JPH1192943A - Cvd法による薄膜形成方法 - Google Patents

Cvd法による薄膜形成方法

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JPH1192943A
JPH1192943A JP25698697A JP25698697A JPH1192943A JP H1192943 A JPH1192943 A JP H1192943A JP 25698697 A JP25698697 A JP 25698697A JP 25698697 A JP25698697 A JP 25698697A JP H1192943 A JPH1192943 A JP H1192943A
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均 平野
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洋一 堂本
Keiichi Kuramoto
慶一 蔵本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 所望の機能を有し、かつ基板との密着性が良
好な薄膜をプラズマCVD法により形成することができ
る薄膜形成方法を得る。 【解決手段】 原料ガスをガス導入管12から真空チャ
ンバー8内に導入しプラズマ中で分解することにより基
板9上に第1の薄膜層を形成する工程と、原料ガスをプ
ラズマ中で分解するとともに、イオンガン10からのイ
オンを基板9に照射して、第1の薄膜層の上に第2の薄
膜層を形成する工程とを備えることを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマを利用し
たCVD法により基板上に薄膜を形成する方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】プラズマ中で原料ガスを分解することに
より薄膜を形成するプラズマCVD法は、比較的低温で
薄膜を形成する方法として広く用いられており、原料ガ
スを適宜調整することにより、種々の組成の薄膜を形成
することができる。このようなCVD法により、高い硬
度を有するダイヤモンド状炭素薄膜や、低い摩擦係数を
有する窒化炭素(CN)薄膜及びケイ化炭素(CSi)
薄膜などの種々の薄膜を形成することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例え
ば、シリコン基板の上に、ダイヤモンド状炭素薄膜を形
成する場合、シリコン基板に対し密着性良くダイヤモン
ド状炭素薄膜を形成することができるが、窒化炭素薄膜
やケイ化炭素薄膜は、シリコン基板に対する密着性が悪
く、従来の薄膜形成方法では、密着性良く形成すること
ができないという問題があった。
【0004】本発明の目的は、このような窒化炭素薄膜
やケイ化炭素薄膜のような高機能薄膜の機能を有し、か
つ基板との密着性が良好な薄膜をプラズマCVD法によ
り形成する方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の局面に従
う薄膜形成方法は、プラズマを利用したCVD法により
基板上に薄膜を形成する方法であり、原料ガスをプラズ
マ中で分解することにより基板上に第1の薄膜層を形成
する工程と、原料ガスをプラズマ中で分解するととも
に、イオンまたはラジカルを基板に照射して、第1の薄
膜層上に第2の薄膜層を形成する工程とを備えている。
【0006】本発明の第1の局面において、第2の薄膜
層を形成する際に、照射するイオンまたはラジカルは、
一般に、原料ガスの主成分元素と異なる元素のイオンま
たはラジカルである。例えば、第1の薄膜層として炭素
系薄膜を形成し、第2の薄膜層として窒化炭素薄膜やケ
イ化炭素薄膜を形成する場合には、一般にCH4 などの
炭素を主成分とする原料ガスを用い、基板に照射するイ
オンまたはラジカルとして、窒素もしくはシリコンのイ
オンまたはラジカルを照射する。しかしながら、第2の
薄膜層を形成する際に照射するイオンまたはラジカル
は、原料ガスの主成分元素と同じ元素のイオンまたはラ
ジカルであってもよい。
【0007】本発明の第1の局面において、原料ガスと
しては、炭素を主成分とする原料ガスのほかに、例え
ば、シリコン(ケイ素)、チタン、ジルコニウム、ホウ
素、ハフニウム、及びアルミニウムなどを主成分として
含有するガスが挙げられる。また、第2の薄膜層を形成
する際に照射するイオンまたはラジカルとしては、上述
の窒素及びシリコンのイオンまたはラジカルのほかに、
炭素、酸素、及び水素などのイオンまたはラジカルを挙
げることができる。
【0008】本発明の第1の局面に従えば、第1の薄膜
層として、基板に対する密着性の良好な薄膜を形成し、
第2の薄膜層として、例えば、窒化炭素薄膜やケイ化炭
素薄膜などのような基板に対する密着性は良好ではない
