JP3320983B2 - 低温焼き付けで製造でき、歪取り焼鈍が可能で耐食性、耐溶剤性が良好な絶縁被膜付き電磁鋼板 - Google Patents

低温焼き付けで製造でき、歪取り焼鈍が可能で耐食性、耐溶剤性が良好な絶縁被膜付き電磁鋼板

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は六価クロムのように
有害な化合物を含まず、また、低温焼き付けで製造で
き、歪取り焼鈍が可能で耐食性、耐溶剤性も良好な絶縁
被膜付き電磁鋼板に関する。
【0002】
【従来の技術】モータや変圧器等に使用される電磁鋼板
の絶縁被膜は層間抵抗だけでなく、加工成形時及び保管
時の利便さの観点から種々の特性が要求される。また、
打抜加工後に磁気特性を向上させるため750〜850
℃程度で歪取り焼鈍を行う場合が多く、歪取り焼鈍に耐
える必要がある場合がある。このように、電磁鋼板は多
様に使用されるため、用途に応じて種々の絶縁被膜の開
発が行われている。
【0003】絶縁被膜は、溶接性、耐熱性を重視し、
歪取り焼鈍に耐える無機質皮膜、打抜性、溶接性の両
立を目指し歪取り焼鈍に耐える、樹脂含有の半有機質被
膜、特殊用途で歪取り焼鈍不可の有機質被膜の3種に
大別されるが、汎用品として歪取り焼鈍に耐えるのは
、の無機質を含む被膜であり、特に、有機樹脂を含
有したクロム酸塩系絶縁被膜は、1コート1ベークの製
造で無機系絶縁被膜に比較して打抜性を格段に向上させ
ることができるので広く利用されている。例えば、特公
昭60−36476号公報には、少なくとも1種の2価
金属を含む重クロム酸塩系水溶液に、該水溶液中のCr
3 :100重量部に対し有機樹脂として酢酸ビニル/
ベオバ比が90/10〜40/60の比率になる樹脂エ
マルジョンを樹脂固形分で5〜120重量部及び有機還
元剤を10〜60重量部の割合で配合した処理液を生地
鉄板の表面に塗布し、常法による焼き付け工程を経て得
たものであることを特徴とする電磁鋼板の絶縁被膜形成
法が開示されている。しかしながら、少なくとも1種の
2価金属を含むクロム酸塩系被膜は六価クロムを三価に
還元して不溶化するために比較的高温で焼き付けること
が必要である。また、六価クロムは毒性が高いため、環
境汚染の問題が懸念され、また、廃液処理にコストがか
かる問題がある。
【0004】クロム酸以外を主剤とする技術として、リ
ン酸塩を主剤とする半有機質絶縁被膜も検討されてい
る。しかしながら、リン酸塩は脱水反応を進行させて不
溶化するために塗装後に高温で焼き付けることが必要で
ある。比較的低温で焼き付け可能な絶縁被膜として、連
続焼鈍時の熱を利用して調質圧延前に被膜を形成して歪
取り焼鈍時の焼き付き防止被膜を施す方法が知られてい
る。例えば、特公昭59−21927号では無機コロイ
ド状物質を主成分とし、水溶性またはエマルジョンタイ
プの樹脂を加えた水溶液を塗布しそのまま調質圧延する
方法が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】特公昭59−2192
7号公報に記載の方法によれば、無機コロイド状物質は
確かにクロム酸塩系、リン酸塩系皮膜と比較して低温で
焼き付けることが可能である。すなわち、クロム酸塩
系、リン酸塩系はベトツキを防止するため、水溶性物質
を水不溶性にするための造膜反応を進行させる必要があ
るが、無機コロイド状物質はその必要がなく、中でもシ
リカは最も低温で脱水反応が終了するため、低温焼き付
け時には有利である。しかしながら、樹脂/シリカの混
合物を塗布しても調質圧延及び歪取り焼鈍時の焼き付き
防止には効果があるものの、耐食性はばらつきが大き
く、良好な場合と不良な場合が発生しており、また耐溶
