JP3335921B2 - 窒化防止性、密着性および耐食性に優れた絶縁被膜付き電磁鋼板とその製造方法 - Google Patents

窒化防止性、密着性および耐食性に優れた絶縁被膜付き電磁鋼板とその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気特性の劣化が
なく、密着性、耐食性が良好な絶縁被膜付き電磁鋼板と
その製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電磁鋼板は、所望の磁気特性を得るため
に比抵抗を増大させるが、そのために、通常は比抵抗の
高い元素を鋼板に含有させている。比抵抗の高い元素と
しては、Siが代表的であるが、最近では、他の特性と
の関係で、Al,Mn等の元素が使用されることがあ
る。一方、電磁鋼板は、打ち抜き加工時の歪みを除去し
て磁気特性を向上させるため、窒素ガス含有雰囲気で焼
鈍される場合が多い。Si,Al等を含有する電磁鋼板
を窒素ガス含有雰囲気で焼鈍すると、窒化する場合があ
り、磁気特性が低下するという問題がある。特にセミプ
ロセス電磁鋼板では、この傾向が強い。フルプロセス鋼
板の場合は、磁気特性の回復が十分でないという問題が
ある。電磁鋼板の窒化防止法として、鋼板に窒化抑制元
素を導入する方法、鋼板表面に窒化抑制元素を付着させ
る方法等が知られている。例えば、銑鉄または製鋼造塊
工程で、0.002〜0.20重量%のSe,Te,S
b,Biまたは0.01〜0.20重量%のPb,Sn
のいずれか1種または2種以上を添加し、乾燥後加熱し
て、窒素ガス含有雰囲気で焼鈍する際の窒化を防止する
方法が提案されている(特公昭51−36692号公
報)。しかし、この方法では粒成長性が阻害され、磁気
特性が低下する場合が多い。また鋼板にPおよび/また
はB含む化合物の水溶液あるいはさらにSe,Te,A
s,Sb,S,BiまたはSnの少なくとも1種を含む
化合物の水溶液を塗布後、乾燥し加熱して、還元性窒素
ガス含有雰囲気で焼鈍する際の窒化を防止する方法が提
案されている(特公昭51−36692号公報)。
【0003】ところで、電磁鋼板は、磁気特性の他に、
モータ、トランス等の製品に加工する段階で、例えば、
被膜密着性、耐食性等の種々の特性も要求されるが、従
来の窒化防止を行って得た電磁鋼板は、これらの特性が
満足できる状態になかった。電磁鋼板に窒化抑制元素を
導入したものは、窒化抑制元素が焼鈍時に表面層に濃化
する傾向にあり、絶縁被膜を施しても、被膜密着性が著
しく劣り、これに伴い耐食性も劣っていた。鋼板表面に
窒化抑制元素を付着したものは、水溶性または水分散性
の化合物を単に付着させたに過ぎないので、窒化抑制効
果があるが、被膜密着性、耐食性は著しく劣った。
【0004】本発明者らは、絶縁被膜の性能を低下させ
ることなく、窒化を抑制する電磁鋼板の検討を鋭意行っ
た。そして鋼板に窒化抑制元素を導入した電磁鋼板に絶
縁被膜を形成し、これを窒素ガス含有雰囲気で焼鈍する
と、Si3 4 ,AlNが鋼板中に析出し、これらが磁
気特性を低下させる原因となることを突き止めた。ま
た、窒化抑制元素のみを表面に付着させる従来の電磁鋼
板の窒化抑制方法は、吸湿性があり、被膜密着性と耐食
性が劣ることを知った。これらの知見を基に、さらに検
討を進め、絶縁被膜を水に難溶性にすると、窒化抑制元
素に起因する吸湿性が抑制できることを見いだした。さ
らに絶縁被膜中に、クロム酸および/またはリン酸が存
在すると、被膜密着性が改良され、さらに焼鈍後の被膜
密着性と耐食性も確保できることを見いだした。加えて
絶縁被膜中のCl含有量が少量になると、絶縁被膜付き
電磁鋼板の腐食も焼鈍後の腐食も抑制されることを見い
だした。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明
は、前記知見に基づき、製造コストが安く、窒化防止効
果があり、被膜密着性、耐食性等の絶縁被膜性能も高
く、当然鉄損、磁束密度のような磁気特性が優れた絶縁
被膜付き電磁鋼板、すなわちワンコートワンペーク型電
磁鋼板とその製造方法を提供することが課題である。な
