JP4700286B2 - 絶縁被膜特性の良好な無方向性電磁鋼板 - Google Patents

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Description

本発明は、主に家電用に用いられるモーターやトランス等の鉄心に使用される電磁鋼板であって、その鋼板上にクロムを一切含まず、また製造工程においても6価クロムの排出が一切なく、かつ従来のクロムを含む絶縁被膜塗布鋼板と同等の耐蝕性、密着性、絶縁性を有する無方向性電磁鋼板に関するものである。
家電用のモーターやトランスの鉄心に使用される無方向性電磁鋼板の絶縁被膜には、絶縁性のみならず耐蝕性、滑り性、打抜き性等の非常に多様な特性が必要とされる。
このような市場の要求に応えるために、電磁鋼板の絶縁被膜の開発が続けられており、例えば特許文献1には、少なくとも1種の2価金属を含む重クロム酸塩系水溶液に、該水溶液中のクロム酸100重量部に対し有機樹脂エマルジョンを樹脂固形分で5〜120重量部及び有機還元剤を10〜60重量部含む処理液を鋼板の表面に塗布し、焼付ける絶縁被膜処理方法が記載されている。
この技術は、非常に優れた絶縁被膜を形成できることから、市場に広く受け入れられ、現在でも無方向性電磁鋼板の最も一般的な絶縁被膜となっている。
しかしながら、近年の環境問題の進展により、クロム酸の取扱いについては慎重な対応が求められており、その廃液処理にかかる費用も無視できない問題となっている。
クロム酸以外の成分を用いた絶縁被膜としては、例えば特許文献2に、りん酸塩の1種または2種以上を含む溶液にりん酸イオン10重量部に対して0.1〜50重量部の酸可溶性の有機樹脂の1種または2種以上を添加した処理液を電磁鋼板の表面に均一に塗布し、300℃〜800℃で加熱焼付けすることを特徴とする電磁鋼板の表面処理方法について開示されている。この技術は、りん酸塩系被膜の欠点である発粉を抑制し、密着性、打抜き性、耐熱性、耐油性に優れた電磁鋼板用絶縁被膜処理方法を提供するものである。
また特許文献3には、有機物質を含有し、三次元的シロキサン結合の網目構造を形成したシリカゲルを主成分とする被膜を有する耐熱性、耐疵付き性に優れた被膜を有する電磁気用鋼板に関する技術が開示されている。この技術は、耐熱性に優れた被膜が得られるだけでなく、低温加熱でもシリカヒドロゾルの単粒子の表面のシラノール基が縮合脱水反応を起してシロキサン結合鎖を形成するため、省エネタイプであり、良好な打抜き性、溶接性、層間抵抗、密着性を持った絶縁被膜に関するものである。
この特許文献3に記載される技術は非常に優秀で、その技術思想は特許文献4に開示される電磁鋼板の調質圧延時の焼付きを防止する技術にも発展応用されており、電磁鋼板の工業化の進歩に大きく寄与するものである。
上記特許文献3に記載されるシリカヒドロゾルとは、別名コロイダルシリカとも呼ばれ、絶縁被膜に優れた耐熱性を付与すると共に、同時に処理液に添加する有機物、特にアクリル系樹脂を用いることで、クロム酸を含有する絶縁被膜と比較すると若干ながら耐蝕性が劣るものの、低温加熱でも優れた密着性、打抜き性、層間抵抗が得られるものである。
しかしながら、近年のモーターやトランス製造ラインの自動化進展に伴い、従来は問題無しとされてきた耐蝕性でもトラブルの原因となることが判明した。すなわち、各工程間の製造速度差を吸収するために必要となる工程待ちの間に、従来は保管倉庫に入れたり、シート掛けをして防錆策を講じていたものが、ライン間にそのままの状態で置いておかれる場合が多くなり、耐蝕性の向上が必要となっている。
特に現在では日系企業の東南アジア進出が著しく進展しており、必要とされる耐蝕性のレベルは格段に高いものが要求されている。
このような耐蝕性向上策として、例えば特許文献5〜12等に記載される各種技術が開示されているが、いずれも特許文献3の改良技術であり、電磁鋼板に要求される被膜諸特性を保持しながら課題である耐蝕性の向上を目指したものである。
しかるに、現行のクロム酸含有被膜と比較して耐蝕性の点では、未だ決定的な技術とはなっておらず、しかも環境問題に対する社会的感心の高まりから、クロム酸化合物に対する具体的規制の動きも活発化し、耐蝕性問題の早急な解決が望まれていた。
さらに、このような社会情勢の中で通常の表面処理鋼板を処理するコーティング剤として特許文献13に開示される技術がある。これは、亜鉛メッキ鋼板のような表面処理鋼板のコーティング剤でクロム酸を使用せずに耐蝕性の向上を図るもので、水性分散樹脂を固形分濃度で5〜30質量%、シリカ粒子を0.1〜20質量%および有機チタネート化合物を0.01〜20質量%配合するというものである。
