2記載の圧力検出装置。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の圧力検出装置において、 前記歪みゲージ抵抗はブリッジ回路を構成するように2
    個以上設けられ、 各歪みゲージ抵抗は、前記センサチップの中心部分を通
    る<110>軸に沿った位置上に、その中央部及び周辺
    部に互いに離間した状態で配置されることを特徴とする
    圧力検出装置。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の圧力検出装置において、 前記歪みゲージ抵抗は、ホイートストンブリッジを構成
    するように複数個設けられ、 そのホイートストンブリッジの対辺に位置した一対の歪
    みゲージ抵抗及び他の対辺に位置した一対の歪みゲージ
    抵抗が、それぞれ前記センサチップの中心部分を通る<
    110>軸に沿った位置上の中央部及び周辺部に互いに
    離間した状態で配置されることを特徴とする圧力検出装
    置。
  9. 【請求項9】 前記センサチップは、多角形状に形成さ
    れる場合には、前記<110>軸とほぼ直交する辺を備
    えた形状に形成されることを特徴とする請求項3ないし
    8の何れかに記載の圧力検出装置。
  10. 【請求項10】 前記センサチップは、その平面形状が
    ほぼ八角形に形成されることを特徴とする請求項1ない
    し9の何れかに記載の圧力検出装置。
  11. 【請求項11】 前記歪みゲージ抵抗は、前記センサチ
    ップの中心から1mm以下の距離内に配置されることを特
    徴とする請求項1ないし10の何れかに記載の圧力検出
    装置。
  12. 【請求項12】 受圧用の金属製ダイヤフラム上に、歪
    みゲージ抵抗を備えた単結晶半導体製のセンサチップを
    接着用材料を介して接合して成る圧力検出装置におい
    て、 前記センサチップを矩形平板状に形成すると共に、 前記接着用材料の平面分布形状を、凸n角形(n≧6)
    若しくは円形となるように構成したことを特徴とする圧
    力検出装置。
  13. 【請求項13】 受圧用の金属製ダイヤフラム上に、歪
    みゲージ抵抗を備えた単結晶半導体製のセンサチップを
    接着用材料を介して接合して成る圧力検出装置におい
    て、 前記センサチップを矩形平板状に形成すると共に、 前記接着用材料の平面分布形状を、外接円直径÷内接円
    直径の値が1.2未満となる多角形若しくは円形となる
    ように構成したことを特徴とする圧力検出装置。
  14. 【請求項14】 前記センサチップは、面方位がほぼ
    (100)の単結晶半導体により形成されることを特徴
    とする請求項12または13記載の圧力検出装置。
  15. 【請求項15】 請求項14記載の圧力検出装置におい
    て、 前記歪みゲージ抵抗はブリッジ回路を構成するように2
    個以上設けられ、 各歪みゲージ抵抗は、前記センサチップの中心部分で直
    交した状態の2本の<110>軸上に、当該センサチッ
    プの中心から所定距離だけ離間した状態で配置されるこ
    とを特徴とする圧力検出装置。
  16. 【請求項16】 請求項15記載の圧力検出装置におい
    て、 前記歪みゲージ抵抗は、ホイートストンブリッジを構成
    するように複数個設けられ、 そのホイートストンブリッジの各辺を構成する歪みゲー
    ジ抵抗は、前記センサチップの中心部分で直交した状態
    の2本の<110>軸上に、当該センサチップの中心を
    挟んでほぼ点対称配置されることを特徴とする圧力検出
    装置。
  17. 【請求項17】 前記センサチップは、面方位がほぼ
    (110)の単結晶半導体により形成されることを特徴
    とする請求項12または13記載の圧力検出装置。
  18. 【請求項18】 請求項17記載の圧力検出装置におい
    て、 前記歪みゲージ抵抗はブリッジ回路を構成するように2
    個以上設けられ、 各歪みゲージ抵抗は、前記センサチップの中心部分を通
    る<110>軸に沿った位置上に、その中央部及び周辺
    部に互いに離間した状態で配置されることを特徴とする
