JPH1193914A - 緩衝機構付き流体圧シリンダ - Google Patents

緩衝機構付き流体圧シリンダ

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JPH1193914A
JPH1193914A JP26037097A JP26037097A JPH1193914A JP H1193914 A JPH1193914 A JP H1193914A JP 26037097 A JP26037097 A JP 26037097A JP 26037097 A JP26037097 A JP 26037097A JP H1193914 A JPH1193914 A JP H1193914A
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JP
Japan
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piston
rod
cylinder
fluid pressure
fluid
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JP26037097A
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English (en)
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Junji Rikuura
淳二 陸浦
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CKD Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐久性及び衝撃緩衝能に優れた緩衝機構付き
流体圧シリンダを提供すること。 【解決手段】 この流体圧シリンダ1のピストンロッド
P1 は、シリンダ内部に区画される圧力作用室17,1
8内への流体の給排に基づいて駆動される。ピストン部
15とシリンダカバー2との間には、弾性を有する緩衝
体21A,21Bが配設される。ピストンロッドP1 の
衝撃は、緩衝体21A,21Bが形成する流体溜まりS
1 内の流体の抗力と緩衝体21A,21B自身の弾性復
帰力とにより緩衝される。緩衝体21A,21Bは、ピ
ストンロッドP1 のストローク方向に沿って一定範囲だ
け往復動可能となるように、ピストンロッドP1 のロッ
ド部16に設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、緩衝機構付き流体
圧シリンダに関するものである。
【0002】
【従来の技術】流体圧を利用した各種のシリンダにおい
ては、ストロークエンドに到ったピストンの慣性エネル
ギーを適当に吸収することによって、同ピストンがシリ
ンダカバーに与える衝撃を緩衝する必要がある。ゆえ
に、従来より衝撃緩衝機構付きのシリンダがいくつか提
案されている。
【0003】この種の従来装置としては、例えば実開平
3−43139号公報に記載されたものがある(図13
参照)。同図に示された流体圧シリンダ81では、シリ
ンダチューブ82の両端がシリンダカバー83で閉塞さ
れている。シリンダチューブ82内には、片面にロッド
84が連結されたピストン85が摺動可能に収容されて
いる。同ピストン85は、シリンダ81内を2つの圧力
作用室に区画する。ピストン85の端面とシリンダカバ
ー83の内端面との間には、緩衝体としてのゴムクッシ
ョン86が配設されている。前記ゴムクッション86
は、中心部に貫通孔を有する環状基部86aの一方の端
面にリップ部86bを形成してなる。なお、このリップ
部86bは通常の状態において環状基部86aの端面か
ら捲れ上がっており、両者86a,86b間の切れ込み
88は開いている。また、前記ゴムクッション86を構
成する環状基部86aの他端面側は、ピストン85の端
面に対向するように配置されている。
【0004】従って、ポート87を介して圧力作用室に
エアを供給した場合には、ピストン85がいずれかの方
向に移動する結果、ゴムクッション86にシリンダカバ
ー83が当接する。すると、シリンダ81内にはエア溜
まりが形成される。ピストン85がストロークエンドに
近づくと、まずリップ部86bに弾性変形が生じる。そ
の結果、リップ部86bの捲れ上がりが解消され、リッ
プ部86bが環状基部86aの端面に押し付けられる。
ピストン85がさらにストロークエンドに近づくと、今
度はピストン85によってゴムクッション86が全体的
に圧縮され、最終的にはピストン85が停止する。
【0005】なお、エア溜まりの容積はピストン85が
ストロークエンドに近づくに従って小さくなる。ゆえ
に、その内部にあるエアは徐々に圧縮状態となり、それ
に伴ってピストン85に対する抗力も増加する。従っ
て、このシリンダ81では、ゴムクッション86の弾性
復帰力に加え、エア溜まりのエアの圧力上昇による抗力
が作用することによって、ピストン85の衝撃が緩衝さ
れる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この種の緩
衝機構付き流体圧シリンダ81においては、クッション
ストローク長L1 の増大が衝撃緩衝能の向上につながる
ことが知られている。従って、そのためにはリップ部8
6bの捲れ上がり度合いを大きくすればよいことがわか
っている。
【0007】しかし、従来装置の構成であると衝撃緩衝
時にリップ部86bが変位する量が大きくなるため、変
位の中心となるリップ部86bの付け根の付近に特に応
力が集中しやすくなる。そして、このような応力の集中
はリップ部86bの付け根部分を早期に劣化させ、さら
にはゴムクッション86に亀裂等をもたらす原因とな
