JPH1192958A - 高速塗装、低温焼付で製造でき、tig溶接性及び焼鈍後性能に優れた絶縁被膜付き電磁鋼板 - Google Patents

高速塗装、低温焼付で製造でき、tig溶接性及び焼鈍後性能に優れた絶縁被膜付き電磁鋼板

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JPH1192958A
JPH1192958A JP25654497A JP25654497A JPH1192958A JP H1192958 A JPH1192958 A JP H1192958A JP 25654497 A JP25654497 A JP 25654497A JP 25654497 A JP25654497 A JP 25654497A JP H1192958 A JPH1192958 A JP H1192958A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高速塗装、低温焼付で製造可能で、TIG溶接
性が優れ、歪取焼鈍に耐え、焼鈍後の性能も優れた電気
絶縁被膜付き電磁鋼板を提供する。 【解決手段】被膜中の組成が、クロム酸がCrO3 換算
で100重量部に対して、Al化合物をAl金属換算で
2.5〜30重量部含み、樹脂固形分を0〜100重量
部、リン酸またはリン酸塩をH3 PO4 換算で5〜10
0重量部含み、処理液中のアルカリ金属またはアルカリ
土類金属含有量が、CrO3 換算で100重量部に対し
て、1重量部以下である、高速塗装、低温焼付で製造で
き、TIG溶接性及び焼鈍後性能に優れた絶縁被膜付き
電磁鋼板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高速塗装、低温焼
付で製造可能で、TIG溶接性が優れ、歪取焼鈍に耐
え、焼鈍後の性能も優れた電気絶縁被膜付き電磁鋼板に
関する。
【0002】
【従来の技術】電磁鋼板の絶縁被膜は、電気絶縁性に優
れていることはもちろんのこと、最終製品としての性能
及び製品製造過程で要求される性能等、種々の性能が要
求される。例えば、打抜性、TIG溶接性、被膜密着
性、耐食性等があげられる。このため、用途に応じて、
種々の絶縁被膜が使い分けられている。このうち、打抜
性とTIG溶接性は相反する性能として両立が難しい項
目である。すなわち、打抜性向上のためには、有機被膜
が効果的であるが、有機物は、TIG溶接時に熱分解し
てガス発生の原因となるからである。このような要求に
応えるものとして、有機樹脂と無機物を含有した半有機
絶縁被膜は1コート1ベークの製造で無機系被膜よりは
るかに優れた打抜性を示すので最も広く用いられてお
り、TIG溶接性を向上する方法が種々考案されてい
る。TIG溶接性の向上のためには、発生したガスの逸
散経路を確保するために鋼板表面に粗度をつける方法が
効果的であるが、占積率が低下する問題がある。また、
鋼板成分を制御する方法があるが、電磁鋼板の鋼中成分
は、要求する磁気特性によって変更する必要があるた
め、TIG溶接性改善の目的で鋼中成分を変更すること
は実質上困難である。これに対し、被膜から発生するガ
ス量自体を抑える方法として、特開平6−235070
号公報には、配合する樹脂の微分熱重量測定において試
料を一定の昇温速度で加熱する際の重量変化量が極大を
示すピーク温度を400℃以上としてTIG溶接性を向
上する方法が開示されている。この方法によると、確か
にTIG溶接性向上効果がみられるが、無機系被膜には
及ばず、さらなるTIG溶接向上が望まれている。
【0003】また、電磁鋼板は、剪断時の歪を除去して
磁気特性を向上させるために歪取焼鈍を行う場合が多
い。歪取焼鈍は通常700℃以上の高温で行われ、有機
系の被膜では樹脂が熱分解してガスとなり被膜が消失す
るため、鋼板同士の融着(スティキング)がおこって渦
電流損が増大する問題が生じる。このため、歪取焼鈍を
行う場合は、無機成分の含有が必須である。歪取焼鈍に
耐えるコートとしては、種々の絶縁被膜の開発が行われ
ており、クロム酸系またはリン酸系等の、加熱で不溶性
被膜になる絶縁被膜が主流である。従来のクロム酸塩系
コートは2価金属と有機還元剤を含むものが主流であ
る。例えば、特開平6−235070号公報の場合も少
なくとも1種以上の2価金属を含んでおり、焼付温度の
低温化のため有機還元剤を含んでいる。しかしながら、
有機還元剤を添加してもCa,Mg等の2価金属を含む
クロム酸塩系半有機コートは水溶性の6価Crを水不溶
性の3価Crに還元するために高温で焼き付ける必要が
あった。
【0004】また、リン酸塩系コートの不溶化には脱水
反応が必要であり、反応促進剤を添加してもクロム系コ