が、所望の機能性を有する薄膜を形成することができ
る。従って、このような機能性を有する第2の薄膜層を
第1の薄膜層を介して基板上に設けることができるの
で、基板との密着性が良好な機能性薄膜を形成すること
ができる。
【0009】また、本発明の第1の局面に従う薄膜形成
方法においては、第2の薄膜層を形成する際のイオンま
たはラジカルの照射エネルギー及び照射量を成膜時間と
ともに変化させてもよい。このようにイオンまたはラジ
カルの照射エネルギー及び照射量を変化させることによ
り、イオンまたはラジカルの照射により第2の薄膜層内
に導入される成分の膜厚方向の分布を変化させることが
できる。
【0010】イオンまたはラジカルの照射エネルギーを
成膜時間とともに減少させ、イオンまたはラジカルの照
射量を成膜時間とともに増加させることにより、イオン
またはラジカルの照射によって導入される成分の濃度
が、第2の薄膜層の表面に近づくに連れて高くなるよう
な濃度勾配を第2の薄膜層に付与することができる。
【0011】上記のような濃度勾配を第2の薄膜層に付
与することにより、第2の薄膜層の表面において付与さ
れる機能をより高めることができる。例えば、窒化炭素
薄膜及びケイ化炭素薄膜の場合、第2の薄膜層表面での
摩擦係数を表面に近づくに連れて低くすることができ
る。このような濃度勾配を設けることにより、さらに密
着性が良好で、かつ十分に機能が付与された薄膜を得る
ことができる。
【0012】本発明の第2の局面に従う薄膜形成方法
は、プラズマを利用したCVD法により基板上に薄膜を
形成する方法であり、原料ガスをプラズマ中で分解する
ことにより基板上に第1の薄膜層を形成する工程と、基
板に高周波電力を印加して基板にバイアス電圧(自己バ
イアス電圧)を発生させながら、原料ガスをプラズマ中
で分解するとともに、イオンまたはラジカルを基板に照
射して、第1の薄膜層の上に第2の薄膜層を形成する工
程とを備えている。
【0013】本発明の第2の局面において、第2の薄膜
層を形成する際に、照射するイオンまたはラジカルは、
一般に、原料ガスの主成分元素と異なる元素のイオンま
たはラジカルである。例えば、第1の薄膜層として炭素
系薄膜を形成し、第2の薄膜層として窒化炭素薄膜やケ
イ化炭素薄膜を形成する場合には、一般にCH4 などの
炭素を主成分とする原料ガスを用い、基板に照射するイ
オンまたはラジカルとして、窒素もしくはシリコンのイ
オンまたはラジカルを照射する。しかしながら、第2の
薄膜層を形成する際に照射するイオンまたはラジカル
は、原料ガスの主成分元素と同じ元素のイオンまたはラ
ジカルであってもよい。
【0014】本発明の第2の局面において、原料ガスと
しては、炭素を主成分とする原料ガスのほかに、例え
ば、シリコン(ケイ素)、チタン、ジルコニウム、ホウ
素、ハフニウム、及びアルミニウムなどを主成分として
含有するガスが挙げられる。また、第2の薄膜層を形成
する際に照射するイオンまたはラジカルとしては、上述
の窒素及びシリコンのイオンまたはラジカルのほかに、
炭素、酸素、及び水素などのイオンまたはラジカルを挙
げることができる。
【0015】本発明の第2の局面に従えば、第1の薄膜
層として、基板に対する密着性の良好な薄膜を形成し、
第2の薄膜層として、例えば、窒化炭素薄膜やケイ化炭
素薄膜などのような基板に対する密着性は良好ではない
が、所望の機能性を有する薄膜を形成することができ
る。従って、このような機能性を有する第2の薄膜層を
第1の薄膜層を介して基板上に設けることができるの
で、基板との密着性が良好な機能性薄膜を形成すること
ができる。
【0016】また、本発明の第2の局面に従う薄膜形成
方法においては、第2の薄膜層を形成する際のイオンま
たはラジカルの照射エネルギー及び照射量並びに基板に
発生するバイアス電圧を成膜時間とともに変化させても
よい。このようにイオンまたはラジカルの照射エネルギ
ー等を変化させることにより、イオンまたはラジカルの
照射により第2の薄膜層内に導入される成分の膜厚方向
の分布を変化させることができる。
【0017】イオンまたはラジカルの照射エネルギー及
び基板に発生するバイアス電圧を成膜時間とともに減少
させ、イオンまたはラジカルの照射量を成膜時間ととも
に増加させることにより、イオンまたはラジカルの照射
によって導入される成分の濃度が、第2の薄膜層の表面
に近づくに連れて高くなるような濃度勾配を第2の薄膜
層に付与することができる。
【0018】上記のような濃度勾配を第2の薄膜層に付
与することにより、第2の薄膜層の表面において付与さ
れる機能をより高めることができる。例えば、窒化炭素
薄膜及びケイ化炭素薄膜の場合、第2の薄膜層表面での
摩擦係数を表面に近づくに連れて低くすることができ
る。このような濃度勾配を設けることにより、さらに密
着性が良好で、かつ十分に機能が付与された薄膜を得る
ことができる。
【0019】第2の局面においては、上述のように、基
板に高周波電力を印加することにより、基板に負のバイ