る。ゆえに、長期にわたってピストン85の衝撃緩衝を
図ることができず、耐久性の向上が望まれていた。
【0008】また、従来装置では構造的にみてこれ以上
大きなクッションストローク長L1を確保することが難
しく、大きな衝撃緩衝能を得ることができなかった。本
発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目
的は、耐久性及び衝撃緩衝能に優れた緩衝機構付き流体
圧シリンダを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1に記載の発明では、シリンダ内部に区画
される圧力作用室内への流体の給排に基づいて駆動され
るピストンロッドのピストン部とシリンダカバーとの間
に、弾性を有する緩衝体を配設し、その緩衝体が形成す
る流体溜まり内の流体の抗力と同緩衝体自身の弾性復帰
力とにより、前記ピストンロッドの衝撃が緩衝される流
体圧シリンダにおいて、前記緩衝体は、前記ピストンロ
ッドのストローク方向に沿って一定範囲だけ往復動可能
となるように同ピストンロッドのロッド部に設けられて
いることを特徴とする緩衝機構付き流体圧シリンダをそ
の要旨とする。
【0010】請求項2に記載の発明では、請求項1にお
いて、前記ロッド部の外周面に、ストローク方向に沿っ
た前記緩衝体の移動を規制する移動規制部を設けた。請
求項3に記載の発明では、請求項1または2において、
前記緩衝体における肉厚部分には前記ロッド部を摺動可
能に挿通させるための貫通孔が形成されているとした。
【0011】請求項4に記載の発明では、請求項1乃至
3のいずれか1項において、前記緩衝体を前記ピストン
部の端面から離間した位置に復帰させるための付勢手段
を設けた。
【0012】請求項5に記載の発明では、請求項1乃至
4のいずれか1項において、前記付勢手段は前記ピスト
ン部の端面と前記緩衝体との間に介在された皿ばね部材
であるとした。
【0013】以下、本発明の「作用」について説明す
る。請求項1に記載の発明によると、緩衝体がピストン
ロッドのストローク方向に沿って一定範囲だけ往復動可
能であるため、大きなクッションストローク長が確保さ
れる。このため、従来のごとく緩衝体にリップ部を設け
てその捲れ上がり度合いを大きくしなくても、衝撃緩衝
能の向上を図ることができる。また、リップ部を省略す
ることが可能となるため、緩衝体が早期に劣化しにくい
ものとなり、耐久性の向上を図ることができる。
【0014】請求項2に記載の発明によると、移動規制
部によってストローク方向に沿った緩衝体の移動が一定
範囲内に規制されるため、シリンダカバーの内端面に緩
衝体が付着するといった事態が回避される。また、緩衝
体の移動許容長さが短くなることで、耐久性をより向上
させることができる。
【0015】請求項3に記載の発明によると、肉厚部分
に貫通孔を形成しておけば、摺動による摩耗や変形に強
い緩衝体とすることができる。このため、耐久性をより
向上させることができる。
【0016】請求項4に記載の発明によると、衝撃緩衝
時において緩衝体がピストン部の端面に近接した位置に
移動したときでも、付勢手段の付勢力により、緩衝体を
前記端面から離間した位置まで速やかにかつ確実に復帰
させることができる。従って、高速動作に適したものと
なる。しかも、付勢手段の付勢力はピストンロッドの衝
撃を緩衝する抗力としても作用するため、結果的に衝撃
緩衝能の向上にもつながる。
【0017】請求項5に記載の発明によると、付勢手段
が皿ばね部材であると、組み付けが比較的容易になるば
かりでなく、装置の信頼性にも優れたものとなる。
【0018】
【発明の実施の形態】
[第1の実施形態]以下、本発明を具体化した第1の実
施形態の緩衝機構付き流体圧シリンダ1を図1〜図3に
基づき詳細に説明する。
【0019】図1に示されるように、本実施形態のシリ
ンダ1を構成するシリンダチューブ2は、円筒状の金属
製部材である。このシリンダチューブ2の開口部のう
ち、図1(a)の右側の開口部は、シリンダカバーとし
ての金属製のヘッドカバー5によって閉塞されている。
また、図1(a)の左側の開口部は、シリンダカバーと
しての金属製のロッドカバー6によって閉塞されてい
る。
【0020】ヘッドカバー5の内端面には、シリンダチ
ューブ2の開口部に嵌合可能な大きさをした円形状の嵌
合凸部7が突設されている。同ヘッドカバー5の外周面
には、流体給排用の第1のポート3が形成されている。
このポート3は、流体流路8を介して嵌合凸部7の中央
部にある凹部9に連通している。
【0021】同様に、ロッドカバー6の内端面には円形
状の嵌合凸部7が突設され、ロッドカバー6の外周面に
は流体給排用の第2のポート4が形成されている。この
ポート4は、嵌合凸部7の中央部を貫通するロッド挿通
孔11の大径部10に連通している。
【0022】シリンダチューブ2内に形成された内部空
間には、ピストンロッドP1 のピストン部15がチュー
ブ長手方向に沿って摺動可能に収容されている。ピスト
ン部15の中心にはロッド固定用孔が透設されている。
ピストンロッドP1 のロッド部16の右端側は、ピスト
ン部15の右端面からある程度の長さだけ突出するよう
な状態で、前記ロッド固定用孔に対して螺着されてい
る。従って、ピストン部15とロッド部16とは一体的
に移動可能となっている。
【0023】流体圧シリンダ1の内部空間は、ピストン
部15の存在によって2つの圧力作用室17,18に区
画されている。具体的にいうと、ヘッド側圧力作用室1
7は、ヘッドカバー5の内端面、シリンダチューブ2の
内周面、ロッド部16の外周面及びピストン部15の右
端面によって区画されている。このようなヘッド側圧力
作用室17には、第1のポート3、流体流路8及び凹部
9を介してエアが給排される。ロッド側圧力作用室18
は、ロッドカバー6の内端面、シリンダチューブ2の内