ートより高温で焼き付ける必要があった。このようなク
ロム酸系、リン酸系の被膜の歪取焼鈍後の性能をあげる
ために、ほう酸を添加する方法が従来から用いられてい
る。例えば、特公平6−104905号公報では、クロ
ム酸系処理液中にほう酸を所定量含有することにより耐
置錆性を確保している。焼鈍後の耐食性だけでなく、焼
鈍後密着性、スティキング性等の向上のためにほう酸の
添加が多く行われている。ただし、ほう酸は常温での溶
解度が低いため、焼鈍後の性能をあげるためにほう酸を
多く混合するためには、液濃度を低くする必要がある。
一方、ロールコーター等の通常の塗布方法では、生産性
向上の目的で塗装スピードを速くすると液膜が引き延ば
されるために、結果として目付量が減少し、ウエット膜
厚の確保が困難になる。このような場合、目付量をアッ
プするためには、液濃度をあげる方法があるが、前述の
ようにほう酸添加した塗液は液濃度を高くすることが困
難であるため、所定目付量が確保できない場合がでてく
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、占積率
を低下させることなく打抜性とTIG溶接性を両立する
被膜が望まれており、現時点では占積率及び焼鈍後性能
を落とすことなく有機被膜の優れた打抜性レベルと無機
被膜の優れたTIG溶接性レベルを保有する被膜はない
のが現状である。
【0006】また、歪取焼鈍後の性能をアップする目的
でほう酸添加した場合、ほう酸溶解のためには溶液を薄
くする必要があり、膜厚確保がネックとなりコーティン
グ速度をあげられない問題があった。また、高温焼き付
けを必要とする従来技術では、燃料費が不経済であると
ともに、炉の能力の限界近くで操業している場合には、
ラインスピードをあげると所望の焼付温度を得ることが
できないなど大量生産の作業性を著しく損なう問題があ
った。本発明は上述した問題点を解決すべくなされたも
ので、占積率、打抜性を損なうことなく優れたTIG溶
接性を有し、高速塗装、低温焼付で製造でき、焼鈍後性
能にも優れた絶縁被膜付き電磁鋼板を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】発明者らは、上記問題点
を解決するべく検討を進めた結果、クロム酸系被膜の還
元温度をさげて低温焼付を可能にするためには、還元温
度の高いアルカリ金属またはアルカリ土類金属を規定量
以下とする必要があることを見いだした。また、還元温
度の低下には無水クロム酸または重クロム酸アルミニウ
ムを主剤に用いることが最も有効であることも同時に見
いだした。また、アルミニウム化合物を規定量以上に配
合することで占積率、打抜性を損なうことなくTIG溶
接性が大幅に向上できることを見いだした。この方法だ
けでも非常に優れたTIG溶接性が得られるが、配合す
る樹脂の熱分解温度を規定以上にすることで、無機絶縁
被膜コート並の極めて優れたTIG溶接性が得られるこ
とも同時に見いだした。
【0008】クロム酸、Al化合物、樹脂のみの組み合
わせによる被膜は、高い層間抵抗を得るために目付量を
大きくすると、歪取焼鈍後の性能(密着性、耐食性等)
が劣ってくることがわかった。ここで、従来より知見さ
れているほう酸を添加する方法の適用を試みたが、溶解
度の低いほう酸を添加すると塗液の濃度が低くなるため
に所定目付量を確保できない問題が生じた。
【0009】そこで、発明者らが鋭意検討した結果、被
膜中に所定量のリン酸またはリン酸塩を含有することに
よって、塗液の濃度を低下させることなく歪取焼鈍後の
性能を改善できることを見いだした。使用するリン酸系
薬剤としては、特に規定するものではないが、リン酸及
び第1リン酸塩が溶解度の点から好適に適用できる。た
だし、リン酸塩を使用する場合には、アルカリ金属また
はアルカリ土類金属が所定量超にならないようにする。
このためには、第1リン酸アルミニウム、リン酸は最も
好適に適用できる。すなわち、クロム酸系の電磁鋼板用
絶縁被膜に関し、被膜中の組成が、クロム酸がCrO3
換算で100重量部に対して、Al化合物をAl金属換
算で2.5〜30重量部含み、樹脂固形分を0〜100
重量部、リン酸またはリン酸塩をH 3 PO4 換算で5〜
100重量部含み、処理液中のアルカリ金属またはアル
カリ土類金属含有量が、CrO3 換算で100重量部に
対して、1重量部以下とすることにより、高速塗装、低
温焼付で製造でき、TIG溶接性及び焼鈍後性能に優れ
た絶縁被膜付き電磁鋼板を提供する。前記絶縁皮膜中に
配合する樹脂が、樹脂固形分を一定の昇温速度で加熱す
る際の重量変化量が極大を示すピーク温度が400℃以
上であることが好ましい。前記絶縁被膜の付着量が0.