お本発明では、磁気特性と相関があることが周知の窒化
量で、磁気特性の目安とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決すべくなされたものである。すなわち、本願の第一の
発明は、水に難溶性の絶縁被膜付き電磁鋼板であって、
該絶縁被膜がクロム酸系被膜および/またはリン酸系被
膜であり、該絶縁被膜が、クロム酸および/またはリン
酸(CrO 3 および/またはH 3 PO 4 換算で)100
重量部に対して、Se,Te,As,Sb,P,S,B
iおよびSnからなる群より選ばれた少なくとも1種の
元素を25重量部以下および樹脂固形分を100重量部
以下含有し、かつ該絶縁被膜中にSe,Te,As,S
b,P,S,BiおよびSnからなる群より選ばれた少
なくとも1種の元素を含有する物質を含み、これらの元
素の合計重量が0.001〜1.5g/m2 であり、該
絶縁被膜中のClの含有量が0.1重量%以下であり、
該絶縁被膜の目付量が0.1〜5g/m 2 ある窒化防
止性、密着性および耐食性に優れた絶縁被膜付き電磁鋼
板である。
【0007】好ましい発明は、該絶縁被膜がさらに、
ロム酸および/またはリン酸(CrO3 および/または
3 PO4 換算で)100重量部に対して、Mg,A
l,Ca,Zn,KおよびNaからなる群より選ばれた
少なくとも1種の元素を含有する物質を1.5〜30重
量部含有する窒化防止性、密着性および耐食性に優れた
絶縁被膜付き電磁鋼板である。
【0008】本願の第二の発明は、絶縁被膜形成材料を
含有する水分散液として、クロム酸および/またはリン
酸(CrO 3 および/またはH 3 PO 4 換算で)100
重量部に対して、Se,Te,As,Sb,P,S,B
iおよびSnからなる群より選ばれた少なくとも1種の
元素を25重量部以下、および樹脂固形分を100重量
部以下加えた塗液を、電磁鋼板に塗布し、焼付して、該
絶縁被膜中の該元素を含有する物質の合計重量を0.0
01〜1.5g/m2 、Clの含有量を0.1重量%以
下とすることを特徴とする窒化防止性、密着性および耐
食性に優れた水に難溶性の絶縁被膜付き電磁鋼板の製造
方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】本願の第一の発明は、水に難溶性
の絶縁被膜付き電磁鋼板であって、該絶縁被膜中に窒化
抑制剤が含まれ、該絶縁被膜中のClの含有量が0.1
重量%以下の少量に制限された窒化防止性、密着性およ
び耐食性に優れた絶縁被膜付き電磁鋼板である。
【0010】本発明が適用される電磁鋼板は、鋼板中の
成分を調整し、比抵抗を大きくし、所望の磁気特性を有
するようにした鋼板であるが、Si,Al,Mn等の比
抵抗が大きく、窒化性が強い元素を導入して、磁気特性
を良くした鋼板に有効である。例えば、Alの含有量が
0.05〜3重量%、Siの含有量が0.1〜3.5重
量%である鋼板に効果がある。これらの下限値未満では
窒化がしにくいため、窒化防止策を必要としない。また
時効劣化の点から、鋼板中のCの含有量が0.01重量
%以下であるのが好ましい。
【0011】本発明の絶縁被膜は、水に難溶性でなけれ
ばならない。すなわち沸騰水に30分間浸漬し、被膜成
分が10重量%以上溶出しない絶縁被膜でなければなら
ない。したがって本発明の絶縁被膜は、溶接性、耐熱性
が良く、歪取り焼鈍に耐える無機質被膜、または打ち抜
き性、溶接性が良く、歪取り焼鈍に耐える半有機質被膜
であるが、クロム酸系被膜および/またはリン酸系被膜
であることが望ましい。クロム酸系被膜の場合は、6価
のクロム酸イオンを3価のクロム酸イオンに還元して、
水に難溶性にするが、還元温度を下げるために反応促進
剤として還元剤を添加することが好ましい。還元剤とし
ては有機系が好ましく、エチレングリコール、グリセリ
ン、蔗糖等の多価アルコール:蟻酸、酢酸等のカルボン
酸が挙げられる。有機系還元剤の使用量は、CrO3
00重量部に対し5〜100重量部である。5重量部未
満であると、低温で還元する際に、還元が不十分で、絶
縁被膜がべとついたり、クロムが溶出する恐れがある。