しかしながら上記特許文献13で使用される有機チタネート化合物とは、明細書を確認するとチタンキレート化合物のことであり、本発明で使用するチタネートカップリング剤とは異なるものである。さらにこの技術の本意はチオカルボニル化合物による防錆効果の向上であり、本発明とは全く異なるメカニズムによるものである。
また特許文献14には、金属結合基を有する有機金属化合物を含有する塗液を鋼板上に塗布し、焼付け処理中に、鋼板温度が200℃以上800℃以下、酸素分圧Po2≧2×10-5atmの雰囲気下とする酸化処理を行う技術が開示されているが、本発明が適用される無方向性電磁鋼板とは絶縁被膜に求められる特性が全く異なる方向性電磁鋼板に関するものであり、また、実施例中でもシランカップリング剤を使用するのみでチタネートカップリング剤は全く使用されておらず、本発明とは全く異なるものである。
特公昭60−36476号公報 特開昭50−103438号公報 特開昭54−31598号公報 特公昭59−21927号公報 特開平09−314733号公報 特開平09−323066号公報 特開平09−327886号公報 特開平10−015484号公報 特開平10−015485号公報 特開平10−034812号公報 特開平10−046350号公報 特開2001−279458号公報 特開2003−155451号公報 特開2002−235118号公報
本発明は、上記欠点を解決し、下地処理無しの工業的に低コスト処理により、コロイダルシリカと有機樹脂を主成分とする絶縁被膜の良特性を保持し、かつ耐蝕性に優れた絶縁被膜を保持する電磁鋼板を提供することを目的とする。
本発明の要旨は以下の構成からなる。
(1) 電磁鋼板の表面に、粒径が30nm以下のコロイダルシリカを100重量部と、粒径が60nm以上400nm以下の水性樹脂を10〜100重量部、チタネートカップリング剤を0.01〜10重量部含有する水溶液の乾燥被膜を下地処理無に0.5〜2.0g/m2 形成したことを特徴とする、絶縁被膜特性の良好な無方向性電磁鋼板。
(2) チタネートカップリング剤を2種以上混合して用いることを特徴とする、前記(1)記載の絶縁被膜特性の良好な無方向性電磁鋼板。
(3) 水性コロイダルシリカが、アンモニウムイオンによる分散安定化作用を受けたものであることを特徴とする、前記(1)または(2)に記載の絶縁被膜特性の良好な電磁鋼板。
(4) 水性樹脂が、シラノール基、水酸基、グリシジル基、リン酸基の1種または2種以上を含むアクリル樹脂を必須成分とすることを特徴とする、前記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の絶縁被膜特性の良好な無方向性電磁鋼板。
(5) チタネートカップリング剤が、疎水基として長鎖アルキル脂肪酸、ピロリン酸を含むことを特徴とする、前記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の絶縁被膜特性の良好な無方向性電磁鋼板。

本発明により、耐蝕性、未着性ともに優れた絶縁被膜を有する無方向性電磁鋼板を提供することができる。これは、従来の無方向性電磁鋼板の性能を、有害な成分を含まずに代替できることを示すものであり、その意義は大きい。
本発明の絶縁被膜を構成する有機樹脂は、水溶性あるいはエマルジョン樹脂が良く、アクリル、ポリスチレン、エポキシ、ポリウレタン、ポリエステル等の1種または2種以上の混合物あるいは共重合体、グラフト重合体が使用可能であるであるが、特にアクリル系樹脂であるのが良い。アクリル系樹脂は、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸等の不飽和カルボン酸とそのエステル化合物、および酢酸ビニル、スチレン等を水溶液中で共重合させたもので、溶液の安定性が非常に良好である。
有機樹脂を水溶液化する際に、特に乳化剤の有無にこだわる必要は無い。むしろ乳化剤の有無よりもコロイダルシリカと有機樹脂粒子の相溶性が耐蝕性に大きく作用するからである。また、このアクリル成分中に、シラノール基、水酸基、グリシジル基、リン酸基等の反応性基を含むことが望ましく、これらの官能基は1種でもまた2種以上含んでもよい。
また、有機樹脂エマルジョンの場合、その粒径は400nm以下である必要がある。これは粒径が400nm超の場合、粒子と粒子の隙間が大き過ぎて絶縁被膜が不均一になり易く、耐蝕性が劣化するためである。
ここでシリカについては、水性のコロイダルシリカであることが必須であり、乾式シリカ(ヒュームドシリカ)のシリカ分散液では、所望の性能が全く得られない。これは水性のコロイダルシリカは表面に多くのOH基をもち、これが本発明で使用するチタネートカップリング剤と何らかの相互作用を行い、本発明の効果を生じるものと考えられるからである。