アス電圧が発生する。このような負のバイアス電圧が発
生すると、一般に正のイオンが基板に引きつけられ、優
先的に薄膜内に導入される。従って、第2の局面におい
て、第2の薄膜層形成の際に正のイオンを基板に照射す
ると、該イオンの薄膜内への取り込みが優先される。
【0020】また、第2の局面においては、第1の薄膜
層を形成させる際にも、基板に高周波電力を印加して基
板にバイアス電圧を発生させ、この状態で第1の薄膜層
を形成してもよい。
【0021】本発明の第3の局面に従う薄膜形成方法
は、プラズマを利用したCVD法により基板上に薄膜を
形成する方法であり、原料ガスをプラズマ中で分解する
ことにより基板上に第1の薄膜層を形成する工程と、該
原料ガスと、該原料ガスの主成分元素と異なる元素を含
む第2の原料ガスとをプラズマ中で分解することによ
り、第1の薄膜層の上に第2の薄膜層を形成する工程と
を備えている。
【0022】第3の局面においては、原料ガスと、第2
の原料ガスとをプラズマ中で分解することにより、第1
の薄膜層の薄膜成分と異なる元素を含有した第2の薄膜
層を形成することができる。従って、例えば、第1の薄
膜層として炭素系薄膜を形成し、第2の薄膜層として窒
化炭素薄膜やケイ化炭素薄膜などのように炭素と異なる
元素を含有した薄膜を形成することができる。この場
合、第2の原料ガスとして、窒素もしくはシリコンを含
む原料ガスを用いる。
【0023】第3の局面においては、第2の原料ガスの
量を成膜時間とともに変化させてもよい。このように第
2の原料ガスの量を成膜時間とともに変化させることに
より、膜厚方向に第2の原料ガス中の元素の濃度分布を
変化させることができる。例えば、第2の原料ガスを成
膜時間とともに増加させることにより、第2の薄膜層の
表面に近づくに連れて第2の原料ガス中の元素の濃度が
高くなる濃度勾配を第2の薄膜層に付与することができ
る。
【0024】本発明の薄膜は、上記本発明の第1の局
面、第2の局面、及び第3の局面に従う薄膜形成方法に
より製造することができる薄膜である。すなわち、本発
明の薄膜は、硬質炭素薄膜からなる第1の薄膜層と、第
1の薄膜層の薄膜成分に窒素またはシリコンを含有させ
た、第1の薄膜層の上に形成される第2の薄膜層とを備
えることを特徴とする薄膜である。
【0025】上記本発明の第1の局面、第2の局面、及
び第3の局面において、第1の薄膜層として、硬質炭素
薄膜を形成し、第2の薄膜層として、窒素またはシリコ
ンを含有させた炭素系薄膜を形成することにより、本発
明の薄膜を形成することができる。
【0026】本発明の薄膜を形成する際には、原料ガス
として、メタンガスなどのような炭素を含む原料ガスを
用いる。また、第1の局面及び第2の局面においては、
基板に照射するイオンまたはラジカルとして、窒素もし
くはシリコンのイオンまたはラジカルを照射する。ま
た、第3の局面においては、窒素もしくはシリコンを含
む第2の原料ガスを用いる。
【0027】本発明において、第1の薄膜層となる硬質
炭素薄膜は、結晶性のダイヤモンド薄膜であってもよい
し、非晶質のダイヤモンド状炭素薄膜であってもよい。
また、結晶構造を部分的に含むダイヤモンド状炭素薄膜
であってもよい。
【0028】本発明の薄膜において、第1の薄膜層及び
第2の薄膜層の膜厚は特に限定されるものではないが、
例えば、第1の薄膜層の膜厚としては、20Å〜300
0Åの膜厚、第2の薄膜層としては、30Å〜4μm
(40000Å)の膜厚を一般的な膜厚として挙げるこ
とができる。
【0029】また、第2の薄膜層における窒素またはシ
リコンの含有量は、5〜40原子%程度が好ましい。ま
た、第2の薄膜層における窒素またはシリコンの濃度
は、膜厚方向に変化していてもよい。また、好ましい実
施形態においては、第2の薄膜層の表面に向かって膜厚
方向に窒素またはシリコンの濃度が高くなるような濃度
勾配を有している。
【0030】また、本発明の第1の局面〜第3の局面に
従う形成方法により形成される薄膜、及び本発明に従う
薄膜においては、基板と第1の薄膜層の間に中間層を有
していてもよい。このような中間層としては、例えば、
Si、Ti、Zr、W、Mo、Ru、Ge等の単体及び
これらの酸化物、窒化物、炭化物等が挙げられる。この
ような中間層は、一般的な薄膜形成方法により形成する
ことができ、例えば、マグネトロンRFスパッタリング
法により形成することができる。このようなスパッタリ
ング法では、上記単体をターゲットとして用い、例えば
アルゴンプラズマ中のイオンでスパッタリングし、膜形
成を行うことができる。このようなスパッタリングと同
時にチャンバー内に酸素または窒素ガスを導入すること
により、それらの単体の酸化物及び窒化物を中間層とし
て形成することができる。また、炭化物は、スパッタリ
ングと同時にチャンバー内に炭素を含むガス、例えばC
4 を導入することにより形成することができる。
【0031】上記中間層の膜厚としては、例えば20Å
〜3000Å程度の膜厚を挙げることができる。