100重量部を超えると、さらに低温での還元は期待で
きず、絶縁被膜が軟化するため、耐テンションパット性
が低下する。リン酸系被膜の場合は、反応促進剤として
酸化剤、界面活性剤等を用いると良い。
【0012】本発明の絶縁被膜は、Se,Te,As,
Sb,P,S,BiおよびSnからなる群より選ばれた
少なくとも1種の元素を含有する物質を、これらの元素
の合計重量で、鋼板の単位面積(片面)当たり0.00
1〜1.5g/m2 含有し、好ましくは0.001〜
1.0g/m2 含有する。0.001g/m2 未満であ
ると窒化抑制が不十分で、1.5g/m2 を超えると被
膜密着性が低下する。これらの元素を含有する物質の合
計重量は、クロム酸および/またはリン酸(CrO3
よび/またはH3 PO4 換算)の100重量部に対し
て、25重量部以下である。Se,Te,As,Sb,
P,S,BiおよびSnからなる群より選ばれた少なく
とも1種の元素を含有する物質、すなわち窒化抑制元素
を含有する物質は、絶縁被膜形成材料に溶解または分散
されて使用される。物質は、酸化物、水酸化物、炭酸
塩、重クロム酸塩、クロム酸塩、リン酸塩等であるが、
塩化物は回避するのが良い。一般に酸化物は、溶解性が
低いので、その場合は、コロイド液として、絶縁被膜形
成材料に混合すれば良い。例えば、被膜形成材料がクロ
ム酸系のように、酸性度が高い場合は、酸化物コロイド
にすれば表面電荷がカチオンになり、非常に安定し、配
合が容易になる。元素がSbの場合は、日産化学工業株
式会社が販売する、A−1530ZBが有効である。
【0013】本発明の絶縁被膜は、Clの含有量が0.
1重量%以下、好ましくは0.05重量%以下に制限さ
れる。0.1重量%を超えると、電磁鋼板の耐食性が劣
るようになる。Clは絶縁被膜材料や水溶媒から混入す
るので、被膜材料としては酸化物を使用すると、Clの
混入を防止できる。
【0014】本発明の絶縁被膜に、さらにMg,Al,
Ca,Zn,KおよびNaからなる群より選ばれた少な
くとも1種の元素を含有する物質を配合すると、遊離酸
が中和されるので、絶縁被膜形成材料、すなわち塗液の
安定性が良くなり、電磁鋼板の耐食性が向上する。M
g,Al,Ca,Zn,KおよびNaからなる群より選
ばれた少なくとも1種の元素を含有する物質は、酸化
物、水酸化物、炭酸塩、重クロム酸塩、クロム酸塩、リ
ン酸塩等である。塩化物は絶縁被膜中のCl含有量を増
加させるので、好ましくない。これら金属元素はクロム
酸および/またはリン酸(CrO3 および/またはH 3
PO4 換算)100重量部に対して、1.5〜30重量
部、好ましくは1.0〜25重量部配合される。1.5
重量部未満であると、塗液中の遊離酸が多くなり、樹脂
を配合させる時に塗液の安定性が悪く、30重量部を超
えると、電磁鋼板の耐食性が低下する。
【0015】本発明の絶縁被膜に、樹脂を配合させる
と、打ち抜き性が改善される。樹脂としては、ガラス転
移点が−30〜150℃程度の、アクリル樹脂、アルキ
ド樹脂、スチレン樹脂、オレフィン樹脂、酢酸ビニル樹
脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、メ
ラミン樹脂等の1種または2種以上の混合物が使用され
る。樹脂は水に溶解または分散して、絶縁被膜形成材料
に配合される。その配合量は、クロム酸および/または
リン酸(CrO3 および/またはH3 PO4 換算)10
0重量部に対して、樹脂固形分として100重量部以下
である。100重量部を超えると、TIG溶接性が急激
に低下し、歪取り焼鈍後の耐食性も急減する。
【0016】本発明の絶縁被膜付き電磁鋼板は、電磁鋼
板に、絶縁被膜形成材料、すなわち塗液を塗布し、焼付
けして製造される。塗布は、工業的に実施されているロ
ールコーター法、エアナイフ法、バーコーー法等で実
施される。焼付けは熱風式、赤外式、誘導加熱式等の通
常の方法で実施される。絶縁被膜中の水分が蒸発する程
度の低温加熱でもその目的を達成することができる。塗
液は、絶縁被膜材料を含む水分散液に、窒素化抑制剤、
中和用金属元素、樹脂、還元剤等を所定量配合し、十分