更にこのコロイダルシリカの粒径は30nm以下である必要がある。これは、30nm超では絶縁被膜焼付時にシリカ同士が凝集粒を生じ、絶縁被膜が場所により不均一になって耐蝕性が劣化するためである。コロイダルシリカの粒径は好ましくは20nm以下である。更にこのコロイダルシリカは、Na,K,Li等のアルカリ金属カチオンによる分散安定化作用を受けたものよりも、アンモニウムイオンによる安定化を受けたもの、あるいは、純粋なケイ酸コロイド等が良く、特に密着性の観点からはアンモニウムイオンによる安定化を受けたものが好ましい。
上述のコロイダルシリカと水性樹脂の固形分重量比としては、シリカ固形分100重量部に対して、樹脂が10〜100重量部の範囲、好ましくは20〜50重量部であることが必要である。この範囲より樹脂の重量比が低いと、被膜の成膜に問題が発生し、耐蝕性が悪化する。また衝撃を加えた場合の密着性も悪化する。樹脂の重量比が所定値よりも大きいと、電磁鋼板との密着性、特に歪み取焼鈍後の密着性が全く確保できず、耐蝕性も不良である。
次に本発明で使用するチタネートカップリング剤に付いて説明する。
チタネートカップリングは、一般的にテトラアルコキシチタネートと長鎖アルキル脂肪酸、リン酸、ピロリン酸、亜リン酸、スルホン酸、アルコール酸、アミン誘導体等から合成されるものであり、一般式Xm−Ti−Yn(Xm:親水基,Yn:疎水基)で表されるものである。本発明では特に使用を制限するものではないが、チタネートカップリング剤の中でも、長鎖アルキル脂肪酸、ピロリン酸、亜りん酸から合成されるものが特に好適である。
具体的な例としては、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリデシルベンゼンスルホニルチタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2、2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジ−トリデシル)ホスファイトチタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、ビス (ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネート等であり、これらの1種または2種以上の混合物を用いることができる。
特に好適にはイソプロピルトリイソステアロイルチタネート、およびイソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネートである。
本発明では、チタネートカップリング剤をコロイダルシリカ固形分100重量部に対して、0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜2重量部使用するものである。0.01重量部未満ではチタネートカップリング剤の添加効果が現れず、10重量部超では絶縁被膜の耐水性が劣化するためである。さらにチタネートカップリング剤を2種以上混合使用することにより、さらに劇的な効果が得られるものである。
このようなチタネートカップリング剤の作用は、本発明者等が発見したマイクロピンホールを消滅させることにある。すなわち、無方向性電磁鋼板用の絶縁被膜では、打抜き性という他の鋼板用途では見られない特殊な特性を実現させるため、通常の表面処理広範に使用される有機樹脂よりも加工性に優れた特殊な有機樹脂を使用する必要があるが、このような樹脂とコロイダルシリカを混合してなる絶縁被膜には無数のマイクロピンホールが存在し、そのために耐蝕性が劣化していることを知見した。これは、1μm以下の0.2〜0.3μm程度の極めて微小なピンホールであるが、絶縁被膜を貫通していると考えられ、耐蝕性低下に大きく関与するものである。
本発明者等が鋭意検討した結果、このようなマイクロピンホールはコロイダルシリカと有機樹脂の相溶性に問題があるため発生することが判明した。有機成分と無機成分の結合に良く用いられるシランカップリング剤では、基材である鋼板とコーティング中の有機樹脂の結合強度を高める働きがあることが判明しているが、本発明の場合には、有機樹脂とコロイダルシリカの相溶性を高めるためにチタネートカップリング剤の添加が必須であり、シランカップリング剤とは全く働きが異なっている。
本発明では、チタネートカップリング剤と併用して、鋼板と絶縁被膜の密着性を向上させるため、シランカップリング剤を添加するのは問題無い。また、その他消泡剤、増粘剤、防腐剤等の添加も何ら問題は無い。
チタネートカップリング剤の添加方法としては、有機樹脂とコロイダルシリカを混合したものに添加しても良いが、コロイダルシリカ溶液とあらかじめ混合し、その後有機樹脂を含む水溶液と混合した方が効率的である。