05〜7g/m2 であることが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に本発明をさらに詳細に説明
する。本発明の出発素材としては、電磁鋼板を用いる。
電磁鋼板は、比抵抗を変化させて所望の磁気特性を得る
ために鋼中成分を調整する。このため、電磁鋼板は種々
の鋼中成分のものが用いられるが、本発明は鋼中成分に
は限定されず、いかなる組成の電磁鋼板にも適用可能で
ある。
【0011】本発明で用いる処理液は、乾燥後の被膜中
Al量が、CrO3 換算で100重量部に対して、Al
金属換算で2.5〜30重量部含む、無水クロム酸、ク
ロム酸アルミニウム、(重)クロム酸アルミニウムの少
なくとも1種を主剤に用いる水溶液である。無水クロム
酸主剤の場合にはアルミニウム化合物を溶解させる。溶
解するアルミニウム化合物としては、例えば酸化物、水
酸化物、炭酸塩、リン酸塩等が使用できる。Al量が
2.5重量部未満であると、樹脂を含有したときのTI
G溶接性が不足し、30重量部以上ではCr比率が減少
するため耐食性等の性能が低下する。好ましくはAl量
が8〜20(CrO3 換算100重量部に対するAl換
算量)である。
【0012】また、樹脂固形分はCrO3 換算で100
重量部に対して、0〜100重量部とする。樹脂は打抜
性を重視しない場合は添加しなくてもよいが、打抜性を
重視する場合は樹脂を多く添加するのが効果的である。
ただし樹脂が100重量部超であるとTIG溶接性が劣
り、歪取焼鈍後の耐食性も低下するため樹脂固形分は0
〜100重量部とする。また樹脂が含有しないとTIG
溶接性は優れるものの打抜性が劣るため、好ましくは5
〜100重量部とする。高速塗布、厚目付化等の目的で
液濃度を低下させずに歪取焼鈍後性能をアップするため
に、リン酸またはリン酸塩をCrO3 換算で100重量
部に対して、H 3 PO4 換算で5〜100、好ましくは
10〜60重量部配合する。5重量部未満であると歪取
焼鈍後性能(密着性、耐食性等)が不足し、100重量
部超であると200℃程度の低温焼付時にリン溶出の問
題が発生する。リン酸塩をリン酸アルミニウムとする場
合、被膜中アルミニウム合計量が前述の量となるように
する。
【0013】また、低温焼き付けするために、これらの
水溶液に含有するアルカリ金属またはアルカリ土類金属
イオンは、CrO3 100重量部に対して1重量部以下
とする。1重量部超であると、クロムの還元反応温度が
高くなり、高速低温製造が困難になるためである。処理
液中に含まれるアルカリ金属またはアルカリ土類金属イ
オンとしては、Na,K,Mg,Ca等が例示される。
【0014】重クロム酸塩のCr6+をCr3+に還元する
ために還元剤を添加してもよい。種々の還元剤が使用可
能であるが、有機還元剤が好適に適用できる。有機還元
剤であれば、CrO3 量100重量部に対して5〜10
0重量部の量を用いる。有機還元剤は5重量部未満であ
ると、低温製造時に還元が不十分で被膜がベトついたり
クロム溶出して環境を破壊する。一方、100重量部超
であるとそれ以上の還元温度低下は期待できず、また、
低温焼き付け時に被膜中に残存する還元剤が増加しTI
G溶接性を低下させる。還元剤の種類は特に限定するも
のではないが、エチレングリコール、ショ糖、グリセリ
ン等の多価有機アルコール類、蟻酸、酢酸等のカルボン
酸等は好適に適用できる。しかしながら、前述のように
有機還元剤に限ることはなく、無機還元剤でも同様の還
元反応促進が期待できるものであれば適用可能である。
【0015】処理液中に配合する樹脂は、どのようなも
のでも従来の半有機絶縁被膜コートよりTIG溶接性は
優れているものの、樹脂固形分を一定の昇温速度で加熱
する際の重量変化量が極大を示すピーク温度を400℃
以上とすることで、無機絶縁被膜コート並の格段に優れ
た性能を得ることができる。筆者らが先に発明した特開
平6−235070号公報記載の樹脂は非常に好適に適
用できる。熱分解ピーク温度が400℃未満であっても
Al化合物を含まないクロム酸塩系半有機絶縁被膜コー
トよりは優れた溶接性を示すものの、400℃以上では
格段に優れた溶接性を示す。ただし、熱分解ピーク温度
が400℃以下の場合でもCrO3 100重量部に対す
るAl量を8〜20重量部とすることにより、Alを含
まず2価金属を含むクロム酸系被膜で熱分解ピーク温度