【0032】
【発明の実施の形態】第1の局面に従うECRプラズマCVD装置 図1は、本発明の第1の局面に従うECRプラズマCV
D装置を示す概略断面図である。図1を参照して、真空
チャンバー8には、プラズマ発生室4が設けられてい
る。プラズマ発生室4には、導波管2の一端が取り付け
られており、導波管2の他端には、マイクロ波供給手段
1が設けられている。マイクロ波供給手段1で発生した
マイクロ波は、導波管2及びマイクロ波導入窓3を通っ
て、プラズマ発生室4に導かれる。プラズマ発生室4に
は、プラズマ発生室4内にアルゴン(Ar)ガスなどの
放電ガスを導入させるためのガス導入管5が設けられて
いる。また、真空チャンバー8には、メタン(CH4
などの原料ガスを導入させるためのガス導入管12が設
けられている。マイクロ波による高周波磁界と、プラズ
マ磁界発生装置6からの磁界を作用させることにより、
プラズマ発生室4内に高密度のECRプラズマが形成さ
れる。真空チャンバー8内には、基板ホルダー7が設け
られており、基板ホルダー7の上に基板9が載せられて
いる。基板9に向かってイオンビームを照射できる位置
に、イオンガン10が設けられている。このイオンガン
10には、イオンの原料ガスを導入するためのガス導入
管11が設けられている。
【0033】実施例1 図1に示す装置を用い、本発明の第1の局面に従い、第
1の薄膜層としてダイヤモンド状炭素薄膜を形成し、そ
の上に第2の薄膜層として窒化炭素薄膜を形成する実施
例について説明する。
【0034】まず、ECRプラズマCVD法によりダイ
ヤモンド状炭素薄膜を形成する。真空チャンバー8内
を、10-5〜10-7Torrに排気し、次に、プラズマ
発生室4内にArガスを2.5×10-4Torrとなる
ように供給して、プラズマ発生室4内にArプラズマを
発生させる。真空チャンバー8には、原料ガスとしての
CH4 ガスを3.0×10-4Torrとなるように供給
し、これをArプラズマによって分解し、基板9上にダ
イヤモンド状炭素薄膜を形成した。基板9としては、S
i製の基板を用いた。成膜速度は800Å/分であり、
膜厚は1200Åであった。
【0035】次に、イオンガン10に、ガス導入管11
から窒素ガスを2×10-4Torrとなるように導入
し、上記ECRプラズマCVD法によるダイヤモンド状
炭素薄膜の形成と同時に、基板9上に窒素イオンを照射
する。なお、この窒素イオン照射の際のイオンエネルギ
ーと、イオン電流密度を、図2に示すように、成膜時間
とともに変化させた。すなわち、イオンエネルギーは、
第2の薄膜層の成膜時間の経過とともに2keVから0
keVに低下するように変化させ、イオン電流密度は、
第2の薄膜層の成膜時間の経過とともに、0から0.5
mA/cm2 に増加するように変化させた。このように
して第2の薄膜層の形成を0.5分間行い、第2の薄膜
層を400Åの膜厚に形成し、第1の薄膜層との合計で
1600Åの薄膜を形成した。
【0036】図3は、以上のようにして得られた薄膜を
示す断面図である。図3に示すように、基板9の上に、
ダイヤモンド状炭素薄膜からなる第1の薄膜層21が形
成されており、第1の薄膜層21の上に、窒化炭素(C
N)薄膜からなる第2の薄膜層22が形成されている。
【0037】図4は、第2の薄膜層22を、2次イオン
質量分析(SIMS)により評価した結果を示す図であ
る。図4に示すように、第2の薄膜層において、内部か
ら表面に向かって窒素の含有量が徐々に増加しており、
窒素の濃度勾配を有していることがわかる。
【0038】次に、得られたサンプルについて、密着性
を評価するため、ビッカース圧子による押し込み試験
(荷重:2kg)を行った。試験個数を50個とし、基
板から薄膜が剥離した剥離個数を数えて評価した。比較
例1−1として、ガス導入管12からCH4 ガスと同時
にN2 ガスを4×10-4Torr導入し、ECRプラズ
マCVD法のみで、膜厚1600Åの窒化炭素薄膜を基
板上に形成し、これについてもビッカース圧子押し込み
試験を行い、その密着性を評価した。
【0039】この結果、実施例1では、剥離個数が0個
であったのに対し、比較例1−1においては剥離個数が
40個であった。従って、本発明に従い、第1の薄膜層
であるダイヤモンド状炭素薄膜の上に、第2の薄膜層で
ある窒化炭素薄膜を形成することにより、基板に対する
密着性が良好になることがわかる。
【0040】次に、実施例1の薄膜について硬度の測定
を行った。また上記比較例1−1の薄膜についても硬度
の測定を行うとともに、比較例1−2として、上記第1
の薄膜層の形成方法のみで、すなわちダイヤモンド状炭
素薄膜のみの薄膜を膜厚1600Åとなるように形成
し、これについても同様に硬度を測定した。
【0041】この結果、比較例1−1の薄膜、すなわち
非晶質の窒化炭素薄膜の硬度は2500Hv程度であっ
たのに対し、実施例1の薄膜の硬度は、3400Hvで
あった。また、比較例1−2の硬度も同様に3500H