攪拌して調製される。塗液には、さらに防錆剤、ほう
酸、その他の添加剤を配合して 被膜性能を向上させる
ことができる。本発明の絶縁被膜の目付量は、0.1〜
5g/m2 である。0.1g/m2 未満であると打ち抜
き性が低下し、g/m2 を超えると、被膜密着性が低
下する。
【0017】(実施例1)高純度無水クロム酸をCrO
3 換算で80重量部、高純度リン酸をH3 PO4換算で
20重量部、Al(OH)3 をAl換算で5重量部およ
びアクリル樹脂/エポキシ樹脂を50重量部含む水分散
液に、高純度酸化アンチモンゾルを種々の割合で混合
し、塗液を調製した。該塗液を、Si 1重量%、Al
1重量%およびC 0.005重量%を含有する電気
鋼板にロールコーター法で塗布し、到達板温300℃で
焼付を行い、被膜目付量0.3g/m2 の絶縁被膜付き
電磁鋼板を得た。Sbの混合量と窒化量および磁気特性
(鉄損)の関係を、それぞれ図1および図2に示した。
磁気特性は鋼板の圧延方向と圧延方向に垂直の方向のエ
プスタインサンプルを用いて、周波数50Hz、最大磁
束密度1.5Tのときの鉄損(W 15/50 )を測定した。
【0018】水に難溶性の被膜と水に易溶性の被膜の密
着性に及ぼすSbの混合量の影響を図3に示した。後者
の場合は、低温で焼き付けし、クロム酸溶出量が100
0μg/100cm2 程度の被膜を対照とした。
【0019】密着性は、30℃、相対湿度100%の試
験槽に、6時間放置後、20mmφのセロファンテープの
180度曲げ剥離試験によった。なお被膜中のCl含有
量はいずれの場合も0.005〜0.01重量%であ
る。
【0020】(実施例2)クエン酸洗浄した厚さ0.5
mmの電磁鋼板(Si0.35重量%、Al0.6重量%
およびC0.005重量%)に、被膜形成材料としてク
ロム酸とリン酸の他に窒化抑制元素剤、金属元素、樹脂
と還元剤を含有する水溶液(塗液)を、ロールコーター
法で塗布し、到達板温300℃で焼付けして、絶縁被膜
を形成した。鋼板中のAl含有量;塗液中のクロム酸と
リン酸の比率;クロム酸/リン酸被膜中のSbとSnの
合計付着量、Cl含有量、Mg、Al、Ca、Zn、K
とNaの合計量、樹脂の種類とその含有量、還元剤の種
類とその含有量;クロム酸/リン酸被膜の目付量;絶縁
被膜付き電磁鋼板の窒化量、TIG溶接性、耐食性、密
着性、層間抵抗、占積率、打ち抜き性、耐溶剤性;窒素
焼鈍後の電磁鋼板の耐食性、密着性で表される性能を表
1に示した。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】絶縁被膜付き電磁鋼板の前記性能は後記の
条件で測定し、評価した。 窒化量 :窒素中、750℃で2時間均熱で、歪取り焼
鈍を行い、その前後の窒素量の差を窒化量とした。 ◎ :20ppm 未満 ○ :20〜50 ppm △ :50〜120 ppm × :120 ppm超 TIG溶接性:下記条件で溶接を行い、ブローホールの
生じない最大溶接速度を測定した。 電 極 :Th−W2.6mmφ 加圧力 :100kgf/cm2 電 流 :120A シールドガス:Ar6 l/min ◎ :800〜1000mm/min ○ :600〜800mm/min △ :400〜600mm/min × :400mm/min未満 耐食性(焼鈍前):塩水噴霧(5%NaCl溶液)試験
で赤錆面積率が10%以上になるまでの時間を測定し
た。 ◎ :15時間超 ○ :7〜15時間 △ :4〜7時間 × :4時間未満 耐食性(焼鈍後):窒素中750で2時間均熱で、歪取
り焼鈍を行った後、恒温恒湿試験機(50℃、相対湿度
80%)に14日間置いた後の赤錆面積率を測定した。 ◎ :20%未満 ○ :20〜40% △ :40〜60% × :60%以上 密着性 :20mmφでの180°曲げ戻し試験後の被膜
剥離率を測定した。 ◎ :剥離なし ○ :20%未満が剥離 △ :20〜40%が剥離 × :40%超が剥離 層間抵抗:JIS C2550に沿って層間抵抗値を測
定した。 ◎ :40Ωcm2 /枚超 ○ :5〜40Ωcm2 /枚 △ :0〜5Ωcm2 /枚 × :抵抗なし 占積率 :JIS C2550に沿って占積率を測定し