が400℃以上の樹脂を含む、筆者らが先に発明した特
開平6−235070号公報記載の発明より優れたTI
G溶接性を示すことは確認済みである。このため、無機
絶縁被膜コート並の極めて優れたTIG溶接性を必要と
しない場合は熱分解ピーク温度が400℃以下の樹脂も
適用可能である。
【0016】また、ラインスピードをあげて塗布する場
合、液の安定性確保の観点から、界面活性剤を配合する
ことが有効である。これらの界面活性剤は特に規定する
ものではないが、発明者らが先に発明した特開平7−2
86284号公報に記載の機械的安定性と泡切れ性の両
方の性能を満たす方法は好適に適用できる。しかしなが
ら、ラインスピードを極端にあげない場合にはこのよう
な対策はなくとも十分である。
【0017】以上の薬剤を調合して電磁鋼板上に塗布し
て焼き付けることにより被膜を形成させる。絶縁被膜形
成方法は工業的に一般に用いられる方法が適用でき、ロ
ールコーター法、エアーナイフ法、バーコーター等の種
々の方法が用いられる。焼き付け方法については、低温
短時間焼き付けが可能であり、到達板温が120〜25
0℃で十分クロムの還元反応は進行する。より低温で焼
付したい場合は、還元剤を上限近く入れるとよい。もち
ろん、樹脂の熱分解が始まる400℃よりも低温であれ
ば250℃以上の焼き付けも可能であるため、種々の被
膜をライン製造する場合でも温度制御範囲が広いために
炉温変更のタイムロスなく製造することが可能である。
また、前記絶縁被膜の付着量が0.05g/m2 未満で
あると打抜性が低下し、7g/m2 超であると密着性が
低下するため、目付量は0.05〜7、好ましくは0.
3〜3g/m2 であることが好ましい。被膜の性能を一
層向上させるためにその他添加剤を添加してもよい。
【0018】
【実施例】以下、本発明の効果を実施例に基づいて具体
的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定さ
れるものではない。
【0019】(実施例1)0.5mm厚で、Si 0.
35wt%、Al 0.003wt%(残部Fe)の電
磁鋼板に、成分が、CrO3 100重量部に対して、
Al 0〜30重量部(Al金属換算)、H3 PO4
30重量部、エチレングリコール35重量部、アクリル
/スチレン/エポキシ樹脂(熱分解ピーク温度410
℃)または酢酸ビニル/アクリル樹脂(熱分解ピーク温
度360℃)を樹脂量上限の100重量部含む処理液
を、目付量1g/m2 、到達板温200℃で焼き付けて
絶縁被膜を成形した。図1にTIG溶接性(ブローホー
ルの発生しない限界溶接速度)に及ぼすAl含有量の影
響を示す。TIG溶接条件は、電極:Th−W 2.6
mmφ、加圧力:100kg/cm2、電流:120A、シール
ドガス:Ar 61/min で行い、溶接速度は適正なビ
ード太さが得られる200〜1000mm/minの間で評価
した。なお、実施例では、熱分解ピーク温度は昇温速度
20℃/minで、He中理学電気(株)製差動形示差
熱天秤を用いて測定した。
【0020】(実施例2)0.5mm厚で、Si 0.3
5wt%、Al 0.003wt%(残部Fe)の電磁
鋼板に、成分が、CrO3 100重量部に対して、A
l 8重量部(Al金属換算)、H3 PO4 30重量
部、エチレングリコール40重量部、アクリル/エポキ
シ樹脂(熱分解ピーク温度423℃)30重量部の塗液
を、目付量2g/m2、到達板温180℃で焼き付けて絶縁
被膜を形成した。図2にクロム溶出量に及ぼすアルカリ
土類金属(Mg)含有量の影響を示す。クロム溶出量の
合格基準は20μg/100cm2 以下とした。Mg以外
のその他のアルカリ金属、アルカリ土類金属も、図2と
同様の傾向を示した。
【0021】(実施例3)表1に記載の組成で被膜性能
を調査した結果を表1に示す。塗布焼付板温は200℃
とした。TIG溶接性 下記条件で溶接し、ブローホールの生じない最大溶接速
度で評価した。 電 極:Th−W 2.6mmφ 加圧力:100kg/cm2 電 流:120A シールドガス:Ar 6L/min *◎:1000mm/分超 ◎:800〜1000mm/分 ○:600〜800未満mm/分 △:400〜600未満mm/分 ×:400mm/分未満
【0022】クロム溶出量 沸騰水浸漬10分後のCr溶出量を調査した。 ◎:10μg/100cm2 未満 ○:10〜20μg/100cm2 △:20未満〜50μg/100cm2 ×:50μg/100cm2