図1は、特許文献に開示された技術に基づき、電磁鋼板の表面に形成された絶縁被膜を走査電顕で拡大した写真であり、0.2μm前後のマイクロピンホールが多数存在しているのがわかる。図2は本発明に基づき図1と同様の写真を撮影した例であり、ほとんどマイクロピンホールが除去されているのがわかる。
本発明では、添加したチタネートカップリング剤の働きにより、コロイダルシリカの疎水性が高まることにより有機樹脂との相溶性が向上することで、マイクロピンホールが消滅したものと考えられる。
塗布する方法は、スプレー、ロールコート等特に限定されないが、仕上がりの外観や塗布厚の制御性から、ロールコートによる塗布が好ましい。塗布後の乾燥は、水分を蒸発できる状態であればよく、より好ましくは、鋼板温度として100〜200℃程度になるよう、数秒から数分加熱することである。乾燥後の被膜重量としては、0.5〜2g/m2 であり、0.5未満では耐蝕性が不足し、2g/m2 超では耐蝕性の効果が飽和し不経済であるばかりでなく、溶接を行う用途では不良を起こすことがあり得るため、好ましくない。
以下に本発明の実施例を示す。
[試料調整]
母材として無方向性電磁鋼板(板厚0.5mm、0.1%Si含有)を用い、アルカリスプレー脱脂の後、各種処理液をロールコーターにて塗布し、直後に熱風乾燥炉で板温150℃となるように数秒間加熱し、放冷した。なお、従来例では無方向性電磁鋼板(板厚0.5mm、0.1%Si含有)を用いて同様に処理し、300℃で焼付けた。処理液は、各種のシリカを固形分で100重量部に対して、水性樹脂およびチタネートカップリング剤を各種重量部で混合したものを用いた。
[評価方法]
「層間抵抗」:JIS−C−2550に準拠して測定した。(×;2Ωcm2 /枚未満、△;2〜5Ωcm2 /枚、○;5Ωcm2 /枚以上)
「耐蝕性」:JIS−Z−2371の塩水噴霧試験により、10時間後の発錆面積率を測定した。(××;100%、×;80〜99%、△;50〜79%、○;20〜49%、◎;1〜20%、◎◎;0%)
「密着性」:歪み取焼鈍前後のサンプルを用い、10mmφ、20mmφ、30mmφの各直径で曲げ密着性を評価した。(××;全面剥離、×;30mmφで全面剥離、△;30mmφで一部剥離、○;20mmφで全面剥離、◎;20mmφで一部剥離、◎◎;20mmφで剥離無)
「耐溶剤性」:歪み取焼鈍前後のサンプルを用い、ヘキサンまたはアセトンをしみ込ませたガーゼを鋼板上に100gの荷重を欠けた状態で擦り付け、外観変化を観察した。
(××;剥離、×;ガーゼにはっきりとした痕跡が見られる、△;ガーゼには変化無いが鋼板にはっきり痕跡が見られる、○;痕跡が鋼板に見られる、◎;ほとんど変化無し、◎◎;変化無し)
表1に本発明と比較の塗布液組成、表2にその結果を示すが、本発明例では、耐蝕性、密着性、耐溶剤性がいずれも優れた絶縁被膜特性を示し、本発明で規定する条件から外れるものは、何らかの性能が悪化した。
Figure 0004700286
Figure 0004700286
特許文献3に開示された技術に基づき電磁鋼板の表面に形成された絶縁被膜を走査電子顕微鏡で拡大した写真。 本発明に基づき、図1と同様の写真を撮影した例。

Claims (5)

  1. 電磁鋼板の表面に、粒径が30nm以下のコロイダルシリカを100重量部と、粒径が60nm以上400nm以下の水性樹脂を10〜100重量部、チタネートカップリング剤を0.01〜10重量部含有する水溶液の乾燥被膜を下地処理無に0.5〜2.0g/m形成したことを特徴とする、絶縁被膜特性の良好な無方向性電磁鋼板。
  2. チタネートカップリング剤を2種以上混合して用いることを特徴とする、請求項1記載の絶縁被膜特性の良好な無方向性電磁鋼板。
  3. 水性コロイダルシリカが、アンモニウムイオンによる分散安定化作用を受けたものであることを特徴とする、請求項1または2に記載の絶縁被膜特性の良好な電磁鋼板。
  4. 水性樹脂が、シラノール基、水酸基、グリシジル基、リン酸基の1種または2種以上を含むアクリル樹脂を必須成分とすることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の絶縁被膜特性の良好な無方向性電磁鋼板。
  5. チタネートカップリング剤が、疎水基として長鎖アルキル脂肪酸、ピロリン酸を含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の絶縁被膜特性の良好な無方向性電磁鋼板。
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