周面、ロッド部16の外周面及びピストン部15の左端
面によって区画されている。このようなロッド側圧力作
用室18には、第2のポート4及び大径部10を介して
エアが給排される。
【0024】ロッド部16の左側端は、ロッド挿通孔1
1を貫通してシリンダチューブ2の外部に突出してい
る。ロッド挿通孔11の小径部12には、パッキン装着
凹部19が設けられている。パッキン装着凹部19の中
には、環状のロッドパッキン20が装着されている。そ
して、このロッドパッキン20によって、ロッド部16
の周面とロッド挿通孔11の内壁面との間がシールされ
ている。また、シリンダチューブ2の内周面に対して摺
接するピストン部15の周面にも、断面略ダルマ形状を
したシール部材としてのピストンパッキン13が装着さ
れている。
【0025】この流体圧シリンダ1においては、ピスト
ン部15の右端面とヘッドカバー5の内端面との間に
は、緩衝体としてのゴムクッション21Aが設けられて
いる。ピストン部15の左端面とロッドカバー6の内端
面との間には、同じく緩衝体としてのゴムクッション2
1Bが設けられている。これらのゴムクッション21
A,21Bは、いずれもピストンロッドP1 のストロー
ク方向に沿って一定範囲だけ往復動可能になっている。
【0026】本実施形態で使用されているゴムクッショ
ン21A,21Bは、ウレタンゴム製であり、クッショ
ンとしての好適な弾性を有している。ウレタンゴムの他
にも、例えばNBR,HNBR,フッ素ゴム等のゴムの
選択が可能である。
【0027】図1(b),図1(c)に示されるよう
に、前記ゴムクッション21A,21Bは肉厚部分22
を有している。肉厚部分22の中心部には、ロッド部1
6を摺動可能に挿通させるための貫通孔23が形成され
ている。貫通孔23はゴムクッション21A,21Bの
表裏面を貫通する。貫通孔23の直径は、ロッド側ゴム
クッション21Bのほうがヘッド側ゴムクッション21
Bよりもいくぶん大きい。肉厚部分22よりも外周寄り
の領域は肉薄部分24となっている。ヘッド側ゴムクッ
ション21Aの肉薄部分24は、ピストン部15の右端
面に対向するヘッドカバー5に向かってテーパ状に突出
している。ロッド側ゴムクッション21Bの肉薄部分2
4は、ピストン部15の左端面に対向するロッドカバー
6に向かってテーパ状に突出している。
【0028】この流体圧シリンダ1は、ストローク方向
に沿ったゴムクッション21A,21Bの移動を規制す
る移動規制部を備えている。ヘッド側ゴムクッション2
1Aの移動を規制するための移動規制部は、ロッド部1
6においてピストン部15のヘッド側端面から突出した
箇所の外周面に形成された環状溝25である。そして、
ヘッド側ゴムクッション21Aは、このような環状溝2
5がある部分に対して嵌着されている。環状溝25の幅
は、肉厚部分24の厚さよりも大きく、かつピストンス
トローク長よりも小さい範囲(より好ましくはピストン
ストローク長の1/2以下)に設定されている。この幅
が小さすぎると、ゴムクッション21Aを摺動可能に嵌
着することができないからである。一方、この幅が大き
すぎると、ゴムクッション21Aが摺動しうる長さが大
きくなり、摩耗等が起こりやすくなるからである。な
お、この幅のことをゴムクッション21Aの移動許容長
さL2 と呼ぶことにする。
【0029】ロッド側ゴムクッション21Bの移動を規
制するための移動規制部は、一対の環状取付溝26と一
対の止めリング27とによって構成されている。一対の
環状取付溝26は、ロッド部16の外周面においてピス
トン部15のロッド側端面側の箇所に所定間隔を隔てて
形成されている。一方の環状取付溝26は、ピストン部
15のロッド側端面に形成された環状凹部29に対応す
る位置にある。他方の環状取付溝26は、ピストン部1
5のロッド側端面からいくぶん左寄りの位置にある。こ
れらのような環状取付溝26は断面略半円状であって、
従来公知の溝加工等を経て加工されることができる。両
環状取付溝26には、金属製の略C字状の止めリング2
7がそれぞれ装着されている。そして、ロッド側ゴムク
ッション21Bは、このような一対の止めリング27間
の領域に対して嵌着されている。止めリング27の離間
距離は、肉厚部分24の厚さよりも大きく、かつピスト
ンストローク長よりも小さい範囲(より好ましくはピス
トンストローク長の1/2以下)に設定されている。そ
の理由は上述の通りである。なお、この離間距離のこと
をゴムクッション21Bの移動許容長さL2 と呼ぶこと
にする。
【0030】ゴムクッション21A,21Bの内周面
(即ち貫通孔23の内壁面を含む面)には、ロッド部1
6の外周面に対して摺接する環状の密封突条30が形成
されている。本実施形態における密封突条30は、ゴム
クッション21A,21Bにおいてピストン部15に当
接する側の端に近い位置にある。同密封突条30は、ゴ
ムクッション21A,21Bの内周面とロッド部16の
外周面との間に高いシール面圧を確保し、後述するエア
溜まりS1 からのエア漏れを確実に阻止する役割を果た
す。
【0031】次に、上記のように構成された流体圧シリ
ンダ1の動作を図2,図3に基づいて説明する。図1,
図2(a)は、ピストン部15がちょうどストロークの
中間地点にある状態を示している。この状態では、応力
はまだ付加していないことから、両ゴムクッション21
A,21Bには弾性変形が全く生じていない。また、両
ゴムクッション21A,21Bは、ともにピストン部1
5の端面からそれぞれ最も遠ざかった位置(基本位置)
にある。
【0032】この状態で第2のポート4に流体としての
エアを供給すると、ロッド側の圧力作用室18内にエア
が導入され、同室18内の圧力が上昇する。すると、ピ
ストン部15及びロッド部16がヘッド側(即ち図1の
右側)の方向に移動する。ヘッド側の圧力作用室17内