    圧力検出装置。
  19. 【請求項19】 請求項18記載の圧力検出装置におい
    て、 前記歪みゲージ抵抗は、ホイートストンブリッジを構成
    するように複数個設けられ、 そのホイートストンブリッジの対辺に位置した一対の歪
    みゲージ抵抗及び他の対辺に位置した一対の歪みゲージ
    抵抗が、それぞれ前記センサチップの中心部分を通る<
    110>軸に沿った位置上の中央部及び周辺部に互いに
    離間した状態で配置されることを特徴とする圧力検出装
    置。
  20. 【請求項20】 前記センサチップは、前記<110>
    軸とほぼ直交した状態の辺部を有し、 前記接着用材料は、平面分布形状が多角形状に形成され
    る場合には、前記<110>軸とほぼ直交する辺を備え
    た形状に形成されることを特徴とする請求項14ないし
    17の何れかに記載の圧力検出装置。
  21. 【請求項21】 前記接着用材料の平面分布形状がほぼ
    八角形となるように構成したことを特徴とする請求項1
    2ないし20の何れかに記載の圧力検出装置。
  22. 【請求項22】 前記歪みゲージ抵抗は、前記センサチ
    ップの中心から1mm以下の距離内に配置されることを特
    徴とする請求項12ないし21の何れかに記載の圧力検
    出装置。
  23. 【請求項23】 前記接着用材料は低融点ガラスである
    ことを特徴とする請求項12ないし22の何れかに記載
    の圧力検出装置。
  24. 【請求項24】 受圧用の金属製ダイヤフラム上に、歪
    みゲージ抵抗を備えた単結晶半導体製のセンサチップを
    接合して成る圧力検出装置において、前記センサチップ
    を、表面に互いに直交した状態の結晶軸を有した矩形平
    板状に形成すると共に、上記各結晶軸の方向をセンサチ
    ップの辺部と平行する直線に対して15°〜37°の角
    度だけ回転させた範囲となるように設定したことを特徴
    とする圧力検出装置。
  25. 【請求項25】 前記センサチップは、面方位がほぼ
    (100)の単結晶半導体により形成されて、互いに直
    交した状態の前記各結晶軸がそれぞれ<110>軸とな
    るように構成され、 前記歪みゲージ抵抗はブリッジ回路を構成するように2
    個以上設けられ、 各歪みゲージ抵抗は、前記センサチップの中心部分で直
    交した状態の各結晶軸上に、当該センサチップの中心か
    ら所定距離だけ離間した状態で配置されることを特徴と
    する請求項24記載の圧力検出装置。
  26. 【請求項26】 請求項25記載の圧力検出装置におい
    て、 前記歪みゲージ抵抗は、ホイートストンブリッジを構成
    するように複数個設けられ、 そのホイートストンブリッジの各辺を構成する歪みゲー
    ジ抵抗は、前記センサチップの中心部分で直交した状態
    の前記各結晶軸上に、当該センサチップの中心を挟んで
    点対称配置されることを特徴とする圧力検出装置。
  27. 【請求項27】 前記センサチップは、面方位がほぼ
    (110)の単結晶半導体により形成されて、互いに直
    交した状態の前記各結晶軸がそれぞれ<100>軸及び
    <110>軸となるように構成され、 前記歪みゲージ抵抗はブリッジ回路を構成するように2
    個以上設けられ、 各歪みゲージ抵抗は、前記センサチップの中心部分を通
    る前記<110>軸に沿った位置上に、その中央部及び
    周辺部に互いに離間した状態で配置されることを特徴と
    する請求項24記載の圧力検出装置。
  28. 【請求項28】 請求項27記載の圧力検出装置におい
    て、 前記歪みゲージ抵抗は、ホイートストンブリッジを構成
    するように複数個設けられ、 そのホイートストンブリッジの対辺に位置した一対の歪
    みゲージ抵抗及び他の対辺に位置した一対の歪みゲージ
    抵抗が、それぞれ前記センサチップの中心部分を通る前
    記<110>軸に沿った位置上の中央部及び周辺部に互
    いに離間した状態で配置されることを特徴とする圧力検
    出装置。
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