剤性も劣るという問題があった。電磁鋼板の加工工程で
は溶剤洗浄、各種油(打抜油、絶縁油等)との接触等、
有機溶剤に触れる場合が多く、絶縁被膜には耐溶剤性は
必要な性能である。また、電磁鋼板は焼鈍前後の耐食性
も要求される場合が多く、特公昭59−21927号公
報の絶縁被膜はこのような用途には適していなかった。
本発明は上述した問題点を解決すべくなされたもので、
低温焼き付けで製造でき、歪取り焼鈍が可能で、耐食
性、耐溶剤性にも優れる汎用コートを提供するものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】発明者らは、上記問題点
を解決するべく、まず、樹脂/シリカ系の各種被膜性能
に及ぼす影響因子を詳細に検討した。その結果、製品板
耐食性は樹脂種及びシリカ種ともに影響が強く、焼鈍後
耐食性は被膜中不純物アニオンの影響が強く、耐溶剤性
は樹脂自身の耐溶剤性をあげることが必要であり、さら
に特定のシリカ種を用いればより高いことをつきとめ、
各種被膜性能の向上を目指し、鋭意検討を行った。その
結果、製品板耐食性、耐溶剤性向上のために樹脂のガラ
ス転移点を規制し、製品板及び焼鈍後耐食性向上のため
に、被膜中のCl,S量を規制する。さらに、被膜中の
アルカリ金属量を規制すれば耐溶剤性がより向上するこ
とを知見し目的を達成した。
【0007】すなわち、第1の発明は、電磁鋼板用絶縁
被膜に関し、樹脂とシリカとを、樹脂(固型分)100
重量部に対するシリカの比率が、SiO 2 換算で3〜3
00重量部になる範囲で含み、樹脂のガラス転移点が3
0〜150℃であり、被膜中のCl,S量がSiO2
00重量部に対してそれぞれ0.005重量部以下、
0.05重量部以下であることを特徴とする低温焼き付
けで製造でき、歪取り焼鈍が可能で耐食性、耐溶剤性が
良好なクロム酸以外を主剤とする絶縁被膜付き電磁鋼板
を提供する。
【0008】第2の発明は、第1の発明の被膜中に、さ
らにLi,Na,Kの中より選ばれる1種以上のアルカ
リ金属をSiO2 100重量部に対してM2 O換算で
0.1〜5重量部含む低温焼き付けで製造でき、歪取り
焼鈍が可能で耐食性、耐溶剤性が良好なクロム酸以外を
主剤とする絶縁被膜付き電磁鋼板を提供する。第2の発
明は第1の発明の耐溶剤性レベルをさらに向上させるこ
とをねらったものである。
【0009】ここで、第1、第2の発明それぞれの場合
絶縁被膜の付着量が乾燥量で0.05〜4g/m 2
あることが好ましい。
【0010】
【作用】以下に本発明をさらに詳細に説明する。本発明
の出発素材としては、電磁鋼板を用いる。絶縁被膜の形
成に用いる処理液中には歪取り焼鈍後の性能を確保する
ためにシリカを配合するが、製品板及び焼鈍後耐食性は
シリカ種により差があることがわかった。シリカ種の差
を詳細に検討したところ、シリカ中のCl- 及びSO4
2-のアニオン量が少ないほど良好であることをつきとめ
た。上記アニオンは樹脂及び希釈水からも混入の可能性
があるため、希釈水、樹脂にはイオン交換水を使用して
極力アニオンの混入を防止することが有効である。この
ようにして、被膜中のCl,S量をSiO2 100重量
部に対してそれぞれ0.005重量部以下、0.05重
量部以下となるようにする。Cl,S量が規定量超であ
ると製品板及び焼鈍後耐食性が低下するためこの範囲と
する。
【0011】処理液中に配合する樹脂は、水性樹脂(エ
マルジョン、ディスパージョン、水溶性)を用いる。被
膜中アニオン量が規定範囲であれば、樹脂種によらず耐
食性のレベルは向上するが、樹脂のガラス転移点が30
℃未満であると耐溶剤性(特にアセトンのように極性の
強い溶剤の場合)、製品板耐食性が不足する。また、樹
脂のガラス転移点が150℃超であると低温焼き付け時