のエアは、このとき第1のポート3を介して外部に排出
される。
【0033】ピストン部15がヘッド側ストロークエン
ドにある程度近づくと、ゴムクッション21Aの肉薄部
分24の先端がヘッドカバー5の内端面に当接し、ヘッ
ド側の圧力作用室17内が2つの空間に区画される(図
2(b) 参照)。そのうちの1つはゴムクッション21A
の右端面側に区画される空間であって、その空間は第1
のポート3側に連通している。残りの1つはゴムクッシ
ョン21Aの左端面ないし外周面の側に区画される空間
であって、その空間は第1のポート3側とは連通してい
ない。その内部にエアが密閉される後者の空間のこと
を、以下、エア溜まりS1 と呼ぶ。
【0034】ピストン部15がさらにヘッド側ストロー
クエンドに近づくと、ゴムクッション21Aは、ヘッド
カバー5の内端面によって押圧されることで、ロッド部
16を基準として環状溝25内を左側方向に摺動する。
ゴムクッション21Aの摺動は、その左端側がピストン
部15の右端面及び環状溝25の左壁面に当接すること
により規制される(図2(c) 参照)。ゴムクッション2
1Aの左側方向への摺動に伴い、エア溜まりS1 の容積
は徐々に小さくなる。ゆえに、その内部に密閉されたエ
アは徐々に圧縮状態となり、それに伴ってピストン部1
5に対する抗力が増加する。一方、ゴムクッション21
Aは摺動こそするものの、弾性変形を生じるには至らな
い。従って、この流体圧シリンダ1では、初期段階にお
いてまずエア溜まりS1 のエアの圧力上昇による抗力の
みが作用することで、ピストン部15の衝撃が緩衝され
る。
【0035】ピストン部15がさらにヘッド側ストロー
クエンドに近づくと、ゴムクッション21Aの摺動がス
トップする代わりに、ピストン部15の推力を受けるこ
とによりゴムクッション21Aに弾性変形が生じる。こ
のとき、肉薄部分24はその付け根部分を中心として全
体的にピストン部15の右端面側に近づくように変位す
る。やがて、ゴムクッション21Aの右側面略全体がヘ
ッドカバー5の内端面に押し付けられた状態となり、ピ
ストン部15がヘッド側ストロークエンドにて完全に停
止する(図2(d) 参照)。大きな衝撃が加わった場合に
は、さらにゴムクッション21Aの肉厚部分22が全体
的にピストン部15の右端面側に圧縮されるような弾性
変形が生じる。
【0036】図2(c)〜図2(d)の状態に至る過程
において、緩衝体であるゴムクッション21Aには、自
身の弾性変形を解消させようとするような復帰力が生ま
れる。そして、この復帰力がピストン部15を反対方向
に押し戻そうとすることで、ピストン部15の慣性エネ
ルギーが吸収される。つまり、後期段階においてはエア
溜まりS1 のエアの圧力上昇による抗力に加え、ゴムク
ッション21Aの復帰力が作用することで、ピストン部
15の衝撃が緩衝される。
【0037】次に、前記図2(d)の状態で第1のポー
ト3にエアを供給すると、ヘッド側の圧力作用室17内
にエアが導入され、同室17内の圧力が上昇する。する
と、ピストン部15及びロッド部16がロッド側(即ち
図1の左側)の方向に移動する。ロッド側の圧力作用室
18内のエアは、このとき第2のポート4を介して外部
に排出される。
【0038】ところで、ヘッド側の圧力作用室17にあ
るエア溜まりS1 内の圧力は依然として高い。そのた
め、第1のポート3側からのエア供給時においてもゴム
クッション21Aはヘッドカバー5の内端面側に押圧さ
れた状態にあり、本来ならばゴムクッション21Aの端
面付着という事態が起こりやすい。しかしながら、本実
施形態ではゴムクッション21Aが環状溝25の右壁面
に当接することで、その移動が規制される。この状態で
ピストンロッドP1 が移動する結果、ゴムクッション2
1Aがヘッドカバー5の内端面からの確実に引き剥がさ
れ、端面付着という事態が確実に回避される。このと
き、ゴムクッション21Aは上記の基本位置に復帰する
(図3(a) 参照)。
【0039】ピストン部15がロッド側ストロークエン
ドにある程度近づくと、ゴムクッション21Bの肉薄部
分24の先端がロッドカバー6の内端面に当接し、ロッ
ド側の圧力作用室18内が2つの空間に区画される(図
3(b) 参照)。そして、そのうちの1つが、密閉空間と
してのエア溜まりS1 となる。
【0040】ピストン部15がさらにロッド側ストロー
クエンドに近づくと、ゴムクッション21Bは、ロッド
カバー6の内端面によって押圧されることで、ロッド部
16を基準として一対の止めリング27間を右側方向に
摺動する。ゴムクッション21Bの摺動は、その右端側
がピストン部15の左端面及びヘッド側止めリング27
に当接することにより規制される(図3(c) 参照)。ゴ
ムクッション21Bの右側方向への摺動に伴い、エア溜
まりS1 の容積は徐々に小さくなる。ゆえに、その内部
に密閉されたエアは徐々に圧縮状態となり、それに伴っ
てピストン部15に対する抗力が増加する。一方、ゴム
クッション21Bは摺動こそするものの、弾性変形を生
じるには至らない。従って、この流体圧シリンダ1で
は、初期段階においてまずエア溜まりS1 のエアの圧力
上昇による抗力のみが作用することで、ピストン部15
の衝撃が緩衝される。
【0041】ピストン部15がさらにロッド側ストロー
クエンドに近づくと、ゴムクッション21Bの摺動がス
トップする代わりに、ピストン部15の推力を受けるこ
とによりゴムクッション21Bに弾性変形が生じる。こ
のとき、肉薄部分24はその付け根部分を中心として全
体的にピストン部15の左端面側に近づくように変位す
る。やがて、ゴムクッション21Bの左側面略全体がロ
ッドカバー6の内端面に押し付けられた状態となり、ピ
ストン部15がロッド側ストロークエンドにて完全に停
止する(図3(d) 参照)。大きな衝撃が加わった場合に