【0023】耐食性(製品板) 塩水噴霧(5%NaCl溶液)試験で赤錆面積率が10
%以上になる時間で評価した。 ◎:15時間以上 ○:7〜15未満時間 △:4〜7未満時間 ×:0〜4未満時間
【0024】耐食性(焼鈍後) 窒素中750℃×2h焼鈍後、恒温恒湿試験(50℃、
相対湿度80%)14日後の赤錆面積率で評価した。 ◎:0〜20未満% ○:20〜40未満% △:40〜60未満% ×:60〜100%
【0025】密着性 20mmφでの180°曲げ戻し試験後の被膜剥離率で評
価した。 ◎:剥離なし ○:〜剥離20未満% △:剥離20〜剥離40未満% ×:剥離40%〜全面剥離
【0026】層間抵抗 JIS C 2550に沿って層間抵抗値を測定した。 ◎:40Ωcm2 /枚超 ○:5〜40Ωcm2 /枚 △:0〜5未満Ωcm2 /枚 ×:抵抗なし
【0027】占積率 JIS C 2550に沿って占積率を測定した。 ◎:99%以上 ○:98〜99未満% △:97〜98未満% ×:97%未満
【0028】打抜性 15mmφスチールダイスにおいて、かえり高さが50μ
mに達するまでの打ち抜き数で評価。 ◎:150万回超 ○:100万〜150万回 △:70万〜100万未満回 ×:70万回未満
【0029】耐溶剤性 沸騰キシレン中6時間浸漬後の被膜減量 ◎:0.05g/m2未満 ○:0.05〜0.1未満g/m2 △:0.1〜0.2g/m2 ×:0.2g/m2
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
【発明の効果】本発明は以上説明したように構成されて
いるので、高速塗装、低温焼付で製造でき、TIG溶接
性、焼鈍後性能をはじめ、絶縁被膜性能が優れており、
モーター、トランス等の用途をはじめ広く利用すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 TIG溶接性に及ぼすAl含有量の影響を示
すグラフである。
【図2】 クロム溶出性に及ぼす2価金属量の影響を示
すグラフである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被膜中の組成が、クロム酸がCrO3 換算
    で100重量部に対して、Al化合物をAl金属換算で
    2.5〜30重量部含み、樹脂固形分を0〜100重量
    部、リン酸またはリン酸塩をH3 PO4 換算で5〜10
    0重量部含み、処理液中のアルカリ金属またはアルカリ
    土類金属含有量が、CrO3 換算で100重量部に対し
    て、1重量部以下である、高速塗装、低温焼付で製造で
    き、TIG溶接性及び焼鈍後性能に優れた絶縁被膜付き
    電磁鋼板。
  2. 【請求項2】前記絶縁被膜中に配合する樹脂が、樹脂固
    形分を一定の昇温速度で加熱する際の重量変化量が極大
    を示すピーク温度が400℃以上である、請求項1記載
    の高速塗装、低温焼付で製造でき、TIG溶接性及び焼
    鈍後性能に優れた絶縁被膜付き電磁鋼板。
  3. 【請求項3】前記絶縁被膜の付着量が0.05〜7g/
    2 である請求項1または2に記載の高速塗装、低温焼
    付で製造でき、TIG溶接性及び焼鈍後性能に優れた絶
    縁被膜付き電磁鋼板。
JP25654497A 1997-09-22 1997-09-22 高速塗装、低温焼付で製造でき、tig溶接性及び焼鈍後性能に優れた絶縁被膜付き電磁鋼板 Expired - Fee Related JP3370261B2 (ja)

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WO2020049854A1 (ja) 2018-09-03 2020-03-12 Jfeスチール株式会社 絶縁被膜付き電磁鋼板およびその製造方法
KR20210035295A (ko) 2018-09-03 2021-03-31 제이에프이 스틸 가부시키가이샤 절연 피막 부착 전자 강판 및 그의 제조 방법
KR20240031442A (ko) 2018-09-03 2024-03-07 제이에프이 스틸 가부시키가이샤 절연 피막 부착 전자 강판

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