の造膜性、被膜密着性が劣るため、樹脂ガラス転移点は
30〜150好ましくは60〜150℃とする。樹脂1
00重量部に対するシリカがSiO2 換算で3〜300
重量部である。シリカが3重量部未満であると樹脂分は
歪取り焼鈍時には熱分解してしまうため、被膜残分が少
なく焼鈍後の性能(スティキング性、耐食性等)が不足
する。また、シリカが300重量部超であると、打抜性
が低下し、密着性も低下するからである。好ましくは、
30〜300重量部である。絶縁被膜の付着量が0.0
5g/m2 未満であると、均一塗布が困難になり、ステ
ィキング性、耐食性が不足するし、付着量が4g/m2
超であると、低温乾燥時にふくれが発生するなど塗装性
が低下するため、絶縁被膜の付着量は0.05〜4g/
2 が好ましい。より好ましくは0.1〜2g/m2
する。
【0012】樹脂/シリカブレンド系は、クロム化合物
のような不動態化の効果がないため、耐食性低下の原因
となるCl- ,SO4 2- 等のアニオンの悪影響が強くで
るものと考え、アニオン除去を試み、製品板及び歪取り
焼鈍後ともに耐食性を向上することに成功した。
【0013】また、第2の発明では、シリカ種によって
もさらに耐溶剤性が異なることに着目し、アルカリ金属
を含有したシリカを使用することで耐溶剤性をさらに向
上した。Li,Na,Kの中より選ばれる1種以上のア
ルカリ金属を添加する。被膜中の含有量はSiO2 10
0重量部に対してM2 O(Li2 O,Na2 O,K
2O)換算で0.1〜5特に0.1〜3重量部とする。
0.1重量部未満であると樹脂ガラス転移点下限近傍で
の耐溶剤性が不足し、5重量部以上ではそれ以上の耐溶
剤性向上効果が望めずに添加が無意味である。コロイダ
ルシリカの場合はpHの安定領域が存在するため、アル
カリ金属量が少なく中性の不安定領域になる場合は、ア
ンモニア等を添加してpH調整すればよい。耐溶剤性に
関しては、樹脂とシリカ両方の影響があることがわかっ
たが、シリカ自身の耐溶剤性は優れていることから、樹
脂自身の耐溶剤性をあげ、さらに樹脂とシリカの架橋を
促進することで耐溶剤性をより向上できると考えた。す
なわち、樹脂自身の耐溶剤性をあげるには、樹脂のガラ
ス転移点をあげることが有効であり、ガラス転移点30
℃以上で良好な性能を示すが、30℃近傍では溶剤種に
よっては程度は軽いものの若干侵される場合があり、こ
の場合、シリカ中にアルカリ金属を含んでいるものが樹
脂単体より優れた耐溶剤性を示す。このメカニズムにつ
いては明らかではないが、アルカリ金属がシリカと樹脂
との架橋を促進する金属架橋剤として働いているとも考
えられる。
【0014】ここに用いる樹脂組成としては特に規制す
るものではないが、例えば、アクリル樹脂、アルキッド
樹脂、ポリオレフィン樹脂、スチレン樹脂、酢酸ビニル
樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、
メラミン樹脂等の1種または2種以上の樹脂が好適に適
用できる。樹脂のガラス転移点は30〜150℃になる
ようなモノマー組成をとることが必要である。樹脂ガラ
ス転移点はモノマー組成によって一定で樹脂固有の特性
である。通常、樹脂は数種のモノマーを組み合わせるこ
とが多い。本特許に適合する樹脂はガラス転移点が30
〜150℃となるならどのような樹脂組成でも適用可能
である。ガラス転移点の測定には種々の方法が利用でき
るが、例えばDSC(示差走査熱量計)、TMA(熱機
械分析)、熱膨張等があるが、特に定めるものではな
く、物理的性質が大幅にかわることを利用する方法で確
認可能である。また、共重合体のガラス転移点は計算も
可能であるため、測定困難な時は組成から計算すればよ