た。 ◎ :99%超 ○ :98〜99% △ :97〜98% × :97%未満 打ち抜き性:15mmφスチールダイスにおいて、返り高
さが50μmに達するまでの打ち抜き数を測定した。 ◎ :150万回超 ○ :70万〜150万回 △ :20万〜98万回 × :20万回未満 耐溶剤性:沸騰キシレン中に6時間浸漬後の被膜の減量
を測定した。 ◎ :0.05g/m2 未満 ○ :0.05〜0.1g/m2 △ :0.1〜0.2g/m2 × :0.2g/m2
【0024】
【発明の効果】本発明の電磁鋼板は、窒素ガス含有雰囲
気中の焼鈍でも窒化しにくく、焼鈍後の磁気特性が優れ
ている。また焼鈍前後の被膜密着性、耐食性等の絶縁被
膜性能が優れており、モータ、トランス等の用途等に広
範に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 鋼板中のSb含有量と、電磁鋼板の窒化量と
の関係図である。
【図2】 鋼板中のSb含有量と、電磁鋼板の磁気特性
(鉄損)との関係図である。
【図3】 鋼板中のSb含有量と、電磁鋼板の密着性と
の関係図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤田 明男 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内 (72)発明者 河野 正樹 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内 (56)参考文献 特開 平9−316655(JP,A) 特開 平7−207424(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 22/00 - 22/86 H01F 1/18

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水に難溶性の絶縁被膜付き電磁鋼板であっ
    て、該絶縁被膜がクロム酸系被膜および/またはリン酸
    系被膜であり、該絶縁被膜が、クロム酸および/または
    リン酸(CrO 3 および/またはH 3 PO 4 換算で)1
    00重量部に対して、Se,Te,As,Sb,P,
    S,BiおよびSnからなる群より選ばれた少なくとも
    1種の元素を25重量部以下および樹脂固形分を100
    重量部以下含有し、かつ前記元素の合計重量が0.00
    1〜1.5g/m2 であり、該絶縁被膜中のClの含有
    量が0.1重量%以下であり、該絶縁被膜の目付量が
    0.1〜5g/m 2 であることを特徴とする窒化防止
    性、密着性および耐食性に優れた絶縁被膜付き電磁鋼
    板。
  2. 【請求項2】該絶縁被膜が、さらにクロム酸および/ま
    たはリン酸(CrO 3 および/またはH 3 PO 4 換算
    で)100重量部に対して、Mg,Al,Ca,Zn,
    KおよびNaからなる群より選ばれた少なくとも1種の
    元素を含有する物質を1.5〜30重量部含有すること
    を特徴とする請求項1に記載の窒化防止性、密着性およ
    び耐食性に優れた絶縁被膜付き電磁鋼板。
  3. 【請求項3】絶縁被膜形成材料を含有する水分散液とし
    て、クロム酸および/またはリン酸(CrO 3 および/
    またはH 3 PO 4 換算で)100重量部に対して、S
    e,Te,As,Sb,P,S,BiおよびSnからな
    る群より選ばれた少なくとも1種の元素を25重量部以
    下、および樹脂固形分を100重量部以下加えた塗液
    を、電磁鋼板に塗布し、焼付して、該絶縁被膜中の該元
    素を含有する物質の合計重量を0.001〜1.5g/
    2 、Clの含有量を0.1重量%以下とすることを特
    徴とする窒化防止性、密着性および耐食性に優れた水に
    難溶性の絶縁被膜付き電磁鋼板の製造方法。
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