vであった。これらの結果から、本発明に従い、第1の
薄膜層としてダイヤモンド状炭素薄膜を形成し、この上
に第2の薄膜層として窒化炭素薄膜を形成することによ
り、全体としてはダイヤモンド状炭素薄膜とほぼ同等の
硬度を有する薄膜を形成できることがわかる。
【0042】次に、実施例1及び比較例1−2の薄膜に
ついて、摩擦係数を測定した。表面がダイヤモンド状炭
素薄膜である比較例1−2の薄膜の摩擦係数は、0.1
8であったのに対し、実施例1の摩擦係数は0.13で
あり、かなり低くなることがわかった。
【0043】第2の局面に従うECRプラズマCVD装
図5は、本発明の第2の局面に従うECRプラズマCV
D装置を示す概略断面図である。本装置においては、基
板ホルダー7に高周波電力を印加するための高周波電源
13が接続されている。高周波電源13を基板ホルダー
7に接続する以外は、図1に示す装置と同様であるの
で、その説明を照射する。
【0044】実施例2 図5に示すECRプラズマCVD装置を用いて、第1の
薄膜層としてダイヤモンド状炭素薄膜を形成し、その上
に第2の薄膜層として窒化炭素薄膜を形成する実施例に
ついて説明する。
【0045】まず、真空チャンバー8内を10-5〜10
-7Torrに排気する。次に、プラズマ発生室4内にA
rガスを2.5×10-4Torrとなるように供給し、
プラズマ発生室4内にArプラズマを発生させる。真空
チャンバー8内には、原料ガスとしてのCH4 ガスを
3.0×10-4Torrとなるように供給し、これをA
rプラズマで分解することにより、基板9の上に、ダイ
ヤモンド状炭素薄膜を形成した。第1の薄膜層を形成す
る1.5分間の間は、基板バイアス電圧が−50Vとな
るように、高周波電源13から、13.56MHzの高
周波電力を印加した。成膜速度は800Å/分であり、
第1の薄膜層の膜厚は1200Åであった。
【0046】次に、イオンガン10に、ガス導入管11
から、窒素ガスを2.5×10-4Torrとなるように
導入し、上記ダイヤモンド状炭素薄膜の形成と同時に、
基板9上に窒素イオンを照射する。第2の薄膜層の形成
を0.5分間行い、膜厚400Åの第2の薄膜層として
の窒化炭素薄膜を形成し、第1の薄膜層と合わせて合計
1600Åの薄膜を形成した。なお、図6に示すよう
に、第2の薄膜層の形成の間、イオンエネルギーを1k
eVから0keVに低下させ、イオン電流密度を0から
0.5mA/cm2 まで増加させた。また、これととも
に、図7に示すように、基板に発生する基板バイアス電
圧を、−1kVから0kVに低下させた。これによっ
て、実施例1と同様に表面に向かって窒素濃度が高くな
る濃度勾配を有する第2の薄膜層を形成した。
【0047】次に、得られたサンプルについて、密着性
を評価するため、ビッカース圧子による押し込み試験
(荷重:2kg)を行った。試験個数を50個とし、基
板から薄膜が剥離した剥離個数を数えて評価した。比較
例2−1として、ガス導入管12からCH4 ガスと同時
にN2 ガスを4×10-4Torr導入し、ECRプラズ
マCVD法のみで、膜厚1600Åの窒化炭素薄膜を基
板上に形成し、これについてもビッカース圧子押し込み
試験を行い、その密着性を評価した。
【0048】この結果、実施例2では、剥離個数が0個
であったのに対し、比較例2−1においては剥離個数が
40個であった。従って、本発明に従い、第1の薄膜層
であるダイヤモンド状炭素薄膜の上に、第2の薄膜層で
ある窒化炭素薄膜を形成することにより、基板に対する
密着性が良好になることがわかる。
【0049】次に、実施例2の薄膜について硬度の測定
を行った。また上記比較例2−1の薄膜についても硬度
の測定を行うとともに、比較例2−2として、上記第1
の薄膜層の形成方法のみで、すなわちダイヤモンド状炭
素薄膜のみの薄膜を膜厚1600Åとなるように形成
し、これについても同様に硬度を測定した。
【0050】この結果、比較例2−1の薄膜、すなわち
非晶質の窒化炭素薄膜の硬度は2500Hv程度であっ
たのに対し、実施例2の薄膜の硬度は、3400Hvで
あった。また、比較例2−2の硬度は、3500Hvで
あった。これらの結果から、本発明に従い、第1の薄膜
層としてダイヤモンド状炭素薄膜を形成し、この上に第
2の薄膜層として窒化炭素薄膜を形成することにより、
ほぼ同等の硬度を有する薄膜を形成できることがわか
る。
【0051】次に、実施例2及び比較例2−2の薄膜に
ついて、摩擦係数を測定した。表面がダイヤモンド状炭
素薄膜である比較例2−2の薄膜の摩擦係数は、0.1
8であったのに対し、実施例2の摩擦係数は0.13で
あり、かなり低くなることがわかった。
【0052】実施例3 図5に示すECRプラズマCVD装置を用い、本発明の
第3の局面に従い、第1の薄膜層としてダイヤモンド状
炭素薄膜を形成し、その上に第2の薄膜層として窒化炭
素薄膜を形成する実施例について説明する。なお、本実
施例では、図5の装置におけるイオンガン10を使用し
ない。