い。樹脂はガラス転移点を境に性質が大きく変化するた
め、耐溶剤性試験を行う環境温度よりガラス転移点が高
いことが好ましいと考えられる。
【0015】処理液中に配合するシリカの形状は水に分
散するものならどのような製法のものでもよく、コロイ
ダルシリカ、気相シリカ、凝集タイプシリカ等形状は種
々のものが適用可能である。ただし、シリカは予めCl
- ,SO4 2- 等のアニオンをイオン交換法等により取り
除いておき、樹脂合成時の水、希釈水には純水を用いる
などして、被膜中のCl,S量がSiO2 100重量部
に対してそれぞれ0.005重量部以下、0.05重量
部以下となるように制御する。また、シリカ中には耐溶
剤性を一層向上させるために、Li,Na,Kの中より
選ばれる1種以上のアルカリ金属を含有させてもよい。
コロイダルシリカ表面はアニオンに帯電しているため、
アルカリ金属で安定化することでアルカリ金属の導入が
可能であるが、樹脂/シリカブレンド液にアルカリ金属
を後添加してもよい。被膜中の含有量はSiO2 100
重量部に対してLi2 O,Na2 O,K 2 O換算で0.
1〜5重量部とする。0.1重量部未満であると樹脂ガ
ラス転移点下限近傍での耐溶剤性が不足し、5重量部以
上ではそれ以上の耐溶剤性向上効果が望めずに添加が無
意味である。また、特にNa,Kでは過剰に添加すると
シリカ表面でナトリウムシリケート、カリウムシリケー
ト等の耐水性が劣る組成が発生しやすく、耐水性に問題
が出る場合がある。従って、被膜中のアルカリ金属含有
量はSiO2 100重量部に対してLi2 O,Na
2 O,K2 O換算で0.1〜5重量部とする。
【0016】以上の薬剤を電磁鋼板上に塗布して焼き付
けることにより被膜を形成させる。絶縁被膜形成方法は
工業的に一般に用いられるロールコーター法、フローコ
ーター、スプレー塗装、ナイフコーター等種々の方法が
適用可能である。焼き付け方法についても通常実施され
るような熱風式、赤外式、誘導加熱式等、特に規制する
ものではなく、被膜中の水分が蒸発する程度の低温加熱
で十分であり、例えば、50〜250℃程度の低い到達
板温で1分以内の短時間焼き付けをすることが可能であ
る。なお、被膜の性能を一層向上させるために、防錆剤
等添加剤を配合してもよい。この場合、歪取り焼鈍後の
性能を確保するために有機物質100重量部に対する無
機物質の合計量は3〜300重量部の範囲とすることが
好ましい。
【0017】
【実施例】以下、本発明の効果を実施例に基づいて具体
的に説明する。 (実施例)板厚0.5mmの電磁鋼板の表面に表1に記
載の被膜を形成した。塗布は、ロールコーターで行い、
到達板温150℃で焼き付け放冷した後、試験に供し
た。なお、各性能評価法の詳細は以下の通りである。表
1および表2から明らかなように本発明例はいずれも耐
溶剤性、打抜性、歪取り焼鈍前後耐食性、密着性、ステ
ィキング性等に優れた絶縁被膜付き電磁鋼板である。な
お、表中の実施例は基本として着眼している性能のみの
改善を目指すものであるが、その中でもさらに他の各種
性能を向上させる例もあり、他の各種性能について比較
例となるものを備考に示した。
【0018】耐溶剤性 各種溶剤(ヘキサン、キシレン、メタノール、エタノー
ル、アセトン)を脱脂綿にしみこませ、鋼板を5往復し
た後の外観変化を調査した。 ◎:変化なし ○:変化ほとんどなし △:若干変色 ×:変化大
【0019】打抜性 15mmφスチールダイスにおいて、かえり高さが50
μmに達するまでの打ち抜き数で評価した。 ◎:50万回超 ○:30万〜50万回 △:10万〜30万回未満 ×:10万回未満
【0020】密着性 製品板及び歪取り焼鈍板(窒素中750℃×2h焼鈍)
で評価した。20mmφでの180°曲げ戻し試験後の