は、さらにゴムクッション21Bの肉厚部分22が全体
的にピストン部15の左端面側に圧縮されるような弾性
変形が生じる。
【0042】図3(c)〜図3(d)の状態に至る過程
において、緩衝体であるゴムクッション21Bには、自
身の弾性変形を解消させようとするような復帰力が生ま
れる。そして、この復帰力がピストン部15を反対方向
に押し戻そうとすることで、ピストン部15の慣性エネ
ルギーが吸収される。つまり、後期段階においてはエア
溜まりS1 のエアの圧力上昇による抗力に加え、ゴムク
ッション21Bの復帰力が作用することで、ピストン部
15の衝撃が緩衝される。
【0043】次に、前記図3(d)の状態で再び第2の
ポート4にエアを供給すると、ピストン部15及びロッ
ド部16がヘッド側に移動を開始する。ところで、ロッ
ド側の圧力作用室18にあるエア溜まりS1 内の圧力は
依然として高い。そのため、第2のポート4側からのエ
ア供給時においてもゴムクッション21Bはヘッドカバ
ー5の内端面側に押圧された状態にあり、本来ならばゴ
ムクッション21Bの端面付着という事態が起こりやす
い。しかしながら、本実施形態ではゴムクッション21
Bがロッド側止めリング27に当接することで、その移
動が規制される。このため、ピストンロッドP1 が移動
する結果、ゴムクッション21Bがロッドカバー6の内
端面から確実に引き剥がされ、端面付着という事態が確
実に回避される。そして、ゴムクッション21Bは上記
の基本位置に復帰する(図2(a)参照)。
【0044】さて、以下に本実施形態において特徴的な
作用効果を列挙する。 (イ)本実施形態では、ゴムクッション21A,21B
がピストンロッドP1のストローク方向に沿って一定範
囲だけ往復動可能になっているため、大きなクッション
ストローク長L1 が確保されている。このため、従来の
ごとくゴムクッションにリップ部を設けてその捲れ上が
り度合いを大きくしなくても、衝撃緩衝能に優れた流体
圧シリンダ1を得ることができる。
【0045】(ロ)また、リップ部を省略した本実施形
態のゴムクッション21A,21Bによると、特定部位
への応力の集中が回避されることから、ゴムクッション
21A,21Bが早期に劣化しにくいものとなる。従っ
て、耐久性に優れた流体圧シリンダ1を得ることができ
る。
【0046】(ハ)本実施形態では、ロッド部16の外
周面に設けられた移動規制部によって、ストローク方向
に沿ったゴムクッション21A,21Bの移動が一定範
囲内に規制されるように構成されている。このため、ゴ
ムクッション21A,21Bの端面付着といった事態が
確実にかつ長期にわたって回避される。また、ゴムクッ
ション21A,21Bの移動許容長さL2 が短くなるこ
とで摩耗が少なくなり、耐久性をより向上させることが
できる。
【0047】(ニ)肉厚部分22に貫通孔23を形成し
てその貫通孔23にロッド部16を摺動可能に挿通させ
た本実施形態によると、摺動による摩耗や変形に強いゴ
ムクッション21A,21Bとすることができる。この
ことは耐久性のよりいっそうの向上につながる。
【0048】(ホ)本実施形態では密封突条30によっ
て高いシール面圧が確保される結果、エア溜まりS1 か
らのエア漏れが確実に阻止される。ゆえに、衝撃緩衝時
においてエアの圧力上昇による抗力が充分に得られ、衝
撃緩衝能を確実に向上させることができる。 [第2の実施形態]次に、実施形態2の緩衝機構付き流
体圧シリンダ31を図4に基づいて説明する。ここでは
実施形態1の構成との相違点について述べ、共通点につ
いては同じ部材番号を付すのみとする。
【0049】本実施形態では、ロッド側ゴムクッション
21Bの移動規制部の構成が実施形態1のそれと異なっ
ている。即ち、ここではロッド側環状取付溝26及びロ
ッド側止めリング27が省略される反面、ロッド部16
の外周面に環状溝32が形成されている。この環状溝3
2は、ヘッド側環状取付溝26及びヘッド側止めリング
27がある箇所のすぐ左側の位置にある。移動許容長さ
L2 に相当する環状溝32の幅は、肉厚部分24の厚さ
よりも大きく、かつピストンストローク長よりも小さい
範囲(より好ましくはピストンストローク長の1/2以
下)に設定されている。そして、ロッド側ゴムクッショ
ン21Bは、このような環状溝32がある部分に対して
摺動可能に嵌着されている。
【0050】さて、以下に本実施形態において特徴的な
作用効果を挙げる。 (イ)本実施形態の流体圧シリンダ31も、実施形態1
の流体圧シリンダ1と同じ基本構成を備えているため、
実施形態1において列挙した作用効果イ、ロ、ハ、ニ、
ホと同様の作用効果を奏することはいうまでもない。 [第3の実施形態]次に、実施形態3の緩衝機構付き流
体圧シリンダ41を図5に基づいて説明する。ここでは
実施形態1の構成との相違点について述べ、共通点につ
いては同じ部材番号を付すのみとする。
【0051】本実施形態の流体圧シリンダ41では、ゴ
ムクッション21A,21Bをピストン部15の端面か
ら離間した位置(即ち基本位置)に復帰させるための付
勢手段が設けられている。ここで使用される付勢手段と
は、具体的にはピストン部15の端面とゴムクッション
21A,21Bとの間に介在されたコイルばね44であ
る。ヘッド側ゴムクッション21Aの左端面及びロッド
側ゴムクッション21Bの右端面には、環状のばね取付
凹部43がそれぞれ形成されている。ばね取付凹部42
は、ピストン部15の両端面にも同様に形成されてい
る。コイルばね44の両端は、上記のようなばね取付凹
部42,43に収容されている。コイルばね44の付勢
力は、ゴムクッション21A,21Bをピストン部15
の端面から離間させる方向に常時作用している。
【0052】さて、以下に本実施形態において特徴的な
作用効果を挙げる。 (イ)本実施形態の流体圧シリンダ41も、実施形態1