【0053】まず、真空チャンバー8内を10-5〜10
-7Torrに排気する。次に、プラズマ発生室4内にA
rガスを2.5×10-4Torrとなるように供給し、
プラズマ発生室4内にArのプラズマを発生させる。真
空チャンバー8内には、原料ガスとしてのCH4 ガスを
3.0×10-4Torrとなるように供給し、これをA
rプラズマにより分解することにより、基板9の上にダ
イヤモンド状炭素薄膜を形成する。第1の薄膜層を形成
する1.5分間の間、基板バイアス電圧が−50Vとな
るように、高周波電源13から高周波電力を基板ホルダ
ー7に印加した。以上のようして、第1の薄膜層を成膜
速度800Å/分で形成し、膜厚1200Åの第1の薄
膜層を形成した。
【0054】次に、ガス導入管12から、原料ガスであ
るCH4 ガスと共に、第2の原料ガスとしてのN2 ガス
を導入し、CH4 ガスとN2 ガスの混合ガスを用いて、
ECRプラズマCVD法により、上記第1の薄膜層の上
に、第2の薄膜層として窒化炭素薄膜を形成した。第2
の薄膜層を0.5分間形成することにより、400Åの
窒化炭素薄膜を形成し、第1の薄膜層と合計して160
0Åの薄膜とした。なお、第2の薄膜層形成の間、図8
に示すように、第2の原料ガスとしての窒素ガスの量
を、0から4×10-4Torrとなるように徐々に増加
させた。
【0055】以上の結果、実施例1及び実施例2と同様
に、表面に向かって窒素濃度が高くなる濃度勾配を有す
る第2の薄膜層を形成した。次に、得られたサンプルに
ついて、密着性を評価するため、ビッカース圧子による
押し込み試験(荷重:2kg)を行った。試験個数を5
0個とし、基板から薄膜が剥離した剥離個数を数えて評
価した。比較例3−1として、ガス導入管12からCH
4 ガスと同時にN2 ガスを4×10-4Torr導入し、
ECRプラズマCVD法のみで、膜厚1600Åの窒化
炭素薄膜を基板上に形成し、これについてもビッカース
圧子押し込み試験を行い、その密着性を評価した。
【0056】この結果、実施例3では、剥離個数が0個
であったのに対し、比較例3−1においては剥離個数が
40個であった。従って、本発明に従い、第1の薄膜層
であるダイヤモンド状炭素薄膜の上に、第2の薄膜層で
ある窒化炭素薄膜を形成することにより、基板に対する
密着性が良好になることがわかる。
【0057】次に、実施例3の薄膜について硬度の測定
を行った。また上記比較例3−1の薄膜についても硬度
の測定を行うとともに、比較例3−2として、上記第1
の薄膜層の形成方法のみで、すなわちダイヤモンド状炭
素薄膜のみの薄膜を膜厚1600Åとなるように形成
し、これについても同様に硬度を測定した。
【0058】この結果、比較例3−1の薄膜、すなわち
非晶質の窒化炭素薄膜の硬度は2000Hv程度であっ
たのに対し、実施例3の薄膜の硬度は、3200Hvで
あった。また、比較例3−2の硬度は、3500Hvで
あった。これらの結果から、本発明に従い、第1の薄膜
層としてダイヤモンド状炭素薄膜を形成し、この上に第
2の薄膜層として窒化炭素薄膜を形成することにより、
全体としてはダイヤモンド状炭素薄膜に近い硬度を有す
る薄膜を形成できることがわかる。
【0059】次に、実施例3及び比較例3−2の薄膜に
ついて、摩擦係数を測定した。表面がダイヤモンド状炭
素薄膜である比較例3−2の薄膜の摩擦係数は、0.1
8であったのに対し、実施例3の摩擦係数は0.14で
あり、かなり低くなることがわかった。
【0060】実施例4 図1に示す装置を用いて、本発明の第1の局面に従い、
第1の薄膜層としてダイヤモンド状薄膜を形成し、その
上に第2の薄膜層としてケイ化炭素薄膜を形成する実施
例について説明する。
【0061】まず、実施例1と同様にして、第1の薄膜
層として、膜厚1200Åのダイヤモンド状炭素薄膜を
形成した。次に、シランガスをガス導入管11から2×
10-4Torrとなるように導入し、第2の薄膜層とし
て、ケイ化炭素薄膜を形成した。なお、図9に示すよう
に、イオンエネルギーを成膜時間とともに減少させ、電
流密度を成膜時間とともに増加させた。第2の薄膜層を
0.5分間形成することにより、400Åのケイ化炭素
薄膜を形成し、第1の薄膜層と合計して1600Åとし
た。
【0062】得られた薄膜における第2の薄膜層を、上
記実施例1と同様にして、SIMSで分析したところ、
図10に示すように、薄膜内部から表面に向かうに連れ
てSiの濃度が高くなる濃度勾配を有していることが確
認された。
【0063】次に、得られたサンプルについて、密着性
を評価するため、ビッカース圧子による押し込み試験
(荷重:2kg)を行った。試験個数を50個とし、基
板から薄膜が剥離した剥離個数を数えて評価した。比較
例4−1として、ガス導入管からCH4 ガスと同時にシ
ランガスを1.0×10-4Torr導入し、ECRプラ
ズマCVD法のみで、膜厚1600Åのケイ化炭素薄膜
を基板上に形成し、これについてもビッカース圧子押し