被膜剥離率で評価した。 ◎:剥離なし ○:〜剥離20%未満 △:剥離20%〜剥離40%未満 ×:剥離40%〜全面剥離
【0021】耐食性(製品板) 湿潤試験(50℃、相対湿度100%)試験48h後の
赤錆面積率で評価した。 ◎:0〜20%未満 ○:20〜40%未満 △:40〜60%未満 ×:60〜100%
【0022】耐食性(焼鈍後) 窒素中750℃×2h焼鈍後、恒温恒湿試験(50℃、
相対湿度80%)14日後の赤錆面積率で評価した。 ◎:0〜20%未満 ○:20〜40%未満 △:40〜60%未満 ×:60〜100%
【0023】スティキング性 50mm角の鋼板10枚を重ねて荷重(200g/cm
2 )をかけながら窒素雰囲気下で750℃×2時間焼鈍
した後、鋼板上に分銅500gを落下させ、5分割する
ときの落下高さを調査した。 ◎:10cm未満 ○:10〜15cm未満 △:15〜30cm ×:30cm超
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】
【表3】
【0027】
【表4】
【0028】
【発明の効果】本発明は以上説明したように構成されて
いるので、低温焼付で製造でき、歪取り焼鈍が可能で耐
溶剤性、耐食性も良好であり、その他、電磁鋼板の絶縁
被膜として必要な性能を兼ね備えているので、モータ
ー、トランス等の用途をはじめ広く利用することができ
る。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭54−31598(JP,A) 特開 平4−2606(JP,A) 特公 昭62−46632(JP,B1) 特公 昭59−21927(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 15/08 B05D 7/14 - 7/24

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電磁鋼板用絶縁被膜に関し、樹脂とシリカ
    とを、樹脂(固型分)100重量部に対するシリカの比
    率が、SiO 2 換算で3〜300重量部になる範囲で含
    み、樹脂のガラス転移点が30〜150℃であり、被膜
    中のCl,S量がSiO2 100重量部に対してそれぞ
    れ0.005重量部以下、0.05重量部以下であるこ
    とを特徴とする低温焼き付けで製造でき、歪取り焼鈍が
    可能で耐食性、耐溶剤性が良好なクロム酸以外を主剤と
    する絶縁被膜付き電磁鋼板。
  2. 【請求項2】電磁鋼板用絶縁被膜に関し、樹脂とシリカ
    とを、樹脂(固型分)100重量部に対するシリカの比
    率が、SiO 2 換算で3〜300重量部になる範囲で含
    み、樹脂のガラス転移点が30〜150℃であり、被膜
    中のCl,S量がSiO2 100重量部に対してそれぞ
    れ0.005重量部以下、0.05重量部以下であり、
    Li,Na,Kの中より選ばれる1種以上のアルカリ金
    属をSiO2 100重量部に対してM2 O換算で0.1
    〜5重量部含むことを特徴とする低温焼き付けで製造で
    き、歪取り焼鈍が可能で耐食性、耐溶剤性が良好なクロ
    ム酸以外を主剤とする絶縁被膜付き電磁鋼板。
  3. 【請求項3】 前記絶縁被膜の付着量が乾燥量で0.05
    〜4g/m2 である請求項1または2に記載の低温焼き
    付けで製造でき、歪取り焼鈍が可能で耐食性、耐溶剤性
    が良好なクロム酸以外を主剤とする絶縁被膜付き電磁鋼
    板。
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