の流体圧シリンダ1と同じ基本構成を備えているため、
実施形態1において列挙した作用効果イ、ロ、ハ、ニ、
ホと同様の作用効果を奏することはいうまでもない。
【0053】(ロ)また、衝撃緩衝時においてゴムクッ
ション21A,21Bがピストン部15の端面に近接し
た位置に移動したときでも、コイルばね44の付勢力に
より、ゴムクッション21A,21Bを基本位置まで速
やかにかつ確実に復帰させることができる。従って、高
速動作に適したものとすることができる。しかも、コイ
ルばね44の付勢力はピストンロッドP1 の衝撃を緩衝
する抗力としても作用するため、結果的に衝撃緩衝能の
向上にもつながる。 [第4の実施形態]次に、実施形態4の緩衝機構付き流
体圧シリンダ51を図6〜図8に基づいて説明する。こ
こでは実施形態1の構成との相違点について述べ、共通
点については同じ部材番号を付すのみとする。
【0054】本実施形態の流体圧シリンダ51において
も、ゴムクッション21A,21Bをピストン部15の
端面から離間した位置(即ち基本位置)に復帰させるた
めの付勢手段が設けられている。ただし、ここで使用さ
れる付勢手段とは、具体的にはピストン部15の端面と
ゴムクッション21A,21Bとの間に介在された皿ば
ね部材52である。図6(b)にはロッド側の皿ばね部
材52Bが示され、図5(c)にはヘッド側の皿ばね部
材52Aが示されている。両皿ばね部材52A,52B
はばね性を有する金属板材からなり、その中心部にはロ
ッド部16が挿通可能な貫通孔54が形成されている。
金属板材に代えて樹脂材料やゴム材料等を用いて皿ばね
部材52A,52Bを形成しても勿論よい。前記皿ばね
部材52A,52Bは全体としてテーパ状をなしてい
る。皿ばね部材52A,52Bにおいて小径の開口があ
る側の端部は、ゴムクッション21A,21Bに当接し
ている。皿ばね部材52A,52Bにおいて大径の開口
がある側の端部は、ピストン部15の両端面に形成され
た拡開凹部53に摺動可能に当接している。この拡開凹
部53の直径は、皿ばね部材52A,52Bにおける大
径の開口よりも大きく設定されることがよい。なお、皿
ばね部材52A,52Bの付勢力は、ゴムクッション2
1A,21Bをピストン部15の端面から離間させる方
向に常時作用している。
【0055】次に、上記のように構成された流体圧シリ
ンダ51の動作を図7,図8に基づいて簡単に説明す
る。図6,図7(a)は、ピストン部15がちょうどス
トロークの中間地点にある状態を示しており、両ゴムク
ッション21A,21Bは基本位置にある。
【0056】この状態で第2のポート4にエアを供給す
ると、ピストンロッドP1 がヘッド側(即ち図6の右
側)の方向に移動する。ピストン部15がヘッド側スト
ロークエンドにある程度近づくと、ゴムクッション21
Aの肉薄部分24の先端がヘッドカバー5の内端面に当
接し、圧力作用室17内にエア溜まりS1 が形成される
(図7(b) 参照)。
【0057】ピストン部15がさらにヘッド側ストロー
クエンドに近づくと、ゴムクッション21Aは、ヘッド
カバー5の内端面によって押圧されることで左側方向に
摺動する。ゴムクッション21Aの摺動は、その左端側
がピストン部15の右端面及び環状溝25の左壁面に当
接することにより規制される(図7(c) 参照)。なお、
同図に示されるように、この過程では皿ばね部材52A
がゴムクッション21Aからの押圧力を受けて変形す
る。つまり、皿ばね部材52A,52Bにおいて大径の
開口がある側の端部は、拡開凹部53を径方向に摺動し
つつ拡径する。このとき皿ばね部材52Aは元の形状に
戻ろうとしてその付勢力を増大させ、その増大した付勢
力はゴムクッション21Aを反対側に押し戻す抗力とし
て作用する。従って、このような初期段階においては、
まずエア溜まりS1 のエアの圧力上昇による抗力及び皿
ばね部材52Aの付勢力が作用することで、ピストン部
15の衝撃が緩衝される。
【0058】ピストン部15がさらにヘッド側ストロー
クエンドに近づくと、ゴムクッション21Aは摺動しな
くなる代わりに弾性変形を生じ、やがてピストン部15
はヘッド側ストロークエンドにて完全に停止する(図7
(d) 参照)。このような後期段階においては、エア溜ま
りS1 のエアの圧力上昇による抗力及び皿ばね部材52
Aの付勢力に加え、ゴムクッション21Aの復帰力が作
用することで、ピストン部15の衝撃が緩衝される。
【0059】次に、前記図7(d)の状態で第1のポー
ト3にエアを供給すると、ヘッド側の圧力作用室17内
にエアが導入され、同室17内の圧力が上昇する。する
と、ピストン部15及びロッド部16がロッド側(即ち
図6の左側)の方向に移動する。このとき、ゴムクッシ
ョン21Aが環状溝25の右壁面に当接することでその
移動が規制される結果、端面付着という事態が確実に回
避される。また、前記皿ばね部材52Aの付勢力が作用
することにより、ゴムクッション21Aが上記の基本位
置まで速やかにかつ確実に復帰する(図8(a) 参照)。
【0060】なお、ゴムクッション21Bによる衝撃緩
衝及び皿ばね部材52Bによる端面付着回避についても
基本的には同様なので、図8(b)〜図8(d)にその
様子を示し、詳細な説明を省略する。
【0061】さて、以下に本実施形態において特徴的な
作用効果を挙げる。 (イ)本実施形態の流体圧シリンダ51も、実施形態1
の流体圧シリンダ1と同じ基本構成を備えているため、
実施形態1において列挙した作用効果イ、ロ、ハ、ニ、
ホと同様の作用効果を奏することはいうまでもない。
【0062】(ロ)本実施形態では、付勢手段としての
皿ばね部材52A,52Bを設けている。このため、皿
ばね部材52A,53Bの付勢力により、ゴムクッショ
ン21A,21Bを基本位置まで速やかにかつ確実に復
帰させることができる。従って、高速動作に適したもの