込み試験を行い、その密着性を評価した。
【0064】この結果、実施例4では、剥離個数が0個
であったのに対し、比較例4−1においては剥離個数が
40個であった。従って、本発明に従い、第1の薄膜層
であるダイヤモンド状炭素薄膜の上に、第2の薄膜層で
あるケイ化炭素薄膜を形成することにより、基板に対す
る密着性が良好になることがわかる。
【0065】次に、実施例4の薄膜について硬度の測定
を行った。また上記比較例4−1の薄膜についても硬度
の測定を行うとともに、比較例4−2として、上記第1
の薄膜層の形成方法のみで、すなわちダイヤモンド状炭
素薄膜のみの薄膜を膜厚1600Åとなるように形成
し、これについても同様に硬度を測定した。
【0066】この結果、比較例4−1の薄膜、すなわち
非晶質のケイ化炭素薄膜の硬度は2400Hv程度であ
ったのに対し、実施例4の薄膜の硬度は、3400Hv
であった。また、比較例4−2の硬度は、3500Hv
であった。これらの結果から、本発明に従い、第1の薄
膜層としてダイヤモンド状炭素薄膜を形成し、この上に
第2の薄膜層としてケイ化炭素薄膜を形成することによ
り、ほぼ同等の硬度を有する薄膜を形成できることがわ
かる。
【0067】次に、実施例4及び比較例4−2の薄膜に
ついて、摩擦係数を測定した。表面がダイヤモンド状炭
素薄膜である比較例4−2の薄膜の摩擦係数は、0.1
8であったのに対し、実施例4の摩擦係数は0.10で
あり、かなり低くなることがわかった。
【0068】以上のように、第1の薄膜層としてダイヤ
モンド状炭素被膜を形成し、この上に第2の薄膜層とし
て窒化炭素薄膜またはケイ化炭素薄膜を形成することに
より、基板に対する密着性に優れ、かつ薄膜の硬度が高
く、摩擦係数の小さな機能性を有する薄膜を形成するこ
とができる。
【0069】上記実施例では、原料ガスとしてCH4
スを用い、ダイヤモンド状炭素被膜を第1の薄膜層とし
て形成し、第2の薄膜層形成の際に、窒素イオン及びシ
リコンイオンを照射して窒化炭素またはケイ化炭素を形
成する実施例を示したが、第2の薄膜層形成の際に炭素
イオンを照射した場合にも、同様の効果が認められた。
すなわち、第2の薄膜層として、第1の薄膜層よりも硬
度の高いダイヤモンド状炭素薄膜を形成することができ
た。
【0070】また、第2の薄膜層形成の際に、窒素と酸
素の混合イオンを照射することにより、第2の薄膜層と
して酸素を含む窒化炭素膜を形成した場合も、同様に硬
度が高く、かつ摩擦係数の低い薄膜を形成することがで
きた。
【0071】また、上記実施例では、第2の薄膜層形成
の際にイオンを照射する実施例について説明したが、イ
オンに代えてラジカルを照射しても、同様の効果を得る
ことができる。なお、ラジカルの照射は、例えばラジカ
ルガンを用いて行うことができる。
【0072】本発明の薄膜形成方法により形成される薄
膜及び本発明の薄膜は、電気シェーバーにおける内刃及
び外刃などの摺動部品、回転圧縮機などのコンプレッサ
ー及びVTRなどにおける摺動部品の保護膜として用い
ることができるものであり、さらには太陽電池の構成層
としての保護膜、薄膜磁気ヘッドの摺動部分の保護膜、
SAWデバイス伝搬膜、あるいはセンサー用薄膜などと
しても適用することができるものである。
【0073】
【発明の効果】本発明に従えば、所望の機能を有し、か
つ基板との密着性が良好な薄膜をプラズマCVD法によ
り形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の局面に従うECRプラズマCV
D装置の一例を示す概略断面図。
【図2】本発明の第1の局面に従う実施例における第2
の薄膜層形成の際のイオンエネルギー及びイオン電流密
度の成膜時間に伴う変化を示す図。
【図3】本発明に従う薄膜の一実施例を示す断面図。
【図4】本発明に従う薄膜の一実施例における第2の薄
膜層の膜厚方向の窒素の濃度分布を示す図。
【図5】本発明の第2の局面に従うECRプラズマCV
D装置の一例を示す概略断面図。
【図6】本発明の第2の局面に従う実施例における第2
の薄膜層形成の際のイオンエネルギー及びイオン電流密
度の成膜時間に伴う変化を示す図。
【図7】本発明の第2の局面に従う実施例における第2
の薄膜層形成の際の基板バイアス電圧の成膜時間に伴う
変化を示す図。
【図8】本発明の第3の局面に従う実施例における第2
の薄膜層形成の際の窒素量の成膜時間に伴う変化を示す
図。
【図9】本発明の第1の局面に従う他の実施例における
第2の薄膜層形成の際のイオンエネルギー及びイオン電
流密度の成膜時間に伴う変化を示す図。
【図10】本発明に従う薄膜の他の実施例における第2
の薄膜層中のSiの膜厚方向の濃度分布を示す図。
【符号の説明】
1…マイクロ波供給手段 2…導波管 3…導入窓 4…プラズマ発生室 5…ガス導入管 6…プラズマ磁界発生装置 7…基板ホルダー 8…真空チャンバー 9…基板 10…イオンガン 11…イオンガンのガス導入管 12…ガス導入管 13…高周波電源 21…第1の薄膜層 22…第2の薄膜層