とすることができる。しかも、皿ばね部材52A,52
Bの付勢力はピストンロッドP1 の衝撃を緩衝する抗力
としても作用するため、結果的に衝撃緩衝能の向上にも
つながるという利点がある。
【0063】(ハ)本実施形態では付勢手段として皿ば
ね部材52A,52Bを用い、それをピストン部15の
端面とゴムクッション21A,21Bとの間に介在させ
ている。このため、流体圧シリンダ51を製造するにあ
たっても、実施形態3のようにコイルばね44を選択し
た場合に比べ、組み付けを容易に行うことができる。勿
論、ゴムクッション21A,21B側にばね取付凹部4
3を設ける必要がない点においても有利である。また、
コイルばね44を使用した場合に比較して付勢力の低下
が小さいので、装置の信頼性にも優れたものとなる。
【0064】なお、本発明は上記実施形態に限定される
ことはなく、例えば次のような別の形態に変更すること
が可能である。 ◎ 図9に示される別例の流体圧シリンダ61のような
形状のゴムクッション62A,62Bを使用してもよ
い。これらのゴムクッション62A,62Bは、基本形
状は実施形態1のゴムクッション21A,21Bである
ものの、肉厚部分22が全体的にシリンダカバー5,6
側に反っている。よって、ピストン部15の端面に対向
する側が凸面状になっており、ピストン部15の端面か
ら浮き上がった状態で設置することができる。それゆ
え、より大きなクッションストローク長L1 が確保さ
れ、衝撃緩衝能のさらなる向上が図られている。
【0065】◎ 図10に示される別例の流体圧シリン
ダ66のような形状のゴムクッション67A,67Bを
使用してもよい。これらのゴムクッション67A,67
Bは、全体的にシリンダカバー5,6側に反っていると
いう特徴を有することに加え、いわば全てが肉厚部分と
なっている。よって、ピストン部15の端面に対向する
側が凸面状になっており、ピストン部15の端面から浮
き上がった状態で設置することができる。それゆえ、単
純な形状であるにもかかわらず、より大きなクッション
ストローク長L1 が確保されている。
【0066】◎ リップ部を備えないゴムクッション2
1A,21B…67A,67Bを用いた前記各実施形態
に代え、例えば図11に示される別例の流体圧シリンダ
71のように、環状基部73にリップ部74を形成した
ゴムクッション72A,72Bを採用してもよい。図1
2に示される別例の流体圧シリンダ76のゴムクッショ
ン77A,77Bも同様の構成を備えている。これらの
ものでは、環状基部73においてピストン部15の端面
に対向する側が凸面状になっている。従って、図9,図
10のものと同じく、ピストン部15の端面から浮き上
がった状態でゴムクッション72A,72B,77A,
77Bを設置することができる。
【0067】◎ 密封突条30は例えば図11の別例の
ような位置に形成されてもよい。 ◎ 密封突条30は断面略半円形状に限定されることは
なく、例えば図12に示される別例のようにリップ状を
した密封突条75としても勿論よい。この場合、リップ
状密封突条75の先端は、エア溜まりS1 からエアが漏
れる方向とは逆向きに配置される。従って、衝撃緩衝時
にエア溜まりS1 内に密封されたエアは、シール面を介
して他方の空間側へ容易に流出することができない。こ
のようにエア溜まりS1 からのエア漏れが確実に防止さ
れることで、衝撃緩衝能をよりいっそう向上させること
ができる。
【0068】◎ ゴムクッション21A,21Bをピス
トン部15の端面から離間した位置に復帰させるための
付勢手段は、コイルばねや皿ばね部材に限定されること
はなく、例えば板ばね等であってもよい。また、付勢手
段に代えてゴム等のような弾性体を用いることもある程
度は可能である。
【0069】◎ 緩衝体はゴム製のものに限定されるこ
とはなく、弾性を有するものであればそれ以外にも樹脂
材料等を選択してもよい。ここで、特許請求の範囲に記
載された技術的思想のほかに、前述した実施形態によっ
て把握される技術的思想をその効果とともに以下に列挙
する。
【0070】(1) 請求項2乃至5のいずれか1項に
おいて、前記移動規制部の長さはピストンストローク長
よりも小さく設定されることを特徴とする緩衝機構付き
流体圧シリンダ。この構成であると、摩耗等の発生を低
減しつつ緩衝体を摺動可能に取り付けることができる。
【0071】(2) 技術的思想1において、前記移動
規制部の長さは、前記緩衝体の肉厚部分の厚さよりも大
きく、かつ前記ピストンストローク長の1/2以下であ
ることを特徴とする緩衝機構付き流体圧シリンダ。この
構成であると、摩耗等の発生を最小限に抑えつつ緩衝体
を摺動可能に取り付けることができる。
【0072】(3) 請求項1乃至5、技術的思想1,
2のいずれか1項において、前記緩衝体の内周面には前
記ロッドの外周面に対して摺接する環状の密封突条が形
成されていることを特徴とする緩衝機構付き流体圧シリ
ンダ。この構成であると、流体溜まりからの流体漏れが
確実に阻止されるため、衝撃緩衝能をよりいっそう向上
させることができる。
【0073】(4) 請求項4、技術的思想1乃至3に
おいて、前記付勢手段は前記ピストン部の端面と前記緩
衝体との間に介在されたコイルばねであることを特徴と
する緩衝機構付き流体圧シリンダ。 (5) 請求項2乃至5、技術的思想1乃至4のいずれ
か1項において、前記緩衝体のうちヘッド側に位置する
ものの移動を規制する移動規制部は、前記ロッド部にお
いて前記ピストン部のヘッド側端面から突出した箇所の
外周面に形成された環状溝であることを特徴とする緩衝
機構付き流体圧シリンダ。このような構成は、ヘッド側
にて採用されるものとして適している。
【0074】(6) 請求項2乃至5、技術的思想1乃
至5のいずれか1項において、前記緩衝体のうちロッド
側に位置するものの移動を規制する移動規制部は、前記