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラズマを利用したCVD法により基板
    上に薄膜を形成する方法であって、 原料ガスをプラズマ中で分解することにより前記基板上
    に第1の薄膜層を形成する工程と、 前記原料ガスをプラズマ中で分解するとともに、イオン
    またはラジカルを前記基板に照射して、前記第1の薄膜
    層の上に第2の薄膜層を形成する工程とを備えるCVD
    法による薄膜形成方法。
  2. 【請求項2】 前記イオンまたはラジカルが、前記原料
    ガスの主成分元素と異なる元素のイオンまたはラジカル
    であることを特徴とする請求項1に記載のCVD法によ
    る薄膜形成方法。
  3. 【請求項3】 前記イオンまたはラジカルの照射エネル
    ギー及び照射量を成膜時間とともに変化させることを特
    徴とする請求項1または2に記載のCVD法による薄膜
    形成方法。
  4. 【請求項4】 前記イオンまたはラジカルの照射エネル
    ギーを成膜時間とともに減少させ、前記イオンまたはラ
    ジカルの照射量を成膜時間とともに増加させることを特
    徴とする請求項3に記載のCVD法による薄膜形成方
    法。
  5. 【請求項5】 プラズマを利用したCVD法により基板
    上に薄膜を形成する方法であって、 原料ガスをプラズマ中で分解することにより前記基板上
    に第1の薄膜層を形成する工程と、 前記基板に高周波電力を印加して前記基板にバイアス電
    圧を発生させながら、前記原料ガスをプラズマ中で分解
    するとともに、イオンまたはラジカルを前記基板に照射
    して、前記第1の薄膜層の上に第2の薄膜層を形成する
    工程とを備えるCVD法による薄膜形成方法。
  6. 【請求項6】 前記イオンまたはラジカルが、前記原料
    ガスの主成分元素と異なる元素のイオンまたはラジカル
    であることを特徴とする請求項5に記載のCVD法によ
    る薄膜形成方法。
  7. 【請求項7】 前記イオンまたはラジカルの照射エネル
    ギー及び照射量並びに前記基板に発生するバイアス電圧
    を成膜時間とともに変化させることを特徴とする請求項
    5または6に記載のCVD法による薄膜形成方法。
  8. 【請求項8】 前記イオンまたはラジカルの照射エネル
    ギー及び前記基板に発生するバイアス電圧を成膜時間と
    ともに減少させ、前記イオンまたはラジカルの照射量を
    成膜時間とともに増加させることを特徴とする請求項7
    に記載のCVD法による薄膜形成方法。
  9. 【請求項9】 前記イオンまたはラジカルが、窒素もし
    くはシリコンのイオンまたはラジカルであることを特徴
    とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のCVD法に
    よる薄膜形成方法。
  10. 【請求項10】 プラズマを利用したCVD法により基
    板上に薄膜を形成する方法であって、 原料ガスをプラズマ中で分解することにより前記基板上
    に第1の薄膜層を形成する工程と、 前記原料ガスと、前記原料ガスの主成分元素と異なる元
    素を含む第2の原料ガスとをプラズマ中で分解すること
    により、前記第1の薄膜層の上に第2の薄膜層を形成す
    る工程とを備えるCVD法による薄膜形成方法。
  11. 【請求項11】 前記第2の原料ガスの量を成膜時間と
    ともに変化させることを特徴とする請求項10に記載の
    CVD法による薄膜形成方法。
  12. 【請求項12】 前記第2の原料ガスの量を成膜時間と
    ともに増加させることを特徴とする請求項11に記載の
    CVD法による薄膜形成方法。
  13. 【請求項13】 前記第2の原料ガスが、窒素もしくは
    シリコンを含むことを特徴とする請求項10〜12のい
    ずれか1項に記載のCVD法による薄膜形成方法。
  14. 【請求項14】 前記原料ガスが炭素を主成分として含
    む原料ガスであり、前記第1の薄膜層が炭素系薄膜であ
    る請求項1〜13のいずれか1項に記載のCVD法によ
    る薄膜形成方法。
  15. 【請求項15】 硬質炭素薄膜からなる第1の薄膜層
    と、 前記第1の薄膜層の薄膜成分に窒素またはシリコンを含
    有させた、前記第1の薄膜層の上に形成される第2の薄
    膜層とを備える薄膜。
  16. 【請求項16】 前記第2の薄膜層は、前記第2の薄膜
    層の表面に向かって膜厚方向に前記窒素または前記シリ
    コンの濃度が高くなるような濃度勾配を有することを特
    徴とする請求項15に記載の薄膜。
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