ロッド部において前記ピストン部のロッド側端面となる
箇所の外周面に、所定間隔を隔てて形成された一対の環
状取付溝に、止めリングをそれぞれ装着してなるもので
あることを特徴とする緩衝機構付き流体圧シリンダ。こ
のような構成は、ロッド側にて採用されるものとして適
している。
【0075】なお、本明細書中において使用した技術用
語を次のように定義する。 「流体: シリンダを駆動するために給排される窒素、
酸素、二酸化炭素、アルゴン、水素、それらの混合物で
ある空気などといった気体、その他これらに準ずる性質
を有する物質をいう。」
【0076】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1〜5に記
載の発明によれば、耐久性及び衝撃緩衝能に優れた緩衝
機構付き流体圧シリンダを提供することができる。
【0077】請求項2に記載の発明によれば、緩衝体の
端面付着を回避することができるとともに、耐久性をよ
り向上させることができる。請求項3に記載の発明によ
れば、耐久性をより向上させることができる。
【0078】請求項4に記載の発明によれば、高速動作
に適したものとすることができるとともに、衝撃緩衝能
のさらなる向上を図ることができる。請求項5に記載の
発明によれば、組み付け性及び信頼性の向上を図ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は実施形態1の流体圧シリンダを示す断
面図、(b)はそのロッド側のゴムクッションを示す斜
視図、(c)はそのヘッド側のゴムクッションを示す斜
視図。
【図2】(a)〜(d)は実施形態1の流体圧シリンダ
における衝撃緩衝動作を説明するための部分断面図。
【図3】(a)〜(d)は実施形態1の流体圧シリンダ
における衝撃緩衝動作を説明するための部分断面図。
【図4】実施形態2の流体圧シリンダを示す部分断面
図。
【図5】実施形態3の流体圧シリンダを示す部分断面
図。
【図6】(a)は実施形態4の流体圧シリンダを示す断
面図、(b)はそのロッド側の皿ばね部材を示す斜視
図、(c)はそのヘッド側の皿ばね部材を示す斜視図。
【図7】(a)〜(d)は実施形態4の流体圧シリンダ
における衝撃緩衝動作を説明するための部分断面図。
【図8】(a)〜(d)は実施形態4の流体圧シリンダ
における衝撃緩衝動作を説明するための部分断面図。
【図9】別例の流体圧シリンダを示す部分断面図。
【図10】別例の流体圧シリンダを示す部分断面図。
【図11】別例の流体圧シリンダを示す部分断面図。
【図12】別例の流体圧シリンダを示す部分断面図。
【図13】従来の流体圧シリンダを示す断面図。
【符号の説明】
1,31,41,51,61,66,71,76…緩衝
機構付き流体圧シリンダ、5…シリンダカバーとしての
ヘッドカバー、6…シリンダカバーとしてのロッドカバ
ー、15…ピストン部、16…ロッド部、17,18…
圧力作用室、21A,21B,62A,62B,67
A,67B,72A,72B,77A,77B…緩衝体
としてのゴムクッション、22…肉厚部分、23…貫通
孔、25,32…移動規制部としての環状溝、26…移
動規制部を構成する環状取付溝、27…移動規制部を構
成する止めリング、44…付勢手段としてのコイルば
ね、52A,52B…付勢手段としての皿ばね部材、P
1 …ピストンロッド、S1 …流体溜まりとしてのエア溜
まり。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリンダ内部に区画される圧力作用室内へ
    の流体の給排に基づいて駆動されるピストンロッドのピ
    ストン部とシリンダカバーとの間に、弾性を有する緩衝
    体を配設し、その緩衝体が形成する流体溜まり内の流体
    の抗力と同緩衝体自身の弾性復帰力とにより、前記ピス
    トンロッドの衝撃が緩衝される流体圧シリンダにおい
    て、 前記緩衝体は、前記ピストンロッドのストローク方向に
    沿って一定範囲だけ往復動可能となるように同ピストン
    ロッドのロッド部に設けられていることを特徴とする緩
    衝機構付き流体圧シリンダ。
  2. 【請求項2】前記ロッド部の外周面に、ストローク方向
    に沿った前記緩衝体の移動を規制する移動規制部を設け
    たことを特徴とする請求項1に記載の緩衝機構付き流体
    圧シリンダ。
  3. 【請求項3】前記緩衝体における肉厚部分には前記ロッ
    ド部を摺動可能に挿通させるための貫通孔が形成されて
    いることを特徴とする請求項1または2に記載の緩衝機
    構付き流体圧シリンダ。
  4. 【請求項4】前記緩衝体を前記ピストン部の端面から離
    間した位置に復帰させるための付勢手段を設けたことを
    特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の緩衝
    機構付き流体圧シリンダ。
  5. 【請求項5】前記付勢手段は前記ピストン部の端面と前
    記緩衝体との間に介在された皿ばね部材であることを特
    徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の緩衝機
    構付き流体圧シリンダ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010030512A (ja) * 2008-07-30 2010-02-12 Kyokuto Kaihatsu Kogyo Co Ltd 荷受台昇降装置
JP2014052043A (ja) * 2012-09-07 2014-03-20 Ckd Corp 流体圧シリンダ

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